産廃レ級 〜ゴミじゃなくて産業廃棄物〜 作:Верный510
「……! 蜥蜴艦爆、お前ら生きてたのか」
飛んできた蜥蜴艦爆を両手で掴み、レ級は言う。
1機、また1機とレ級のそばに飛んでくる蜥蜴艦爆達。
「ほかの奴らは?」
レ級の問いかけに、蜥蜴艦爆は答えない。
だが、戻ってきていないのはそういう理由なんだろう。
数時間前は天才的な戦術だと考えていたレ級。
だが現実は無情。彼女は天才ではなかったようだ。
「……なぁレ級。何をそんなに雰囲気暗いんだよ」
というのはリ級の声だ。
未だ何か後悔のようなものが残るレ級に、リ級は声をかけたのだ。
彼女らは今、島にいる。
そう、通信を受けた場所だ。
島の反対側に湾のような場所があったため、そこから上陸したのだ。
レ級は湾の砂浜に座っている。
艦爆の偵察機状態で周囲を見渡しているから、発見される心配は無い。
「あぁ、リ級か。なんかやっちゃいけない判断をしたな……って思ってさ」
そう。レ級は選択してはいけない判断を下した。
元人間であり、転生者であるレ級にとって漂流者を皆殺しにするという判断は中々精神的に来るものがある。
だが、免罪符を掲げながら命令を下したくせに、何を今更言うのだろう。
「レ級、
「は?」
衝撃的だった。
慌ててレ級は這って波打ち際に行き、水面に映る自分の姿を見た。
水面から見つめ返すのは、 深海棲艦のチート艦とも言われた戦艦レ級。
そして、破壊の幼女。
その表情が、薄ら笑いを浮かべていた。
「……え?」
ペタ、と自らの頬を触ってみる。
合わせて、戦艦レ級も頬を触る。
ゆっくりと指を滑らせ、口角に指を当てる。
戦艦レ級も同じように、口角に指を当てた。
完全なシンクロ、全く同じ動きに同じタイミング。
レ級は、理解した。水面に映る戦艦レ級は、自分だということに。
つまり、この薄ら笑いを浮かべているのは自分ということになる。
「……」
レ級は自らの手を見てみる。
青白いと言うか、もう死人のように白い。
かつての手の色とは全く違う、もはや別人のような手だ。
「レ級、深海棲艦なんだぞ?私達は。人の法律も適用されないし、人は私達を裁くこともできない。
別に何しても構わないじゃないか」
リ級の声が聞こえるが、頭に入らない。
頭が混乱して理解できていないのだ。
レ級は尾を見る。
尾も、レ級を見つめ返す。
紛れもなく、戦艦レ級の艤装である。尾に巻き付く飛行甲板は無いが、主砲、副砲、口、全てが同じだった。
次に迎撃要塞を見てみる。
たこ焼きのように美味しそうな見た目はしてないが、ゆらゆらと浮遊している。
捕まえてみると、ツルツルとした手触りが肌に伝わった。
これは現実だ。
どこかで夢だと、現実じゃないとレ級は思っていた。
だが、痛みも感じているし、空腹も感じた。それでも夢だと思っていたのか。
現実を受け入れたくなかっただけなのかも知れない。
「ほら戻るぞ、レ級。別に私達に関係のある人間じゃないんだから、そう思いつめんなって」
リ級に手を引かれるレ級。
だがリ級は歩けないということを思い出したのか、ヒョイとレ級を持ち上げてしまった。
「重くない?」
「重い」
ちょっとショックを負った。
だが、レ級の頭のなかにはリ級の言葉が残っていた。
【私達に関係のある人間じゃない】
何故こんな事が言えるのだろうか。
もしかすると、リ級も誰かを失ったのかも知れない。
と、レ級は思った。
気づいてました?
実は物語序盤、自らの姿をしっかりと見ていないことに。ぼんやりと見てただけなんです。
あといつも通りに適当になってますね!