戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~   作:@a.s

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過去最長です。

かなーり遅くなってすみません!
今回は予約投稿というのをしてみました。


第30話

 

 *ウェル視点*

 

 僕は英雄になるはずだったんだ。

 それなのに、どいつもこいつも邪魔ばかりしやがって。やってきたこと全てが台無しだ!

 

 こうして捕まっているが、行く先は死か監禁か。

 米国は不都合な真実を知っている僕やマリアたちを死刑にしたがっているだろうが、無理矢理な介入が出来なければ、月の落下の情報隠蔽やF.I.S.の組織経緯を他国から確実に追求されることになる。

 

 米国がそんな事を公にするわけが無い。全てを無かったことにしてうやむやにする他ないだろう。

 そうなると僕は人知れず殺されるか、この左腕やLiNKERのことでまだ利用価値があるとされて監禁されるかのどちらかだ。

 

 どっちになろうと僕の名が英雄として残ることは無い。

 

 ...嫌だ。

 嫌だ!嫌だ!嫌だ!!

 

 英雄になれない世界なんていらない!こんな世界、滅んでしまえ!

 

 

 -なら、滅ぼしてしまえばいい-

 

「だっ、誰だ!」

 

 -誰だっていいじゃないか。それよりも、世界を滅ぼせる力が欲しくないか?

 たとえば、あの巨人のような力が-

 

「あの力が、僕のものに?」

 

 -そうだ。それに、全てを滅ぼさなくたっていい。力があれば英雄にだってなれるさ。

 全てを力でねじ伏せて、世の中を正しい方向へ向かわせることの出来る、英雄に-

 

「僕が、指導者となって...。そして、英雄に..」

 

 -君にはその資格がある。誰よりも英雄に憧れた君へ、私からささやかなプレゼントだ。

 さぁ、力を受け入れて、自らの手で理想の世界を作るといい-

 

「ああ!僕に力を!英雄にふさわしい力を!!」

 

 -受け取るといい-

 

 そう聞こえた後、僕の体の中から溢れ出るエネルギーを感じることができた。

 フロンティアやネフィリムに頼ることなどない、僕の力!

 

 あぁ、この力があればすぐにでも英雄になれる。

 手始めにこれまで邪魔してきたシンフォギア装者や、二課の連中を始末するところから始めるとしよう。

 それに、ウルトラマン。巨人の力は僕1人で充分だ。

 

 そうだ!挨拶をしに行くとしよう。

 新しく生まれ変わったこの英雄の姿をお見せしなくては。

 


 

「それにしても、フロンティアを取り込んだネフィリムをよく倒すことが出来ましたね。そこは褒めて差し上げましょう」

 

「今さらお前1人出てきてどうしようってんだ!」

 

「ソロモンの杖も、ネフィリムもいないんデスよ」

 

「今の私たちでも、あなた1人捕まえるくらいは出来る」

 

「ソロモンの杖ぇ?ネフィリムぅ?

 ハハハハ!そんなもの今の僕には必要ない!」

 

「なんだとっ!」

 

「ウルトラマン!あなたにも見せてあげますよ。

 この僕の新たな力をねぇ!!」

 

 内にある力を解放すれば、体が変化していくのが分かる。

 

「これが、世を導く英雄の姿...。なんて素晴らしい」

 

「あれが、ウェルだと」

 

「ウルトラマンさんと同じ、巨人の力」

 

 下で小娘どもが驚いているな。

 もっと恐れろ!これが今の僕だ!

 

「シュアッ」

 

 あん?いっちょ前に構えをとりやがって。

 いいだろう。まずはヤツから始末して──

 

ドゴン!

 

「ふべっ!」

 

 い、痛い!顔を思いっきり殴られた!

 ならこっちも!

 

「このっ!当たれえ!」

 

「動きがなってないな」

 

「あれじゃ何度やっても結果は同じね」

 

「宝の持ち腐れ」

 

 くそっ!バカにしやがって!

 

「デヤァ!」

 

「うぐっ!」

 

 蹴りが腹にっ!

 なんで僕がこんな目にあうんだ!

 力があるはずなのに!僕は英雄になるはずなのに!

 

 -随分手こずってるようじゃないか-

 

「お前は!僕を騙したのか!全然強くないじゃないか!」

 

「な、何と話してるの?」

 

 -騙したとは心外だな。ちゃんと力はあるさ。使い方が間違っているだけだ-

 

「なら教えろ!!」

 

 -その必要は無い。君はただの器なのだから-

 

「え?それは...どういう..」

 

 -お前の意識は──もう必要ない-

 


 

 *主人公視点*

 

「があっ!なんだ、頭が割れる!」

 

「様子がおかしいデス!」

 

 確実にアイツがウェルに干渉してる!

 今なら助け出せるか!

 

「ガアアッ!」

 

「グッ!」

 

 危ないっ!今のは《ダークフラッシャー》か!

 今は暴れて何をしてくるか分からない!

