戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~   作:@a.s

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ぜんっぜん12時に間に合いませんでした!すみません!!


第50話

 

 *主人公視点*

 

 一瞬だがビーストの気配を感知した気がした。エボルトラスターを確認するが、反応はない。

 .....俺の気のせいか?だが、あの感じは───

 

「念の為確かめてもらうか」

 

 

 

 翌朝、俺はS.O.N.G.本部に訪れていた。

 

「リアン君か。

 こんなに朝早くから、一体どうしたんだ?」

 

「司令、頼みたいことがある。

 昨日の22時以降で行方不明になった人を調べて欲しい」

 

「何故そんなことを?」

 

「装置は反応していない。あくまで俺の勘でしかないが、ビーストが現れたような気がしたんだ」

 

「.....分かった!調べてみよう」

 

「いいのか?」

 

「他ならぬ君の勘だ。調べてみる価値はある」

 

「ありがとう」

 

 可能性は低いだろうが、何か見つかるかもしれない。

 

 ~30分後~

 

「調べてきたぞ。

 捜索願いが出されて、まだ行方が分かっていないのは20件だな」

 

「.....その中で、不可解な消え方をした人物はいるか?」

 

「不可解な.....む、これは。

 夜のキャンプ場でその場にいた全員が倒れ、気がつくと1人だけいなくなっていた。

 .....これはかなり怪しいな」

 

 もしかしたらそれが.....

 

「そのキャンプ場で何か異常がなかったか調べてもらえないか?」

 

「そうした方がよさそうだ。友里、衛星からの映像を出してくれ」

 

「分かりました」

 

 すぐに当日の映像が流れてくる。

 

「キャンプ場に22時15分頃から、半径500mに渡って濃霧が確認されています。その霧は未だ晴れていません」

 

「ここまでの霧だと、単なる自然現象ではないな」

 

 このやり口、あのビーストか?

 だとするとここに装者たちを連れていくのは危険だな。

 

「.....俺が調べに行く。S.O.N.G.は周辺の住民を避難させる準備をして待機していてくれ」

 

「危険だ。もしビーストがいたら──」

 

「そうなるのを警戒して俺だけで行くんだ。ビースト振動波が確認できていない以上、襲われたら救出が困難になる。

 それに、絶対出るってわけじゃないんだ。ここは任せてくれ」

 

「.....無茶はするなよ」

 

「当然。

 もしビーストを確認したら合図を出す。そうしたら避難を始めてくれ」

 

「分かった。

 では装者たちも配置しておく。危なくなればすぐに戻るんだぞ」

 

「了解」

 

 


 

 

 そういうわけで、俺一人でキャンプ場に入った。S.O.N.G.の人たちは入口前で待機している。

 

「.....霧が濃いな。周りがよく見えん。

 それに──」

 

ジジ.....ジ....

 

 通信機を持たせてもらったが、霧の影響で電波が乱れて連絡が取れない。

 俺一人で来て正解だったな。はぐれたら大変なことになってた。

 

「あいつが出す霧と特徴は同じだ。

 なら、奇襲にさえ気を付ければ....」

 

 俺はゆっくりと中を進んでいく。

 ビースト振動波は確認できない。頼れるのは耳と直感だけだ。

 

 ──

 ────

 

 かなり歩いたはずだ。

 事前にキャンプ場の地形は把握している。もう霧の中心付近まで来ているはずなんだが。

 

「何処にいるんだ....」

 

 今このキャンプ場にいる人間は俺だけだ。

 捕食するなら俺を狙うしかないはず。警戒されているのか?

 

「面倒だが、探すしかないな」

 

 そう思い、また歩き出そうと1歩を踏み出したその時──

 

「.....いる」

 

 直感だが、狙われているという感覚がある。

 近くに潜んでいるな。獲物を捕らえるチャンスを見計らっている。

 

 このまま立ち止まっていたら、奴も攻撃してこないだろう。

 俺はゆっくりと歩き出す。

 

ビシュッ!

 

「──ッ!」

 

 攻撃が飛んできた。

 俺はそれをすんでのところで回避する。

 

 地面についた攻撃の跡から奴の居場所が分かった。

 

「そこかっ!」

 

 ブラストショットを素早く構えて攻撃する。

 

「キィィィィィ!!」

 

 命中した!

