天笠キヤは親友君を堕としたい 〜親友君ガチ恋勢TSっ娘によるマッチポンプヤンデレ育成計画〜 作:ゆきゆき@TSっ娘
◇◆◇
とある古風な屋敷の広間にて。
大きくなったお腹をさする女性の姿と、それを見つめる男性の姿があった。
「……名前はどうするんだ?」
「ふふふ、それならもう決めてるのよ?」
「しっかり意味は持たせたんだろうな?」
「もちろん。この子は希望よ……この真っ暗な闇夜の中に輝く一筋の希望……どんな世の中でも、どんな相手でも、愛をもって手を差し伸べるような、ね? だから、こんな名前を考えたの」
「この子の名前は……
天 笠 希 夜
◇◆◇
やぁやぁ諸君、ごきげんよう。
私はキヤ。
ざぁざぁと降り注ぐ雨を全身で浴びつつも、私はそれを気にせず歩みを進める。
あぁ、可哀想な親友君。
まァひとえに私以外の女に好意を向けたからに他ならないが……
「うぅ……雨が降るなんて聞いてないよぉ」
頭を両手で気持ち隠しながら、私は親友君のもとへ歩いていく。
「えっ……コ、コウ君!?」
私はびっくりした。だ、誰がこんなことを……!
許せねぇ。私は親友君をこんな目に合わせた奴を絶対に許さないと心に誓った。
どこのチンピラなんだ、まったく……
まさか金で雇われて親友君を襲ったとか!? あり得るな、親友君はとても魅力的だから……そんなことを考える奴がいても不思議ではない。
「だ、大丈夫!?」
「ぅ……ぁ……」
おい待て、本当に死にかけてないかこれ。こ、これはマズい。早く助けてあげないと……
「コウ、しっかりしろ! 起きろ! オレだ、キヤだぞ!!」
私はぎゅっと親友君を抱きしめた。役得ってやつである。
すぅー……はぁー……
「コウ……頼むから起きて……!」
か、髪とか触ってもいいかな? いいよね?
ほわぁ……びしょ濡れだぁ。
親友君は水も滴るいい男ってことだね。
「うぅ……キ……ヤ……?」
「!」
私はすぐに身体を離した。危ない危ない、過剰なスキンシップがバレてしまうところだった。
「よ、よがっだ……生ぎでるぅ……」
「俺は……どうなって……あぁ」
けほけほと咳をしながら、ゆっくりと起き上がる親友君。
尊い。私は思わず親友君を再び抱きしめた。
「お、おわっ!?」
「心配したよぉ……連絡しても返事こないし、ちゃんとデートできてるか心配で来てみたらこんな事になってるし……本当に、ほんっっとに心配したんだからね!?」
「キヤ……」
や、やばい。キスしたい。でも我慢しなきゃ……
あ、あ、あぁぁぁぁ……
「どうして……どうしてこんな目に遭ったの?」
「そ、それは……当たり屋みたいな奴がカナに暴力を振るおうとしたんだ」
「うん……」
「それで、俺は……身代わりになったんだ。ほら、俺さ……そんなに強くないじゃん? だから、せめてこういう守り方はしたいなって。ま、結局カナには『カッコ悪い』って言われちゃったけどな」
「……!」
な、なんて酷いことを……!
許せない!
私はカナちゃんに憎悪を抱いた。
「そんなことないよっ!!!」
「キ、キヤ?」
「コウはカッコいいよ! オレが保証する!」
「でも、カナは……」
「どんな形でも、女の子を守ろうとしたコウがカッコ悪いなんてあり得ない! 少なくともオレはコウのことをカッコいい男だと思うよ!」
本当に……カッコいいよ、親友君……♡
「と、とりあえずオレの家に来て。ひどいケガだし……応急処置とかはできるからさ、ね?」
「あ、あぁ……」
よーし、いっぱい親友君の生肌をぺたぺたして楽しもう!!!
ちょっとくらいなら……バレない、よね?