 

「くそ、ボクはウェル。ボクはウェル。英雄になるんだ。英雄に...。

ボクは

 ──ワタシは.....ファウスト。お前の影だ」

【闇の巨人 ダークファウスト】

 

 完全に意識を持っていかれたのか。

 こうなってくると殺さないように手加減をするのが難しい。

 

「雰囲気が変わった!?」

 

「何が起こったってんだ!」

 

 みんなを安全な場所に!

《セービングビュート》で二課の潜水艦まで移動させる。

 

バァン!

 

「グアアッ!」

 

「敵に背を見せてまで助けるとは。それ程までに大事か?

 なら、やつらにお前の最期を見せてやるとしよう!」

 

 その構えは!

 

「ハアッ!」

 

 ダークフィールドッ!

 


 

「ここは無限の闇、ダークフィールド。

 光のお前に、勝ち目は無い」

 

 厳しい状況なのは分かっているさ。

 そっち版のメタフィールドだからな。

 

「更なる絶望を見せてやる。こい!」

 

「ガルルッ」

【フィンディッシュタイプビースト ガルベロス】

 

 おいマジかよっ!

 この状況でもキツいのに最上位クラスのビーストも追加だと!

 

 どうする。2対1の不利からどうやって勝つ。

 いや、何としてでも勝つしかない!

 

「ジェアッ!」

 

 ジュネッスになって空中戦を仕掛ける!

 ガルベロスは火球を放ってくるだろうが、地上で挟まれながら戦うよりはマシだ。

 こい!ファウスト!

 

「その誘いにのってやろう」

 

 そこからは激しい空中戦が始まった。

 俺が《パーティクルフェザー》や《ボードレイフェザー》で牽制しながら飛んでいるのに対して、ファウストは躱しつつ《ダークフェザー》でこちらを狙い撃ってくる。

 

 均衡はすぐに崩れた。ダークフィールドのせいで体が普段よりも重いうえ、下でガルベロスが俺の移動先に火球を飛ばしてくるため、距離がすぐに縮まってしまった。

 

「捕まえたぞ」

 

 右足を掴まれてしまった。

 そのまま地面に叩きつけられる。

 

「グアアアッ」

 

「すぐに終わらせてやる」

 

 ファウストは頭上からダークエネルギーの弾丸の雨を浴びせる《ダーククラスター》を使ってきた。

 

 地面に叩きつけられて体制を整えられていない俺はその攻撃をまともに受けてしまう。

 

「アァッ!ガアッ!」

 

「まだ倒れないか。しぶとい奴だ」

 

「ハァッ…ハァッ…」

 

 俺は諦めない、必ず逆転のチャンスはくる!

 


 

 *響視点*

 

 ウェル博士が変身した巨人がウルトラマンさんを追い詰めていく。

 この光景を私たちは見ることしか出来ないの?

 

「くそっ!どうにか出来ないのか!」

 

「私たちが戦える状態だったら..」

 

「彼1人に任せる訳にはいかない。いざとなれば私が──」

 

「落ち着け!お前たち!」

 

「でも師匠!このままじゃウルトラマンさんが!」

 

「ミサイルがまだ8発残っている!

 今は機会を待つんだ」

 

「お前たちもそんな心配そうな顔をするなよ。

 アイツがこのままやられると思うか?」

 

 奏さん...

 そうだ、まだ戦ってる。私たちが諦めちゃダメだ!

 

「そんな顔はやめてアイツを応援するぞ!」

 

「はい!師匠、私たちの声を届かせることは出来ますか?」

 

「可能だ。藤堯!」

 

「準備は出来てます!」

 

 私の、私たちの言葉を!

 

「負けないで!ウルトラマンさん!」

 

「そんなヤツらにいつまでもやられっぱなしでいんなよ!」

 

「立て!勝負はここからだ!」

 

「あなたなら勝てる!絶対に!」

 

「まとめてぶっ飛ばしてやるデス!」

 

「私たちは信じてる、あなたの勝利を!」

 

「あんたがここでくたばるわけがねぇ!気合い入れろぉ!」

 

「まだ負けてない!だから、最後まで諦めないで!」

 

 声が届いたのか、少しふらつきながらもしっかりと立つことが出来た。

 

「耳障りなッ!そこで信じる者が死ぬ瞬間を目に焼き付けるがいい!」

 

《ダークレイ・ジャビローム》

 

ドガーン!

 

 強力な光線がウルトラマンさんに当たり爆発した。

 もしかしてと思ってしまったけど、そんなことは無い。彼ならきっと──

 

 

 爆発が収まると、そこにはウルトラマンさんの姿があった!

 

「バカなっ!」

 

「ったりめーだ!」

 

「いけ!反撃開始だ!」

 


 

 *主人公視点*

 

 響たちの応援が聞こえる。

 負けるな、立て、勝てる、信じてる、諦めるな。それぞれの精一杯の声が俺に力を与えてくれる。

 

 そしてファウスト、その攻撃を俺は待っていた!

 

 お前の必殺技のダークエネルギーを光エネルギーに転換して放つ!

 受け取れ!!

 

「オオオオオ──ハアッ!」

 

《スピルレイ・ジェネレード》

 

「ごああああああぁぁぁ!!」

 

「キィィィィ!!」

 

 どちらもダメージで怯んでる今がチャンスだ!いくぞ!

