天笠キヤは親友君を堕としたい 〜異常TS性癖者によるマッチポンプヤンデレ育成計画〜   作:ゆきゆき@TSっ娘

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Ep.4 式はいつ挙げる?

 

 今日は休み明け最初の土曜日。

 

 キヤが一緒にゲームしようぜ、という風に誘って来たので、俺とキヤはそれぞれ自宅で通話しながらゲームをすることにした。

 

 性別が変わってしまったキヤの自宅に俺が遊びに行くのは少々問題がある。そういう訳で俺はそれとなく通話しよう、という流れに持っていった。

 

 だが、俺はキヤのことを舐めていた。

 

 通話なら問題なんて起きないだろう、という考えが浅はかだったのだ。

 

 

『あー、そこそこ。そこ敵いるよ』

「そこってどこだよ」

『あそこだってば』

 

 そもそも単純な話、俺は女子と話したことなんて無かったわけだ。

 そんな男が、少なくとも声は女な奴と通話してゲームをしている……童貞っぽすぎるが、それだけでちょっと気が散っていた。

 

 

『あ〜、あっっっついなぁ……ねぇコウ、なんだか最近暑くない? ちょっと水飲むから守っててね』

 

 やたらと色っぽい声でそう言ったキヤ。そしてわざとではないと思われるが、水を飲む音がはっきりとこちらに聞こえてくる。

 ボトルから口を離した音まではっきりとだ。

 

 それもあって、俺はゲームに全然集中できていなかった。

 

 

『はぁ……あっつぅ……ぁ、コウ? 敵来てるよ』

「え? あっ」

 

 情緒をかき乱された俺は、近づいて来る敵を見逃してしまう。

 そのせいでこのマッチは敗北だ。キヤに申し訳ない……特に理由が理由なので。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 親友君を堕とすには、多少やり過ぎなくらいの演技が丁度いい。

 どうもみなさんこんにちは、天笠キヤです。

 

 

 エアコンがガンガン効いてる部屋から放たれた私の声で発情したらしい親友君は、画面に集中出来なかったせいでまたもやミスをしてしまったようだ。

 まったく、可愛いヤツだぜ……♡

 

 私がストイックに時間と労力と金と愛情をかけて築き上げた親友君との友情をグチャグチャに崩壊させて性欲に変えるんだ。

 これはもうセックス以上の快楽だッ

 

 

『はぁっ、はぁっ……コウ! 右の方から敵来てる!』

 

 なんで息切らしてるんだよ、と冷静な方は思うだろう。

 しかし親友君は今絶賛冷静でないので、そんな細かいことに気は回らない。

 

 つまり私がえっちな声を出せば出すほど彼の情緒は壊れていくというワケだ。

 

 私の掌の上で転がされる親友君……イイッ!

 絶頂しそう!

 抱いて!

 

 私は一旦音声をミュートに切り替えた。

 

 

「ふひっ、ふへへへへ……ケヒャヒャッ! ……ふぅ(ミュート解除) コウ! そっちにも敵!」

『だからどこだよーっ!?』

「そこ、そこそこ! あそこだってば!」

 

 最近は邪悪さんが表に出ることが多くなってしまい、ついつい悪役みたいな笑い方をしてしまう事も多くなった。

 だがしかし、私は良いことを思いついたのだ。

 我慢できないのはしょうがない。なので適切な関係を築いていくべき、ということである。

 

 邪悪な笑みは見えていないところならいくらでも浮かべていい。人に見られるところではしない。

 

 

 なんだこれは、私はとてもTPOを弁える常識的なTSっ娘ではないか。

 漫画でもよくあるだろう? ほら、主人公(善性)が仕方なく悪い存在の力を借りて強くなるとか。そういうアレである。

 

 使いすぎなければ問題はない。私は邪悪さんとの共存を望んだ。邪悪さんは私でもある。

 内側に秘めた自分の本心と向き合い、調和する——————うむ、これは非常に主人公っぽい。

 まぁ私は主人公なので当然だが。

 

 

「クケケケケッ! カカカカッ! コココココ……!」

 

 私は邪悪な金持ちみたいな声で笑った。どっちかというとニワトリに近いかもしれない。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

「はふぅ……」

 

 今日はいい日だった。

 ほぼ一日中彼と通話ができたのだから当然である。

 やはり親友君と触れ合っていると心がポカポカする。

 この感情は……恋!?

