黙視の佐天は今日も線を視る。 作:寿限無
佐天涙子は
Level 0は総じて能力に覚醒しなかったもの達の総称である。この人達は能力開発したのにもかかわらず能力が発現せず、だがなんらかの能力が備わっているはずという理由からLevel 0というだけだ。
そんな佐天涙子は病院のベッドの上で唸っていた。彼女はレベルアッパーと呼ばれる人の脳を媒介にしてネットワークを構築する歌の副作用にて意識を失い。一時は死の危険もあったのだが気づけば病院のベッドの上にいて、そして
―――そこらじゅうのモノに線が視えていた
誰かが置いていった花瓶そしてそれに備わっている花、地面、天井、ベッド、そして自分の手、体ありとあらゆるものに線が備わっている。まるで生まれ出たときからそこにあるかのように自然とあったのだ。
「なんじゃこりゃー」
内心軽くパニックした佐天涙子はその線に触らないように病室内を動き回りベッドに頭を打ち付けてみたりしている。だが観念したのかおそるおそるその線に触ろうとした時病室がドアが開いた。
「…佐天……さん」
頭に花が咲いたかのような飾りをつけた初春飾利、佐天涙子の同級生であり親友であるLevel 1の能力に発現した
彼女は佐天を見て目に涙を溜めながら嗚咽を漏らし抱きついた。そしてなんども佐天を名前を確認するように呼びそのたびに抱きつく力が強くなっていく。
「あー…初春……とても痛いから離して…なんて」
佐天は痛そうにそう言ってそれに気づいたのか初春は慌てて抱きついていた腕を離し自分のしていたことを恥ずがしがっていた。
だから気付かなかった。佐天が本当は痛いからという理由で離してと言ったのではないということに、そして佐天は初春にある線を視る。そして本能で恐怖していた。これは人間なぞが視てはならないモノだと。
「ヤバ…」
「佐天さん?」
線を視ると目眩と頭痛がして、段々と酷くなっていく。人として知ってはいけないものを視ている代償だろうかと冷静に分析しているがついにはその頭痛が無視できないほど増していた。
「ど、どうしました佐天さん!?」
「ごめんちょっと寝る」
そう言って佐天は地面に横たわったまま意識を失った。
初春飾利は気づかない
佐天涙子に秘められた可能性に
初春飾利は気づかない
佐天涙子が本来どんな人間になるべき存在だったのか
「ちょっと佐天さん!えーと救急車…ってここ病院です!!ナースコール!!!」