決戦兵器の制御コアにされた俺のパイロット候補が全員ヤンデレで依存してくる 作:なっくる@2作品書籍化
「へ~、これがカグツチちゃんを操縦してくれるんだぁ」
座学で一通りの火器管制手順を学んだ美嘉が、興味深げに壱号機のコックピットに乗り込んできた。
博士曰く俺とのファーストデート、だそうだ。
「あはは、いっぱいモニターやキラキラが付いててラブホの部屋みた~い……あんま行った事ないけど」
【膨大な税金を投入した人類の英知の結晶に対し、随分な言い分だなおい。
って、パパ活してるくせにラブホマスターじゃないんか~い】
「へへっ、美嘉はせーじゅん派だしっ」
【……パパ活する清純派が世界のどこにいるんだよ】
「ぷっ、このAIちゃん面白いね」
俺のツッコミは、コックピットのモニターにテキスト表示されている。
『くくっ、まるで人間の様だろう? ソイツの本体は基地内の指令室にあり、コックピット内の子機と連動しているんだ』
外部通信用のスピーカーから、博士の声が聞こえる。
「ふんふん、あの弁当箱かぁ」
『それだけじゃないぞ? これはトップシークレットなのだが……制御コアの一部に生体パーツを使っているとしたら、どうする?』
「!? へ~、じゃあこの子、生きてるん?」
美嘉は特に好奇心の強い性格らしい。敢えて俺の秘密の一端を明かした博士の言葉に、強い興味を示す。
「とうっ」
そのまま、コックピット内のシートに飛び乗り、搭載火器のコントロールユニットに両手両足をセット。
ちなみに、俺の分身こと制御コアの子機はシートの前にあり、美嘉の両太ももで挟み込む形になる。
おい博士、なんでこの位置に設置した。
【うわっ、美嘉、近いって!】
もちろん制御コアに触覚は存在しないが、監視用のカメラは付いている。
俺の視界一杯に、ミニスカ制服を身に着けた美嘉の下半身が映る。
「ふっふ~、可愛い反応してくれるじゃ~ん♪」
そのまま制御コアを抱くように顔を近づけてくる美嘉。
くっ、適度にムチムチしやがって。女の子のいい香りを錯覚してしまう。
『まあ、今のところはキミの行動に対し、AIが最適化した反応を返すだけだがね。キミがいろいろな刺激を与えれば、生体パーツが活性化して”刷り込み”を与えることが出来るかもしれんぞぉ?』
「まじっすか!」
嬉しそうに破顔した美嘉は、そのまま制御コアにキスをする。
「ふふふ。基地のオジサンたちはつれないから……まずはこの子をウチのペットにしちゃお♪」
ぺろりと唇を舐めた美嘉はどこか、ぞくりとする笑みを浮かべるのだった。
*** ***
「ファーストデートは成功だな。メンタルの波形も悪くない。もう少し振れ幅を出せば逆位相シフトの発生まで持っていけそうだ」
「……俺はぐったりなんですが」
訓練を終えた美嘉が帰った後、俺は仮想空間で博士とブリーフィングを行っていた。
「何を言う。ふわふわ少女の気を惹く反応。見事な手管じゃないか」
やけに瞳をキラキラさせた博士は、嬉しそうに各種の測定データを仮想空間に映す。
「うんうん、この手管は……やはり君の経歴が関係しているのかね? 素晴らしいよ」
「…………」
そこを褒められても、あまりうれしくない。
女の子のメンタルケア術は、地下アイドルのプロデューサーをしていた俺が仕事上必要になったから身に着けたテクニックだ。
「美嘉君は研究センターに併設された学園に通うことになる。学園内と街中の監視カメラは全て君の制御下に置いたから……
「は、はぁ」
研究センターのある兵庫県但馬直轄市の人口は30万人。住人は軍人や研究者が多いが、彼らの子女が通う巨大な学園が整備されていた。
「次のパイロット候補は近いうちにやってくる予定だ。それまで頑張ってくれたまえサンマタくん」
「……ミマタです」
かくして俺は、パイロット候補の少女を政府公認で?ストーキングすることになってしまった。