天笠キヤは親友君を堕としたい 〜親友君ガチ恋勢TSっ娘によるマッチポンプヤンデレ育成計画〜 作:ゆきゆき@TSっ娘
あへぇ……♡
どうも、天笠キヤです。
もはや最近挨拶ですらない気がするが、私的にはギリギリ挨拶の範疇である。みんなもアヘってこうぜ。
内面だけなら許されるはずさ。
しかし、最近簡単にアヘってる気がするから注意だな。こういうのって繰り返しすぎると飽きられちまうんだ。
あへあへ。
さてさて、それでは今日の予定を発表しよう。
浮気者の制裁だ。
親友君、キミはやってはいけないことをした。
私以外を愛そうとしたことだ。そして、それをあまつさえ私に相談してきたことだ。
あぁ分かるさ、親友には恋愛の相談もするかもしれない。
だがな、キミの相手はもう決まっているんだ。私だ。
私以外に相応しい者などいない。親友君のお嫁さんになるのはこの私だ。
私は誓いのキスを《自主規制》にだってしてあげるしなんなら《自主規制》されてもいい。
それに私は親友君の《自主規制》にだってなれるし喜んで《自主規制》だってしてあげられる。
こんな有料物件を放置してしまうとは、なんて親友君は愚かなんだ……ッ!
ちなみに現在、私は親友君をストーキング中である。
前は警察官に止められたけどね、今はTSっ娘なので多少職質はされづらいだろう。
まァ最悪されたら逃げるか。最近、私は結構身体能力が上がっていてね。筋トレの成果かな? まァなんでもいいや。多分逃げ切れるはずだ。
……っと、もう着いたね。
それじゃあ私もちょっと離れた席から盗み聞きしておこうかな。
上手くやってくれよ、カナちゃん……
◇◆◇
カフェの窓から見える空は、少しずつ雲が増えてきていた。
俺はキヤから聞いたカナの好きなカフェへと、2人で足を運んでいた。
「何頼むー?」
「あ、あぁ。えっと、この……ケーキとか、気になるかも」
「えっ、嘘!? 私もここのケーキ好きだよ!」
「そ、そうなんだ!」
カナは満面の笑みでケーキを2つ、そしてコーヒーとオレンジジュースを頼んで……
俺はそれを見ながら、なんとなく視線の置き場に困っていた。
キヤに相談した時、あいつはこう言った。
『コウってば緊張しすぎ。いつも通りにしてれば絶対大丈夫だよ』
いつも通り。そうは言っても、こんな状況でいつも通りにできるやつがどこにいるんだ。
「ちょっと、聞いてる?」
「……あ、あぁ! 聞いてる」
「ふふ、うそ。絶対どこか行ってた」
カナはおかしそうに笑った。
せっかくの機会だっていうのに、俺はカナに主導権を握られていたのだ。
「コウって、なんかキヤ君に似てるよね」
「え?」
「なんかね、放っておけない感じ? ちょっと危なっかしいっていうか」
「……俺が?」
「うん」
カナはそう言ってまた笑った。
今度は少しだけ、遠くを見るような目をしていた気がした。
◇◆◇
———よし、いいぞ。お前らやっちまえ!
———なんでそんなノリノリなんだお前……意味が分からん。
◇◆◇
店を出ると、空気が湿っていた。
雨が降りそうだ、とカナが言って、俺たちは軒下で少しの間立ち止まった。
今だ、と思った。
俺はカナの手を取る。
「カナ、あのさ——————」
「……ん?」
俺が口を開こうとした瞬間、肩に何かがぶつかった。
どんっ!!
「うぎゃぁぁぁぁっ!! い、いてぇよぉ〜〜ッ!! うぎぃ〜〜〜っ! こ、こりゃ肩の骨が複雑骨折しちまってるなァ〜〜!?」
「だ、大丈夫かカシラ!? おいテメェ! どこ見て歩いてんだ、あぁん!?」
「い、いやあの、俺は」
突然背後からぶつかってきた金髪の男とその取り巻きは、俺のことをぎろりと睨んだ。
怖くなった俺はカナの手を取り、その場から離れようとするが……
「待てやゴラァ!! テメェ今ぶつかっただろ!? ぶつかったよなぁ!? 絶対ぶつかったわ!! まずは謝罪からだろうがッ!! くっ……肩が複雑骨折していて痛えよぉ〜〜〜」
「ご、ごめんな「誠意がこもってねぇなぁ!!」
どうやらヤバい奴に目をつけられたらしい。俺はスマホに手をかけ……
「おっと、なに出してんだ?」
「あっ……」
俺の手から、スマホが金髪の男に取られてしまった。
マズい、このままだと……
「くぅ〜〜〜っ! 痛え、痛えよぉ……こんな痛みは生半可な謝罪じゃあ治まらねぇ。つーわけでよぉ、お前さぁ……そこの女寄越せや」
「……ッ!?」
「コ、コウ……?」
俺は気づいたら男の前に出ていた。
「なんだァ? テメェ……」
「俺はいい。でもカナには手を出すな」
「おぉ、おぉ主人公気取っちゃってまぁ……かめてんじゃねぇぞ! こら!」
「がっ……!」
「コ、コウ君っ!」
◇◆◇
それから長い時間が経った。いや、もしかしたら長くないのかもしれない。
ともかく、俺の感覚では数時間にも及ぶ殴る蹴るの暴行を受け続けた。
地面に転がったまま、俺は雨が降ってきていることに気づいた。
「ギャハハ! コイツまだ立とうとしてるぜ!」
「お、おい。本当にここまでやっていいのか……? 怒られないか……?」
「なぁに日和ってやがる! 日頃の恨みを全部コイツにぶつけんだよッ!!」
「ぐぁっ……!」
それからさらに長い間、俺はカナを守るために痛みを受け続けて、そして……
◇◆◇
「フゥ〜〜〜! スッキリしたぜ。あばよ! なんか複雑骨折も治った気がするわ!」
「ぁ……」
男たちはそう言い残し、俺の元から去っていった。
雨がアスファルトを叩く音だけが聞こえる。
……しばらくして、足音が聞こえた。
「コウ、大丈夫……?」
カナの声だった。
俺はゆっくりと顔を上げ、彼女の顔を見つめた。
そして、震える唇を開けて言葉を振り絞る。
「さっき、は……言えなかった、けど……ごほっ、ごほっ……」
「無理しちゃダメだよぉ……」
「い、いや、いいから……俺さ、カナのこと……げほっ、ゲホッ……す、す———」
勇気を振り絞り、その言葉を口に出す。
「好きだ。付き合って欲しい」
「あ、ごめん。恋愛的にはちょっと無理かな……なんかカッコ悪かったし」
「……ぁ」
俺は気を失った。
かわいそう(小並感)
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しかしストックがない。頑張ってあと1話は更新したい、が……