ダンジョンで史上最強を目指すのは間違っているだろうか?   作:華々

1 / 1
1

 その日、ダンジョン都市オラリオにとある女神とその眷属が現れた。神の名はヒュプノス。紫の髪色にネグリジェのような薄い服、アイマスクをつけすぅすうと寝息を立ててヨダレを垂らしながら眷属に背負われギルドへの道を歩いている。

 

 そしてその眷属はまた異様な者だった。齢は16を超えたころだろう。肌は褐色で、ドワーフのような肌色でありながらヒューマンのように背丈が高く手足が長い。

 彼はオラリオの外でハーフドワーフの両親から生まれたヒューマンの特色を色濃く継いだドワーフであり生来からの怪力を持っていた。

 年が5歳の時には身の丈ほどある大岩を持ち上げ頭の上に掲げるほどであり、その時珍しく起きていたヒュプノスが好奇心から背中に恩恵を授け、それからは無し崩しのように長年互いに付き添い今日こうしてオラリオにやって来た。

 

「ようこそギルドへ、今日はどのようなご要件でしょう?」

 

「こんにちは、今日オラリオに着いたばかりなんだけどここで冒険者として活動したいんだけどどうすればいい?」

 

「わかりました。ではこちらの紙にあなたの名前と所属ファミリア、レベルを記入して下さい。それと主神のサインをお願いします」

 

「わかった。おいヒュプノス起きろ」

 

「んぅん……」

 

 狼人のギルド職員のローズの下に向かった一行は冒険者登録をするために用紙に記入し主神であるヒュプノスを起こしヒュプノスにサインを書かせる。

 両目を擦りカクンカクンと頭を落としながら眠気を堪えて用紙に記入する。

 

「ありがとうございます」

 

 提出された用紙を確認するローズの目には顔には出ていないが驚愕の色を宿していた。

 

(アクルス・ノミライア所属はヒュプノス・ファミリアでレベルは……4?! オラリオの外でダンジョンにも潜らず?!)

 

 オラリオの外と中では冒険者の質は天と地ほどの差がある。それはなぜか? 

 それはひとえにダンジョンがあるかどうかの差だ。ダンジョンの外にもモンスターはいるがそれらはすべて親から力の源である魔石を分けられて生まれた劣化品。だがダンジョンには外のモンスターの原種がいる。そのためダンジョンで言う上層のモンスターであってもオラリオの外のモンスターとは比較にならない。

 

 であるのにこの少年、アクルスはレベル4にまで至っている。これは外にいる恩恵持ちの中では最上位に位置するレベルだ。

 

「何か問題があったか? ダンジョンに潜りに行きたいんだが」

 

「あっいえ問題はありません。受理します。ダンジョンにはこれから潜られても構いません」

 

「そうかでは失礼する」

 

 そう言うとアクルスはヒュプノスを背負い直しギルドの外に出ていった。

 

 

 

_______________

 

 

 

 

 さてと、今日はとりあえず上層から行ってみますかね。

 

 オラリオに来てから取っていた宿に戻りヒュプノスをベッドの上に転がしておき装備を着込んだアクルスはダンジョン上層に来ていた。

 

「確か上層からはあいつがいるんだっけか?」

 

 アクルスは目当てのモンスターが出るまで上層を彷徨い一通り探すと下に潜るための階段を降るということを繰り返していた。その間に襲いかかってきたゴブリンやフロッグ・シューターといったモンスター達は拾った小石を投げつけることで殺していた。

 

「お、いたな」

 

 ようやく目的のモンスターを見つけたアクルスはそのモンスターにズンズンと近づき、わしりと掴み上げた。

 そのモンスターは赤黒い肌をした膝丈ほどの大きさの蟻、キラーアントだ。突然掴まれたキラーアントは反撃の噛みつきをするもアクルスの褐色の肌を噛みちぎることはできずギリギリと顎を閉じようとすることしかできない。

 

「ん〜確かに外の奴らに比べたら顎の力が強いか? まあ誤差程度か」

 

 そう言うとおもむろにキラーアントの腹部に右手を添え噛まれている左手を頭に乗せるとそのまま上下に思い切り引っ張り出した。

 悲鳴を上げ必死に逃げようと足をバタつかせるも生来の怪力とレベル差でびくともせずそのまま上下に引きちぎられてしまった。

 

 アルクスは体液を吹き出しどうにか生きているキラーアントを地面に投げ捨てると、何かを待つように目を閉じた。数分後カサカサと複数の何かが近づいてくる音に気づいたアルクスが口に笑みを浮かべ背中に担いだ大剣を掴み構える。

 

 現れたのは数十と数をなしたキラーアントの群れ。キラーアントは瀕死時に仲間を呼び出す特殊なフェロモンを出す。これにより半端にとどめを刺さず放置すると『怪物の宴』を起こす事がある危険度の高いモンスターだ。

 

「さすがにダンジョンだな。外とは呼び出される数が違うな。うちの主神はうるさいんだすぐに寝心地のいい寝床を用意しねぇと。まあいいとりあえず魔石をよこせドロップアイテムでもいいぞ換金して今日の晩飯にしてやるよ」




アルクス・ノミライア
レベル4
 力:B774
耐久:C641
器用:D525
敏捷:C603
魔力:E403

発展アビリティ
『剛力』E
『耐異常』I
『剛身』F
『治力』G
『剣士』G

スキル
《矮躯巨腕》ドワーフ・タイタン
常時発動型
力のアビリティに超高域補正
武器の重量に応じて力のアビリティに補正
発展アビリティに剛力を発現させる

《鉄血鍛身(アイアン・フォージ)》
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。