 そして、やはりお前だったか。

 

「ギギギィ」

【アースロポッドタイプビースト バンピーラ】

 

 俺はこの霧を出している噴霧口へ狙いを定めて追撃を放った。

 ここを傷付けておけば、しばらくの間は追加で霧を出す心配もない。

 

 そして、さっきの攻撃で奴の周りの霧を晴らすことが出来れば──

 

 

 

 *マリア視点*

 

 ビーストが潜んでいる疑いのあるキャンプ場に、彼が一人で入ってから1時間以上が経った。私たちは彼が戻ってくるまで待機するしかない。その時間がひどくもどかしかった。

 

「リアンさん、大丈夫でしょうか?」

 

「通信機に連絡が取れなくなってから、かなりの時間が経ったな。

 何事もなければいいが....」

 

「やっぱり、あたしたちも探しに行った方がいいんじゃないデスか?」

 

 出来れば私もそうしたいけど──

 

「ダメよ、切歌。私たちも入ってしまったら、彼の捜索を邪魔してしまうかもしれない。

 それに、ビーストのことを一番よく知っているのは彼よ。その力を信じましょう」

 

「けど、この霧の中じゃ万が一のことだって──」

 

「このくらいでやられるようなタマかよ。あいつなら絶対大丈夫だ」

 

『リアン君はビーストが見つかれば合図を出すと言っている。

 それが来るまで、お前たちはそこで待機しておくんだ』

 

「けど、合図って何なんデスかね?」

 

「この霧では、合図を出したところでよく見えないと思うが....」

 

ビー!ビー!

 

『──!?』

 

『霧の中心にビースト振動波を確認!』

 

「随分と分かりやすい合図を出すわね」

 

『住民の避難はこちらで済ませる!お前たちは発生地点へと向かうんだ!』

 

「了解!」

 

 ──

 ────

 

 私たちはシンフォギアを纏い、急いで霧の中心へと向かった。

 そこには、巨大なクモのようなビーストが暴れていた。

 

「リアンさんはどこに!」

 

「霧が残っていてよく見えないわね。もう撤退したのかしら」

 

「この霧の中では視界が悪い。まずはこれを何とかせねば」

 

「だったらあたしに任せな!」

 

《MEGA DETH SYMPHONY》

 

 クリスが6基のミサイルをビーストに放ち、それが無数のミサイルに分裂し広範囲に爆発を起こした。

 これで周囲の霧が一気に晴れて、かなり見やすくなる。

 

「キィィィ!」

 

「流石先輩デス!」

 

 そして、このタイミングで──

 

ドォン!

 

「ウルトラマン!」

 

「シェアッ!」

 

 これでこちらがかなり優勢になった。

 

「私たちは彼の邪魔にならないよう、援護に徹するわよ!」

 

「よし、ではゆくぞ!」

 

 錬金術師でないのなら、この力を使える!

 

『イグナイトモジュール、抜剣っ!(デス)』

 

 決戦機能を使えば、こちらの攻撃でも大きなダメージを与えられる。

 ウルトラマンの攻撃に合わせて私たちも攻撃を繰り出していく。

 

 勝負は決まったかのように思えた時──

 

ビシュッ!

 

「何っ!?くそっ、なんだこの糸!」

 

「クリス先輩!」

 

 ビーストの背後から攻撃していたクリスが、奴の尻尾から吐き出される糸に捕まってしまった。

 

「うわあっ!」

 

「クリスちゃん!!」

 

 ビーストが尻尾を振り、クリスが木に叩きつけられそうになったところを、間一髪のところで響が間に入り、その衝撃を抑えることが出来た。

 

「立花!雪音!」

 

 翼がすぐさま駆け寄り、糸を断ち切る。

 これで追撃は免れたわね。

 

「大丈夫デスか!?」

 

「は.....はい。何とか」

 

「すまねぇ、下手打っちまった」

 

「2人とも、今は下がってなさい。後は私たちがやる。

 翼、2人を安全なところまで」

 

「分かった」

 

 翼が2人を連れて離れていく。

 

「マリア....」

 

「行くわよ!調!切歌!」

 

「はいデス!!」

 

「ハアアッ!」

 

「キィィィィィ」

 

 向こうでは、ウルトラマンがビーストを投げ飛ばしていた。

 その隙に姿を青色に変化させ、亜空間を作り出そうとしている。

 

「私たちも一緒に戦わせて!」

 

「お願いしますデス!」

 

「足手まといにはならない.....!」

 

 私たちの想いに応えてくれたのか、こちらを見て深く頷く。

 

「ありがとう」

 

 そして瞬く間に景色が変わり、戦いの場は亜空間の中へと移った。

 

 


 

 

 *主人公視点*

 

 響とクリスに怪我を負わせてしまった。

 奴の尻尾から吐き出される糸にもっと注意するべきだった!

 

「ギギィィ」

 

 メタフィールドへ引き込むことには成功したが、このまま一気に攻めきれるか...

 

「あの穴は!」

 

 そう簡単にはさせてくれないか。

 バンピーラの上に穴が空き、そこから闇の力を与えている。

 

「あのビースト、みんなの攻撃で傷がついてたのに治ってる」

 

「もしかして、この前彼が話していたダークザキの力なの?」

 

「ビーストの再生、実際やられるとかなり厄介デスよ」

 

 だが、フィールドを変えられてはいない分、リザリアスと戦った時より状況はいい。

 

「シュア.....!」

 

「傷を治すなら、一撃で倒しきればいい!

