くっそ長いです!
*響視点*
「ここは、どこ?夢?」
あの後私も病室に戻って寝たはず。
見渡すと辺り一面の闇だった。そこには何も無く、私しかいなかった。
その場に立っていると、私の中にあの時の記憶が流れてくる。
『人殺し!!』
『うわああああァァ!』
『きゃあああああ!!』
思い出してしまう。悲痛な叫びや、最悪の記憶を。
そして、
『グオオオオッ!!』
ビーストの顔。あの恐ろしい姿が頭から離れない。
あの腕を見るだけで体が震えてくる。
『私を殺したいか?』
ダークメフィスト。あの家族を殺した元凶。
その姿を見ると黒い感情が湧いてくる。
私の体がどんどん闇の中に沈んでいく。
『自分の気持ちに正直になれ』
私の中から『憎い』『殺せ』という感情が溢れてくる。頭の中がそれで満たされそうになる。
.....でも!この感情に支配されたくない!
その感情に身を委ねてしまったら、私は誰かに手を差し伸べることが出来なくなる!
私だって、誰も悲しむことのない未来を作りたい!
その時、私の手が光り輝く。
温かな光だった。その光は周りの闇を消し去っていく。
「よく抗った。その思いを忘れないでくれ」
「この声、リアンさん?」
光がさらに強くなっていき、視界が覆われる。
──
────
「──はっ!」
目が覚めると朝になっていた。
...不思議な感覚だ。夢なのに夢じゃないって感じてる。なんだったんだろう。
「待ち合わせ時間まで時間はあるけど、準備をしておこうかな。
...あ、未来からメールが届いてる」
『へいき、へっちゃら』
中身を見てみると、口癖になってる魔法の言葉が書かれてあった。
この言葉を見ると元気が湧いてくる。
『必ず大切なものを受け取っているはずだ』
...リアンさんに言われた言葉。
会うのは怖い。だけど、勇気を出さなくちゃ。
待ち合わせ場所まで勇気を出して確かめに来たが、お父さんは何も変わっていなかった。
それどころか、キャロルちゃんから私を置き去りにして逃げてしまった。これじゃ、本当にメフィストの言う通りだ.....。
「逃げたぞ!娘を放り出して駆けていきよる!」
お父さんがキャロルちゃんから必死に逃げている。
「しかし、お前には同情するよ。
オレの父親やあの少女の父親は逃げなかったのになぁ!」
やめて、思い出させないで.....。
「響!今のうちに逃げろ!」
────え?
今逃げてたのは、私のために?
「ぐあぁっ!」
「お父さん!!」
キャロルちゃんの攻撃で傷だらけになってる。
「この...くらい、へいき.....へっちゃらだ」
──そうか.....そうだった。
この言葉はお父さんがいつも言ってたんだ。
「逃げたのではなかったのか」
「逃げたさ。それでも、この子の父親であることからは逃げられないんだ!
娘は壊れた家族を元に戻そうと、勇気を出して向き合ってくれた!だから俺も、なけなしの勇気を振り絞るって決めたんだ!」
ありがとう、お父さん。
「響!受けとれぇ!」
お父さんがキャロルちゃんの油断を誘い、私にギアを投げ渡してくれた。
「Balwisyall Nescell Gungnir Tron」
リアンさん、あなたの言う通りでした。
「へいき、へっちゃら。
お父さんから大切なものを受け取ったよ。受け取っていたよ」
病院でのリハビリ生活の時も、学校でいじめを受けた時も、私を支えてくれたのはいつだってこの言葉だった。
お父さんがずっと守ってくれていたんだ!
*主人公視点*
「──ぐっ、俺は....」
ここは、フリューゲルの中か。俺のことを回収してくれたんだな。
「目が覚めましたか?」
「セレナか」
「はい。本当に驚いたんですよ。あなたが血塗れになって入ってきたのは」
「そうか、驚かせて悪かったな。
どれくらい寝てたんだ?」
「詳しい時間は分かりませんが、5時間以上は寝てたと思います」
5時間以上!?それじゃあもうキャロルとの戦いは始まってるんじゃ!
