戦姫絶唱シンフォギア~光の絆~   作:@a.s

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最終話でもないのにすっごい長くなりました。お待たせしてすみません。
全てゴルゴレムのせいです。

もし設定で間違ってるところとかあればガンガン指摘してください。



第54話

 

 *主人公視点*

 

 この場でじっとしてるわけにはいかない。

 ゴルゴレムの対策を考えないと。

 

 とりあえず司令にメールで報告だ。

 ゴルゴレムの進行方向にいる人たちの避難を頼もう。幸いなことに、奴の振動波は捕捉できているから、対応はしやすいはずだ。

 

 あとはゴルゴレムをこちらの世界に引きずり出せるかどうかだが、あの3人に可能かどうか聞くしかないな。

 出来ることなら13日に辿り着く前に倒し切りたいが、時間が余りにも少ない。

 

 ──

 ────

 

 俺は急いで家へ戻り、3人にゴルゴレムのことを伝えた。

 

「なるほどな。だが、オレが作ったあの装置は使えないぞ。

 作り出された空間に突っ込むのとはわけが違う」

 

「やはり、あれではダメか」

 

 厳しいな。今ある手札では対処することは無理か......

 

「......何とか出来るかもしれないわね」

 

「本当か」

 

 了子が何か思いついたようだ。

 

「ええ。シンフォギア・システムを応用すれば、もしかしたら」

 

 確かにシンフォギアは異なる位相に存在するノイズをこちらの世界に引きずり出す機能を備えているが──

 

「しかし、あれはノイズと戦うために設計されたもの。このビースト用に調整するには、時間と情報が全然足りませんよ」

 

 ウェルの懸念どおりだ。

 今からでは、その二つが致命的に欠けている。

 

「けど、何とかするしかないでしょ」

 

「......フッ、そうですね。現状、僕たちしかいないわけですから」

 

「よし!早速取り掛かるわよ!

 キャロルちゃんとセレナちゃんも手伝いをお願い」

 

「任せてください!」

 

「オートスコアラーたちも自由に使え。

 少しは役に立つだろう」

 

「私たちがお力になれるのでしたら、何なりとお申し付けください」

 

「細かい作業以外なら任せるんだゾ」

 

「仕方ないから手伝ってあげますよ」

 

「やけに素直だな。性根の腐ったガリィらしくない」

 

「みんな......ありがとう」

 

 俺一人じゃどうにも出来なかったよ。

 

「こういう時のために私たちを集めたんでしょ?

 だったら任せてちょうだい」

 

「頼りになるよ、本当に」

 

 その時、司令からメールが来た。内容は、響が神の力に取り込まれてしまったというものだった。俺の方で何があったのかも気になるから、一度S.O.N.G.に来てほしいと書かれていた。

 

「弦十郎くんからでしょ。

 行って、絆紡くん。後は私たちに任せて」

 

「ああ。行ってくる」

 

 


 

 

 S.O.N.G.に到達した。

 中にはみんなが集まっている。

 

「来たか。では響君のことについて、こちらから伝えよう。

 リアン君がビーストの方へと向かったあと、三人でティキを破壊することに成功した。だがその結果、神の力が響君へと流れていき、今映像に映っているような状態になってしまった」

 

 モニターには、巨大な蛹のようなものが映し出されていた。

 

「現在、響君を取り戻すために全力で手を講じている。

 こちらからは以上だ」

 

「何があったか理解した。

 なら、次は俺の番だな。俺がビーストの反応があった場所に向かったあと、そこで姿を消すビーストと遭遇した」

 

「今度の奴は姿を消すのかよ!」

 

「正確に言えば、異なる位相に移動できるビーストだな。

 そうなってしまえば、こちらの攻撃は一切当たらない。俺に攻撃する時にこちらの世界に現れたが、ウルトラマンが来たら逃げてしまった」

 

「それで、現在は異なる位相にいながら、響君の所へと向かっているわけか」

 

