時間が巻き戻ったので今度こそと死ぬつもりで助けたら、何故か生還して激重感情持たれるやつ 作:二次創作を漁る爬虫類
現時点で疑問がふたつある。
まずひとつめ、なんで生きてんの俺。
明らかに助かるような怪我じゃなかったよね? もうアレ実質死んでたよね?
しかも五体満足って何? 片目失うとか、片腕失うとか、そういうのもナシ?
もしかしたら内臓的にはヤバイとか、魔術回路ぶっ壊れてるから、そういうのはあるかもしれないけど……。
そしてふたつめ、あれからどんくらい経ったんだ?
それに関してはこれから確かめれば良いだけなんだけど……。
「……気まず」
あんな別れ方しといて、生き残っちゃったのはちょっと気まずい。いや、命があるのは嬉しいことなんだけどさ。
どんな顔して会えば良いんだろうか。というか、どんな風に思われてるんだろうか。
『えー!? あんな迫真な感じで意識失っておいて、実際のところは大したことなかったんですかー!? 恥っずかしー!』
沖田さんはこんなこと言わない。だからカスみたいなイマジナリー沖田さんを生み出すな俺。
いかんいかん。かつてのネガティブシンキングな傾向が戻りつつある。
とりあえず、ダ・ヴィンチちゃんかロマン先生に起きたことを伝えに行こう。
あとはそこから、なるようになるだろう。
「やぁ、着替えの時間だぞ蒼介くん! 起きていたら返事を──」
立ち上がろうとしたその瞬間、突然部屋に入ってきたロマン先生と、バッチリ目が合った。
手に持っていたのは俺の着替えだろうか。俺と目が合った瞬間、床にそれを落としてしまった。
「──ほ」
「え、えーっと……なんか、起きちゃいました。とりあえず、俺はどうしたら──」
「ホントに起きてるじゃないか!!!!!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!!!?」
ええいやめろくっつくな! 嬉しいのは伝わってくるけど、同性同士の抱擁なんて誰得なんだほんとに!
もしやマギ☆マリは病み上がりの人間に抱擁をするようにロマン先生に教えているのか!
おのれマギ☆マリィィィィィィィ!!!!!
「うん、バイタルの診断結果も正常だ。問題ないよ」
「ありがとうございます」
ようやくロマン先生から解放された俺は、ダ・ヴィンチちゃんに呼び出しを食らっていた。
聞くところによると、どうやら俺は2ヶ月近く眠っていたらしい。寝過ぎだろ、せめて数週間くらいかと思ってたんだけど。
「しかし……まさか、まさかだ。キミが第4特異点で死ぬつもりだってのは聞いていたから、それなりに準備は万全にしておいたけど──」
「──あれだけの死の淵を彷徨っておいて、後遺症もなく生還出来るなんて、奇跡だよ」
「それは俺も驚いてます」
なんなら死んだと思ってたし。なんでこんなことになってるんだ俺は。
「そもそも、2ヶ月寝たきりだったのに普通に歩けていること自体がおかしいんだ」
「もしかすると、キミの起源が作用しているのかもしれないね。良くも悪くもキミは、他の人間と性質を異にする」
「
「かも、しれませんね」
起源……か。もちろんプラスだけでなく、マイナスにも作用することはあるんだろうけど、今回に限って言えば、良い方向に作用したってことなんだろうな。
「──で、
「ゔっ」
若干怒気を含んだ声で尋ねられた。
「あれだけ用法・用量は守るようにと伝えたはずだ。念のためにとキミに渡したアンプルは全部で10本。まさかとは思うけど、
「ゔゔっ……!?」
ば、バレてる……! あの場でアンプル全部使ったこと、絶対バレてる……!