「またすぐに出る」
「ダメですよ!もっと安静にしておかないと!」
「俺は大丈夫だ。傷もほぼ塞がっている」
「それでも──」
「すまないセレナ、時間が無いんだ。
向かってくれ、フリューゲル」
「絆紡さん!!」
元々俺の考えが分かっていたのか、すぐにチフォージュ・シャトーの近くまで到着した。
「もう世界の分解が始まってる!みんなはどこだ!」
響、翼、クリスがキャロルと戦っている。他の3人が見えないってことはもう中まで突入しているな。
「お願いです!行くのを辞めてください!」
「そういうわけにはいかない」
「.....なら、約束してくれますか?
必ず戻るって」
そんなの決まってる。
「ああ、約束する」
「即答なんですね。
.....分かりました。姉さんたちの力になってください」
「任せろ。行ってくる」
*マリア視点*
調に切歌、そしてドクターと共に世界を守る!
別れの言葉は短いけれど、伝えることが出来た。この命に代えてでも成し遂げてみせる!
過去の自分を相手に、調と切歌と共に戦う。
この罪は3人一緒に乗り越えるんだ!
私が最後の一撃を繰り出そうとすると、相手の見た目が変わる。
私の大切な妹、セレナだった。
だが!私は止まるわけにはいかない!
「セレナァァァァァ!!!」
《SERE†NADE》
お別れの言葉、あなたにも伝えたかったわ。リアン。
相手を完全に打ち倒した瞬間、シャトーが爆発した。
──
────
.....私、生きてるの?
どうして、他のみんなは?
「マリア、後ろ!」
調の嬉しそうな声が聞こえた。よく見ると、切歌とドクターも無事みたい。
にしても後ろって、一体何が──
「ウルトラマン!?」
あなたが私たちの盾になってくれたの!?
「ちっ、ここで僕がコイツらを守ってたらもっと英雄的に死ねたのに、邪魔しやがって」
「ドクター、あなた....」
「血を流しすぎた。もう僕は長くない。
.....これを持っていけ」
そう言うと謎のチップを渡してきた。
「愛.....ですよ」
「何故そこで愛!」
「シンフォギアの適合に奇跡など介在しない!
その力を自分のものとしたいなら、手を伸ばし続けるがいい.....!」
「マリア.....僕は英雄になれたかな?」
「ああ。お前は最低の英雄だ」
「ふっ、早く行くがいい」
まだ戦いは終わっていない。
翼たちの元へと向かわなければ。
「ウルトラマン、あなたもありがとう。私たちを守ってくれて。
もう行くわね」
彼にも礼を伝えて、駆け出そうとした時──
『頑張って、マリア姉さん』
!?
「.....セレナ?」
聞こえるはずがないのに、声が聞こえた気がした。
*主人公視点*
「お前はどうするんだ?ここで僕が死ぬのを見届けるつもりか?」
昔やってたことは最悪だし、何なんだこいつはって思ってたのに。
ここまで自分の夢を追い求めることが出来るのは凄いと思うよ。
俺は変身を解除する。
「お、お前は!?お前が巨人の正体だったのか!?」
「そうだ」
「それで、正体を明かして何の用だ?」
「お前に、まだ生きる気はないかと聞きたくてな。
英雄の力を借りたいんだ」
「僕の力を?またそんな甘い言葉を聞いて利用されるのは御免だね」
「信用されてないのは分かっているが、どうしても頼みたい。
相手は、以前お前を利用した奴らだ」
「.....それは戦っている様子から分かるさ。
なら、僕の力を使って何を求める」
「この星の未来だ」
「星の未来だと?大きく出るじゃないか。
僕の力があれば、それが実現できると?」
「ああ。確実に近づける」
「なるほど.....その力、そしてその夢。
お前なら、僕に並ぶだけの英雄の器を持ってるかもな」
「英雄なんて柄じゃない。だが、この世界には英雄の力が必要だ。
だから、お前の力を使わせてくれないか」
「.....いいだろう。僕が力を貸してやろう。
だが、この怪我を治せるのか?」
「大丈夫だ。すぐに治す」
頼んだぞ、ネクサス。
ウェルに光が集まり、みるみるうちに顔色が良くなっていく。
「完っ、全っ、復っ、かーーつ!!」
「これからはよろしくな、ウェル」
「ああ。こちらこそ」
これで了子と一緒にビーストへの対策が進むことになるだろう。
「話は済んだようだな?」
この声は!?