「そういうことだ」

 

「このスピードなら、響さんの所には48時間後に到着します」

 

 やっぱりそうなるのか。

 

「どうにもならないんデスか!?」

 

「今、俺のところの研究者が急いで対策を考えてくれている。

 みんなはそれを信じて待っていてほしい。必ず間に合わせてくれる」

 

「信じていいのね」

 

「もちろんだ」

 

 この世界で指折りのメンバーが集まってるんだ。対策は見つかるさ。

 

「対策が完成するまでの間、俺はビーストの近くで監視を続ける。

 もしかしたら、またこっちに現れるかもしれないからな」

 

「......分かった。ビーストについては、そちらに任せる。

 響君のことは俺たちS.O.N.G.に任せて、そっちに集中してくれ」

 

「了解」

 

 そこからは各々自分の役割を全うした。

 S.O.N.G.は響を助けようと奔走し、俺はゴルゴレムを監視し続け、了子たちも休むことなく対策を考え続けてくれた。

 

 そして、響が神の力に取り込まれてから24時間が経過した──

 

 

 

「......あれから姿を見せることはないか。

 やはり、奴を無理やり引きずり出すしか方法はない」

 

 俺が監視をしている時に、了子から連絡が入った。

 

『絆紡くん!解決策が見つかったわ!急いで戻ってきて!』

 

 たった24時間で見つけるなんて、流石の一言だ。

 

「分かった!すぐ戻る!」

 

 俺はフリューゲルを呼んで家へと帰った。

 

 ──

 ────

 

「それで解決策というのは、一体?」

 

「ちゃんと説明するわ。

 まず私たちは、ゴルゴレムだけをこっちの世界に出現させるよう調整してたんだけど、それは無理だって30分で結論付けたの」

 

 30分!?

 かなり早い段階で見切りをつけたんだな。

 

「なら、どうするんだ?」

 

「簡単な話ですよ。僕たちはスケールが小さすぎたんです。

 遠く離れた位相にいる存在をピンポイントで狙うから時間がかかる。なら、もっと大胆に考えればいい!」

 

「というと?」

 

「広範囲の位相へまとめて干渉を行えば、こちらの世界へ引きずり出せるだろう」

 

「......かなりパワープレイだな」

 

 要は目当ての魚を釣ろうとするんじゃなくて、でかい網を使って捕まえようとしているわけだ。

 

「それしか短時間で解決するには方法がなかったのよ。研究者としては、あまりに大雑把で納得はしてないけど、今はこうするのが最善ね」

 

「なら、それを行うためにはどうすればいいんだ?」

 

「まず位相に干渉するための装置を、開けた何もない場所に正方形を描くように4本設置するの。

 ゴルゴレムの全身がその内側に入った時、装置にフォニックゲインを一斉に流し込むわ。すると、フォニックゲイン由来のエネルギーが共鳴し、より強力な干渉領域を形成できて、こっちに引きずり出せるってわけ」

 

「なるほど。奴は目的地まで一直線に来ているから、その進路上に設置すれば入り込むだろう。

 フォニックゲインは装者たちに頼めばいいわけか」

 

「いや、それは無理でしょう。

 この方法は、先程言っていた通りかなりの力技です。彼女たちのフォニックゲインでは必要な量に届きません」

 

「だったら──」

 

 残るは一人しかいない。

 

「オレが歌う」

 

「キャロルが....」

 

「この策を考え始めた時点で決めていたことだ。

 異論はないな」

 

 表舞台にはまだ早いと思っていたが、この状況では致し方ないか。

 それに、了子やウェルが表に出るよりはマシだ。

 

「ああ。お前の歌を聞かせてくれ」

 

「ほぉ...高くつくぞ?オレの歌は」

 

「なら、その歌に見合う戦果を示そう」

 

「フッ......まぁ、今回はそれでいいだろう」

 

 そこまでお膳立てしてくれるんだ。

 絶対に仕留めてみせる。

 

「あと、こっちに出した後のことなんだけど。

 絆紡くんはすぐに戦うつもり?」

 

「そうだな。メタフィールドに捕らえたら、奴も逃げられんからな」

 

「けど、それを展開したらかなりの体力を消耗するでしょ?