「ほ、ほら……さっきの話にあった俺の起源から考えると、むしろ普通の人間が耐えられないような量を使ったからこそ──」
「理由になっていないよ」
「すみませんでした」
椅子から立ち上がって土下座した。
なんというか、目がガチだった。
「……はぁ。まったく、キミはしょうがないヤツだな。ほら、そんなことしてないで椅子に座りたまえ」
「は、はい……」
恐る恐る立ち上がり、俺は椅子に座り直す。
「いいかい? キミは著しく自己評価が低いようだが、そんなようではこの先やっていけないぞ?」
「で、でも……」
「だってもでももない。キミに何かあれば、一番悲しむのは彼女達なんだぜ?」
「……そう言えば、立香達は?」
「今は微小特異点にレイシフトしているよ。あぁ、安心してほしい。ほとんど危険のない平和な特異点だ。休暇代わりというかなんというか、慰安旅行のようなものだと思ってほしい」
「……ちなみに、俺のことは?」
「まだ言っていないよ。伝えたらすぐに戻ってきてしまうだろうし、キミだって、心の準備は必要だろう?」
「……ありがとうございます」
ほんと、全部お見通しなんだな。
「あんなお別れになった手前、会うのはちょっと気まずいんですけど……それよりも俺、嬉しいんです。だってまた、立香達と一緒に戦えるってことですよね!」
生き延びていたことに関しては色々と思うことはあるが、また彼女達と一緒に戦える。それがなによりも嬉しかった。
よーし! そうと決まれば、この
「あ、あぁ……そのこと、なんだけど……」
「?」
何やら急にダ・ヴィンチちゃんの歯切れが悪くなった。
もしかしてやっぱり後遺症があるとか? 前と同じようには戦えないとか、そういう──。
「……いや、実際に会話した方が早い……かな?」
「へ?」
「いや、何でもない。今は一旦、無理しない範囲で頑張るといい。キミほどの戦力が健在なのに戦えないという状況は、勿体ないどころの話ではないからね」
「あー……確かに2ヶ月も寝たきりだったから身体も
「いや、そういうことじゃなくて……。……いや、いい。とりあえず今は気にせずリハビリに励みたまえ。ただ、
「覚悟……?」
俺の言葉に、ダ・ヴィンチちゃんはコクリと頷いた。
「彼女達がキミに向ける
カルデア内を歩きながら、さっきのダ・ヴィンチちゃんの言葉について考えてみる。
あの三人にどう思われているか……だっけ?
うーん……なんというか、『心配かけやがってこんにゃろう』みたいな感じだと嬉しいんだけど、そういうんじゃないのかな。
もしかしたら沖田さんに『寝坊助すぎますよマスター』とか言われちゃうかもしれない。うん、割と有り得る。
「おや、もう歩き回って大丈夫なのかね?」
「あ、エミヤさん」
偶然通りかかったエミヤさんと遭遇した。エミヤさん見てたらなんかお腹空いてきたな。
「事情は聞いている。キミの計画は些か……いや、かなり浅慮と言わざるを得ない」
「ゔっ……言い返す言葉もございません……」
「……だが、よく成し遂げたものだ。言ってやりたいことは両の手では収まらないが、キミの努力は確かに実を結んだのだから」
「エミヤさん……」
優しい笑みを浮かべたエミヤさんを見て、なんだか無事に帰ってこれたことをより一層実感出来た気がした。
「ありがとうございます。皆さんに鍛えてもらったおかげです」
「ふむ、そう言われると鍛えた甲斐があるというものだ。どうだ、起きたばかりで腹でも空かせているだろうし、食堂で軽食でも──」
「見つけたぜ蒼介! 目ェ覚ましたんだってなぁ!?」