「ダークメフィストか」
「前に言ったことは覚えているな?」
「当然だ」
「では始めようか。私たちの戦いを」
「ウェル、今から言う場所に向かえ。そこに迎えを用意しておく。
そして見ろ。これからお前が身を投じる戦いを!」
了子に連絡しウェルに場所を伝えて、俺はエボルトラスターを構える。
「来い!ウルトラマン!!」
「いくぞ!メフィスト!!」
*響視点*
エクスドライブモードになった私たちがノイズを倒すために散開しようとしたところに、2つの存在が降り立った。
「あれは!ウルトラマンと....」
「ダーク...メフィスト」
まさか、こんなに早くまた見ることになるなんて思わなかった。
「ほぅ、お前はあの夜で完全に折れたと思っていたが。
もう立ち直ったのか」
「そうだ!もう私が折れることはない!」
「はっ、なら本当にそうか試してやる。出てこい、ノスフェル」
「グオオオッ!!」
「──ッ!」
『人殺し!!』
.....大丈夫。体はまだ少し震えてるけど、私は戦える!
『響君...大丈夫なのか』
「.....はい、師匠!問題ありません!」
『よし!サポートは任せろ!全力でぶつかってこい!』
「夜に何があったのかは聞いた。よく乗り越えたな、立花」
「コイツをぶっ飛ばすの、あたしたちにも手伝わせてくれ」
「翼さん、クリスちゃん」
「ノイズは私たちに任せて!」
「思いっきり殴ってくるデス!」
「響さんなら必ずやれる!だから行って!」
「マリアさん、切歌ちゃん、調ちゃん」
私は1人じゃない。みんながいる。
だから、あのビーストには──絶対負けない!
「ウルトラマンさん、ビーストの相手は私たちに任せてもらえますか?」
こっちを見つめている。私は目を逸らすことなく、見つめ返した。
そして、小さく頷いた。
「──っ、ありがとうございます!」
「今度は任せてくれるんだな」
「やるぞ!2人とも!」
もう体の震えは止まった。
「憎しみに呑まれることなく立ち向かってくるとはな。相手をしてやれ、ノスフェル」
「グアアッ!」
ウルトラマンさんとダークメフィスト。
そして私たちとビースト。
それぞれ向かい合った。
「シュアッ!」
「ハアッ!」
「うおおおおぉ!」
「ガアアアッ!」
それぞれの戦いが始まった。
もし大型のビーストを相手に私たちだけで戦うなら、イグナイトを使ってもギリギリ戦いになるかどうかだけど、エクスドライブモードならちゃんと戦える!
「翼さん!クリスちゃん!あの爪の攻撃には気を付けて!」
「分かってるよ!」
鋭い爪による攻撃も、空を自由に飛べる私たちには当てづらいようだった。
クリスちゃんには、爪による攻撃が届かないところから大量のミサイルを撃ってもらっている。いくらサイズの差があっても、この量のミサイルはかなりのダメージになってるはずだ!
私と翼さんは胴体や足に強力な一撃を叩き込み、すぐに退避する一撃離脱を繰り返していた。
『その調子だ!そのまま焦らず、着実にダメージを与えていくんだ!
こちらでビーストに弱点がないかを探している!もう少し粘ってくれ!』
「よし、このまま攻め続けるぞ!」
しかし、一筋縄ではいかないのがビーストだ。何度かこの戦法をし続けていると動きが変わる。
これまでは爪による攻撃を主体としていたのに、尻尾による範囲攻撃を重視した戦いをするようになった。
「があっ!」
いきなり動きが変わったことに対応しきれず、翼さんが吹き飛ばされてしまう。
「先輩!よくも!」
《MEGA DETH PARTY》
クリスちゃんがビーストの顔に向けてミサイルを発射する。
爆発の煙が晴れたと思ったら、今まで見せてこなかった長い舌を使ってクリスちゃんを攻撃した。
「嘘だろ!ぐああっ!」
そんな攻撃がくると思わなかったクリスちゃんが喰らってしまい、瓦礫の中にたたき落とされてしまう。
「翼さん!クリスちゃん!
