戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~   作:@a.s

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第49話

 

 *主人公視点*

 

 S.O.N.G.はラピスの力に対抗するために、愚者の石を見つけようとするのだが───

 

「俺も参加して欲しいって?」

 

「ああ。愚者の石が保管されていた深淵の竜宮は、少し前に壊れてしまってな。その中から石を探し出すのに、少しでも人手が欲しい」

 

 納得のいく理由だが.....

 

「理由はそれだけか?」

 

「.....いや、むしろこっちが本音だな。

 俺たちとリアン君が別行動になった時に、敵がまた襲って来るかもしれない。そうなったら、助けに向かうのが困難になる。

 だから今は、なるべく一緒に行動してほしいと思っているんだ」

 

 今度襲われたら、無事で済むとは限らないもんな。

 

「分かった。俺も探すのに協力するよ」

 

「協力感謝する。

 しかし、すまないな。錬金術師は任せろと言ったのに、簡単に君への接触を許してしまった」

 

「気にしてない。

 協力関係になったら、少なからずこういうことは起きると覚悟はしていた。

 それに、あいつらが襲ってきたのは、俺が力を見せてしまったからだろうしな」

 

「だとしても、こちらの対策が疎かだったのは確かだ。

 今は共に行動する方が安全だろう」

 

「そうだな。しばらくの間、よろしく頼む」

 

「こちらこそ」

 

「リアンさん、よろしくお願いしますね!」

 

「ああ。とりあえず、愚者の石が見つかるまでは一緒に行動しよう」

 

「うえぇ!リアンさんもその名前で呼ぶんですか!?」

 

 すまないが、俺にとっては聞きなれた呼び方だしな。

 

「では、早速愚者の石を探しに向かうぞ!」

 

『了解(デス)!』

 

 目的地まで時間があり、船内でゆっくりしていたところにエルフナインがやってきた。

 

「リアンさん、少しいいでしょうか?」

 

「どうしたんだ?」

 

「少し、お話したいことが。研究室まで来てくれますか?」

 

「分かった。行こう」

 

 何の話をするつもりなんだ?

 

 ──

 ────

 

「それで、何の話だ?」

 

「昨日の夜のことですが、リアンさんを助けたのはキャロルだったんですか?」

 

「エルフナインは分かっていたか。その通りだ」

 

「やっぱりそうでしたか。さすがキャロルです。

 それで、キャロルはそっちでも元気にやってますか?」

 

 なるほど、そこが気になっていたのか。

 

「ああ。他の仲間と一緒に、熱心に研究をしてくれているよ」

 

「良かったです。

 そっちでちゃんとやれてるか心配だったので」

 

「最初はぎこちなかったけど、最近では普通に会話もしているし、問題ないぞ」

 

「そうでしたか。あのキャロルが....」

 

「やっぱり、様子が気になるんだな」

 

「.....はい」

 

「.....それなら、お互いに手紙を書いてみたらどうだ?」

 

「手紙ですか?けど、何を書けばいいんでしょう?」

 

「何でもいいさ。エルフナインの好きなように書けばいい」

 

「ボクの好きなように、ですか」

 

ガタッ

 

 何だ?何か物音がしたような?

 ま、気のせいか

 

「ああ。昔あった楽しかったことや、ここでの新しい発見とかな。

 難しく考えることはない。エルフナインが感じたことや思ったことを書くといい」

 

「.....なるほど、それならボクも書けそうです。

 けど、貰ったことはありますが、書くのは初めてなので少し緊張します」

 

「大丈夫、すぐに慣れるさ。

 こういうのは経験だからな」

 

ゴンッ!

 

 やっぱり何か聞こえる気がするんだが、廊下からか?

 

「なら、早速やってみます!すぐに準備をしますね」

 

「あっ、ああ」

 

 エルフナインが紙とペンを持ってきた。

 今すぐに書きたいという気持ちでいっぱいなんだろうな。

 

「じゃあ始めるか」

 

「はいっ」

 

 エルフナインが書き出そうとしたその時──

 

「お、おい!押すなって!」

 

「うわあぁぁ!」

 

 ドアが開いて響たちがなだれ込んできた。

 

「み、みなさん!」

 

「何をやってるんだ?お前たちは」

 

 

 ~数分前~

 

 *研究室前廊下にて*

 

「や、やっぱりこういうのは良くないんじゃ」

 

「響さんは気にならないんデスか!エルフナインがリアンさんをこっそり連れ出したことを!

 これは、リアンさんの謎を解くチャンスなのデス!」

 

「潜入美人捜査官メガネまでつけて、本気なんだね。切ちゃん」

 

「まぁ確かに、あの二人がなんの話をするか気になるところだが」

 

「盗み聞きとは褒められたものではないな」

 

「そうね。聞かれたくない話をするから、こっそり抜け出したんでしょうし」

 

「うぐっ。す、少しだけデスから。少し聞けたら撤退するデスよ」

 

 そう言うと切歌は研究室の前まで行き、扉に耳を当てた。

 

「にしても、あれで会話なんて聞けるのか?」

 

「防音もしっかりされているからな。あまり聞こえないとは思うが」

 

 ──

 ────

 

「さて、中で一体どんな会話をしてるんデスかね」

 

 よく耳を澄ましてみると.....