 

「デェアッ!」

 

 狙いはガルベロスだ。ファウストが復帰する前にコイツを速攻で倒すしかない!

 ファウストと距離を離すためにガルベロスを投げ飛ばし、パンチとキックを休みなくあびせる。

 

「ガルル...」

 

 時間はかけない!一気にトドメをさす!

 

 俺が《コアインパルス》を撃とうとした時──

 

「させん!!」

 

 ファウストがもう一度必殺技を出そうとしてる。これでは間に合わない!

 

ドォン!ドォン!ドォン!

 

「ぐおおっ」

 

「今だ!撃てぇ!」

 

 二課のミサイルか!最高のタイミングだ!!

 

「デヤァァアア!」

 

「キィィイイイ!」

 

 ガルベロスを倒すことが出来た。残すはファウストのみ。

 何とか隙をついてウェルの体から闇の力を取り払うしか方法がない。

 

「まさか人間に邪魔をされるとは。だが、ワタシの勝利は揺るがない」

 

「ハアッ...ハアッ..」

 

 限界は近い、コアゲージも点滅し始めた。

 

「随分と苦しそうじゃないか。では終幕といこう」

 

 ゆったりとした足取りで近付いてくる。

 そして俺の首を掴んだ。

 

「グッ、オォ」

 

「このまま絞め殺してやる」

 

 くそっ、力が全然入らない。どうすれば。

 

「フッフッフ.....んぐっ、おおおお、なんだ...コレは」

 

 首から手が離れてやつが急に苦しみだす。何が起こった!?

 

「僕は、英雄になる男だぁ」

 

「コイツ、なんという執念!?」

 

 ウェルの意識が少し戻ったのか!

 

「早く、しろぉ!もうもたないぞ!」

 

 今しかない!

 

「シュアッ!」

 

 俺はファウストの後ろからがっちりとホールドする。

 やる事はゼロがミラーナイトにした事と同じだ!

 

 俺の光エネルギーでウェルと闇を分離させる!

 ギリギリまでもってけ!

 

「ハァァァアアアアアア!」

 

「ぐっ、やめろォ!!」

 

 止めるわけないだろ!はやく離れろぉ!

 

「オオォ.....闇が...消えて..」

 

 

 


 

 *響視点*

 

 ウルトラマンさんが眩しい光となっている。

 光が収まって目を開けると、そこは謎の空間じゃなくなっていた。

 結果は!?

 

「あっ、ウルトラマンさん!」

 

 彼が手の平にウェル博士を乗せて立っていた。

 

「やったーーーーー!!」

 

「本当に、よくやってくれた」

 

 その後は二課の人たちがウェル博士を引き取った。

 もう一度あの巨人になるんじゃないかと聞くと首を横に振っていたからもうならないのだろう。

 

 ウェル博士を渡した後は力尽きるように夕日の中に消えていってしまった。

 

「大丈夫なんデスかね?」

 

「きっと大丈夫さ。ルナアタックの時のように、体を休めたらまた会えるのだろう」

 

「そう思ってても、やっぱり心配しちゃいますけどね」

 

「また会いたい。今度は肩を並べることが出来たらいいな」

 

「そうね。今回は彼1人に背をわせすぎてしまった」

 

「アタシらが頼りになるってところを見せないとな」

 

 きっとまた会える。そう信じている。

 

「ありがとう、ウルトラマンさん」

 

 


 

 

「あら、おはよう。絆紡くん。

 怪我が治ったばかりなのにもう見回りにいくの?」

 

「ああ、何が起こるか分からんからな」

 

「真面目ねぇ、もうちょっと自分に優しくしてもいいんじゃない?」

 

「最近は夜に甘やかそうとしてくるやつがいるからな。

 たるまないように自分には厳しくしておく」

 

「あら、そうやって頑張るとさらに甘やかされちゃうわよ〜」

 

「勘弁してくれ。あの戦いが終わってからずっとなんだぞ」

 

「あなたにはそれくらい甘やかしてくれる存在は必要よ。

 何だったら素直に受け入れてみたら?」

 

「歳下相手にそうする趣味は無い」

 

「歳上ならいいの?」

 

「訂正する。年齢関係なくそんな趣味はない」

 

「ふふっ、残念。

 けど、いつかセレナちゃんと一緒に褒め殺し作戦でもやってみようかしら」

 

「その時は全力で逃げさせて貰うからな」

 

「そこまで言わなくてもいいじゃない!」

 

「もうセレナにずっと言われてるんだ。これ以上はもたん」

 

「そこまでならもうあそこに入るの辞めたら?」

 

「それは出来ない。セレナが1人になるだろう」

 

「優しいわね」

 

「そうじゃない。これは責任をとっているだけだ」

 

「そういう事にしておくわね。

 さ、朝ごはんを食べましょ」

 

「ああ」

 

「早くセレナちゃんも食べれるようになるといいわね」

 

「...そうだな」

 




これでG編は終了です。
次は裏側やってGX突入します!
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