 だから、あれを使ってみない?」

 

「あれ?

 ......もしかして、対ビースト用の武器のことか」

 

「そうよ。

 昨日ゴルゴレムのことについて話してくれた時、背中の制御器官があるから位相を移動できるって言ってたでしょ?

 だったら、こっちに出てきた瞬間に器官を破壊することが出来たら、メタフィールドを展開する必要も無くなるじゃない」

 

「だが、周りへの被害が──」

 

「メフィストも予告通り現れるのなら、消耗は抑えた方がいいでしょう」

 

 ウェルまで。

 確かに、後のことを考えればそうするべきなのだろうが......

 

「被害が出る前にとっとと倒せば済む話だろう。周辺住民も既に避難している。

 それとも何だ、お前に自信がないのか?」

 

「...........」

 

「みんなあなたが心配なのよ。お願い」

 

「......分かった。

 メタフィールドは使わない。誓うよ」

 

「ありがとう。

 それじゃあ、これが柱の設計図や作戦のデータが入ってるチップよ。これをS.O.N.G.に渡してきてちょうだい」

 

 俺は渡されたチップを大切に受け取る。

 

「ああ。みんな、よくやってくれた。

 ゆっくり休んでくれ」

 

 そう言い残し、俺はS.O.N.G.へと向かった。

 

 ──

 ────

 

「司令、対抗策ができたぞ」

 

「本当か!!」

 

 了子から受け取ったチップを司令に渡す。

 

「詳しい内容は全てこのチップに記録されている。

 書かれてある通りに進めてくれ」

 

「了解した!すぐに取り掛からせよう」

 

「完成次第、俺に連絡をしてくれ。

 すぐに飛んでくる」

 

「ああ。あとは我々に任せてくれ」

 

「頼んだ」

 

 装置の完成までは時間がかかる。

 それまでは俺も戦いに備えて体を休めるとしよう。

 

 ──

 ─────

 

 響が神の力に取り込まれてから48時間後。司令からメールが届いた。

 

「来た。

 キャロル、準備は出来ているか?」

 

「当然だ」

 

「よし、なら事前に決めた通りにやるぞ」

 

 戦いの場に向かう前に、俺はS.O.N.G.本部へと向かった。

 

 

 *S.O.N.G.本部*

 

「来たか、リアン君。

 頼まれていたものは出来上がったぞ」

 

「よく間に合わせてくれた。協力感謝する」

 

「礼を言うのはこちらも同じだ。

 おかげで、ビーストへの対処にも目処がたった。だが、いくつか疑問があるのだが、聞いてもいいか?」

 

「ああ、もちろん」

 

「装置を作ったまではいいんだが、ビーストを引っ張り出すまでのフォニックゲインをどうやって集めるんだ?響君がいない上、5人の絶唱でも規定量に届くかどうか.....」

 

 本部の空気は沈んでいた。

 装置は完成したのに、作戦に必要なエネルギーが足りていないのだから。その場にいる翼とクリスは、自分たちのフォニックゲインでは足りないという現実に、無力感を抱いていた。

 だが、彼はあっさりとこう返す。

 

「それについては問題ない。助っ人がいるからな」

 

「助っ人?翼たちでも足りないフォニックゲインをどうにか出来るやつがいるってのか?」

 

 S.O.N.G.の人間は全く覚えがなかった。ただ一人を除いて。

 

「やっぱり......!」

 

「もう出てきてもいいぞ」

 

「...やっとか」

 

 彼の言葉のあと、エルフナインの体からキャロルの姿がホログラムのように現れた。

 

