戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~   作:@a.s

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どういう風に進めるかずっと考えてたら遅くなっちゃいました!
すみません!


AXZ編
第43話


 

 *主人公視点*

 

 もう夏休みも終盤だ。そろそろAXZに入る頃合のはず。

 セレナが復活して3人で研究を始めてからは、恐ろしく早いスピードで研究が進んでいった。

 

 了子がこれまで解析してきたビーストのデータを基盤に、2人の天才が加わったことで、ほぼ完成という段階までいくことができた。特に、錬金術師であるキャロルによる別の視点からのアプローチが、大きな刺激となった。

 

 しかし───

 

「ビーストに対して効果的だが、今のままでは破壊兵器と変わらんな」

 

「そうですね。ビーストの細胞を分解できるところまではいいのですが、この威力ではビーストを倒す以外の使われ方をしても脅威となるでしょう」

 

「あと1歩というところまでは来てるのよねぇ」

 

「ビーストのみに効果がある武器はまだ出来そうにないな」

 

「難しい要望を言ってすまないな」

 

「いいのよ。あなたの意見は最もだもの」

 

「ただビーストを殺したいだけなら、高火力に仕上げれば良いだけですからねぇ」

 

「その程度の目標など、研究のしがいもないからな」

 

 出来上がったものは、当たればビーストどころかあらゆる生命体の細胞を分解する光線を出す、とんでもないものだった。

 現状では使い方を間違えなければ強力な武器になるのだが、公にするには危険すぎると判断された。

 

「皆さん、お疲れ様です。おやつを用意しましたので、少し休憩にしましょう」

 

「ありがとう、セレナちゃん」

 

「ちょうど糖分が足りないところでしたよ」

 

「ありがたく受け取ろう」

 

 ───

 ──────

 

「しっかし、どうしたものですかねぇ」

 

「ビーストの細胞にだけ効果があるなんて、そんな好都合なものがあるわけでもないし」

 

「だが!それを成し遂げることが出来れば!僕の名前は英雄として世界に刻まれるだろう!」

 

「それについてはどうでもいいが、現状ではこれが精一杯だろうな。

 変化をもたらす何かが必要だ」

 

「早くしないと、絆紡くんの負担が大きいのよねぇ」

 

 そう。ビーストについてだが、この期間に変化があった。

 世界に向けて、ビーストの存在が正式に公表されたのだ。メフィストたちの手によって一家が殺害されたことで、人々に真実を隠し通すべきではないという意見が強まったのに加えて、この件を無かったことにして欲しくないという、響の強い思いに司令が応え、会議で後押ししたのも要因である。

 

「あ、ちょうどニュースでもやってますね」

 

『ノイズに続き、新たに特異災害に認定された”スペースビースト”について、国連ではその生態や出現原因、対処方法について専門機関による調査が進められています。

 また、現時点でスペースビーストの出現は日本国内にのみ確認されているため、日本への旅行客が例年よりも少なくなることが予想され、日本経済への影響は避けられないと指摘されています。

 日本政府は対策本部を設置し、国民の安全確保と経済への影響を最小限に抑えるための対応を急いでいます』

 

「世間は大騒ぎねぇ」

 

「当然でしょう。ノイズの次は人を食う謎の化け物です。人々がこうなるのも無理は無い」

 

『そして、スペースビーストの出現とともにその存在が明らかとなった、謎の巨人“ウルトラマン”についても調査を進める方針を明らかにしました。

 国連は声明の中で、ウルトラマンはスペースビーストと戦い、我々人類を守る存在であると発表しています。

 実際にスペースビーストと戦う映像が公開され、世間からは地球を救うヒーローだという声が多数寄せられています』

 

「だそうだぞ。ヒーロー」

 

「あまり茶化すな、キャロル」

 

「SNSでもかなり話題になってたわよ。宇宙人や地底人、他には日本で極秘開発されたロボットなんて説もあったんだから」

 