くっ!」
1人になってしまった今は回避に専念する!2人が戻ってくるまで耐えないと!
『ん?これは一体何だ?』
『どうした、藤尭』
『ビーストが舌を出す時に口を大きく開いたので内部を確認したところ、見慣れない臓器を発見しました』
『ビーストですので断定はできませんが、そんなところにあるのはかなり怪しいのでは?』
『試してみる価値があるかもしれん。
3人とも聞こえたか!口の中にある臓器を狙い撃つんだ!』
オペレーターの人たちが弱点を見つけてくれたかもしれない。でも、口の中を狙うなんてどうすれば。
「ならば、無理やり開かせるしかあるまい」
「翼さん!大丈夫ですか!?」
「問題ない。それより、今は開かせることを考えるんだ」
「.....なら、私に考えがあります」
「聞こう」
──
────
「確かにそれなら口は開くだろうが、かなり危険だぞ」
「やらせてください!」
「.....分かった。ではゆくぞ!」
《千ノ落涙》
エクスドライブモードになったことでさらに強力になった《千ノ落涙》がビーストに当たる。
「グガアアアッ!」
剣の雨をくらい、少しの間身動きが取れなくなる。
そして、その雨の中にはビーストの喉元への道があり、私が一気に駆け抜ける。
最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に!
特大の拳を作って突き進む。
「ガアアッ!」
ビーストも負けじと爪を振るおうとしている。間に合え!
「立花ぁ!!」
「くっ」
届かない.....!
そう思ってたところに、
バァン!
「ガアッ!」
ビーストの爪が壊れている。
これは──
『ウルトラマン!ナイスアシストだ!』
ありがとうございます!!
「はあああああぁぁぁ!!!」
ドゴンッ!
「ゴアッ!!」
喉への強烈な一撃にビーストが思わず口を開けた。
「今だよ!クリスちゃん!!」
「任せろ!!」
《RED HOT BLAZE》
「くらいやがれぇ!!!」
ダァン!
狙いすました一撃が口の中に直撃した。
「ガアアアァァァ!!」
かなり苦しんでいるみたいだ!
「バカな!人間がノスフェルの再生器官を破壊しただと!」
メフィストも予想外の事態に驚いてるようだ。
今ならトドメを刺せる!
ウルトラマンさんと目が合う。私たちは無言のまま連携し、互いの位置を入れ替えた。
私はその勢いのままメフィストに向けて拳を振り抜いた。
「うおおおっ!」
ガンッ!
「グオッ」
「くっ、硬い!」
けど、あいつに一矢報いることができた!
「ハアァァ、デヤアァァァ!」
《コアインパルス》
「グガアアアァァァ」
ウルトラマンさんが光線でビーストを倒すことができたみたいだ。
.....やったよ、ひびきちゃん。
「.....まさか、人間がここまでやるとは思わなかったぞ」
「私たちは、あなたたちに屈したりしない!!」
「...認めよう。だが、私が負けたわけではない!
ウルトラマンを倒し、この世を闇で染める!」
「そんなことにはならない。ウルトラマンさんは絶対に勝つ!」
彼が力強く頷く。ここから先は、2人の戦いなのだろう。
『3人とも、マリア君たちがキャロルの相手をしているが、そろそろ限界だ!すぐに向かってくれ!』
「分かりました!
ウルトラマンさん、そっちは頼みます!」
彼にこの場は任せて、私たちは離れる。
負けないって、信じてますから!
*主人公視点*
響たちがノスフェルの再生器官を壊したのは驚いた。見事な洞察力と行動力だ。
そのおかげで奴が復活することはない。
ここからはメフィストとの完全な一体一。俺の全力をぶつけるぞ。
「シュア」
「どちらが上か決着をつける」
互いに走り出し、拳と拳が激突する。
ドゴォン!