 

「.....エルフナイン...好き....」

 

「ボク.....好き.........です..」

 

「む、むむむむむ(な、なんデスと)!!」

 

 咄嗟に口を抑えて大声を出さずにはすんだが、あまりの衝撃に目を白黒させている。

 この内容を伝えるべく、急いでみんなの元へと戻っていった。

 

「た、たたた、た、大変デス!」

 

「ど、どうしたの切ちゃん。メガネもズレてるよ」

 

「リリ、リ、リアンさんがエルフナインにこ、ここっ、告白したんデスよー!」

 

「うえぇぇ!嘘ぉお!」

 

「う、狼狽えるな!エルフナインに性別はない。告白なんてそんな....」

 

「いや、真の愛の前でそのような事は関係ないのだろう」

 

「はっ!何バカなことを言ってんだよ。

 どうせ何かの聞き間違いだろ?あたしが聞いてきてやるよ」

 

「う、嘘だと思うなら行ってみるといいデスよ!」

 

「はいはい、すぐに誤解を解いてやるよ」

 

 ──

 ────

 

「告白なんてバカらしい、あいつがそんなことするわけが──」

 

 扉に耳を当ててみると.....

 

「初めてなので、少し緊張します」

 

「すぐに慣れるさ、こういうのは経験だからな」

 

ゴンッ!

 

 頭を床に打ちつけてしまった。

 

「初めてって何をするつもりだーっ!」

 

 クリスの突飛な行動に、他の装者が集まってきた。

 

「どうしたのクリスちゃん、急に頭をぶつけるなんて」

 

「バカ、し、静かにしろ。バレたらどうする」

 

「その慌てよう」

 

「やっぱり、間違いじゃなかったのデス」

 

「どんな会話を聞いたの?」

 

「そ、その〜.....エルフナインがは、初めてのことをするって....」

 

「ふむ。そういうことは家でやってほしいものだが」

 

「家ならいいってものじゃないでしょう!」

 

「どどど、どうします?何も聞かなかったことにして帰ったほうが....」

 

ドタドタ

 

「な、何か物音が」

 

「中で何が始まったんデスか....」

 

 中の様子が気になり、全員が扉の前まで集まっていく。

 そんな時に──

 

「おーい!揃いも揃って何をやってるんだー?」

 

「か、奏さん!?」

 

 突然声をかけられてしまい、バランスを崩してしまう。

 そして.....

 

「ちょっ、お前ら」

 

 近くにいたクリスが押されて扉にもたれかかり、間違って開けてしまった。

 

 

 ~現在に戻る~

 

 *主人公視点*

 

 何があったらこんな状況になるんだ?

 

「あ、あなたたち!こんなところで一体何をしていたの!」

 

「そうですよ!そういうのはもっと特別な場所で──」

 

「何って....」

 

「手紙を書こうとしてたんです」

 

 そう言ってエルフナインが紙とペンを見せる。

 

「え?」

 

「て、手紙デスか....」

 

「どうした切歌。そんなに青い顔をして」

 

「な、なんでもないデス!」

 

 手紙を話題にだすといい反応をするな。

 

「では、告白というのは....」

 

 告白?

 

「なんの話をしているんだ?」

 

「ボクたちはそんな事言ってませんよ?」

 

「やっぱり勘違いじゃねーか!!」

 

「ご、ごめんなさいデーース!!」

 

「けど、クリス先輩も勘違いしてた」

 

「うぐっ」

 

「何だか面白いことになってるな」

 

「奏か。何が起こったか分かるか?」

 

「さあな。だが、翼たちが盛大に勘違いをして赤っ恥をかいたことは分かる」

 

「悪いことをすれば天罰が下る。天はよく見ているということだな」

 

「ここは海の中だけどな」

 

「もう懲り懲りなのデス」

 

 まぁ、一件落着ってことでいいのかな?

 

 


 

 

 それから少し経つと、深淵の竜宮がある場所までやってきた。

 

「お前たち、そろそろ探し始めるが.....大丈夫なのか?」

 

 装者たちは目に見えて疲れている。

 

「.....問題ありません」

 

「そ、そうか。

 では行動に移ってくれ」

 

 響、翼、マリアは海底で泥を集めるチーム。

 俺、クリス、調、切歌は上で愚者の石を探すチームへと分かれた。

 

「.....これは、途方もないな」

 

 次から次へと出てくる泥の中を、人海戦術で探していく。

 

「あまりにも多すぎるのデス」

 

「長丁場になりそう」

 

「文句を言ってないで、さっさと探し始めるぞ」

 

 

 ~1時間後~

 

 

 俺たちやS.O.N.G.の協力者は探知機で探しているが、一向に見つかる気配がない。

 

「.....見つからないね」

 

「疲れてきたのデス」

 

 単純作業だしなぁ。終わりが見えないと辛いよな、これ。

 

「気を紛らわすために会話でもするか?」

 