離れたところから大きな声で話しかけてきたのは、クーフーリンさんだった。
近くまで駆け寄ってくると、俺の肩に手を置いて笑いかけてきた。
「いやぁ、大立ち回りだったらしいじゃねぇか! ジャイアントキリングっつーの? かぁーっ! いいねぇそういうの!」
「いやいや、そんな大層なものでは……」
「オメーは自己評価が低すぎんだよ! もっと自信持てって!」
バシバシと背中を叩いてそう言ってくれるクーフーリンさんを見て、エミヤさんが不満気に口を開く。
「気持ちは分かるが、そろそろ離れてやれランサー。病み上がりの人間の背中はそうバシバシと叩くものではない」
「あぁん? 怪我が残ってるわけでもあるめぇし、こんくらい大丈夫だろ。なぁ!?」
「ま、まあ、これくらいなら……」
「ほれ見ろ!!」
「まったく、それでは言わせているようなものではないか」
溜め息をつくエミヤさんを見て、クーフーリンさんはニヤリと口元を歪めた。
「はっはぁ〜ん? さてはオメー、コイツの鍛え方に自信がねぇんだな?」
「……何?」
ピクリと、エミヤさんの眉が反応した。あ、この流れ、もしかして──。
「オレは例え病み上がりだったとしても、こんくらい訳なく耐えられるくらい鍛えてやった自負があんだ」
「だが、テメーはどうだアーチャー? そうやって蒼介をまるで赤子を扱うように心配してよぉ」
「コイツに
「……ほう?」
表面上は冷静そうにしているエミヤさんだが、間違いなく内心はブチ切れている。
いっつもこうなんだ。この人達、犬猿の仲というかなんというか、会う度に衝突してる気がする。
でも戦いになるとやけに連携上手いんだよな。ホントはお互いのことを認めてるんだと思うんだけど……。
「貴様よりも私の鍛錬の方が質が低いと、そう言っているのか?」
「聞き返さなくても良いように言ったつもりだぜ?」
「そうか、ならば──!」
グルンと、2人の顔がこちらに向いた。……えっ?
「当人に決めてもらうとしよう」
「それが公平だな。おい、蒼介」
「「
「スゥ──────……」
なんだこれ。どっちって答えてもどちらかの顔に泥を塗ることになるんだけど……。
しかもこういうイケメン二人に迫られるやつはアレじゃん。立香にやるやつじゃん。間違っても俺にやるやつじゃないじゃん。
……しょうがない、正直に思っていることを伝えよう。
「えっと、ですね……」
「「………………」」
「エミヤさんからは、多彩な攻撃への対処法を教えてもらいました」
「……む?」
「そしてクーフーリンさんからは、必殺の一撃への対処法を教えてもらいました」
「……お?」
どっちが良かったとか、悪かったとか、そういう話じゃない。
「アイツは色んな魔術を扱っていました。エミヤさんのように数で攻めてくる弾幕のような魔術。クーフーリンさんのように、まともに受けたらただでは済まない必殺の魔術」
「どちらの魔術も、お二人のどちらかに鍛えてもらえなければ対処出来なかったことです。ですから──」
「──いや、もういい。言いたいことは伝わった」
「……だな。ここでまだ引き下がらないのは、ちっとダセェわ」
……良かった。どうにかわかってもらえたらしい。
「お二人には感謝しています。なので、今後も鍛錬に付き合ってもらえると嬉しいんですが──」
「「
「……えっ」
も、もしかして、実は内心納得してもらえなかった……のか?
「い、いや、別に蒼介を鍛えたくねぇってわけじゃないんだけどよぉ……」
「私も同感だ。だが、鍛錬などすれば……」
「「
「……?」
なんでそこで立香達が出てくるんだ……?