「ハァッ!」
メフィストの鋭い拳が頬を掠める。
俺は身を捻り、その勢いのまま胴体へ拳を叩き込む!
「ぬうっ!」
だがメフィストは怯まない。
肘打ちが飛んできて、それを受け止める。
続けて膝蹴りを繰り出してきた。
俺は腕を交差させて防ぎ、距離とった。
「デヤアッ!!」
一気に近づき、拳がメフィストの顔面を捉える。
しかし、メフィストはその一撃を受けながらも──
「甘い!」
腕を掴まれ、そのまま地面へと叩きつけられた。
「グアアッ!」
だが、その瞬間。
「ハァァァッ!!」
俺はメフィストを蹴り飛ばし、強引に距離を取る。
「面白い.....!」
「ジェアッ!」
右拳。
左拳。
回し蹴り。
膝蹴り。
肘打ち。
攻撃と防御が目まぐるしく入れ替わる。
そして、メフィストが爪を振るうのを俺は身を沈めて躱し、その懐へ飛び込んだ。
「ハアアアアッ!!」
ドゴォン!
渾身のボディブロー。
メフィストの身体が僅かに浮く。
しかし──
「舐めるなァ!!」
ゴッ!
頭突きを繰り出してきた。
額と額が激突する。
凄まじい衝撃が走り、互いの身体が後方へ下がる。
だが倒れない。膝を曲げることもない。
「やるじゃないか、ウルトラマン。
ここまで楽しめるとはな」
「ハァ.....ハァ....」
「だが、ノスフェルに使った技の分、体力は私の方が有利みたいだな」
その通りだった。
《コアインパルス》を使った影響で、俺はかなり光エネルギーを消耗している。
「まだまだいくぞ」
メフィストが空中へと移動する。
「はああああ、はあっ!」
《ダークレイクラスター》
巨大な闇の球が無数の小弾に分裂し、俺目がけて降り注ぐ。
「ハアッ!」
俺は《サークルシールド》で守る。
全て防ぎきったと思ったら、奴の姿が見えなくなっていた。
ゾクッ!
俺は咄嗟に《マッハムーブ》を使って前へと高速移動した。
「勘がいいな」
俺が立っていた場所にメフィストの爪が切り裂く。
あと少しでも遅れたら串刺しにされるところだったぞ。
「ならこれはどうかな───ハッ!」
《メフィストショット》
メフィストクローから黄緑色の光弾が放たれる。
俺は横へ回避するが、メフィストは連続で放ってきた。
2回目の攻撃には対応しきれず、俺は腕を交差させてガードするしかなかった。
その威力は防御していたのにもかかわらず、吹き飛ばされてしまう。
「グワァッ!」
「私と差がつき始めてきたな」
このままではジリ貧だ。
隙をついて大技を決めるしか───
「向こうも決着がつきそうだ。
私たちもこれで終わりとしよう」
くそっ、そんな隙はないか!
覚悟を決めて立ち上がる。
お互いに最大の一撃を放つ。これで勝負は決まるだろう。
「ハアッ、オオオ」
「ジュアッ、オオオ」
「ハアアッ、トオッ!」
「フッ、デヤアッ!」
《ダークレイ・シュトローム》
《オーバーレイ・シュトローム》
光と闇の光線がぶつかる。
威力は互角。だが、体力を消耗している俺が少しずつ押され始めていた。
「私の勝ちだ!ウルトラマン!」
.....まだだ!俺なら勝てると、響は信じてくれている!セレナに戻ると約束した!他にも、俺を信じてくれる人たちがいる!
だから、ここで負けるわけにはいかないんだぁぁぁ!!
「ハアァァァァァァ!!!」
「何っ、オオオオオオオ!!」
一気に押し返すが、相手もさらにエネルギーを込めてくる。
互いに譲らず、2つの光線は対消滅を起こして爆発した。
「グアアッ!」
「ガアアッ!」
爆発が収まると、互いに満身創痍の状態だった。
どちらも膝をつき、胸のゲージは危険を知らせるために鳴り響いている。
「どうやら.....ここまでのようだな」
「ハァァッ.....ゼアァ....」
向こうではキャロルの碧の獅子機が今にも爆発しそうになっている。
「次は必ず決着をつけるぞ、ウルトラマン」
メフィストが姿を消そうとしている。
だが───
ガシッ!
