姫と従者のRadio Duo   作:びーびー

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DON'T WORRY BE HAPPY

 

 

「おー結構メール来てるね」

「お父さんがチェック済みのだけでもかなりの数だね」

「チェック?」

 

 第一回の配信後、お父さんが管理する私たちのメールフォームにはまっさに玉石混交といった様子だったらしい。

 

 まぁ私も直接見たわけではないが、お父さんは苦い顔をしていた。

 

「あーちゃんへの誉め言葉、誉め言葉、ほかの曲のリクエスト、あたしへの誉め言葉は置いておいて」

「置いておかなーい。このリスナーはわかってるね。見てて笑顔になりましたっと」

「じゃあ、これ!しなやかな指捌きに脱帽しました。姫様に振り回されるアネモネさんでご飯三杯いけますだって!」

 

 ご飯は食べられないと思うが、まあ全体的には姫への賞賛が多くて私は満足だ。

 

 後はポルノグラフィティの別の曲が聴きたいっていうのと、ほかのアーティストの曲が聴きたい。

 

 まあ私の言っていることを100%信じてるわけじゃないと思うけど、うまい事乗ってくれてるみたいだ。

 

「ということで次の第二回ですけど、やっぱりあーちゃんの世界の曲は一回につき一曲で行く?」

「うん、私この世界の曲も好きな曲多いから」

「じゃあ第二回だけど、どういうのにする?バラード系?それともまたアゲアゲ系?」

 

 第一回は初回ということもあり、少しアップテンポで盛り上がる曲を選んでいたけど、二回目となると少し趣向を変えるべきか。

 

「姫はどうしたい?」

「えー?でもあたしはあーちゃんとノリノリになれる曲でいいと思うよ!」

「姫はそういうの好きだよね」

 

 一概には言えないが、姫はバラードも聞くがノリのいい曲の方が好きらしい。

 

 まぁいずれにしろ歌い始めればあまり関係なく楽しんでいるようだけど。

 

「じゃあ、そうしよっか」

「おけい!でどれにするの?」

「んー」

 

 近くに寄ってきた姫の髪を触りながら、ノリのいい曲をいくつかピックアップしていく。

 

「じゃあ……」

 

 そう言いながら一つの曲名を姫に告げる。

 

 そして二人で読み上げるメールを選ぶ作業、曲選びをしていると日にちはあっという間に過ぎて、第二回の配信日になる。

 

 土曜日、午後8時。

 

 再び配信ブースで準備を進める私たちはお互いに目で合図すると配信を開始する。

 

 配信画面が動き出し、ギターソロが鳴り響く。

 

「こんにちわ!こんばんわ!姫でーす!」

「こんばんわ、姫と従者のRadioDuo第二回始まりました。アネモネです」

 

・ばんわー

・こんー

・やっぱおpいいねぇ

 

 配信を始めると第一回とは違いいくつかのコメントが流れていく。

 

 視聴者数は100を少し超えたくらい。

 

 第二回としては大成功と言っていいだろう。

 

「おー!コメント来てる!ありがとうみんな!」

「こんばんわ、コメントありがとうございます。今日は前回の配信の後にメールフォームに届いたメールの中からいくつか答えていこうと思います」

「名付けて!ふつおたー」

 

 姫の言葉とともに配信画面に最初のメッセージが表示される。

 

『二人はプロですか?アマチュア?バンド名などあれば教えてください』

 

「アマチュアでーす!趣味で音楽やってます」

「バンド名って言っても特にないかな。いつもは二人で演奏してただけだから」

 

・アマチュア、かぁ

・世界にはいろいろと埋もれてるんだなぁ

・人前で演奏したことなくてこの喋りと演奏は、いくらVとはいえしゅごい

 

「まぁあーちゃんはすごいから!」

「姫もね」

「じゃあ次!」

 

『配信を始めたきっかけは?』

 

「あーちゃんのすごさをみんなにわからせたい!」

「……姫に言われたから、かな」

 

・えぇ……

・姫様、アネモネ好きすぎてワロタwww

・お転婆姫に振り回される従者、いいぞぉ!

 

『アネモネさんのギターは独学ですか?ほかの楽器は弾けますか?』

 

「ギターは独学です。ほかに、まぁピアノとか、ドラムも少し」

「あーちゃんは楽器なら何でもできるよ!何だったらボイパもできる」

 

・天才かな?

・チーターや!こんなのチーターや!

・異世界転生、最強系主人公ってこと?

 

「天才ってわけじゃないかな。どっちかというとチート持ち。ちなみに姫もギターとピアノは弾けるよ。ドラムとかリズム系はノリで走りすぎてどうしようもないけど」

「楽しくなって止まらないんだよね」

 

 そんなやり取りをいくつか。

 

 姫も私もだいぶコメントとのやり取りにも慣れてきた。

 

 コメントにも曲が聴きたいという声が混ざり始める。

 

「じゃあそろそろ一曲行っとく?」

「はーい」

 

 姫の言葉にギターの準備を始める。

 

 軽く弦をはじいて音の確認を行うと視界の隅では姫がPCを操作してカラオケの準備を完了させる。

 

 画面に今日セレクトした曲名が表示される。

 

 MONGOL800さんの『DON'T WORRY BE HAPPY』。

 

 

「姫、今日は何曜日ですか?」

「土曜日!」

 

 私の問いかけに姫はカラオケをスタートさせ、目でカウントを刻む。

 

「じゃあ明日は?」

「楽しい楽しい日曜日!」

 

 その姫の声とともに目の覚めるようなドラムが曲の開始を告げる。

 

「don't worry!」

「be happy!」

 

「「it's my life!」」

 

 二人でイントロを合わせるとノリのいいリズムとメロディーがスタジオに流れ始める。

 

 今回は前回のように立ち上がってもいいように最初から姫も立ち上がり、その位置にマイクを合わせてある。

 

「晴れた日の日曜日!」

「「短く長い一日の始まり」」

「決められたすることもなく、ブラブラ街を歩く」

 

・おぉ新曲

・歌詞も流れてるー!

・琉球ソウルを感じる曲じゃ!

 

「「ぶーららー!」」

 

 今回は配信画面にも曲名とアーティスト名、歌詞が映るようになっている。

 

 MONGOL800の『DON'T WORRY BE HAPPY』と映る配信画面にはギターをかき鳴らす姫と私の姿を邪魔しないように歌詞が映し出されている。

 

 私はどうやったのかさっぱりわからなかったが、姫の中では簡単な作業だったらしくあーだこーだとやって数時間でできていた。

 

 姫としては視聴者にもリアルタイムで曲を楽しんでほしいらしいが、さすがに初めて聞く曲では聞いて楽しむのが精一杯だろう。

 

 と、思っていたが。

 

・うぉーおー!

 

「don't worry!」

 

・ウォーオー!

 

「be happy!」

 

・ウォーオー!

 

「Happy Sunday!」

 

・ウォーオー!

・うぉーおー!

 

「it's my life!one more time!」

 

 二回目のサビではもう合いの手を入れ始めているコメント欄の順応性に驚きを隠しえない。

 

 これが姫がいうリアルタイムで曲を楽しむということ。

 

 二人だけでは味わいずらい領域。

 

「「it's my life!」」

 

・ぱちぱち

・8888888

・思わず飛び跳ねていたら壁ドンされrr

 

「あーちゃん!ほんとに楽しいね!」

「うん!」

 

 

 

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