結局、二人は発言の意図を教えてはくれなかった。本人達と話せとの一点張りで、この件に関しては固く口を閉ざしてしまった。
でもエミヤさんに美味しいお粥作ってもらったので満足。なんでお粥をあんなに美味しく作れるんだろ。
「ん?」
少し離れたところに、何やらキョロキョロしているジャルタを発見した。
探し物でもしてるんだろうか。なんて思って、とりあえず話しかけてみる。
「ジャルタ、何してるんだ?」
「あっ……!?」
俺に気が付くと、ジャルタは俺の肩をガッと掴んできた。
「何って、アンタよアンタ! 目を覚ましたって聞いたから様子を見に行ってあげたのに、どこで何してたのよ!?」
「あー……」
な、なるほど……俺に会おうとしてくれてたのか……。
「ごめん……。ダ・ヴィンチちゃんと話したあと、食堂でエミヤさんのご飯食べてたんだ」
「食堂って……。はぁ……まったく、起きたらちゃんと報告しにきなさいよ。報連相は人としての常識でしょう?」
「そうだよな、心配かけてごめん」
「べ、別に心配などしていませんが!?」
わかりやす。目を逸らしてる辺りがほんとにわかりやすい。
「……そうだ。お見舞いも来てくれてたんだよな、ありがとう」
「なっ、何のことです? 私は別にお見舞いになんて──」
「いや、あのお菓子はジャルタ以外置いてかないでしょ。だってアレはジャルタの部屋でしか食べたことないし」
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
ジャルタは顔を赤くしてプルプル震えだすと、開き直ったような表情で口を開いた。
「ええ、心配しましたよ!! お見舞いにも行きました!! なんなら毎日顔を見に行ってましたとも!! 悪いですか!?」
「ま、毎日……?」
「……勢いに任せて変な事を言ったわ。聞かなかったことにして」
「…………無理」
「んがーーーーーーーッ!!!!!!」
納得のいかない様子で叫ぶジャルタを見て、俺は思わず笑ってしまった。
そんな俺に対し、ジャルタは怒りと恥の入り混じった表情で捲し立ててくる。
「じょ、上等だわ……。アンタがそのつもりなら、こっちにだって考えがある……!」
「ほう」
「よ、よく聞きなさい! アンタが寝てる間に、私は格段にレベルアップしたわ! し、しかもっ、アンタには2ヶ月のブランクがある! だから今日はっ、絶好のチャンスってわけよ!」
そんな状況で勝って嬉しいのか。と思わなくもないが、ジャルタが納得するならそれでも良いか。
別に負けるつもりはないけども。
「ど、どうせこの後、やることもないんでしょう!? だったらっ、私の部屋に来なさい!」
「こ、ここっ、今夜はっ、寝かせてやらないんだから!!」
病み上がりの人間に徹夜でゲームやらせるつもりってマジ……?
……いや、でもたくさん心配かけちゃったしな。今日くらい、ジャルタの要求に応えよう。
「わかった、他の人にも挨拶を済ませたらジャルタの部屋に行くよ」
「ふふ……い、言いましたね!? なら、覚悟しておくことですね! きょ、今日こそ、わからせて──!」
「マスター!!!!!!!!!」
「ぐぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!!?」
背後から突然すんごい勢いで抱きつかれた。
「マスター! マスター、マスター!」
「お、沖田さん……? 微小特異点に居たはずじゃ……?」
「マスターが目を覚ましたと聞いて、即帰還しました!」
「えぇ……」
バレとるやんけ。通信が繋がってるときに誰かが言っちゃったんだろうな。
「もうっ、酷いじゃないですかマスター! 目を覚ましたなら、まずは沖田さんにお知らせすべきでしょうに!」
「ご、ごめん……」
「んふふ、今日の沖田さんは最高にハッピーなので許してあげます!」
そう言って、沖田さんは抱きしめる力を強める。
「伝えたいこと、話したいこと、たっくさんあるんです」
「うん」
「もう、絶対に離しません。片時だって、離れません」
「……うん?」
「ずっと、ずっと一緒ですよ。私の、私だけの、マスター」
なんか、前にも似たようなやりとりをしたような気がする。確かあのときは──。
「……いや、それは流石に重いかな」
「今回は逃がしませんよ」
さらに抱きしめる力が強まった。あれっ? 前となんか違くない……?