 私たちはウルトラマンが技を出す隙を作るわよ!」

 

「了解デス!」

 

「キィィィ!!」

 

 力を受け取ったバンピーラが勢いよく突っ込んできた。俺も真っ向から迎え撃つ。

 2本の長い足をムチのように振り回してくる。地面に叩きつけられた足は土煙を上げるほど強力だ。

 

 その攻撃を躱し、受け止めながら、奴の顔に向けて膝蹴りを喰らわせる。

 だが、この程度の攻撃で奴は怯まない。

 

 バンピーラは2本の足を使って俺の体を締め上げようとしてくる。

 それを咄嗟に受け止めることに成功したが、奴は噴霧口から霧状のガスを俺の顔に浴びせてきた。

 

「グッ、アァ」

 

「今助ける!」

 

《HORIZON†CANNON》

 

「キィィィィィ!!」

 

 マリアの狙い澄ました一撃で奴が怯んだ隙に、距離を取ることができた。

 

「あのビーストの攻撃、桁違いに強くなってる」

 

「迂闊に近寄れないデス」

 

「無理して攻撃を与えようなんて考えない!私たちはあくまで彼のサポートよ!」

 

ビシュッ!

 

「ハアッ!」

 

「避けて!」

 

 口から糸を吐き出してきた。

 俺は跳び上がってその攻撃を回避し、そのまま飛び蹴りを喰らわせた。

 

「ギィィ!」

 

 今の一撃で地面に倒れ込んだ隙を逃さない。

 一気に近づいて尻尾を掴み、地面へと叩きつける。

 

「ウオオォォッ!」

 

 それだけで終わらず、今度は力任せに遠くへと放り投げた。

 だが、相手もやられるだけではなかった──

 

 パシッ

 

 奴は投げ飛ばされながらも尻尾から糸を放ち、俺の足へ絡みつかせた。

 

「グアアッ!」

 

 バンピーラが糸を一気に引き寄せ、俺の体は地面を引きずられていく。

 

「いくよ、切ちゃん!」

「ガッテン承知デス!」

 

《γ式 卍火車》

《切・呪リeッTぉ》

 

 2人の攻撃で糸が断ち切られる。

 助かったが、引きずられたせいで奴との距離がかなり近くなった。

 

 俺のことを挟み込もうと、大きな足を振り上げて近づいてくる。

 

「危ない!」

 

 もうすぐそこまで迫ってきている。

 だが、向こうが油断して近づいて来るなら───

 

「ハアアァァ....」

 

 右拳を力強く握り、エネルギーを蓄えていく。

 そして奴の方へと振り返り、拳を大きく引き絞って──勢いよく敵の顔面に叩き込む!

 

「デヤアッ!」

 

《ジェネレードナックル》

 

「ギィィィィ!」

 

 バンピーラはこの一撃をまともに受け、後方へ大きく吹き飛ばされた。

 

「今よ!」

 

 ああ、これで最後だ!

 

「オオオォ.....フッ!」

 

 アローアームドネクサスに弓状の光線を形成する。

 

「ギギッ!」

 

ビシュッ!

 

 バンピーラも口から糸を吐いて阻止しようとするが、もう遅い。

 

「ハアッ!」

 

《アローレイ・シュトローム》

 

 放たれた光線は、吐き出された糸を真っ二つに裂きながら、そのまま奴の体をも貫いた。

 

「キィィィ....」

 

 バンピーラは断末魔を上げながら崩れ落ち、青い粒子となって爆散した。

 

「勝ったデーース!!」

 

「やった!」

 

 3人のおかげで戦闘がかなり楽になった。

 本当に助かったよ。

 

 俺はメタフィールドを解除し、変身も解いた。

 

 ──

 ────

 

「3人ともお疲れ様」

 

「あ、あなた!近くにいたの!?」

 

「ああ。合図を出した後、ビーストからの攻撃があったから離れていてな。戦闘音を聞いてここに戻ってきたら、みんなとウルトラマンが戦っていたから、少し離れた場所で様子を見ていたんだ。

 迂闊に手は出せなかったからな」

 

「そうだったんですか」

 

「さ、早く戻ろう。今後のことも考えないとな」

 

「そうデスね。それに、もうくたくたデス」

 

 先に戻っていた翼たちと合流し、本部へと帰還した。

 

 

 

「今回の件で、ビースト振動波を確認できなくても、奴らが行動している可能性があることが分かった」

 

「そうだな。今後は行方不明者が相次いだり、不審な失踪事件があった場合は確認した方がいいだろう。

 また俺の勘が働くか分からないからな」

 

「それは警察と連携して対処するとしよう」

 

「.....改めて思いましたけど、ビーストって怖いですね。

 急に現れて、誰かを襲っていく。今回みたいに、人知れず命を奪われてしまうかもしれない」

 

「ああ。今後、同じように姿を隠すビーストが現れないとは限らん」

 

「みんなも充分注意してくれ。奴らはいつ、どこで襲ってくるか予想もつかないからな」

 

「分かりました!」

 

 振動波を隠されたら、発見が遅れるだろう。けど、ビーストによって失われる命を1つでも減らすためには、みんなで協力していくしかない。

 

 

 

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