天笠キヤは親友君を堕としたい 〜異常TS性癖者によるマッチポンプヤンデレ育成計画〜   作:ゆきゆき@TSっ娘

3 / 3
Ep.3 天笠キヤに悲しき過去———!

 

 フフハハハハァッ!!

 私の名は天笠キヤ……親友君を愛する者である。

 

 

 朝のホームルーム。

 どうやら親友君は遅刻してしまいそうらしく、彼は今になってメッセージが私に送ってきた。

 

——————

『寝坊した』

『草』

——————

 

 あぁ、暇だ。親友君が居ないので私の心はどん底にまで落ちていた。メッセージ上では草なんか生やしているが、私の心の中は枯れ果てた砂漠と化していた。

 (親友君)を……(親友君)をください……!

 

 私は突っ伏して目を瞑った。

 

 思い浮かべるのは昔の記憶。親友君との出会い———

 

 

 

 

◇◆◇

 

「おお」

 

 これは『おお』だな。私は初めてTSモノを読んだ時、そう思った。

 

 そして憧れた。TSして親友君に愛されて抱き潰される(過激な表現)シチュエーションに。

 

 なので私は親友を作ることにした。

 

 手始めに、私はまず友人を手に入れた。

 

 最初は手当たり次第に話しかけたが、それまではそんなに活発的ではなかった私を不気味に思ったのか、何人かは逆に私を避けるようになってしまった。

 しかし友人を作ることには成功したのだ。

 

 だが……私の心は満たされなかった。

 何故だ? TSすればすぐさまラブコメ(R18)にルートを進める自信はあった。

 なのに何故心はこんなにも静かなのだ。私には分からない。

 

 分からなすぎて病みかけた私を救ってくれたのは親友君(まだ親友ではない)だった。

 

 通学路の帰り、偶然すれ違った彼を見て私は一目惚れした。

 これだ。これが欲しかったのだ、と。

 

 

 ———この子の心を破壊して、私に依存させたい。

 

 根源の欲望が、私の中の邪悪さんが表に出てきた瞬間だった。

 

 故に彼こそは友人の中の友人、親友なのである。お気に入りってやつだね。

 

 

 だが私は用心深かった。

 何人かには私の突然の変化に引かれたし、彼とはそういったことが絶対に無いようにしたい。

 いくら別クラスでこれまで面識が無いからといって、そうやって友人になろうとしたら拒絶されてしまうかもしれない。

 

 私は耐えられなかった。想像しただけで涙が溢れてくる。

 

 なので私はしっかりと準備をして挑むことにしたのだ。ボスに挑む前に対策するのは必須、ということである。親友君はボスではないが、似たようなものだ。

 

 故に待った。待ち続けた。

 

 そして小学5年生になった私は、クラス表を見て歓喜した。

 親友君(まだ親友ではない)と同じクラス……!

 

 私は歓喜に震えた。多分この辺りで精通もしただろう。

 

 

 準備は整っていた。私は彼に引かれないようにゆっくりと、しかし着実に彼に話しかけていった。

 1ヶ月もすれば私と彼とは普通の友人になっていたのだ。

 

 だが私の心は満たされなかった。

 ただのモブであることなど私の心が許さなかったのだ。

 

 そうして私は考えた。どうしたら彼の『親友』になれるのだろうか、と。

 

 そして当時小学5年生だった私は天才的な案を考えついた。

 

 

 ——————わざと孤立させて、後からそれを助けてあげればもっと仲良くなれるのでは?

 

 私は天才だった。あまりにも天才すぎる。なんか最近はイジメとかいうものが問題視されているらしいが、私はそんなことはしない。私は愛の化身。親友君のために私の行動の全ては捧げられている。

 これが愛でなければなんと呼ぶのか。

 

 私はすぐに行動を開始した。

 

 

 色々した結果、私の計画通り親友君は軽く孤立してくれた。まぁ別にみんな彼を嫌っているわけではない。単に避けているとか、その程度だ。

 私はそんな彼に近づき、こう言った。

 

 

「ちゃんと皆と話し合ったらなんとかなるって。オレが保証するからさ、1回話してみようよ」

 

 その日から、彼と私は話す回数が目に見えて増えた。

 

 

◇◆◇

 

 

 夢想から引き戻されたのは、教室のドアが開く音がしたからだった。

 

 

「す、すみません……遅刻しました」

 