「お前は、キャロル!」

 

「行方不明のお前がどうして!?」

 

 本部は驚愕で包まれていた。

 一度は本気で戦い、行方知らずになった敵が、彼の言う助っ人として現れたのなら当然のことだ。

 

「魔法少女事変のあと、俺と協力関係になったんだ」

 

 その一言に、本部の空気が一変する。

 かつて世界を揺るがした錬金術師キャロル・マールス・ディーンハイム。

 その本人が、今では彼と協力関係にあるなど、想像すらしていなかったのだ。

 

「また会えて嬉しいです。キャロル」

 

「久しぶりだな、エルフナイン」

 

 エルフナインは目を潤ませながら、もう一人の自分との再会を喜んでいた。

 

「......そんなことになっていたとは。

 なら、この作戦は───」

 

「ああ。キャロルがいるから出来る作戦だな」

 

 その言葉を受け、キャロルが一歩前へ出た。

 

「お前たちが知っての通り、オレの歌は70億の絶唱を凌駕するフォニックゲインだ。実行はオレ一人で事足りる」

 

 その言葉には、一切の虚勢がない。

 キャロルの圧倒的な自信によって、張り詰めていた空気は少しだけ和らぎ、希望が戻り始めていた。

 

「敵の時は脅威だったが、味方になるとこうも頼もしいとは」

 

「これでフォニックゲインの件は片付いたが、まだ聞きたいことがある。

 ビーストが出た後に制御器官の破壊とあったが、その方法は?」

 

「こっちで作った秘密兵器で壊す。

 装置から離れた場所に台座を作るようにも書かれてあっただろ?」

 

「あれはそのためのものだったのか。

 しかし、その秘密兵器とやらは大丈夫なのか?」

 

「まだ開発途中の段階だが、威力は申し分ない。

 制御器官を破壊するくらいはできる」

 

「作戦実行前に、オレとオートスコアラーがその場へ持っていく。

 あとは上に固定するだけだ」

 

「あいつらまで来るのかよ!?」

 

 思わずクリスが声を上げる。

 かつて死闘を繰り広げた人形たちまで加勢するとは、誰が予想できただろうか。

 

「ビーストを逃げられなくするのは理解出来たが、破壊したあとはどうする」

 

「連発はできないから、俺とキャロルが時間を稼いでもう一度撃ち込む」

 

「最後は力押しじゃないか!

 それで大丈夫なのかよ!」

 

「こればかりは仕方がない。

 俺たちの力で出来る精一杯だ」

 

 苦笑しながらも、その視線は揺るがない。

 今ある時間と戦力で導き出せる最善が、この作戦だった。

 

「私たちも防衛に参加した方が良いのではないか?」

 

「そうしてくれるとありがたいが、響の方は大丈夫なのか?」

 

「ああ。こちらも手は考えてある。

 翼たちと協力してビーストを迎え撃ってくれ」

 

「了解。俺は一足先に作戦場所へ移動する。

 時間になれば五人を集めてくれ」

 

「ゴルゴレムの到達時刻は今から1時間40分後です」

 

 残された時間はもうほとんどない。

 

「よし...全員!ここからが正念場だ!

 ビーストを倒し、響君も取り戻すぞ!」

 

『了解!!』

 

 ──

 ────

 

 作戦現場には先に向かった絆紡と、既に待機していたマリア、調、切歌の三人がいた。

 そこに、テレポートジェムでキャロルとオートスコアラーたちがやってくる。

 

「まさか、あなたたちと肩を並べる日が来るなんてね」

 

「久しぶりね、アイドル大統領」

 

「変なあだ名で呼ぶな!」

 

「どうどうデス、マリア」

 

「会って早々とは、さすがガリィだ」

 

「羨ましいですわ。

 私も剣ちゃんとお話したかったのに」

 

「じゃれ合ってないで、さっさと準備を済ませるぞ」

 

