主人公を活躍させる暇がない分、色々会話を増やそうとした結果こんだけ時間がかかっちゃいました。
*主人公視点*
30日に司令から連絡がきた。
バルベルデで起こったことについて話し合いがしたいそうだ。
俺からも、S.O.N.G.のみんなには伝えておきたいことがあったからいい機会だな。
そう思い、本部までやってきた。
「来てくれたか」
「当然。色々聞きたかったからな」
「お久しぶりデス!」
「ああ、久しぶり。相変わらず元気だな」
「では、全員揃ったことだし早速始めるか」
「いつもより少ないようだが、いいのか?」
「翼さんとマリアは、まだバルベルデで調査を続けています。響さんは──」
「あのバカは夏休みの宿題がまだ終わってねぇんだと」
「そういう事だから、翼たちには後で説明しておくよ」
「なるほどな」
「では、こちらからリアン君に伝えることだが、また新たな敵が現れた。
敵は、欧州で暗躍しているパヴァリア光明結社の錬金術師だ。彼女たちの発言から、人類をバラルの呪詛から解き放つことが目的である可能性が高い」
「キャロルやマリアさんとも関わりのある、謎の多い組織です」
「また錬金術師が相手とはな。敵については分かった。
それに関しては、今まで通りS.O.N.G.に任せても問題ないか?」
「ああ。異端技術を行使する相手であれば、こちらで対応する」
「了解。だが、もし頭数が足りなくなったら呼ぶといい。少しは役に立つだろう」
「感謝する。
そして、ここからが本題だ。先日バルベルデ共和国でビーストが出現した際、ウルトラマンが駆けつけてくれたのだが、いつもの姿とは色が違っていた」
「それだけではありません。赤い姿の時は左右の手首に同じ装飾がありましたが、この姿ではかなり変化しています。
残念なことに、その能力は亜空間へと移動したことで確認できませんでした」
「姿の変化については特に問題はない。本当に重要なのは別の点だ。
ウルトラマンの亜空間が展開中に大きく変化した。解析したところ、以前ダークファウストという巨人が展開したものと、ほぼ一致している。
この件について、リアン君の見解を聞かせてほしい」
みんなが聞きたいのは、やっぱりそこだよな。
「分かった。その件については、もう答えが出ている。
ウルトラマンの亜空間を変化させたのは、ビーストたちの首魁の仕業だ。名をダークザギと言う。
こいつが、この地球にビーストを出現させた元凶だ」
「それは本当か!」
「ああ。間違いない。
奴は他にも、ビーストの再生や強化もすることができる」
「なら、あたしたちが戦ったビーストの姿が前と違っていたのも──」
「奴が強化したんだろうな。再生は.....おそらく以前回収し損ねた破片からしたのだろう」
「.....そんな相手と戦えるの?」
「調....」
「どんなに強大な敵が相手でも、力を合わせて立ち向かうしかない」
「その通りだ!我々はこの事態に全力で対処するしかない!」
「それに、ウルトラマンだって戦ってくれてるんだ。あたしたちが諦めるわけにはいかないだろ」
「.....そうですね。ごめんなさい、弱気になっちゃって」
「大丈夫デスよ!調!
みんながいれば何とかなるデス!」
「ボクも、調さんたちがギアを安全に纏えるように、LiNKERの開発を急ぎます!」
「2人とも、ありがとう」
「よし!リアン君との共有も終えたことだし、各々来たる戦いに備えるんだ!」
「「「「はい!!」」」」
「司令、最後にいいか。
ウルトラマンとファウストが展開した亜空間のデータを渡してくれないか?今後必要になりそうなんだ」
「分かった。すぐに渡そう」
「助かる」
その日の話し合いはこれで終わった。
後はこの内容を了子たちに伝えるだけだな。
家に帰ると、全員がリビングで待っていた。
「もう集まっていたのか。なら、S.O.N.G.での話し合いの内容だが──」
「パヴァリア光明結社だろ?どんな相手かは聞いた」
「どうしてそれを。
.....ああ、キャロルはエルフナインの視覚や聴覚を共有できるんだったな」
「そういうことだ。何を話したかは全て知っている」
プライバシーも何もあったものじゃないが、便利な能力だな。
「俺の手間が省けて助かるよ。
それで、相手について何か知っていることはあるか?」
「オレは奴らについてはほとんど知らない。
シャトーの建造にあたって、少し関わっていたくらいだ」
「僕も知りませんねぇ」
「私も何百年か前に戦以来、結社は姿を見せてこなかったからあまり知らないわね」
「謎が多い組織ってことですね」
「これだけ揃ってもほとんど情報がないからな」
「相手がどんな錬金術師でも、マスターの方が優秀なのは分かりきってることですけどねぇ」
「マスターの方が強いんだゾ!」
「いちいち張り合わんでいい。だが、もし戦うとなっても負ける気はせんがな」
「もし派手に戦う時は、私たちもお供します」
「私たちの力を存分に知らしめてやりましょう」
「血気盛んなのは結構だが、結社の方はS.O.N.G.に任せてある。戦う可能性はほぼないだろうな」
「僕たちが表立って活動するわけにはいきませんし」
「今は大人しく研究を進めましょうか」
「頼んだ。
それとキャロル。向こうから亜空間のデータを貰ってきたぞ」
「これで制作に取り掛かれる。後はオレに任せておけ」
これでメタフィールドの件はどうにかなりそうだな。
「話し合いも落ち着きましたし、そろそろご飯にしましょうか!」
「そうしましょうか。今日の晩ご飯はカレーよ」
やっぱりカレーか!帰ってきていい匂いがすると思ってたんだよ。
「僕は少なめにしてくださいよ」
「ダメですよ!そうやって後でお菓子を食べるつもりでしょう!ちゃんと食べてください」
「マスターの分はガリィちゃんがよそおいますね〜」
「あたしも手伝うゾ!」
「あなたは食器を割るでしょう?