 ぐしゃぐしゃの寝癖を残したまま、親友君が息を切らして立っていた。

 先生に注意されながらも、彼はちらりとこちらに視線を向ける。

 

 私は何も言わずにっこりと笑顔を見せてあげた。

 親友君の顔が少し赤くなって、私の心が満たされていく。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 最近、なんだかアイツのことを考えると心がポカポカする。

 私は元々男なのに……

 

 いやいや、いったい何を考えているんだ私は。親友相手にそんなことを考えるなんて……

 

 

「うぅ、あ〜……ふへへっ」

 

 ……よく考えなくても、別に元からそういうことは考えていた。

 しかしやはりTSしたからにはこういうテンプレなイベントをすべてこなしておきたい。たとえ誰に見られていなくとも、だ。

 

 私は100%クリアを目指すタイプなのである。スチルは全回収したいし、これやる意味ある?みたいなミニゲームの報酬もちゃんとコンプする。

 自己満でしかないがやるのだ。そもそも私の望むことは親友君と結ばれることで、結果だけ見れば別にそこまで辿り着くのは難しくない(断定)

 

 だがそこまでの過程が大事なのだ。私だけでなく親友君にも心から愛して欲しい。

 できれば私以外見ないで欲しい。いや違う、できればではない。

 私以外見るな。私だけを見ろ。

 

 コッチヲ……見ロォォォッ!

 

 私は湧き出た邪悪さんをまたしても心の内側に閉じ込めた。なんか爆発しそうな予感がするのは気のせいだろうか。

 

 TSしてしまったがために私の親友君へと愛が漏れ出ているのかもしれない。これからはそこも気をつけねば……

 

 

 というかこれ、もしかしてヤンデレなのは私ではないか?

 私は親友君をヤンデレにすべく行動しようとしているのに、まさか私が親友君にヤンデレにされているとは……ミイラ取りがミイラになる、とはまさにこの事である。

 

 さて、そろそろ本日の予定の話をしよう。

 

 今日はなんと特別に!

 期間限定で!

 

 親友君と通話しながらゲームをします!

 

 ひゅ〜っ! ぱちぱちぱち!

 

 

「ぐへへ……待っていろよ親友君。キミの情緒をぐちゃぐちゃにしてやるからよぉ……」

 

 なんか口調が邪悪な気もするが、内容的には恋する乙女、といった感じなのでまったくもって問題はない。

 私と親友君には運命の赤い糸が結ばれており、そして両想いである(確信)

 

 なので多少誘惑しても問題はない。まァ後からちょっといじわるはするんだが、今のうちから楔を打ち込んでおくのは大事だからねェ。

 

 通話してゲームするぐらいで情緒なんて破壊できるのか?と思う人もいるだろうが、親友君は純情なので問題ない。

 そもそも私が親友君と通話しながらゲームしてる時なんて常に興奮しているのだから、あっちを興奮させるなんて簡単なのである。





評価付与してくださると非常に喜びます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

TS転生失敗作ちゃんが頑張る話(作者:cannolo)(オリジナル現代/冒険・バトル)

ブラック企業勤めの社畜、榊透也は、仕事を辞めて人生をやり直そうと決めたその日に事故で死亡する。▼……だが次に目を覚ました時、彼は謎の実験施設の中で銀髪美少女に転生していた。▼しかも転生した世界は、前世で読んでいた大好きなヒーロー漫画『アステリオン』の世界だった。▼企業ヒーロー、能力犯罪、人体実験。▼漫画の中では派手で格好良かった世界は、実際に来てみるとかなり…


総合評価:4311/評価:8.59/連載:18話/更新日時:2026年06月03日(水) 07:00 小説情報

TS転生した元おじさん一般村娘。将来結婚相手になるだろうからと優しく接していた幼馴染が村を出た。そして十年後、立派になりすぎて帰ってきた。(作者:パンデュ郞)(オリジナルファンタジー/ノンジャンル)

やあ、おじさんは村娘に転生したよ。▼どうやら村長の一人娘みたいだから、将来子供を産んで村を存続させるのが役割なんだ。▼最初は受け入れがたかったけれど、まあ人生って諦めと妥協の産物だよねってことで受け入れたよ。▼せめて結婚相手は仲良い相手がいいなぁ、と思って幼馴染と親しくしようとしたけれど、あんまりうまくいかなくって。▼その子は村を出ちゃったんだ。▼しょうがな…


総合評価:11534/評価:8.23/連載:17話/更新日時:2026年06月03日(水) 06:03 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>