「……ひ、人の前でイチャイチャするの、やめてもらえます……?」
口元をヒクつかせたジャルタにそんなことを言われてしまった。
いや、違くて。なんか沖田さんがいつもと違うというか……。
「……あぁ、どなたかと思えば──」
「──普段通りマスターを部屋に誘ったように見せかけて、その実おいしくいただいてしまおうと考えているジャンヌ・オルタさんではないですか」
「そっ、そそそそそっ、そんなわけないでしょう!?」
そんなことあるやつじゃんそれ。いつも下手くそな誤魔化し方するときのやつじゃんそれ。
「ほれ見たことですか。マスター、今の反応でわかりましたよね?」
「え……いや、まぁ……その……」
「ち、違っ……! そうじゃ、なくって……!!」
顔を真っ赤にしてわなわなと震えるジャルタだったが、キッとした表情になって口を開いた。
「かっ、仮にそうだったとして、貴女に関係があるんですか!? いくら彼と契約しているサーヴァントとはいえ、男女の関係にまで介入するのはどうなんです!?」
開き直って凄いこと言い出した。もう隠すつもりないじゃん。
「『関係があるか』……ですか?」
「
沖田さんは俺の背中から離れると、立ち塞がるかのように俺の前に立った。
「マスターは私のものです。例え立香さんやマシュさんが相手でも、
「ッ……! 言い切った、わね……」
「というわけで、お引き取りください。マスターはこれから2ヶ月間頑張った私を褒める責務があるので」
「知らないんだけどその責務」
「今作りました!!」
ペカーッとした笑顔でそう言った沖田さんだったが、ジャルタの方を見るとすぐに冷たく突き刺すような表情に戻った。温度差で風邪引きそう。
「……ソイツが、最後に部屋に来たときのことよ」
「……何の話です?」
沖田さんの言葉を気にせず、ジャルタは話を続ける。
「帰り際、いつも『またな』って言うのに、そのときに限ってソイツは、別の言葉を使ったわ」
あっ……。
「そのときは気にしてなかったけど……後で話を聞いて、理解したわ」
「きっと、あのときには死ぬつもりだったのよ。
「……マスター?」
「や、そこまで重く考えてたわけじゃ……」
ジロリと沖田さんに視線を向けられ、慌てて弁明する。
確かに『またな』とは言えない気持ちではあったけど、死のうと思ってたわけじゃない……はず。
「気づいたときには遅かったわ」
「奇跡的に一命は取り留めたみたいだけど、ずっと眠りっぱなしで、全然目を覚まさなくて」
「もし、私があのとき気付けてたら、もう少し話を聞いていたら……。何か変わっていたのかもしれないって、思わずにはいられなかったわ」
「ふふ……私ね、思ってた以上にアンタとの時間が好きだったのよ。失ってから気がつくなんて、我ながらバカな話よね」
「だからもう失わないように、また同じ後悔をしないように──」
「──もし目を覚ましたら、
「……へぇ?」
戦闘姿勢を取るジャルタに対し、沖田さんも構えを取る。
あ、あの、ここシミュレータールームとかじゃなくて、ただの通り道なんだけど……?
「そりゃ、二人に比べれば過ごした時間なんて短いもんだけど、それでも、私にとってはかけがえのない時間よ」
「私だって、誰にも譲るつもりはないわ」
「……認めましょう、貴女の想いの強さはホンモノです。ですが、私も負けるつもりはありません」
「「
そこは冷静なんだ。
『これで終わりじゃありませんよね!?』
『まさか! まだまだギア上げてくに決まってんでしょ!?』
シミュレータールーム内部の映像を見ながら、俺は呆然と立ち尽くしていた。
と、突然のことすぎて脳内の整理が追いついてないんだけど、これってどうしたら良いんだ……?
エミヤさんとクーフーリンさんのときとは訳が違う。何かしらの結論を出さなければ、二人は納得しないだろう。
れ、恋愛的な意味で好かれてると思って良いんだよな……? で、でも、人類滅亡案件について考えるので精一杯で、そんなこと考えたこともなかったのに……!