「.....けど、悪い噂もありましたよね。スペースビーストが現れたのは、ウルトラマンがいるからだって」

 

「何も知らなければ、そう思ってしまうのは仕方のないことでしょう」

 

「そうだな。俺も別に気にしてはいない」

 

 ...少し嘘をついた。ネクサスが悪く言われてると思うと少しムカッとしてしまった。

 

「ま、どこにでも好き勝手言う人はいるものよ。まともに相手しないことね」

 

「.....そうですね。私たちが信じていればいいんです!」

 

「だが、気を付けておけよ。未知の力は恐怖の対象となるのだからな」

 

 父親のことを思い出しているんだろうな。

 

「心配してくれてるんだな。キャロル」

 

「別に、警戒しろと伝えただけだ」

 

「素直じゃないわねぇ」

 

「黙れ。

 オレは自分の作業に戻る」

 

「そろそろ完成しそうか?」

 

「もう少しといったところだ。エネルギーはお前に任せていいんだったな」

 

「ああ。必要になったら呼ぶといい」

 

「そうか。分かった」

 

「ふふっ、キャロルさん嬉しそうですね」

 

「なっ、別にそういうことでは──」

 

「連日熱心に作業しているというのに、このレディは何を言っているんですかね?」

 

「誤魔化さなくても、お前があのオートスコアラーたちを大切に思ってるのは分かってるぞ」

 

「わざわざ言わなくていい!」

 

 足早に去っていってしまった。

 

「照れくさかったんでしょうね」

 

「嬉しい時は嬉しいって言えばいいのに」

 

「それが言えない面倒な性格なんですよ」

 

「本人に言ったらまた怒鳴られるぞ」

 

 まぁ、言い合えるくらいには心を許してくれているってことなのかな。

 

「それにしても、もう少しで人数が今の倍近くになるなんて、部屋が足りなくなりそうね」

 

「地下に部屋でも増やすか」

 

「それが良いかもね」

 

 居住スペースについて考えていると、司令からメールが届いた。

 

「メールか。内容は.....バルベルデ共和国に武力介入するようだな。

 その間日本を守っていてほしいというわけだ」

 

 とうとう始まるか。

 

「S.O.N.G.は国連の直轄といっても、そんなことしていいのかしら」

 

「おそらく、彼女たちを派遣しなくてはいけない何かが、そこにはあるってことなのでしょう」

 

「姉さんたち、大丈夫でしょうか?」

 

「よっぽどの事がない限りは大丈夫だろう。シンフォギアはそれだけ強力だからな」

 

「けど、もし何かあった場合は──」

 

「厄介な事が始まりそうだな」

 

 

 

 *響視点*

 

 私たちは、フロンティア事変や魔法少女事変と関わりのあるパヴァリア光明結社について探るために、バルベルデ共和国まで来ている。

 

 そこではアルカノイズが軍事利用されていて、多くの被害者が生まれていた。

 そんな状況を見過ごすわけにはいかない。私たちは軍事拠点を制圧することになった。

 

 川の近くにあるプラントを制圧したあと、逃げた指揮官を追って近くの村までやって来た。

 そこでは村にいる大勢の人たちを人質にされ、身動きが取れなくなっていたけれど、ステファン君が隙を作ってくれたおかげで助け出すことができた。

 けど、そのステファン君はアルカノイズに足を掴まれてしまって──

 

「あなたがステファンの足を!!」

 

「ああ。撃ったのは.....このあたしだ」

 

「クリスちゃん....」

 

ビー!ビー!

 

 これは.....ビースト振動波を検知した音!

 

「司令、反応はどこに!」

 

『お前たちが持っている装置が反応した!

 場所はそこから南西に1km離れたところだ!』

 

 かなり近い!

 早く安全な場所に避難させないと!

