戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~   作:@a.s

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で、出来た。
実質1日2話投稿ってことで許してください!


第40話

 

 *主人公視点*

 

 特訓後俺は1人で筑波から帰宅して、了子にダークメフィストのことについて話した。

 

「また厄介そうなのが現れたのね」

 

「厄介ってレベルじゃない。あいつの遊びがどこまでやるつもりなのか想像もつかん」

 

「ビーストを操るのよね?もし街の中に出されたら被害が大変なことになるんじゃ?」

 

「...正直、それだけ単純なことなら真っ向から迎え撃つだけな分まだマシだと感じている」

 

「それじゃあ、一体どんな?」

 

「相対して感じたが、あいつは人の心を弄ぼうとしている。されて嫌なことを的確に突いてな」

 

「心をね..」

 

「俺がされて嫌なこともよく分かっていたよ。俺を直接狙わないのが効果的なことをな」

 

「その相手が響ちゃんたちってわけね」

 

「奴の言葉をそのまま受け取るならな。だが、奴は本当に狙ってくると思っている」

 

「それはなんで?」

 

「今までもビーストは彼女たちを狙ってきていた。それに、宣言した相手を狙って俺が守れなかった時の方がダメージが大きいからだ」

 

「あぁ、なるほどね」

 

「了子も警戒しておいてくれ。何か異変を感じただけでも俺を呼ぶように」

 

「分かったわ。最低限、自分の身は守れるようにしておく」

 

 今のところネクサスも反応しているわけじゃないから大丈夫だと思うけど、油断は出来ないな。

 

 

 ~フリューゲル内~

 

「特訓の内容はそんな感じだったな。一部ムキになったせいでかなりの時間サーブを打ち続けたよ」

 

「ふふっ、それは大変でしたね」

 

「...あとはオートスコアラー相手にマリアが頑張っていたよ。セレナのアガートラームを纏って戦っていてな、一度は敗れたが自分の思う強さを得ることが出来て今度は勝利したんだ」

 

「流石マリア姉さんです!

 それに私のギアを使っているって、なんだか一緒に戦っているようで嬉しいです。

 その時のマリア姉さんはかっこよかったですか?」

 

「ん?あぁ、俺は用があって見れていなくてな。すまない。

 だが戦い終わったあとは前とは別人のようにカッコよくなっていたぞ」

 

「そうでしたか。

 .....あの、何か悩みでもあるのですか?」

 

「...分かりやすかったか?」

 

「はい。いつもなら話す時は私の目を見ているのに今日はよく逸れているのと、会話中に少し上の空になる時があるので」

 

「そうだったか、すまないな」

 

「いえ、それはいいんです。

 それよりも、何かあったのですか?」

 

「...あまり不安にさせるようなことは伝えたくなかったんだが」

 

「私は大丈夫です。聞かせてください」

 

「分かった。なら伝えるよ。

 新たにダークメフィストっていう闇の巨人が現れてな、そいつの狙いがおそらくマリアたちなんだ。

 俺はどうすれば奴の狙いを阻止できるかってのをずっと考えていた」

 

「そうだったんですね」

 

「俺は奴が現れても後手で動かざるを得ないからな。解決策が見つからないんだよ」

 

「...なら、信じるしかないんじゃないですか?姉さんたちの強さを」

 

「そう思いたいんだが、もし何かあったら──」

 

「姉さんたちは負けない。

 それとも、ずっと守らないといけない人たちなんですか?私は今までたくさんの話を聞きました。その中で絆紡さんがどれだけみんなのことを信頼しているのかも分かります。

 だったら、信じましょう」

 

「はぁ...、確かに思いつめすぎたかもな。

 彼女たちは弱くない、挫けても立ち上がれる強さを持ってるって知ってたことじゃないか。その強さを俺が信じないでどうする」

 

「やっと普段通りになりましたね。

 それに、もし1人で立ち上がることができなかった時は示してあげてください。絆紡さんが目指す先を。

 そうすれば、必ず立ち上がれます」

 

「助かったよ、セレナ。どうやら複雑に考えすぎていた」

 

「これからはもっと頼ってくださいね」

 

「それはどうかな」

 