か、考えろ! 何か、この場を穏便に済ませる方法を──!
「──蒼くんっ!」
「──蒼介さん!」
「へ?」
パタパタとこちらに走ってきたのは、立香とマシュだった。横にフォウ君も着いてきてる。
「ほ、ホントに起きてる……! よ、良かっ……良かったぁ……!」
「全然お目覚めにならなくて、ずっともうこのままなのではないかと、心配で……!」
「……ごめん」
また二人を泣かせてしまった。……ダメだな、なんだか泣かせてばっかりだ。
「シンドケフォーウ!!」
「フォウ君???」
「
「ほんとに?」
でも今死んどけって言わなかった? 気の所為?
テチテチとどこかに去ったフォウ君を見送りつつ、泣いている二人を宥めていると、ややあって落ち着いた立香が、シミュレータールームの映像に目を向けた。
「ところでコレ……何してるの?」
「えっと、なんていうか……特訓?」
「……何か、アヤシー」
「明らかに何か隠している気がします」
「何もないから、ほんと。ほんとに」
疑うような視線で顔を向けてくる二人に弁明しつつ、俺は話を逸らすことにした。
「と、特訓と言えばさ、2ヶ月も寝てたからか俺の身体
「ダメだよ」
ガッと、立香に肩を掴まれた。
「り、立香……?」
「……蒼くんはもう、十分頑張ったでしょ?」
「だ、だからって……」
「先輩の言う通りです。蒼介さんはもう、休んでください」
「マシュ……?」
おかしい。二人とも、さっきまでと様子が違う。
「聞いたよ。死に物狂いでやってたあの特訓が、全部私達のためだったって」
「私達のためなら死んでもよいと。そう思っての行動だったんですよね?」
「それは……」
確かに二人の言う通りだ。だけど、そんなに気にしなくたって……。
「……む。マシュ、蒼くんまだわかってないみたい」
「先輩、ここは蒼介さんが理解出来るまで伝え続けるべきかと」
「そうだね……んふふ」
「え……ちょっ!?」
立香が妖しく笑みを浮かべたと思ったら、後ろからマシュに抱きつかれた。
それに気を取られている間に、今度は正面から立香に抱きつかれる。
「大丈夫、大丈夫だよ。後は全部、私達に任せて……?」
頭を撫でながら、耳元で囁いてくる。
「蒼介さんは何もしなくて良いんです。ただ居てくれたら、それだけで……」
「な、なっ……なんっ……!?」
訳がわからない状況だが、頷いちゃダメだ。ここで二人の言葉を受け入れたら、俺はただの穀潰しになってしまう。
だがどうする!? どう答えたら二人は納得してくれる……!?
「もう頑張らなくていいんだよ?」
「ご安心ください。お世話だって全部、してあげますから……」
お世話って何!? 流石に身の回りのことは一人で出来るぞ!?
なんてアワアワしている間に、シミュレータールームの映像が切れた。
つまり、戦いが終わり、結果はどうあれ二人がこの場に来るということで──。
ああ、本当に、どうしよう。
い、胃が痛い……。
一気読みありがとうございました。
立香メインで書き始めたつもりだったけど、描写の濃さ的に沖田さんメインになってる気がするんのは気の所為だろうか。タイトル詐欺になっていたら申し訳ありません。
元々は長編として考えていましたが、「短編なら書きたいとこすぐ書けるやん!」とかいうカスみたいな理由で短編での投稿を決意。
一日で書き上げたので誤字やら細かいとこミスってたらすみません。
一応蒼介の起源について設定は考えてますが、短編なら変に藪蛇にならないように非開示でええやろと思って非開示にしました。
普段は別ジャンルの二次創作を書いてますが、FGOの二次を書けて気分展開になり楽しかったです。
皆も性癖をそのまま二次創作に載せて投稿しよう!!(最低なダイマ)