戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~   作:@a.s

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遅くなりました!




第37話

 

 *主人公視点*

 

 交渉の後はトントン拍子で話が進んでいった。

 機械は安全性について問題ないとされたので全国に埋め込まれることになり、ビーストが現れた時は自衛隊を使って避難を最優先に行動してくれるようになった。

 あとでこれ程まで優秀な研究者なら国で隠し通すから紹介してくれないかと司令を通して言われたが、フィーネをお出し出来るわけないだろと内心で悪態をつきながらお断りした。

 

 これからの俺の動きは協力関係になったといっても常に行動を共にするわけではなく、普段は別々で行動することになっている。

 これは纏めて1つの場所にいるよりも離れてた方が柔軟に対応できるってのが理由。俺が普段一緒にいて変身のタイミングを逃すかもしれないってのも大きな理由なんだけどね。

 

 それだと連携はどうするのかってなるが、そこは司令にだけこっそり連絡用のメールアドレスを知らせておいた。

 これで緊急の連絡やビーストが出現した時の対応を連絡することになっている。それと響たちがビーストに狙われているのを伝えているから、任務でどこかに移動する際は場所を予め教えて貰うようにも言ってある。

 

 今はF.I.S.組のギアを修理していてもうすぐ完了するところだとビーストのデータを受け取りに行った時に教えてもらったので、そろそろ修行しに行くことが分かった。

 もうそんな所まで来たのかと思ったが、今のところは順調に進んでいるようで安心している。まぁそうじゃないとキャロルの計画が失敗するから向こうも頑張ってるんだろうけど。

 

 今までは所々ビーストが出てきて邪魔していたがこれからは俺1人で対応しなくてもいいってのは少し気が楽だな。そのために他国から狙われるリスクも負わなくちゃならなそうだけど。

 今は追われてる気配は無いけど時間の問題だな。S.O.N.G.から帰る時やビーストの出現場所に向かう時は特に注意しておかないといけない。

 

「特別な力を持っていると大変ねぇ」

 

「お前が言うな。

 はぁ、いくら俺にしか扱えないと言っても納得はしてくれないだろうな」

 

「言ってるのがあなただけじゃねぇ。本当に使えないのか色々試したいと思うのが人ってものよ。私も昔だったら色々実験してみたいと思ってたでしょうね」

 

「人には過ぎた力だよこれは」

 

 ネクサスとバレて終わるだけじゃない。もしウルティメイトパニッシャーが使えるようになってみろ。ビーストがいる今なら問題無いだろうがその後が大変だ。絶対に扱いに困ることになるだろ。

 戦争してるところなんてアルカノイズを使うことになるのに、シンフォギアですら当たったら死ぬかもしれない破壊兵器なんて軽々しく作るべきではない。

 

「力を求めている国は多いのよ。私もその国を相手に取引していたわけだし」

 

「絶対に捕まる訳にはいかないな」

 

「もしそうなったら私が全部めちゃくちゃにしてあげるわ」

 

 なんちゅー恐ろしいことを言ってるんだ。

 

「やめておけ。そうなったらまた世界の敵だぞ」

 

「あなたが実験に使われるくらいならその程度些細なことよ。逃げる時間は稼いでみせるから」

 

「今はもうネフシュタンの鎧も無いんだぞ。無茶しようとするな」

 

「無茶するわよ。世界を守ろうとしているあなたを利用するなんて私が許さない」

 

 覚悟が決まりすぎている。これは折れないだろうなぁ。

 

「分かったよ。そうならないように俺が頑張るからそんな目はするな」

 

「お願いね。必ず帰ってくること。

 そうじゃないとセレナちゃんも心配するわよ」

 

「約束も果たせてないのに勝手に消えることはしないさ」

 

 助けたい人が多いんだ。絶対に帰ってくるよ。

 

ビー!ビー!

