決戦兵器の制御コアにされた俺のパイロット候補が全員ヤンデレで依存してくる   作:なっくる@2作品書籍化

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第7話 美嘉を救え!

『ほんじゃ、部屋に入ろ~』

 

 いつものように、路地裏で待ち合わせをしていた美嘉。

 今日の相手は、誠実そうな中年男性。

 研究センターに資材を搬入している出入り業者の一人で、何度か美嘉が声をかけていた相手だ。

 

『今日は~、マリガーにしようかな』

 

 先日と同じラブホの部屋に入り、ゲームの物色を始める美嘉。

 その背後に、出入り業者の男性がそっと忍び寄る。

 

『……はあっ……はあっ』

 

 がばっ!

 

 次の瞬間、油断していた美嘉はベッドに押し倒されてしまう。

 

『えっ……あっ、パパ? な、なにするん!?』

 

 突然の出来事に困惑し、パニックに陥る美嘉。パイロットの訓練カリキュラムには護身術も含まれていたはずだが、それを使う余裕もなさそうだ。

 

『ひ、ひひひひ……いつも短いスカートで誘惑しやがって!』

 

 男の左手が美嘉の太ももをまさぐり、右手が豊かな彼女の胸に伸びる。

 

「はぁ、やっぱりこうなったか……」

 

 男好きのするむちむちボディを持つ美嘉は、制服に超ミニスカートという格好で毎日研究センターにやってくる。

 研究センターの職員などには、これは彼女の訓練なので手を出すなと博士から指令が下っているのでまだマシだが、出入り業者ともなると別である。

 

「……円光を過去に十度以上、若い時に暴行で逮捕歴あり」

 

 男の経歴を確認する。一度更生したものの、獣欲に抗えなかったという所だろう。

 

『だめっ!! ”パパ”、助けて!!』

 

 男に組み敷かれたまま、悲痛な悲鳴を上げる美嘉。

 訓練中に何度もこういう事は控えるようにメッセージしていたが、彼女は聞く耳を持たなかった。

 もちろんこのまま傍観するつもりはない。

 

【だから言っただろ、美嘉。そんなに”パパ”が欲しいなら……俺がなってやる】

 

 このラブホの部屋は、天井にモニターが埋め込まれているタイプ。

 俺はそこにテキストメッセージを表示させる。

 

『……え? 制御こあちゃん?』

 

 彼女も俺のメッセージに気付いたようだ。

 たれ目気味の両目が、大きく見開かれる。

 

『何をごちゃごちゃ言ってるんだい? さて、いただくとするか!』

 

 男の両手が、美嘉の制服に掛かる。

 これ以上、させるか!

 

 ピーッピーッピーッ!

 

『な、なんだ!?』

 

 室内の電子レンジを遠隔操作で起動し、まずは男の気を惹く。

 

【くらえっ!】

 

 ぐいいいっ

 

『うわっ』

 

 次に、回転ベッドを高速で動かし、男のバランスを崩す。遠心力で男の両手が美嘉から離れ、上半身を起こした男は美嘉の上で膝立ち状態になる。

 

【いまだ美嘉、ぶちかましてやれ!】

 

 自分を襲ってきた不逞の輩を、自らの手でぶちのめす。

 これが一番すっきりするだろう。

 

『こ、この! アホバカう○こ~っ!!』

 

 ごきゅっ!!

 

 小学生男子のような罵声から放たれた美嘉の渾身の膝蹴りは、男の股間を粉砕したのだった。

 

 

 ***  ***

 

「は~っ、つまり優史くん……優っちは二年前のこーげきでヤバいケガをして、ハカセに制御コアちゃんにされたんだ~~えっぐ!」

 

 白目をむいた男を警察に引き渡した俺と美嘉は、研究センターのハンガーに戻り壱号機のコックピットで改めて対面していた。

 

「だろ? こっちはたぶん脳だけになってるし、反論する余地も与えてくれなくてさ。ていうか、優っちってなんだよ」

 

「あは、いいじゃん可愛いし」

 

 屈託なく笑う美嘉。

 博士の許可も取ったので、俺はモニターに仮想体を映し音声で美嘉と会話をしている。

 

「それよりも~、さっきの言葉忘れてないよね優っち」

 

 一通り俺の経歴を説明した後、小悪魔的な笑みを浮かべた美嘉が制御コアの子機に馬乗りになる。

 だから近いって。

 

「んんっ、何のことだ?」

 

 とりあえずしらばっくれてみる。

 

「美嘉のパパになってくれるって話だよ~♪」

 

 男に襲われ恐慌状態に陥っていた美嘉のメンタルを立て直すためだったとはいえ、とんでもないことを言ってしまったかもしれない。

 

「ほらほら~、優っちが優しくしてくれたら~、ああいう事やめてもいいかもぉ」

 

 子機にお尻をすりつけながら、甘い声で囁く美嘉。

 ふわりとした金髪が、俺のボディ(子機)を撫でる。

 悔しいが、とても可愛い。あまあまボイスに意識を引っ張られる。

 

「……わかった。そのかわり、もうパパ活はしないって約束な? 美嘉のことが心配なんだ」

 

 博士はメンタルケアをしたうえで美嘉を依存させろと言っていた。

 中々無茶な要求ではあるが、俺はスピーカーを調整しASMR音質でしっとりとした声を出す。

 

「っっ~~~っ♪」

 

 思わず出てしまったスパダリムーブが刺さったのか、声にならない反応を示した美嘉は……。

 

「ほんじゃ、これから毎日寝起き、朝、昼、夕方、寝る前にボイチャしようね~。あ、美嘉が寂しい時は5秒以内に来ること。うふっ♪」

 

 ……ヤバい。少しやりすぎたかもしれない。

 とたんに始まった美嘉の甘えメッセ攻撃に辟易しながら測定データを博士のもとに届けたのだが……。

 

「素晴らしいよサンマタくぅん!! これほどの感情の振れ! 依存性! カグツチ弐型のパイロットとして期待以上だ!!」

 

 こうして、美嘉は博士の求める【基準】をクリアし、正式に壱号機のパイロットとして登録されることになった。

 …………いや、なんか流れおかしいよな?

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