「何だとっ!お前のどこにそんな力が!」
俺はメフィストを羽交い締めにして動きを封じる。
そのまま、今にも爆発しそうな獅子機へと近づいていく。
「お前、まさか!」
ここでお前を逃がすわけにはいかない!必ず倒す!!
「グッ...オオオ!!」
「離せ!ガアアッ!」
少し離れた場所でキャロルへ手を差し伸べている響と目が合った。
「ウルトラマンさん!!!」
*響視点*
もうすぐ爆発するというのに、ウルトラマンさんは必死にメフィストを抑え込んでいる。この爆発で倒すつもりなのだろうか。でも、それじゃあ彼も一緒に.....。
胸のクリスタルが点滅している。きっともう体力は限界なのだろう。そんな状態で喰らってしまえば一たまりもない。
爆発からキャロルちゃんを守るためには、この羽根で体を覆うしかない。でもそうすると、彼のことが見えなくなってしまう。無事でいてくれるのかが分からなくなる。
それがどうしても不安で仕方がなかった。私は、自らを犠牲にしてまで勝って欲しいなんて思っていなかった。
───彼と目が合う。
その目は、決して生きるのを諦めているわけじゃない。何故か、そう確信出来た。
だから───
「ウルトラマンさん!!!」
私の想いを伝える。
「絶対!また会いましょうね!!」
そう伝えた直後に爆発が起こり、私は体を覆うしかなかった。返事を見ることが出来なかったが、必ず会えると信じている。
あの日から3日経ったけど、キャロルちゃんはまだ見つかっていない。
私が無事だったから、キャロルちゃんもきっと大丈夫だと思う。けれど、それでも心配になってしまう。
それと、エルフナインちゃんについても。無理をして怪我を悪化させてしまい、とても危険な状態になっている。いつその命が尽きてもおかしくない。
エルフナインちゃんやみんなの前では元気に振る舞おうとしていたけど、やっぱりダメだった。
一向によくならない姿を見ていると、どうしても涙をこらえることができなかった。
リアンさんともまだ連絡が取れていないみたいだし、最悪の場合を考えてしまう。大切な仲間を2人も失ってしまうかもしれないという思いは、私の心に深く突き刺さっていた。
その日の深夜、エルフナインちゃんの心電図が止まったという連絡がきてしまった。
私たちは急いで病室へと向かった。
そこで私たちを待っていたのは───
「皆さん....」
「久しぶりだな」
元気な姿を見せるエルフナインちゃんとリアンさんだった。
どうやって助かったのかという疑問よりも、嬉しさが込み上げてきた。涙が溢れ、私はエルフナインちゃんに抱きついてしまう。
これで、またいつも通りの日々に戻れる。誰も欠けることなく終わることが出来て良かった!
「もう!ウェル博士ったらまたこんなにご飯を残して!」
「.....嫌いなのだから仕方ないんじゃないか?」
「絆紡さんがそうやって甘やかすから食べなくなるんですよ!」
「僕にはお菓子があればそれで充分なんですよ」
「相変わらず偏った食事をしてるわねぇ」
「はぁ...どうしてオレはこんな場所に来てしまったのだろうか」
「今度という今度は許しません!次残したらお菓子は全て隠しますからね!」
「はぁ!!それは横暴だろ!!」
「やりすぎなんじゃないか?」
「そうだ!もっと言ってやれ!」
「嫌なら残さず食べることです」
「一気に賑やかになったわね」
「貴様らうるさいぞ!とっとと自分の研究に戻れ!!」
もうGXまで描き終わっちゃいましたねー。
GXは主人公が入り込む余地が少ない分、少しの隙間にねじ込んだりして活躍させるのが難しかったです。
書いてて楽しかったですけどね。
またいつも通りのことをやってAXZにいこうと思います。