我ながら、こんな残酷な話が書ける事に驚きです。
僕は、獣に首を落とされ死んだ。
間違いなく…死んだはずだったんだ…
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獣達は、僕を一通り貪った後、片方は足を。
もう片方は、意識が落ちた僕の頭部を優しく咥え上げ、何処かに駆け出し行く。
その様子は、我が子への『土産』を運ぶ様であった。
その道中、獣達も気づかない様な、前世の常識じゃ考えられない事が起こっていた。
死んだはずの僕の頭部。その切断面からドクドクと赤黒い液体が脈を打ち出しボコボコと、肉塊を少しずつでも確実に、再生していっていた。
骨も神経から一本一本丁寧にバリバリと、筋肉繊維も編み物をする様にシュルシュルと…
獣達が棲み家に着く頃には、胸の半分…心臓が丸出しの状態まで回復していた。
それが神か世界か偶然か必然…が与えた、祝福か呪い…
異世界での僕の能力…『不老不死』そして『超再生』。
そんなチート能力も今の僕を救うためものもにならない…
その能力はただ、「獣達の餌」を永久に再生する為の残酷な装置と化すのであった。
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「…っ、…あ」
どれぐらい時間が経ったであろう。
いや時間の概念があるかどうかすら怪し。
多分また、転生したんだと錯覚する。
最初に入ってきたのは、聴覚の情報だった。
ーークチャ、ブチ、ガリ…ボリ…。
耳元で、何か小さな生き物が濡れた肉を貪り、骨をしゃぶるような音が、やけに響く。
良かった、今度は小さい生物だ…
次に入ってきたのは、嗅覚。
鼻を突く嗅ぎ慣れてしまった自分の血の臭い、獣の巣特有のアンモニア臭。
そして、考える暇も与えまいとーー全身を苛む、鈍い「激痛」と「痒み」が襲って来る。
「あ、が……っ!?」
ガバ、と目を開く。
視界に飛び込んできたのは、薄暗い洞窟の天井。
そして、僕の身体の上に乗り、夢中で何かを貪っている、大型犬ほどのサイズをした二匹の『子供の獣』だった。
あの獣と同じ琥珀色の瞳をギラつかせた幼獣たちが、僕のお腹の肉を、内臓を、小さな牙で引きちぎっては咀嚼している。
「いや、あ、あああッ!?」
パニックのまま自分の身体を見下ろした。
首だけだったはずの僕は、今や腰のあたりまで肉体が再生していた。
そしてそれらの情報は、僕の楽観的な考えを否定し、最悪のシナリオを思い浮かばせた。
生えては、喰われ。
肉が作られては、また引きちぎられる。
お腹がいっぱいになったら、肉や骨で遊ばれる。
「やめっ、離れ、て……だれか、誰か助けて……っ!」
叫ぶが誰も聞いてくれやしない。
逃げようにも足が無い。腕も食い荒らされ、まともに機能しない…
涙を流して叫ぶ僕を見て、子供の獣たちは嬉しそうに尻尾を振る。
興奮して僕の胸元へと小さな爪をを突き立て、心臓を突く。
「が…あぁ…」
激痛の中で、僕は理解してしまった。僕は死なないのだ…これだけやられたのだ。嫌でも分かる。
僕は、この異世界でこの獣達の「無限の餌」として生きていくんだと…
最後までお読みいただきありがとうがざいました。
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