「もう、何でですか!」

 

 ──けど、セレナのおかげで重荷が少し取れたよ。楽観視する訳じゃないが、考えすぎるのはやめだ。

 何かしてくる前にごちゃごちゃ考えるより、してきた後に俺がするべき事を迷わないようにする方がずっと大事なのだから。

 


 

 しかし、ここから俺がする事っていうのも特にないんだよなぁ。

 響の家庭内の問題は俺が入るべきではないし、他のメンバーに関しても同行していくことが出来ないから基本待ちしかない。

 

 念の為響が父親と会っているかどうかは確認しておくか。

 

 ──

 ────

 

 あ、響が店から出ていった。ここはアニメ通りの話し合いだったようだな。

 だけどアニメ通りってことは父親はあの態度のままってことだからなぁ。流石に発言がアレというか何というか。最後娘に奢ってもらうのは最低だし、もう少し誠実に話すことが出来たら違ってたのかもな。

 

 俺がこう思ってもどうにもならないことは分かってるけど、見てておいたわしいな。どうにも出来ない身がもどかしいよ。

 

ドクンッ!

 

 ビーストの反応だと?少し離れた場所だな。

 

 

 

 出たのはアラクネアが2体だった。

 倒したことはビースト振動波を見れば伝わるだろう。しかし何をしにここに現れたんだ?

 

「流石の強さだな」

 

 !?

 

「ダークメフィストか」

 

「あまり驚かないんだな」

 

「お前がいるとなると納得しただけだ。このビーストは俺をおびき寄せるためだな」

 

「そうだ。また会話でもしようかと思ってな」

 

「まだ話したりなかったのか。今度はなんだ」

 

「...少し雰囲気が変わったか?以前のような焦りが感じられないが」

 

「やるべき事を再確認しただけだ」

 

「ほぅ、...気が変わった。これではお前の反応は期待できそうにないな。だが、戦いには期待が持てる」

 

「ここでやる気か?」

 

「今はまだ。しかし、案外すぐかもしれんぞ」

 

 その言葉を残してメフィストは消えていった。

 気が変わったか、一体何を話すつもりだったんだ?

 ...嫌な予感がするな。

 

 ピピッ

 

 ん、司令からメールか。

 どうやらリザリアスの解析が済んだみたいだ。本部まで受け取りに行くか。

 

 ──

 ────

 

 中の廊下を歩いていると奏とばったり出くわした。

 

「お、リアンじゃないか。

 データを受け取りに来たのか?」

 

「ああ。つい先程終わったところだ」

 

「そうか..」

 

 かなり沈んでいるみたいだな。

 

「どうしたんだ?」

 

「...お前なら言ってもいいかもな。

 実は、響が実の父親のことで悩んでいてな。何かいい励ましの言葉がないか考えていたんだ。

 お前は、何かいい案はないか?」

 

「...俺から言えることは無い。何を言っても慰めにもならないだろう」

 

「そっか。アタシも両親は昔に死んでてさ。

 最後はアタシを庇って死んだんだ。そんな2人の事を言っても、守って貰えなかったという思いを抱えているあいつには何の意味もないだろうな」

 

「立派な両親だったんだな」

 

「ああ。大好きだった。

 2人の敵を討つためにガングニールの力を手に入れたんだ。けど、今はそんな事考えちゃいない。翼と歌って、後輩たちと一緒に過ごして、復讐以外の生き方も悪くないって思えてるんだ。

 2人が守ってくれて、ウルトラマンが繋いでくれたこの命をもう雑に扱ったりしないって」

 

「良いんじゃないか?

 その方が復讐に身を委ねて生きるよりもずっといい」

 

「お前はどうなんだ?」

 

 うーん、どう答えるべきか。今の世界には両親はいないってことで良いんだよな?今更いるって言われても困るんだけどね。俺の両親は2人だけだし。

 けど、前世の2人のことを話してもよく分からん事になりそうだ。

 

「...両親は──いない。

 どのような人だったかも知らない」

 

「それって...

