【奈落家】幻と香 ~駅ビルの書店に行く白夜と男友達香介~   作:涼木風太

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■まえがき

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ 奈落家のいつもの設定確認

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。
(今回はもろ現代の駅ビルです)

・奈落家の服装は、原作通り。

・奈落さんと分身たち皆生存していて
人見蔭刀に仕えて
皆一緒に人見城に住んでいる設定です。

・季節は特に記載が無ければ、
投稿された日と同じです。
(季節感は最小限ですが、
駅がもわっとしてる、
白夜がスポドリで水分補給してるので
春→夏あたりです。)

ストーリーのジャンル:ほのぼの友情

(pixivにも同時に投稿)

では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。

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第1話

夢幻の白夜が、

人見城外での仕事が一段落して、

少しもわっとした駅の改札の

広告の貼り付けられた大きな柱の脇で、

コンビニで買った

スポーツドリンクで水分補給していると

偶然にもギターケースを背負った

パンクな格好の男友達香介が

「よぉ!」と声を掛けて来た。

長めの金髪にピンクのメッシュが入っている。

 

バンドの練習のスタジオが近いのだと言う香介。

「今、昼間の練習終わったとこ。

せっかくだからどっか寄る?」

あいかわらずの女の子にモテそうな

ハスキーボイスの良い声だ。

練習の成果も出ているか…?

 

「でもメシは親父が作ってるからダメだぜ?」

普段は奈落のことを「奈落」と呼ぶが、

外では親父と呼ぶ白夜。

彼は中性的な容姿だが、

そういうところはれっきとした男である。

 

「そんなんわーってるよ。ちょっと駅ビル」

本屋がリニューアルしたのだと香介。

 

聞こえないくらいやんわりとジャズのBGMが流れ、

カフェと女性向けの雑貨や衣料品などの華やかな店が並ぶ

駅ビル街を通り抜け、奥にある書店へ向かう。

コーヒーと雑貨のキラキラしたにおいが薫る。

 

「ちょっち、トイレ行きてえ」

と香介。

 

「あ、俺も」

と白夜。

 

連れションに行く二人。

だが、二人並んで小便器でする訳ではなく

香介は男子トイレ手前にある

誰でも利用できるトイレへ。

白夜は普通の男子トイレの個室に入った。

"イマドキ"な男子たちである。

 

男子トイレ内の手洗いスペースの脇では

新社会人のダークスーツの男の子が

口周りにBBクリームを塗り直していた。

 

早々に済ませ、

先に出て壁沿いにスマホを見ながら

トイレへの通路で待っている香介。

 

それから二人そろって書店へ。

新しい本の匂いが良い。

ここに来たら犬夜叉たちもそう思うのだろうか。

 

隣のカフェでは、カフェを利用しない客も

座って休めるスペースがある。

 

香介と一緒に辺りの本を見回りながら歩く。

 

白夜は自身の幻術に応用できる本が何かないか探すが、

もっと専門的な本が並ぶ書店でないとなさそうだ。

 

自然と足はマンガコーナーへ。

香介は意外とマンガを読むらしく

いろいろ薦めてくれる。

 

普段、活字本の読書はするものの、

マンガにまで手が回っていない白夜は

これを機にマンガも買って読んでみることにした。

 

「結局どれがいいんだ?」と香介に訊くと、

「男的には『ときどきロシア語でデレる隣のアーリャさん』とか

『釣って食べたいギャル澤さん』とかだけど、

『本なら売るほど』がマンガだけど文学的で良い」

と教えてくれた。

2026年マンガ大賞第1位だし。

 

他にも「氷の城壁」や「左ききのエレン」、

「ホストと社畜」も

香介におすすめされたが、

文学的なマンガなら自身に合っていると思い、

白夜は「本なら売るほど」を手に取った。

だが、男的に良い物も捨てきれず、

"ロシデレ"も手に取った。

 

会計後。

オススメを買ってくれたのがうれしい香介。

左頬に赤い蛇のタトゥの入ったイケメンな顔が

笑みをたたえ、さらに魅力的になっている。

 

「なんだよ?」

 

「べつにw」

 

香介を小突く白夜。

 

「読んだら感想教えろよ」

 

「ああ」

 

二人は駅ビルを出て、

夕焼けで黄金色に輝く美しい駅の大きな通路を歩いて行き、

駅の出口で別れた。

 

また会う約束はしなかったが、

夕陽はそれぞれの道を明るく照らしていた。

 

だがその黄昏は決して

二人を分かつ長き夜の始まりなどではなかった。

 

すぐに再び朝が来て二人は相まみえるのだろう。

 

白夜は薦められて買った本を大切に持って帰った。

 

香介は背にしたギターは重いが帰路の足取りは軽かった。

 

おわり

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。

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