東方模倣魔女 〜 The magic girl of imitation. 作:緋鳥
少なくとも東方の方が詳しいです。誤差だけど。
意識が、覚醒した。
「…なんで?」
第一声は、それだった。
私は確か、戦士アイゼンの弟子を名乗る人間によって殺された。
夢と思おうとしても、生々しい切断と死の感覚はそうそう忘れられる物じゃ無い。
じゃあ、なぜ?
「お目覚めのようね?」
私は瞬時に戦闘体制に入る。
入って、諦めた。
「あら?警戒した方が身のためではなくて?」
「何しても勝てない相手に警戒する必要はない」
「存外、賢いのねぇ」
私は分かってしまった。
魔力量とか、そういうのじゃない。
魔族の、生物としての根源的部分が、叫んでいた。
目の前の相手には勝てないと。
「そうでもない。少なくとも賢かったら私は死んでない」
「でしょうねぇ」
ケラケラと目の前の女は笑った。
女は、人には見えない。
けど魔族にも見えない。
「お前は、誰?」
「初対面でお前呼ばわりは中々ね」
「赤の他人だし、お前が偉かったとしても私はまだそれを知らない。だからまだ無礼には入らない」
「じゃあ私が貴女よりずっと偉いと分かったら?」
「面倒くさいから、変えない」
私がそう言うと、女はあっはっはと大声をあげて笑った。
「はーっ、はっ、貴女中々面白いわねぇ」
「そう言われたのは初めてだよ」
「そうでしょうとも」
いまだに女は少し呼吸が荒い。
そんなに面白かっただろうか。
「では改めまして。私は八雲紫。"幻想郷"の賢者の1人よ」
「幻想郷?」
えぇ、と女…八雲紫は頷いた。
「現世で忘れられ、現実と幻想の境界を流れたモノが最終的に行き着くところ」
「人間が言ってたあの世ってこと?」
「少し違うわね。必ずしも死んでくる場所ではないもの」
「そうなんだ」
私はよく分かってない。
けど、多分ここで知ったところで意味のあることじゃない。
私はすぐに切り替えて、八雲紫に向き直った。
「もう今から行けるの?」
「乗ってきたわね。勿論」
「じゃあちゃちゃっとやっちゃってよ。えっと…」
私は一瞬、なんて呼べばいいのかと口籠る。
「紫でいいわ」
「なんで分かったの?」
「大妖怪を舐めないことね」
「別に舐めてない」
舐めてるつもりなんてない。
自分の力に盲目になって死ぬのは、もう御免だ。
「じゃあ紫、早くやってよ」
「良いわよ。ただーーー」
突然、浮遊感。
「気をつけてね〜」
「?どういう」
気づいた時には、私は宙に放り出されていた。
「…趣味悪いなぁ」
私は今、凄まじい勢いで落下していた。
とうに雲は遥か上で、地面が近づいてきている。
「これ、普通の人間だったら死んじゃうよ」
私は魔族だから死なないけれど。
どうせ空を飛べる以上危険ですら無い。
ちゃちゃっと飛んで、降りてしまおう。
そう思って力を込めようとした、瞬間。
ふわり。
体が軽くなって、力が抜ける感覚。
何かに柔らかく受け止められている。
私は上を見上げる。
「…あら、随分と間抜けな顔ね」
そこには、もう二度と会うことはないだろうと思っていた、
私の上司であり七崩賢の1人。
「相変わらず可愛らしい顔ね、お前は」
ーーー断頭台のアウラが、いた。
こんな感じで書いていきます。
ちなみに念の為。
リュグナーとドラートは出てきません。
この2人の推しの方々には本当に申し訳ございません。
魔族にとって飛行は当たり前、らしいのでリーニエもアウラも飛べることにしています。
調べてみた感じ身体能力とかの優遇は特に無いのかな…?
とにかく手探りで書いていきますので、よろしくお願いします。