産廃レ級 〜ゴミじゃなくて産業廃棄物〜   作:Верный510

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 バレたらどうする?そりゃ、逃げるだろう。
 だが相手は艦娘。軍人みたいなものだ。そんな奴ら相手にド素人のレ級が叶うはずがない。
 よくあるステルスゲームとかスパイ映画だって、何かしらアクシデントが起こるが逃げ道は確保されていたりする。

今はない。

 ということなので、レ級含む深海棲艦残党は爆走していた。勿論、真っ直ぐに。
 だがただひたすら真っ直ぐ進むというわけではなく、多数の艦爆を飛ばし、撃墜されたら向きを変えて離れるようにしている。
 現在、撃ち落とされたのはこれで6機目。
 そのたびに進路変更していたら、もう夜だ。

 艦爆はもう戻ってもらわねば。
 
 月は、見えない。


産廃レ級は逃走中

 ここはどこだ?と聞かれたら、島がたくさんある場所と答える。

 というか何も見えん。島のような影があるからそう言ってるだけで。もしかしたら違うかもしれない。

 

「ここはどこですか?レ級さん」

「わかりません」

 

 それはそうと、本当に何も見えない。目を凝らしてみても、さほど変わらない。

 

 それでも目を凝らして見ると、何故か視界が明るくなった。

 

「何探照灯点けてるんです!?消してください!」

 

 チ級に結構な声で言われたので、慌てて目を閉じる。

 もう一度目を開けると、視界は暗くなっていた。

 

「見られててなければいいな。あんなの[私はここにいます!]って言ってるようなもんだぞ」

 

 リ級が言う。完全なフラグである。

 

 その途端、辺りが真っ白になった。また探照灯が付いたのかと思ったが、そうでは無い。

 これは、光を当てられているのだ。

 突然の光で目が慣れず、何も見えない。

 

「動け!レ級!」

 

 リ級と思われる声を聞いて、素早くその場を離れる。途端に、光が和らいで景色が見えた。

 その視界を取り戻した目で辺りを見ると、最悪なものが目に映る。

 

 艦隊である。サーチライトで照らしてくる艦が2隻見える。

 他にもいるとは思うが、ここからでは見ることができない。

 

「見つけた!」

 

 後ろから聞こえた。

 即座に振り向いたレ級の目に映ったのは、不敵な笑みを浮かべて逆手に魚雷を構える艦娘。

 

『ガウッ!』

 

 反応できないレ級の代わりに、尻尾が反応して砲を撃つ。

 だが相手はそれを躱し、逆に腕部に装着した砲をレ級に撃ち込んだ。

 どつかれたような衝撃と痛みが来る。

 

「私の夜戦、見せてあげる!逃さないよ、残党さん!」

 

 案の定、川内だった。しかも改二である。

 何も見えぬ夜の海。さらに月は見えず、暗い。艦隊の誰一人としてレーダーを持っておらず、そして夜戦の神様こと川内改二!

 どうしろと?死ねというのか。

 

「照明弾、上げちゃって!突撃ぃ!」

 

 なんて事考えてたら突っ込んできた。こんな性格だったか?と思いつつレ級は下がる。

 だが相手は速い。すぐに追いつかれてしまう。

 

「…あっ」

 

 深く何も考えず下がっていたレ級は、照明弾の明かりの下へと出てしまった。

 勿論、川内は明かりの下へ出ておらず、範囲外の暗闇に紛れている。

 

「レ級!」

「速く外へ出てください!」

 

 槍持ちと戦っているリ級とチ級が叫んでいる。この2隻相手に1隻で挑む艦娘は、どうやら腕利きらしい。

 レ級の尻尾は後ろを見ている。見ているから、何がいるのかよく分かる。

 狙撃型である。しっかりと砲身をこちらに向けている。

 いつの間に回り込まれたのだろうか。相手の練度はとても高いのがよく分かる。

 発砲炎が見えた。

 

 だが、レ級の前に何かが飛び出してその凶弾を受けた奴がいる。

 ル級の片方だった。左手の艤装を盾代わりに使ったらしく、ひしゃげており、左腕からは出血している。

 その状態で、ル級は探照灯を使った。元から照明弾の明かりに照らされているから、と割り切ったのだろうか。

 探照灯に照らされたのは、魚雷を構える川内と量産型艦娘2隻(おそらく駆逐)である。

 丁度、十字砲火になるような配置にいた。

 

「撃て!」

 

 相手が魚雷を放つのを目視し、レ級はル級を掴んで前進する。

 そのまま明かりから抜け、尻尾に指示を飛ばし、砲撃を行わせる。同時に、ル級も残った右手の艤装で砲撃を放った。

 そのすぐ後ろから、魚雷が走る音が聞こえる。どうやら外れたようだ。

 相変わらず砲撃の命中精度は低いが、8門の戦艦級の砲撃は駆逐の姿勢を崩すには十分だった。

 そのお返しと言わんばかりに残りの1隻と川内、狙撃型から砲撃が飛んできた。

 

 だが、それは防がれた。突如レ級のリュックから飛び出した、謎の球体によって。

 だがそんなこと気にせず、レ級は周りを見て情報を確認する。

 

 向こうでは、槍持ちを組み伏せて砲撃を加えるリ級が見える。そして、もう1隻の魚雷を構えていた駆逐をチ級が襲いかかっていた。

 確認した後、レ級は姿勢を崩している駆逐へ副砲による砲撃を行う。奇跡的に命中し、相手は崩れるように倒れた。

 そこへ、川内が魚雷を構えて躍り出る。

 驚いたレ級は尻尾を海面へ突っ込み、急ブレーキをかけて停止してしまった。

 先程の不敵な笑みは無く、冷静な顔をしている。

 魚雷が発射される瞬間、川内の背後からの何かが飛び出した。

 

 イ級である。

 タイミングを見計らっていたのだろう。

 

 川内の驚異的な反射神経によって、その砲撃は躱されてしまうが、一瞬の隙を作ってくれた。

 その隙を逃さず、ル級は砲撃を叩き込む。

 そして、レ級はル級を掴んで逃げた。

 

「逃さないって!」

 

 追おうとした川内の足元から、突如何かが飛び出した。

 魚雷だ。一瞬で判断し、停止する川内。魚雷はそのまま海面へ落ち、停止した。

 ゆっくりと辺りを見渡す川内。

 駆逐艦型は2隻とも沈没、軽巡の斬込み型は頭部損傷で沈黙、狙撃型は数多の砲撃を受けたらしく、満身創痍。おそらくル級のもう片方の仕業だろう。

 とにかく、作戦続行は不可能だ。

 川内は、狙撃型に肩を貸し、闇へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

戦果報告

 

 レ級 小破

 リ級 中破

 チ級 小破

 ル級 大破

 ル級 無傷

 イ級 無傷

 以下略

 

作戦失敗




装備解禁

深海護衛要塞
球状の要塞。対空用らしいが、自身を高速回転させることによって弾を弾く。装甲剤は何なのだろうか。

深海潜噛魚雷
一度急な角度で潜水し、再び上がってくる魚雷。命中させるのは難しいが、当たればとても強い。





改めて艦これ劇場版を観て、リ級が可愛いことを再確認してきました。

2026/06/20 17:10 加筆修正
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