天笠キヤは親友君を堕としたい 〜親友君ガチ恋勢TSっ娘によるマッチポンプヤンデレ育成計画〜   作:ゆきゆき@TSっ娘

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Ep.9 い、いってぇぇ〜〜〜ッ!! こ、こりゃあ恐らく多分肩の骨が複雑骨折しちまってるなァ〜〜ッ!? どうしてくれんだ、あぁ!? そこの女寄越せや!!

 

 あへぇ……♡

 どうも、天笠キヤです。

 

 もはや最近挨拶ですらない気がするが、私的にはギリギリ挨拶の範疇である。みんなもアヘってこうぜ。

 内面だけなら許されるはずさ。

 

 しかし、最近簡単にアヘってる気がするから注意だな。こういうのって繰り返しすぎると飽きられちまうんだ。

 あへあへ。

 

 

 さてさて、それでは今日の予定を発表しよう。

 浮気者の制裁だ。

 

 

 親友君、キミはやってはいけないことをした。

 私以外を愛そうとしたことだ。そして、それをあまつさえ私に相談してきたことだ。

 

 あぁ分かるさ、親友には恋愛の相談もするかもしれない。

 だがな、キミの相手はもう決まっているんだ。私だ。

 私以外に相応しい者などいない。親友君のお嫁さんになるのはこの私だ。

 

 

 私は誓いのキスを《自主規制》にだってしてあげるしなんなら《自主規制》されてもいい。

 それに私は親友君の《自主規制》にだってなれるし喜んで《自主規制》だってしてあげられる。

 

 こんな有料物件を放置してしまうとは、なんて親友君は愚かなんだ……ッ!

 

 

 ちなみに現在、私は親友君をストーキング中である。

 前は警察官に止められたけどね、今はTSっ娘なので多少職質はされづらいだろう。

 

 まァ最悪されたら逃げるか。最近、私は結構身体能力が上がっていてね。筋トレの成果かな? まァなんでもいいや。多分逃げ切れるはずだ。

 

 ……っと、もう着いたね。

 それじゃあ私もちょっと離れた席から盗み聞きしておこうかな。

 上手くやってくれよ、カナちゃん……

 

 

 

◇◆◇

 

 

 カフェの窓から見える空は、少しずつ雲が増えてきていた。

 俺はキヤから聞いたカナの好きなカフェへと、2人で足を運んでいた。

 

 

「何頼むー?」

「あ、あぁ。えっと、この……ケーキとか、気になるかも」

「えっ、嘘!? 私もここのケーキ好きだよ!」

「そ、そうなんだ!」

 

 カナは満面の笑みでケーキを2つ、そしてコーヒーとオレンジジュースを頼んで……

 

 俺はそれを見ながら、なんとなく視線の置き場に困っていた。

 

 

 キヤに相談した時、あいつはこう言った。

 

 

『コウってば緊張しすぎ。いつも通りにしてれば絶対大丈夫だよ』

 

 

 いつも通り。そうは言っても、こんな状況でいつも通りにできるやつがどこにいるんだ。

 

 

「ちょっと、聞いてる?」

「……あ、あぁ! 聞いてる」

「ふふ、うそ。絶対どこか行ってた」

 

 カナはおかしそうに笑った。

 せっかくの機会だっていうのに、俺はカナに主導権を握られていたのだ。

 

 

「コウって、なんかキヤ君に似てるよね」

「え?」

「なんかね、放っておけない感じ? ちょっと危なっかしいっていうか」

「……俺が?」

「うん」

 

 カナはそう言ってまた笑った。

 今度は少しだけ、遠くを見るような目をしていた気がした。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 ———よし、いいぞ。お前らやっちまえ!

 

 ———なんでそんなノリノリなんだお前……意味が分からん。

 

 

◇◆◇

 

 

 店を出ると、空気が湿っていた。

 雨が降りそうだ、とカナが言って、俺たちは軒下で少しの間立ち止まった。

 

 今だ、と思った。

 俺はカナの手を取る。

 

 

「カナ、あのさ——————」

「……ん?」

 

 俺が口を開こうとした瞬間、肩に何かがぶつかった。

 

 どんっ!!

 

 

「うぎゃぁぁぁぁっ!! い、いてぇよぉ〜〜ッ!! うぎぃ〜〜〜っ! こ、こりゃ肩の骨が複雑骨折しちまってるなァ〜〜!?」

「だ、大丈夫かカシラ!? おいテメェ! どこ見て歩いてんだ、あぁん!?」

「い、いやあの、俺は」

 

 突然背後からぶつかってきた金髪の男とその取り巻きは、俺のことをぎろりと睨んだ。

 怖くなった俺はカナの手を取り、その場から離れようとするが……

 

 

「待てやゴラァ!! テメェ今ぶつかっただろ!? ぶつかったよなぁ!? 絶対ぶつかったわ!! まずは謝罪からだろうがッ!! くっ……肩が複雑骨折していて痛えよぉ〜〜〜」

「ご、ごめんな「誠意がこもってねぇなぁ!!」

 

 どうやらヤバい奴に目をつけられたらしい。俺はスマホに手をかけ……

 

 

「おっと、なに出してんだ?」

「あっ……」

 

 俺の手から、スマホが金髪の男に取られてしまった。

 マズい、このままだと……

 

 

「くぅ〜〜〜っ! 痛え、痛えよぉ……こんな痛みは生半可な謝罪じゃあ治まらねぇ。つーわけでよぉ、お前さぁ……そこの女寄越せや」

「……ッ!?」

「コ、コウ……?」

 

 俺は気づいたら男の前に出ていた。

 

 

「なんだァ? テメェ……」

「俺はいい。でもカナには手を出すな」

「おぉ、おぉ主人公気取っちゃってまぁ……かめてんじゃねぇぞ! こら!」

「がっ……!」

「コ、コウ君っ!」

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 それから長い時間が経った。いや、もしかしたら長くないのかもしれない。

 ともかく、俺の感覚では数時間にも及ぶ殴る蹴るの暴行を受け続けた。

 

 地面に転がったまま、俺は雨が降ってきていることに気づいた。

 

 

「ギャハハ! コイツまだ立とうとしてるぜ!」

「お、おい。本当にここまでやっていいのか……? 怒られないか……?」

「なぁに日和ってやがる! 日頃の恨みを全部コイツにぶつけんだよッ!!」

「ぐぁっ……!」

 

 それからさらに長い間、俺はカナを守るために痛みを受け続けて、そして……

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

「フゥ〜〜〜! スッキリしたぜ。あばよ! なんか複雑骨折も治った気がするわ!」

「ぁ……」

 

 男たちはそう言い残し、俺の元から去っていった。

 雨がアスファルトを叩く音だけが聞こえる。

 

 

 ……しばらくして、足音が聞こえた。

 

 

「コウ、大丈夫……?」

 

 カナの声だった。

 俺はゆっくりと顔を上げ、彼女の顔を見つめた。

 そして、震える唇を開けて言葉を振り絞る。

 

 

「さっき、は……言えなかった、けど……ごほっ、ごほっ……」

「無理しちゃダメだよぉ……」

「い、いや、いいから……俺さ、カナのこと……げほっ、ゲホッ……す、す———」

 

 

 勇気を振り絞り、その言葉を口に出す。

 

 

「好きだ。付き合って欲しい」

「あ、ごめん。恋愛的にはちょっと無理かな……なんかカッコ悪かったし」

「……ぁ」

 

 俺は気を失った。

 

 





かわいそう(小並感)

よければぜひ評価付与してってね!



しかしストックがない。頑張ってあと1話は更新したい、が……
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