 すまない、嫌なことを聞いちまったな」

 

「気にしなくていい。気がついた時からそうなんだから」

 

「お前は平気だったのか?いなくて恨んだりしてなかったのか?」

 

「そんな事は思ってない」

 

「どうしてだ?」

 

 ここの両親がどうなのか分からないけどね、

 

「この体があるから、今こうして戦うことが出来るんだ。恨むことは無い」

 

「──すごいな、お前は」

 

「...話がだいぶ逸れてしまったな」

 

「確かに、最初はどうやって励ますかだったのにな」

 

「そこは響に任せるしかないな。まぁ、本人が助けを求めたら介入するくらいでいいだろう」

 

「今はそれしかないか。話を聞いてくれてありがとな」

 

「礼を言われる程のことでもない。解決策もなかったしな」

 

 話が一区切りついた時に翼、クリス、マリアの3人がやって来た。

 

「リアン、来ていたのね」

 

「奏と一緒とは珍しい組み合わせだな。何を話してたんだ?」

 

「ちょっと家族の話をな」

 

「家族?お前が自分のことを話すなんて珍しいな」

 

「隠す程じゃないしな。知りたかったら奏から聞いてくれ」

 

「おいおい自分から話してくれよ。お前の身の上話は色々重すぎる」

 

「聞いてみたいと思ったけどちょっと怖いわね」

 

「あまり詮索するものでもないしな」

 

「それじゃあ、俺は早くデータを渡したいからこれで失礼する」

 

「ああ。またな」

 

 

 俺は4人と別れたあと調と切歌のことを探しに行った。

 ミカとの戦闘も始まっていて、無事に本当の思いを伝える事が出来たようだ。イグナイトも制御することに成功し、個人的に2番目にくらいたくない技である《禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSS(きんせつじゃりん ザババエクリプス)》でミカを倒すことに成功した。

 

 順調に終盤へと向かっている。次が最終局面の前段階だが、事前の取り決め通り同行しない俺は深淵の竜宮には向かうことが出来ない。行けるとしても風鳴家の屋敷くらいだが、正直そこに忍び込めるとは思えん。

 ビーストの反応があれば関係なく向かうが、S.O.N.G.とは一旦完全に別れることになる。例外は検査入院している響だけだ。

 

 仮にその日にビーストが出現すれば俺が向かうことになるが、2箇所発生した場合はどうなるか。

 間違いなく、響は2箇所目に行くだろうな。何となく分かる。あの性格と今の状況なら周りが止めても行くだろう。

 

 メフィストの発言もある。明日は色々勝負の日になるかもしれない。

 


 

 *響視点*

 

 未来が聞いてくれたおかげでもう一度お父さんと会うことにした。まだ少し怖いけど、魔法の言葉を言ってくれたおかげで少し気持ちが楽になった。

 明日に備えて眠ろうとした時──

 

ビー!ビー!

 

 ビーストが出た合図!

 司令に連絡を!

 

「師匠!ビーストが出たんですか!」

 

『案ずるな、そっちにはリアン君が向かっている。響君は大人しくしているんだ』

 

 そっか、リアンさんが行ってくれたなら安心だ。

 そう思っていたら、

 

ビー!ビー!

 

 また!?

 

「師匠!今度はどこに!?」

 

『東京の山岳地帯の道路付近に発生したが、そちらには自衛隊を向かわせる!リアン君が来るまで持ちこたえて見せるから、君は大人しく──

 何だと!振動波が消えた!?』

 

 展開がどんどん変化していく。

 

「消えたってどういうことですか!?」

 

『分からない。さっきまで反応していたのだが..』

 

 リアンさんはすぐには向かえない。

 それなら──

 

「師匠、私が行きます。行かせてください!」

 

『無茶を言うな!君はまだ入院中だ!』

 

「今はそんな事言ってる場合じゃありません!他のみんなが向かえないなら私が行きます!