 

「くそっ!こんな時に出てくんのかよ!」

 

「嘆いている暇はない!私たちでビーストを食い止めるぞ!」

 

「はい!」

 

 ───

 ──────

 

 ビーストの姿がハッキリと見えてきた。

 

「ギュアアアアア!!」

【レプタイルタイプビースト リザリアスグローラー】

 

「あのビースト、前に私たちが戦ったのと似ていますね」

 

「だが、細部が違う。以前よりもさらに凶悪になっている」

 

「どれだけ変わってようが関係ねぇ!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

 クリスちゃんがビーストに攻撃を仕掛ける。

 けど──

 

「何だと!」

 

「躱した!?」

 

 まるで攻撃が来ると分かっていたかのように避けた。

 

「ならばこれはどうだ!」

 

《蒼ノ一閃》

 

「くっ!」

 

「これもか!?」

 

 翼さんの攻撃も難なく避ける。

 

「一体どうして....」

 

『おそらく、以前の戦いでお前たちの動きを学んだのだろう』

 

「ここまで面倒な相手になるなんてな」

 

 私たちが強敵を前に、どう対処すればいいのか悩んでいた時、頼れる仲間が助けに来てくれた。

 

ドォォン!

 

「この感覚は.....!」

 

「どこにいても駆けつけてくるな」

 

 やっぱり、必ず会えると思ってました!

 

「ウルトラマンさん!!」

 

『来てくれたか!

 だが、彼も以前このビーストと戦っている』

 

「そんな!じゃあウルトラマンさんも──」

 

『彼の戦闘パターンを学習している可能性が高い』

 

「だが、ウルトラマンと我々3人が協力して戦えば勝機はある!」

 

 翼さんの言う通りだ!

 4人でなら必ず勝てる!

 

「──ハアッ!」

 

 隔離空間を展開するために、いつもの赤色の姿に──

 

「.....え?」

 

『何!?』

 

「色が.....違う」

 

 ウルトラマンさんが赤色の姿じゃなくて、青色の姿へと変わった。

 

『色だけではありません。右手首の部分も以前とは異なっています!』

 

「.....もしかすると、別人なのか?」

 

 翼さんの推察を聞いて、一気に不安になる。

 もし別人だったらどうしよう。私たちのことを知らないと答えられたらって思うと、胸が苦しくなる。

 

「.....私、聞いてみます」

 

 意を決して彼に近づいた。

 

「ウルトラマンさん!私たちのこと、覚えていますか!」

 

 お願い!覚えてるって答えて!

 

「グオオオオ....」

 

 私が返事をもらう前に、ビーストが攻撃をしようとしていた。

 

「ハアッ!」

 

 強力な熱線をバリアで防ぐ。

 そして私を見つめて──深く頷いた。

 

「──っ、良かったぁ」

 

「全く、ビビらせやがって」

 

「私の考えすぎだったようだな」

 

 熱線を防御しきったウルトラマンさんは、私たちの前に立つ。

 

「1人で戦うつもりですか!?」

 

「危険だ!あなたの攻撃は知られて──

 .....いや、今の姿なら知らない技もあるのではないか?」

 

 彼は翼さんの問いかけに頷いて答える。

 

『ならば信じよう!3人は民間人の避難を!』

 

「.....分かりました!

 ウルトラマンさん、頑張ってください!」

 

「シュアッ!」

 

 ビーストに立ち向かい、隔離空間を展開する。

 

「これで周りに被害は出ないだろう」

 

 私たちが安心していると──

 

『空間に異常が発生しています!』

 

「何だ...ありゃ」

 

 金色の光が紫へと変わっていく。

 

「中で何が起こってるの?」

 

『.....考えるのは後だ!今は避難を優先するんだ!』

 

 不穏な気配を感じ取りながらも、私たちはその場を離れるしかなかった。

 

 その後、師匠から空港でアルカノイズの反応があることを伝えられて、私たちは急行することになる。

 パヴァリア光明結社の錬金術師たち。そして、さっき見たあの異変。

 

 新たな戦いが迫ってきている。

 

 

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