人型決戦兵器に改造された俺氏、美少女(但しヤンデレ)パイロット達のお世話をしながら世界を救う   作:なっくる@2作品書籍化

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第33話 博士の計画

「ワタシとしては半年以内に極点軌道上に遊弋している、敵の基地(ベース)に攻撃を仕掛けたいと考えている!」

 

 博士がぶち上げた、驚きの攻勢計画。

 

(マ、マジか!!)

 

 カグツチ弐型の制御コアとして、数々の機密に触れる事が出来る俺の知識をしても、博士の計画はぶっ飛んでいた。

 

「ま、満里奈博士……それは!」

「たった三機でですか? それは無謀なのでは?」

「ほえ??」

 

 戦略自衛隊関係の拠点で働いていた礼奈子や、軍の機密をハッキングしている莉乃は敵基地の存在を知っているようだ。

 美嘉だけが、不思議そうな表情をしている。

 

『地球の高高度軌道を周回しているプローバー艦艇群の拠点……というか補給基地が、北極の上空5万㎞にあるんだ。ソイツを破壊できれば、地上に対する攻撃を大幅に減らすことが出来る』

 

「へ~、テキちゃんの中ボスかぁ」

 

 美嘉のスマホに、テキストと共に敵基地の情報を送ってやる。

 ヒマワリのような形をした、白銀に輝く構造体。

 

「ん~? よ~分からんかも」

 

 俺が送った構造体の画像をスマホに映す美嘉。

 美嘉の言う通り、宇宙空間に浮かぶ敵基地を捕らえた望遠画像は比較対象がないため規模感が分かりにくい。

 それに、画像のそこかしこが欠けていて不鮮明な部分も多い。

 

「ふむ。面積で言うと、淡路島の半分くらいはあるのだが……そうだな、AIでの補正にはなるが、もう少し解像度を上げてみよう」

 

 ぱちん

 

 博士が指を鳴らすと、構造体の画像が一瞬ブレ、画像が拡大される。

 

「うっそ!? むっちゃでっかいじゃん!」

 

 驚きの声を上げる美嘉。解像度の上がった画像の中には、淡路島のマップがオーバーレイされている。

 ヒマワリ型の敵基地は、淡路島の上半分を覆いつくさんばかりの大きさで、花びらの様に見える部分には先日撃沈した旗艦級と同型の艦が、沢山停泊しているのが見える。

 

「うっ、まだこんなに……いくら(私と優史さんの未来の為に)殲滅すべき相手とはいえ、ゴキブリですかこいつら」

 

 あれだけ苦労して墜とした旗艦級が、画像に映っている範囲だけでも数十隻。

 プローバーの物量を目の当たりにし、不快そうに眉を顰める美嘉。

 

「あっれ~、ビビってんのオタクちゃん? こーゆーのって一つやっつければドカーンといくっしょ。ね、ハカセ?」

 

 ふふん、と鼻息荒くドヤ顔を浮かべる美嘉。

 

「いやいや、美嘉さん。奴らの補給基地の直径は20キロメートルですよ? 昔のシューティングゲームのボスキャラじゃないんですから。私としては消耗品の美嘉さんなら特攻させてもいいかもと考えますが、せいぜい一部を壊せるくらいでしょうし」

 

「うえっ!? んなのダメだから! てゆーか、誰が消耗品か!」

 

「あ、すみません失言でした。そのゆるふわボディをクローニングしておけば、慰安用の生オ○○くらいには使えますよね」

 

「おいこら、んだとぉ!」

 

 微笑ましい(当社比)言葉の応酬を繰り広げる美嘉と莉乃。莉乃の表情から察するに、半分くらいは冗談だろう。もちろん、貴重なカグツチ弐型を使い捨てにすることは出来ない。

 

「わたくしの超電磁砲の砲弾に小型核弾頭を埋め込んだとして……少なくとも参号機クラスが十機は必要では?」

 

 軍属の立場から、疑問を呈する礼奈子。

 まあ、それも当然だろう。それだけの図体を持つ基地を破壊するには、俺たちは明らかに火力不足だ。

 

「確かに、礼奈子君の言う通り……正面突破するならその戦力が最低ラインだ。だが君も知っての通り、融合炉の量産に必要な素材が不足している。どうしても、民生用が優先だからねぇ」

 

(確かに……)

 

 博士の言葉通り、カグツチ弐型の主機である熱核バーストタービンエンジンを生産するには、核融合を維持する特殊な組成の合金が必要だ。

 だが、大幅に減ったとはいえ10億人近い地球の人口とそれを守る防壁を維持する為には大量の核融合炉が必要であり、生成された合金のほとんどはソチラに回されている。

 

「だが、天才なワタシは考えた。君たちが生み出すオムニゲート機関の逆位相をより深化・洗練させ、敵ベースのエネルギーコアが設置されていると推測される部分の外壁さえ破ることが出来れば。通常の大型核弾頭で内部から破壊できるはずさ」

 

 ヴンッ

 

 博士が描いたとおぼしき、簡易なイラストがテーブルの上に投影される。

 

(つまり、アルマ○ドン作戦か)

 

 敵のコアにくさびを打ち込み、核弾頭を設置する。

 守りはともかく、圧倒的に攻撃戦力が不足している現状、これ位しか選択肢はないのかもしれない……俺は某髭面の石油採掘技術者ではないが。

 

「そこで、だ」

 

 ようやく話が核心に迫るらしい。

 博士はすらりとした脚を組み、にやりと笑う。

 

「三機の弐型の大規模改修とオーバーホールが終わったら、シミュレーターを使った特訓と、実機での模擬戦を始める」

 

 特訓……博士の訓練方針はかなり脳筋である。

 健やかな肉体には健やかな(?)ヤンデレが宿るという事で、基礎トレーニングも多いし、実機を使った訓練も多い。

 そのたびに大量の予算を使うので、基地司令からはやんわりと苦言を呈されているが気にするそぶりもない。

 

「えぇ、これいじょーの訓練なんて……」

 

 案の定、嫌な顔をする美嘉だが、みなまで言わせることなく博士が畳みかけてきた。

 

「もちろんタダでとは言わないぞ?」

 

 ぎらり、と博士の赤銅色の瞳が光を放つ。

 

「ワタシの義体研究も、かなり進捗していてね。半年後には初号体のプロトタイプを完成させられるだろう」

 

「「「!?!?」」」

 

 義体という言葉に、三人の目の色が変わる。

 

「しかも、驚くべきことに制御コアに少しずつ”自我”のような物が観測されていてねぇ……一番成果を出した者に、”刷り込まれる”かもしれんな。わっはっはっ!」

 

(ぐわあああああっ、博士、なんてことを!!)

 

 ギンッ!!×3

 

 欲望にまみれた三人の瞳が、監視カメラの奥の俺の仮想体を射抜いた気がした。

 

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