 消えたってことは今はビーストがいないってことですよね?なら何があったのかを確認しに行くだけです」

 

『しかし..』

 

「無理はしません。何があったのかを見るだけです」

 

『...ビーストが出現したらすぐに撤退すると約束出来るか?』

 

「はい!」

 

『...分かった。迎えのヘリを向かわせる』

 

「ありがとうございます!」

 

 電話の後すぐにヘリがやってきて振動波が発生したポイントに向かった。

 念の為すぐに逃げられるようにギアは纏っている。

 

「発生ポイントはこの道路を真っ直ぐ進んだところです」

 

「分かりました。送ってくれてありがとうございます」

 

 ここからは私1人だ。

 いつもなら翼さんやクリスちゃんと一緒だったから心細くは感じるけど、今回は様子を見るだけ。

 

 私は慎重に前へと進んでいく。

 しばらく進むと泣き声が聞こえてきた。

 

「ぱぱぁ、ままぁ..」

 

「子どもを発見しました!」

 

『子どもだと!?』

 

 どうしてそんなに驚いているんだろう?

 とにかく話を聞いてみないと!

 

「ねぇ君、大丈夫?迷子になっちゃったのかな?」

 

「ううん、違うの。パパとママの3人でお出かけして帰ってたらね、さっきとっても大きくて怖いのがいたの」

 

 大きくて怖いの?もしかしてそれがビーストなのかな。

 

「それでどうしたのかな?」

 

「車を掴もうとしたからパパが私を下ろしてくれたの。それで早く逃げなさいって」

 

 ──っ!そうなんだ。この子のお父さんは必死に守ろうとしたんだね。ビーストが相手でも逃げなかったんだ。

 

「それで頑張って逃げてきたんだけど、暗くて、怖くて、ここで泣いてた」

 

「そっか、よく頑張ったね。後はお姉ちゃんに任せて」

 

「パパとママを探してくれるの?」

 

 ...もしかしたらもう手遅れなのかもしれない。

 けど──

 

「うん。お姉ちゃんが必ず見つけてくるよ」

 

「なら私も連れてって!パパとママに会いたい!」

 

「え、えぇ。それは、ちょっと危ないかな?」

 

 気持ちはわかるけど、何があるか分からないし。

 

「今から大人が来て君を保護してくれるから、お姉ちゃんが探すのを待ってくれないかな?」

 

「嫌!会いたいの!お願い!!」

 

 どうしたら...。

 

「師匠、振動波はまだ確認されませんか?」

 

『...あ、ああ。全く反応がない』

 

「なら車がある付近まで連れていくので、そこでこの子の保護をお願い出来ますか?」

 

『...分かった。くれぐれも気をつけてな』

 

「はい!

 それじゃあ車がある所の近くまでなら連れてってあげるね。でも、そこにパパとママがいなかったら大人しく待っててくれる?」

 

「うん。分かった」

 

「よし、じゃあ行こっか」

 

 私は小さな女の子と一緒に向かうことになった。

 一応、私がすぐに目を隠せるようにはしておく。

 

「そうだ、あなたのお名前を教えてくれる?」

 

「ひびきって言うの」

 

「そうなんだ!偶然だね。私も響って言うんだ」

 

「お揃いだね!」

 

「ふふっ、そうだね!」

 

 私はひびきちゃんが少しでも明るくなれるように会話をしていく。

 それから少し歩いていったところで──

 

「ひびき!無事だったか!」

 

「パパ!!」

 

 道路の横の森の中から男の人が出てきた。ひびきちゃんの様子から見てお父さんに間違いないみたい。

 

「ひびき、こっちへおいで」

 

「ママも!!」

 

 良かった、この子の両親は無事だったみたい。

 家族と会えて良かったね、ひびきちゃん。

 

『待て!やはりおかしい、先程から生体反応が確認出来ない!』

 

 師匠?それってどういう。

 

「ビーストが出たせいっていうのも考えられませんか?それに、リアンさんも確認できないって話でしたし」

 

『むぅ、確かにその可能性もあるが』

 

 それに、実際に私の目の前で仲良く抱き合って──

 

「本当に会えてよかった」

 

「ええ、本当に」

 

「パパ?ママ?」

 

 え、急に様子が変わって、

 

「早くあの方の前にお連れしよう」

 

「それがいいわね」

 

ビー!ビー!

 

 ビースト!?場所は!?

 

『響君!君の目の前にビースト振動波が2つ!』

 

 え、それじゃあ。

 お父さんの左腕とお母さんの右腕がみるみるうちに異形の手へと変わっていく。

 

「この2人が、ビースト?」

 

 

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