天笠キヤは親友君を堕としたい 〜異常TS性癖者によるマッチポンプヤンデレ育成計画〜 作:ゆきゆき@TSっ娘
フフハハハハァッ!!
私の名は天笠キヤ……親友君を愛する者である。
朝のホームルーム。
どうやら親友君は遅刻してしまいそうらしく、彼は今になってメッセージが私に送ってきた。
——————
『寝坊した』
『草』
——————
あぁ、暇だ。親友君が居ないので私の心はどん底にまで落ちていた。メッセージ上では草なんか生やしているが、私の心の中は枯れ果てた砂漠と化していた。
私は突っ伏して目を瞑った。
思い浮かべるのは昔の記憶。親友君との出会い———
◇◆◇
「おお」
これは『おお』だな。私は初めてTSモノを読んだ時、そう思った。
そして憧れた。TSして親友君に愛されて抱き潰される(過激な表現)シチュエーションに。
なので私は親友を作ることにした。
手始めに、私はまず友人を手に入れた。
最初は手当たり次第に話しかけたが、それまではそんなに活発的ではなかった私を不気味に思ったのか、何人かは逆に私を避けるようになってしまった。
しかし友人を作ることには成功したのだ。
だが……私の心は満たされなかった。
何故だ? TSすればすぐさまラブコメ(R18)にルートを進める自信はあった。
なのに何故心はこんなにも静かなのだ。私には分からない。
分からなすぎて病みかけた私を救ってくれたのは親友君(まだ親友ではない)だった。
通学路の帰り、偶然すれ違った彼を見て私は一目惚れした。
これだ。これが欲しかったのだ、と。
———この子の心を破壊して、私に依存させたい。
根源の欲望が、私の中の邪悪さんが表に出てきた瞬間だった。
故に彼こそは友人の中の友人、親友なのである。お気に入りってやつだね。
だが私は用心深かった。
何人かには私の突然の変化に引かれたし、彼とはそういったことが絶対に無いようにしたい。
いくら別クラスでこれまで面識が無いからといって、そうやって友人になろうとしたら拒絶されてしまうかもしれない。
私は耐えられなかった。想像しただけで涙が溢れてくる。
なので私はしっかりと準備をして挑むことにしたのだ。ボスに挑む前に対策するのは必須、ということである。親友君はボスではないが、似たようなものだ。
故に待った。待ち続けた。
そして小学5年生になった私は、クラス表を見て歓喜した。
親友君(まだ親友ではない)と同じクラス……!
私は歓喜に震えた。多分この辺りで精通もしただろう。
準備は整っていた。私は彼に引かれないようにゆっくりと、しかし着実に彼に話しかけていった。
1ヶ月もすれば私と彼とは普通の友人になっていたのだ。
だが私の心は満たされなかった。
ただのモブであることなど私の心が許さなかったのだ。
そうして私は考えた。どうしたら彼の『親友』になれるのだろうか、と。
そして当時小学5年生だった私は天才的な案を考えついた。
——————わざと孤立させて、後からそれを助けてあげればもっと仲良くなれるのでは?
私は天才だった。あまりにも天才すぎる。なんか最近はイジメとかいうものが問題視されているらしいが、私はそんなことはしない。私は愛の化身。親友君のために私の行動の全ては捧げられている。
これが愛でなければなんと呼ぶのか。
私はすぐに行動を開始した。
色々した結果、私の計画通り親友君は軽く孤立してくれた。まぁ別にみんな彼を嫌っているわけではない。単に避けているとか、その程度だ。
私はそんな彼に近づき、こう言った。
「ちゃんと皆と話し合ったらなんとかなるって。オレが保証するからさ、1回話してみようよ」
その日から、彼と私は話す回数が目に見えて増えた。
◇◆◇
夢想から引き戻されたのは、教室のドアが開く音がしたからだった。
「す、すみません……遅刻しました」
ぐしゃぐしゃの寝癖を残したまま、親友君が息を切らして立っていた。
先生に注意されながらも、彼はちらりとこちらに視線を向ける。
私は何も言わずにっこりと笑顔を見せてあげた。
親友君の顔が少し赤くなって、私の心が満たされていく。
◇◆◇
最近、なんだかアイツのことを考えると心がポカポカする。
私は元々男なのに……
いやいや、いったい何を考えているんだ私は。親友相手にそんなことを考えるなんて……
「うぅ、あ〜……ふへへっ」
……よく考えなくても、別に元からそういうことは考えていた。
しかしやはりTSしたからにはこういうテンプレなイベントをすべてこなしておきたい。たとえ誰に見られていなくとも、だ。
私は100%クリアを目指すタイプなのである。スチルは全回収したいし、これやる意味ある?みたいなミニゲームの報酬もちゃんとコンプする。
自己満でしかないがやるのだ。そもそも私の望むことは親友君と結ばれることで、結果だけ見れば別にそこまで辿り着くのは難しくない(断定)
だがそこまでの過程が大事なのだ。私だけでなく親友君にも心から愛して欲しい。
できれば私以外見ないで欲しい。いや違う、できればではない。
私以外見るな。私だけを見ろ。
コッチヲ……見ロォォォッ!
私は湧き出た邪悪さんをまたしても心の内側に閉じ込めた。なんか爆発しそうな予感がするのは気のせいだろうか。
TSしてしまったがために私の親友君へと愛が漏れ出ているのかもしれない。これからはそこも気をつけねば……
というかこれ、もしかしてヤンデレなのは私ではないか?
私は親友君をヤンデレにすべく行動しようとしているのに、まさか私が親友君にヤンデレにされているとは……ミイラ取りがミイラになる、とはまさにこの事である。
さて、そろそろ本日の予定の話をしよう。
今日はなんと特別に!
期間限定で!
親友君と通話しながらゲームをします!
ひゅ〜っ! ぱちぱちぱち!
「ぐへへ……待っていろよ親友君。キミの情緒をぐちゃぐちゃにしてやるからよぉ……」
なんか口調が邪悪な気もするが、内容的には恋する乙女、といった感じなのでまったくもって問題はない。
私と親友君には運命の赤い糸が結ばれており、そして両想いである(確信)
なので多少誘惑しても問題はない。まァ後からちょっといじわるはするんだが、今のうちから楔を打ち込んでおくのは大事だからねェ。
通話してゲームするぐらいで情緒なんて破壊できるのか?と思う人もいるだろうが、親友君は純情なので問題ない。
そもそも私が親友君と通話しながらゲームしてる時なんて常に興奮しているのだから、あっちを興奮させるなんて簡単なのである。
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