 

「これはビーストの反応!」

 

「早速見つけたのか、どこにいる」

 

「少し遠い場所にある町外れの建物ね。詳しい場所はここよ」

 

 エボルトラスターもその場所の方角に向かって強く鼓動している。間違いないようだな。

 司令からもメッセージが届いた。

『現場に装者3人を向かわせる。既にその地域一帯に避難警報は出しているから周辺の被害については問題ない』

 対応が早いな。ノイズを相手にしてきた経験が活きている。

 

「俺も向かうか」

 

「無事に機能しているようで安心したわ。頑張ってきてね」

 

「行ってくる」

 


 

 そこそこ大きな建物だな。

 夜遅い時間だから少しホラーチックな雰囲気を醸し出してる。

 

 近くには自衛隊員も待機していて指示を待っている状態だ。今回は初めてビースト相手を相手にした行動だから慎重になっているな。実に賢い判断だ。もう突撃していたらどうしようかと思っていた。

 

 お、ヘリの音が聞こえてきたな。響たちが到着したみたいだ。

 

「リアンさん、遅くなりました!」

 

「いや、距離を考えたら早いほうだろう」

 

「お前は早すぎるんだよ。どうやって来てるんだ?」

 

「それくらいは教えてもいいか。少し特殊な乗り物を使っていてな、見せてもいい」

 

「気にはなるが後にしよう。それで、あなたがいるということはここで間違いないのだな」

 

「ああ、ここだ。間違いなくいる」

 

「どんなやつかまでは分からねぇのか?」

 

「そこまでは分からないな。俺が分かるのは場所だけだ。

 もう少し研究が進めば振動波の形だけで何が相手か分かるかもしれないがな」

 

「そんな事も可能になるのか?」

 

「今はビースト振動波というのが分かっている状態だ。ここから細かな差をみつけることが出来れば判断がつくかもしれない」

 

「む、難しいですね」

 

「例えば犬の鳴き声までは分かるけど種類によって変わるだろ?

 もっと簡単に言ったら姿が隠れてても翼やクリスの声は分かるってことだ」

 

「それなら分かります!」

 

「今は情報が少ねぇってことか」

 

「見つけるまでは大胆な行動は控えるようにな」

 

「了解した」

 

 

 そこから俺たちは建物の中に入っていった。

 エボルトラスターなら正確な場所に案内できるから俺を先頭にして進んでいく。

 

「人は1人もいないんだったな。間違いないか」

 

「ああ、この建物に人はいない」

 

「なのに活動してるってことは人以外に食いたいものがある可能性が高い」

 

「ここに何があるって言うんだ?」

 

「ここはスーパーに送るために様々なものが保管されているようだぞ」

 

「なら保管してされた倉庫にいる確率が高そうだ」

 

「普通の食材を食べるビーストもいるんですね」

 

「食材とは限らないがな。エタノールを好むビーストもいるから化粧品狙いの場合もある」

 

「そんなもんまで食うかもしれないのかよ」

 

「あいつらの生態は特殊だからな。何を食べてても不思議ではない」

 

「そろそろ倉庫に着きそうだが、反応はどうだ?」

 

「かなり強まっているよ。中にいるな」

 

「あまり派手に攻撃しては被害が大きそうだな。外におびき寄せるか?」

 

「出来るならその方がいいだろう。だが、俺が隠れて倒す方が安全だぞ」

 

「いや、今回は我々に任せて欲しい。ビーストのことを甘く見ている訳では無いが、今後も戦うとなると早めに経験を積んでおきたい」

 

「...分かった。だが敵次第だぞ。

 俺が無理だと判断すればその場で倒す」

 

「それでいい」

 

「なら俺がおびき寄せる。

 近くの駐車場で待っていろ。そこなら戦いやすいだろう」

 

「無理はしないでくださいね」

 

「任せておけ。そっちこそ気持ちを整えておくんだな」

 

 

 そこから俺は単独で倉庫に入り、ビーストを捜索した。

 目的のやつはすぐに見つかる。そこそこ大きい巨体をしていたからな。

 

「あいつか。食ってるのはサラダ油か?」

 

「グルル..」

【アンフィビアタイプビースト フログロス】

 