 

 トゥンク……

 

 

 紛れもない恋であった。断じて支配欲ではない。誰がなんと言おうと私の恋は止められないのである。

 

 私はスマートフォンのファイルから、先ほど録音しておいた親友君との通話記録を開き、再生した。

 

 親友君の声は私の心を癒してくれる。これはもうASMR、自律感覚絶頂反応と言えるだろう。絶頂できるので確実にそうだ。

 

 

「あへぇ……♡」

 

 私は眠りについた。エロ音声聞きながら眠る人間というのもこの世にはいると聞くが、私もそれに属しているのかもしれない。

 

 おやすみ、親友君……

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

「んぅ……ふぁぁ」

 

 私は起きて早々、自らの胸に手を当てた。

 

 

「やっぱり、夢じゃない、か……」

 

 一般的なTSモノの序盤では、こういうのは落胆を示しているだろう。まぁ私の場合は安堵だけどね。

 

 TSモノって好きになると微妙にテンプレ展開に感情移入できなくなっちゃうのが玉に瑕なんだよね。私だけかもしれないが。

 

 そのせいでTSモノは主人公がキモくなりがちとされている。なぜならTSモノが好きなヤツが書いているために感情移入できるのを主役に据えるからだ。

 

 ……まぁ私はキモくなんてないんだけどね。超正統派のTSっ娘ヒロインである。

 

 TSした日には机の上で泣いちゃうし、周りから向けられる目には戸惑っちゃうし、それに親友君への言葉にできない感情が少しづつ浮かび上がってくるのだ。

 

 やはりこれは恋だ。私は確信した。

 いや正統派だとまだ確信には早いか。

 

 私はこの感情に疑問を浮かべつつ、ベッドから出て身支度をした。

 

 さぁ今日も張り切ってやっていこー!

 

 

 ……今気づいたのだが、今日は日曜日だった。

 ふえぇ……予定もないから親友君に会えないよぉ( ; ; )

 

 

「うっうっ、うぅぅ…..うわーん!」

 

 私は号泣した。どうする……? TS前からやっていた親友君ストーキングでも再開するか……? いやしかし、アレはそろそろヤバい。

 

 1回警察に声かけられちゃったからね、こういうのはするべきでない。なぜなら犯罪だからだ。ストーカーなんて滅びちまえ!

 

 仕方ない。今日は自撮りでもしまくろう。幸いTS前から沢山買っておいた服がある、これで私のスーパーフェイスをたくさん記録に残しておくのだ。

 TSモノといえば美少女フェイスに自ら感動し、自画自賛するという展開もテンプレだ。

 

 私はこの世で一番好きなモノを挙げろ、と言われれば親友君を挙げるだろう。

 だが二番目となれば私自身を挙げる。なぜなら私は可愛いからだ。

 

 私はメイド服に着替えてパシャリ、と自撮りを撮影した。ふふふ、中々イイじゃないか。

 私はこの姿を親友君に見せたい衝動に駆られたが我慢した。これは文化祭までお預けだ……!

 今時メイド喫茶なんてやれるのかと疑問に思うが、私は何が何でもメイド喫茶を出し物にするつもりなので問題ない。

 

 結局、この日はたくさん自撮りを撮るだけで終了してしまった。

 

 親友君とは話せなかったが、これはこれで結構満足である。

 私はAIチャットアプリで、ウェディングドレスを着た私と親友君とが映っている画像を生成してにんまりと笑顔を浮かべつつ就寝した。

 

 

 ——————式はいつ挙げる?

 ——————うーん、やっぱりこのぐらいの時期に……んぁっ、どこ触ってるんだい親友君……♡

 

 

 




※実在する人物で勝手に自分と結婚した画像を作るのはやめましょう。

よかったら評価付与よろしくね!
評価が貰えると筆が乗り、そのせいでキヤがもっと気持ち悪くなる可能性があります。
既に手遅れか。
まぁでも、今のところ(外から見ると)普通のTS純愛ラブコメだし……いっか!
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