「そうですね」

 

「お前ら、サボるんじゃねーぞ」

 

「手は動かすさ。ただ、こうしてるだけだとしんどいだろ」

 

「それじゃあ、リアンさんはいつからビーストと戦い始めたんデスか?」

 

「そうだな.....本格的に戦い始めたのは去年の4月からだな」

 

「そうなんですか!?意外です」

 

「そうか?」

 

「そうデスよ。もっと長いことやってるかと思ってたデス」

 

「戦う準備をしてたのはもっと前からだけどな」

 

 俺ってあの頃と比べると、かなり変わったよなぁ。

 

「お前、辛くなかったのかよ。

 あんな化け物と戦うことになって」

 

「どうした、クリスも混ざりたくなったか?」

 

「うるせぇ。いいから答えろよ」

 

「辛くなかったと言えば嘘になるな。

 けど、立ち向かわないとって思うと、少ししたら慣れたよ」

 

「.....強いな、お前」

 

「常にそうありたいと願ってるよ。

 なら、俺からも話題を振るか。みんなの趣味でも教えてくれ」

 

 そこからは趣味や好きな食べ物の話をしながら、愚者の石を探していく。

 

 

 ~1時間後~

 

 

 石は未だに見つからない。

 とうとうクリスが音を上げた。

 

「こんなんで本当に見つかるんだろうな?」

 

 ちょうどその時───

 

「うわあぁぁぁ!!」

 

『!?』

 

 協力者たちのいる方にアルカノイズが出現した。

 

「危ないっ!」

 

 アルカノイズの攻撃から間一髪のところでバリアを張って助ける。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「早く逃げるんだ」

 

「はい!」

 

 これでよし。後は──

 

「Zeios Igalima Raizen Tron」

 

 シンフォギアの出番だ。

 

 ──

 ────

 

 3人が次々とアルカノイズを倒していく。

 

「大丈夫デス!落ち着いて避難を!」

 

「大丈夫なんて簡単に言ってくれるじゃない?このお気楽系女子!」

 

 突如カリオストロが現れる。

 奴の狙いは──

 

「チッ」

 

 逃がした人たちを狙った攻撃をバリアで防ぐ。

 

「大丈夫だ。俺もいるからな」

 

「リアンさん!ありがとうデス!」

 

 彼女たちの戦闘がさらに激しくなり、いつの間にかプレラーティも参戦している。

 2人ともかなりの強敵だが、1人が相手なら調と切歌のユニゾンで対抗できる。

 

 クリスの機転を利かせたことで、調と切歌が合流した。

 

「いっちょやらかすデスよ!」

 

「切ちゃん!」

 

 そこからはユニゾンにより大幅にパワーアップした2人がプレラーティを圧倒し、撃破するまで至った。

 

 プレラーティがやられたことによって、カリオストロも撤退する。

 錬金術師たちの襲撃は、被害者を出すことなく退けることが出来た。

 

「3人とも、お疲れ様」

 

「リアンさんも、あの人たちを守ってくれてありがとうございます」

 

「俺ができるのはあれくらいだからな、守ることなら任せてくれ」

 

 日も落ちてきて、今日の捜索は終わりとなった。

 

 

 ~翌日~

 

 

 今日も今日とて愚者の石を探しに泥の中を調べていく。

 

 ピピピピピ

 

 お、どうやら切歌のデバイスに反応があったみたいだ。

 

「およーーーー!」

 

 勢いよく泥の中を探しているな。

 あぁ、調の顔に泥が。絶対辛いよあれ。

 

「デーーース!!」

 

 切歌の手の中には金色に光る石があった。

 やっと見つかったか。ここまでかなり大変だったぞ。

 

「見せてくださーい」

 

 エルフナインがこっちに歩いてくる。

 あ、転けそう。

 

「気をつけなよ」

 

「す、すみません。ありがとうございます」

 

 転ぶ前に支えることができた。

 足元は滑りやすいから注意しないとね。

 

「間違いありません!愚者の石です!」

 

「見つかって良かったよ。これで泥まみれにならずに済む」

 

「リアンさんも手伝って頂きありがとうございます!」

 

「じゃあ、俺は一旦帰るよ。服も洗いたいしな」

 

「はい。お疲れ様です」

 

 想像以上に疲れたな。

 家に帰ったら少しゆっくりするか。

 

 

 

 

 

 *夜のとあるキャンプ場*

 

 そこでは、10人の大学生グループがキャンプを行っていた。

 

「.....何だか霧が濃くなってきたな」

 

「すぐに晴れるだろ」

 

 だが、楽しいキャンプの時間は突如として終わりを迎える。

 

 ギギギギギギギギ

 

「な、何だこの音!」

 

「ぐ、あ゛あ゛」

 

 次から次へと倒れていく。

 最後の一人となった男は周りを見渡す。

 

 一体何が起こっているのかと。この音は何なんだ。

 そして見てしまった。おぞましい怪物を。

 

 その怪物は糸を吐き、男の体へ幾重にも巻きつける。

 男は為す術もなく引きづられ、夜の森の奥へと消えていった。

 

 

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