「あいつなら3人でも大丈夫か。特殊な能力は無かったはずだし」

 

 俺は足元に向かって攻撃した。

 

「ギシャア!」

 

「こっちだ!食いたきゃついてこい!」

 

 目的地まで走る。その間火球が飛んでくるがバリアを張れば直撃することは無い。

 

「連れてきたぞ!」

 

「こっからはあたしらの番だ!」

 

「巻き込まれないように離れてくれ」

 

「何かあれば加勢する。油断するなよ」

 

「はい!!」

 

 

 *響視点*

 

 リアンさんがビーストをここまで連れてきてくれた。

 巨大なカエルのような見た目のビーストが現れる。

 

「このビーストは口から火球を出してくる。気をつけろよ」

 

「分かりました!ありがとうございます!」

 

 火球か...ビーストがこっちを向いている時は注意しないと。

 

「雪音、やつを足止めしろ。その隙に私と立花が攻撃するんだ」

 

「了解、それじゃあいくぜ!」

 

 クリスちゃんが撃ち始めると私と翼さんで一気に近づいて攻撃した。

 

「せいっ!」

 

 ヌルッ

 

「ええ!?」

 

 攻撃が当たったと思ったのに表面がヌメヌメとしててまともにくらわせることが出来なかった。

 翼さんも斬れていなくて苦い顔をしている。

 

「やつの表面は物理攻撃に対する耐性があるようだな。滑ってまともに攻撃出来ん」

 

「つまりはあたしの出番なわけだな」

 

「クリスちゃんの攻撃なら効果は高そうですね」

 

「なら役割を交換するぞ。私たちがやつの注意を引くから雪音がトドメをさせ」

 

「分かりました!頼んだよクリスちゃん!」

 

「誰にものいってやがる。確実に仕留めてやるよ」

 

 役割が決まった。ビーストの攻撃を私たちに集中させる!

 

「グルル」

 

ボッ!

 

「避けろ!」

 

 火球が飛んでくる。けど威力はそこまで高くはない!

 

「はあっ!」

 

《蒼ノ一閃》

 

「ギシャアア!」

 

 その攻撃なら効果はあるようだった。ビーストが少し仰け反っている。

 なら私はその隙をついて!

 

「おりゃあ!!」

 

ドンッ!

 

 思い切り足元の地面を殴った。

 そうするとクレーターが出来てビーストはまともに立てず転ぶ。

 そしたら最後に───

 

「あたしの攻撃だ!くらいやがれ!!」

 

《MEGA DETH FUGA》

 

「ギシャアアァァァ」

 

 ミサイルがビーストに直撃した!

 どうなったの!?

 

「...良くやったな。ビースト振動波はもう出ていない。

 お前たちの勝ちだ」

 

「やったああああああ!」

 

 私たちだけで勝てた!

 

「ざっとこんなもんよ」

 

「大きな怪我もなく終えることが出来たな」

 

「原型はギリギリ留めているな。調べられるところが多そうだ」

 

『死体の回収はS.O.N.G.で行う。お前たち、よく頑張ったな』

 

「ありがとうございます!師匠!」

 

「これくらいの相手なら問題なさそうだな。俺が出れない時は任せられそうだ。

 なんだったら研究のために小型を任せるのはありかもしれんな。俺だと消滅させてしまうから調べられないんだ」

 

「確かにな。私たちならその心配はあるまい」

 

「どーんと任せてください!」

 

「お前はすぐ調子に乗りやがって」

 

 この戦いで私たちならビーストが相手でも何とかなると思えた。

 この力があればみんなを守ることが出来るって。

 

 

 だけど、敵の本当の恐ろしさはこんなものじゃなかった。

 私は後にそれを知ることになる。

 




ビースト振動波について詳しく書いてる資料とかないですかね。あと前に書いたビースト振動波の説明が不充分だと思ったので書き直しました。
解釈違いだったらごめんなさい。

それにしても最近文章が長くなることが多い。
読んでる皆さんはどっちが読みやすいですかね?

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