大人しくしていなさい」
「盛り付けなら私が!派手に仕上げてみせましょう」
「お前たちにやらせると嫌な予感しかしない。
おい!自分でやるから座っていろ!」
そこからは、大人数で賑やかな夕食の時間を過ごした。
今日は9月1日。響たちの夏休みが終わって、翼とマリアが調査から帰ってくる日だな。
翼たちが無事に帰ってこれるかはフリューゲルの中から確認していたが、問題なく終わったようで安心した。
それにしても、サンジェルマンたちはネクサスのことをどう思ってるんだ?
装者たちのことは倒すべき敵と考えているようだが、ネクサスもそうなのだろうか。
もしそうだったら今後ビーストと戦う時に何かしてくるかもしれないな。
.....1度聞いてみるか?ちょっとリスキーだが、ファウストローブが完成していない今が聞けるチャンスだ。
この後、彼女たちはメタフィールドのような亜空間を展開するノイズを戦わせに来るはずだ。
その場所の近くを探せば見つかるだろう。
「.....行ってみるか」
*サンジェルマン視点*
機能特化型のノイズを装者たちに差し向けていたところに、1人の男が姿を現した。たしか、最近S.O.N.G.と協力関係になった人物だったか。
「.....お前は」
「必要なら自己紹介でもしようか?」
「結構だ。それで、ここまで来て何の用だ?」
「少し話を聞きたくてな」
「ふぅん。そのために、あなた1人でのこのこやってきたわけ?」
「ああ。聞くことができたら帰らせてもらうよ」
「お前は何が聞きたい」
「そっちの目的は人類を支配から解き放つことで間違いないんだな?そのための犠牲も厭わないと」
「.....そうだ。私たちは歩みを止めるわけにはいかない」
私たちが背負った罪とその重さ。
今さら辞めることなど出来はしない。
「なし得た結果、世界は平和になるのか?
お前たちが敵対している相手は、世界を守ろうとしているわけだが」
「それでも、互いの正義がぶつかる以上、戦うしか道はない」
「.....そうか。
なら、今世界を脅かしているビーストはどうするつもりだ?」
「それについては問題ないワケダ」
「あたしたちだけでも対処可能って判断したの」
「.....考えが甘いな。お前たちが思っている以上に、奴らの闇は深いぞ」
「その程度の脅しで、我々が戦うのを辞めるとでも?」
それに、神の力であれば奴らが相手でも対抗できる。
「だろうな。お前たちの意志は固そうだ」
「そういうこと。それで、あんたはどうするの?
ビーストとだけ相手するって言うなら、見逃してあげてもいいけど」
「彼女たちを見殺しにする気はない。もし命の危険があれば助けに入る」
「だったら、お前も敵なワケダ」
「少し待て。最後に1つだけ聞きたい。
ウルトラマンのことはどう思っている」
「彼は地球のために戦っているのは知っている。
だが、その力をもって人の上に立とうというのならば、倒さねばならぬ敵だ」
ヨナルデパズトーリは、彼に対抗するための力としてちょうど良かったのだがな。
けれど、他にも手段はいくらでもある。
「支配しようという意思がなければ、戦う気はないということだな。
よく分かったよ。なら、俺はこれで帰らせてもらう」
「この状況で無事に帰れると思っているワケダ」
「残念だけど、あなたを逃す気はないわよ」
「その命、革命の礎となってもらう」
「そういうわけにはいかないな。
少し苦しいだろうが、我慢してくれよ」
そう言うと、銃のようなものを取り出して空へと撃った。
「2人とも!何かされる前にケリをつけるぞ!」
「分かっているワケダ!」
「この攻撃を凌ぎ切れるかしら!」
私たちは三人同時に攻撃を放った。
しかし──
「.....これだけの攻撃を受けて無傷とは」
「突破は不可能なワケダ」
「もう!何なのよそのバリアは!」
あの力は一体.....。
そして空から謎の飛行物体がやって来た。さっきのはこれを呼んでいたのか。
「うぐっ!これは.....!」
「頭が....」
「立ってられないワケダ....」
この物体から放たれる強力な振動波によって、私たちはその場に膝をついた。
「何かされても面倒だからな。少しそのままでいてくれ」
そう言い残して飛び去っていった。
ようやくあの振動波から解放される。
「2人とも、大丈夫か?」
「うぅ.....まだ頭がぐらぐらするわ」
「あの力.....是非とも解き明かしてみたいワケダ」
あの男が戦うとなると、かなり厄介だ。
ファウストローブを身に纏っていないとはいえ、こうも圧倒されるとは。
「次会ったらこうはいかないワケダ」
「この借りは返さないとね」
装者たちの方も片がついたようだ。潮時だな。
「目的は果たした。戻ってファウストローブの最終調整を行うとしよう」
必ず理想を成し遂げてみせる。そのためならば、どのような相手が待ち受けていようとも。