◇◆◇
あの地獄のようなデートから1週間後。
カナは結局、あの後も俺と普通に話してくれている。友達としては問題ない、ということなんだろうか。
ケガも大体治った。キヤが手当てをしてくれたおかげだ。
「おはよう、コウ」
「おはよう、キヤ」
あの日から……俺の中には、キヤに対するなんとも言えない感情が芽生えている。
とても小さい、しかし暖かな……名前も分からない感情が。
しかし、俺がこの感情の正体に気づくにはまだ時間がかかるだろう。
まだ何なのか分からない、この火種のような小さな想いを……え? 何? 勝手にモノローグ捏造しちゃダメ?
っはー、仕方ないなぁ。分かったよ、普通に喋ろう。
こんにちは、天笠キヤです(2回目)
なんだかんだで私たちは日常に戻った。コウはカナと普通に接しているし、私もカナと普通に接している。もちろん親友君ともだ。
あんなに湧き上がっていたカナちゃんへの憎悪はどこに行ってしまったのだろうか……真実は私のみぞ知る。
さてさて、さっきのは捏造した親友君のモノローグだったが……まぁ実際、親友君の内心はだいたいそんな感じになってる……と思う。
あの日以来、親友君から私に向ける視線に少し〝熱〟のようなものを感じるようになった。
とてもとても微細だが、親友君のことなら私はなんでも分かってしまう。アレは恋の種だね。
私は確信した。
これから私と親友君のラブコメ、その本章が始まるのだ。
一章なんてプロローグみたいなもんである。チュートリアルとも言う。慣らしってことだ。私に慣れるっていう意味での。
ここからがマグマである。私は本格的に親友君を堕とす。依存させる。
その道のりで多少、親友君が曇るかもしれないが……それはコラテラルダメージというやつである。1ダメに過ぎない。
ごめん、やっぱり5ダメくらいはあるかも。
まぁどっちでもいい。重要なのは親友君が痛みと共に私への愛を募らせていく、ということだ。
さて、最初はまずどんなイベントを起こしていこうか……
やはりラッキースケベ展開は欠かせない。家に行く頻度でも増やすか? 心配になったとか言えば楽勝で通せるだろうし。
「ふふ、ふふふ……」
「ん? キヤ、どうした?」
「なんでもないよ♡」
「そ、そうか……なんか声色変だけど、大丈夫か?」
「んぇっ!? あ、あぁ大丈夫だよ、オレは元気だ、元気。うん」
私に棒があったら立派にERECTIONしてそうなぐらい元気さ!
おっと、またこんなことを言ってしまった……下ネタは控えろって言われたんだよな。気をつけないと。
「うーし、それじゃ今日は転校生の紹介するぞー」
「ん?」
なんだなんだ、聞いてないぞ。転校生?
「入って」
「失礼します」
教室の扉が開き、1人の女の子が入ってくる。
女子にしては高い、というぐらいの身長。ウルフカットの黒髪。キリッとした目……まごうことなきボーイッシュ美少女だ。
「
……なんだ、この胸のざわめきは?
私が……警戒している?
「天神さんは
「分かりました」
親友君を挟んで、私と正反対の位置に彼女は座った。
そして、彼女は親友君を見て……そして、なぜか私を見て……
「久しぶりだね、コウ?」
「……アイ? お、お前、女だったのか……」
クソがぁッ!!!
なぜ私の前にはこんなに壁が立ち塞がるんだ!?!?
「改めて、よろしく。コウ」
「あ、あぁ」
「それと……そっちのキミも。なんて言うの?」
「……あ、オレ? オレは……天笠キヤです。ヨロシク」
「ふふ、こちらこそ……ヨロシク、ね?」
ふ、ふふふはははは……なるほど、なるほど。
喧嘩を売っているというワケか、この天笠キヤ相手に……
上等だ、ボーイッシュ幼馴染なんて私が完膚なきまでに叩きのめしてやるよ。
『帝王』はこの天笠キヤだッ!!
依然変わりなくッ!
NEXT——————>第二章 TSメインヒロインVSボーイッシュ幼馴染 〜天笠キヤは親友君に群がる女をぶちのめしたい〜
ストックが……ありません!!
よかったら評価付与してってね!!
書けたら続きも投稿します!!