ちるでもわかるさるののさんすうきょうしつ   作:夕立氏

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もう何も無い、空っぽな、ただの_



凍てついた氷塊だ。


気づいた時には

「_どうして」

 

 

 

 

微かに自嘲的な笑みを漏らした氷精はつぶやく。

 

 

 

 

「あたいは何も分かってはいなかったんだね」

 

 

 

 

»»»»»»»«««««««»»»»»»»«««««««

 

 

「だーいーちゃぁぁぁん!!!!ねぇーー!!!あそぼぉぉぉぉー!!」

 

「あはは、チルノちゃんは今日も元気だねぇ」

 

「うん!大ちゃんと遊べると思ったらあたい元気しか出てこないよ」

 

「そっか、私もチルノちゃんと遊んでると元気出てくる。今日は何して遊ぶ?」

 

「えっとねぇ…鬼ごっこして…あと蛙凍らせて遊ぶ!!」

 

「え、また?蛙さんが可哀想だよ…」

 

「いいの!!!すぐ溶かしてあげるからだいじょーぶ!」

 

「んー…じゃあひとまず鬼ごっこして遊ぼ、ね?」

 

「わーい!大ちゃん大好き!!」

 

「…私もだよ、チルノちゃん」

 

 

 

 

»»»»»»»«««««««»»»»»»»«««««««

 

 

 

小さな氷精に

 

 

「好き」

 

 

そう伝えた妖精の笑顔は

 

 

 

 

 

 

 

もうどこにも残っていない。

 

 

 

 

»»»»»»»«««««««

 

「あたいってば天才ね…鬼ごっこの神と呼ばれる日もそう遠くないわ」

 

「ぜぇ、ぜぇっ…チ、チルノちゃん速いよ……」

 

「だってあたいなのよ?当たり前じゃない」

 

「さっすがチルノちゃん…んー、でももう疲れたよ…」

 

「いいよ、休憩にしよー!えーっと…あ、あそこの木の下で休もう!」

 

「あ、ありがとうチルノちゃん…ぜぇ…」

 

「じゃああそこまで競争ね!いっくよー!!」

 

「ま、待ってチルノちゃ~ん…」

 

 

 

>>>>>>><<<<<<<

 

「…ねぇ、チルノちゃんは好きな人とかいないの?」

 

「ふひまひほ??」

 

「あぁチルノちゃんお菓子食べながら喋っちゃダメ…ってそのお菓子どこから取ってきたの?」

 

「んー?そこに落ちてたよ!!」

 

「拾い食い!?ダメだよチルノちゃん!!!どうみても危ないじゃん!!」

 

「えー?そうなのー?大ちゃんは心配症だなぁ」

 

「心配症とかそういう問題じゃ…」

 

「気にしなくていいよ!!!それで、好きな人っていうのは?」

 

「え、好きな人は好きな人だよ?」

 

「大ちゃんはいるの?」

 

「…え?いや、えと、あの…」

 

「好きな人かぁ、あたいと遊んでくれる人ならみんな好きかな!!だから大ちゃんも好きー」

 

「ふぇっ!?チ、チルノちゃんいきなり抱き着かないでっ」

 

「ちぇー大ちゃんのケチー」

 

「…チルノちゃん、私もチルノちゃんのこと好きだよ」

 

 

 

»»»»»»»«««««««»»»»»»»«««««««

 

 

 

 

くらくらするくらい膨大な量の情報が頭に入ってくる。

 

 

 

そんな中

小さくて、

脆くて、

きらきらとしていて、

触れたら壊れてしまいそうな、

まるで硝子細工のような、

 

そんな妖精のことをひとり思い出していた。

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