 キャロルたちは持ってきた武器を台座に取り付ける。

 あとは作戦決行の時を待つだけになった。

 

 

 そして、その時が近づく───

 

 

 作戦の場には既にいた者の他に、翼、クリス、サンジェルマンの三人も加わっている。

 

「......あと五分」

 

「緊張してきたデス」

 

『ビーストは未だに真っ直ぐ向かっている。

 作戦に変更はない』

 

「場所がなかったとはいえ、ここは立花がいる場所からそう遠くない」

 

「ここが最終防衛ラインだ。必ず成功させるぞ」

 

 その場にいる者に緊張が走る。

 

『あと二分です』

 

「キャロル、歌う準備をしてくれ」

 

「ああ。

 発射のタイミングを逃すなよ」

 

 キャロルが上空に待機する。

 その歌を轟かせるために──

 

『あと10秒...9...8...7...6...5...4...3...2...1』

 

「今だ!」

 

「聞かせてやるぞ!オレの歌を!!」

 

 キャロルが歌い始めると同時に、4本の装置にフォニックゲインが集まり、起動へと至る。さらに、共鳴をすることでより深い位相へと干渉を開始する。

 

「見えてきたぞ!」

 

 ゴルゴレムの姿がうっすらと見えてくる。

 だが、まだ完全な顕現にはなっていない。背中の制御器官が点滅し、ゴルゴレムも抵抗しているのが分かる。

 

「あと少し......!」

 

 ゴルゴレムの抵抗よりも、装置の干渉力の方が上回っており、少しずつ姿がはっきりと見えてくる。

 だが───

 

「装置から煙が!」

 

『急いで作った分、膨大なフォニックゲインに装置が耐えきれないのか!』

 

 装置から火花が走り、黒い煙も上がっている。

 だが、ゴルゴレムは半透明なままだ。

 

「まだか......まだなのか!」

 

「大丈夫だ、その時は必ずくる!」

 

 装置から小さな爆発も起きる。あと数秒しか持たないだろう。

 全員が固唾を呑んで見守るなか、待ち望んでいた瞬間がやってくる。

 

「ギシャアアッ」

 

『今です!』

 

『撃てぇ!!』

 

ドォン!

 

 青白い光線が背中の制御器官に向けて発射される。

 光線が当たると思ったその時──

 

ドガァン!!

 

 限界を迎えた4本の装置が一斉に爆発を起こした。

 

「何も見えない......!」

 

「どうなったんデスか!」

 

 煙の中から現れたのは......

 

「ギシャアアッ!!」

 

 背中の制御器官を壊されて怒り狂うゴルゴレムだった。

 

「よしっ!完全に破壊されている!」

 

『作戦は成功だ!』

 

「ここからは防衛戦だ!チャージが完了するまで、絶対に近づけさせるな!」

 

 全員が戦いに向かおうとした瞬間──

 

「待て!」

 

『──ッ!』

 

 彼の声を聞いて立ち止まる。

 そこへ現れたのは......

 

「シュアッ」

 

「ウルトラマン!」

 

 銀色の巨人がゴルゴレムの前へと降り立つ。

 彼が来たことで、その場の空気が変わる。

 

「彼が来てくれたのなら、防衛など生温い。

 一気に攻め立てるぞ!」

 

「ええ!行くわよ、皆!」

 

 だが、そこへ待ったをかけるようにもう一つの存在が現れる。

 

「..............」

 

 静かに佇むその存在は、装者たちの記憶にも強く残っている闇の巨人──

 

「ダークメフィストッ!」

 

「ビーストの加勢に来たのデスか!?」

 

 最悪の敵の登場に顔を顰める装者たちだが、さらに悪い報せが届く。

 

『バカな!まだ時間ではないはずだ!』

 

「司令、どうしたのですか!?」

 

『自衛隊の攻撃が始まった......!』

 

「そんなっ!」

 

 想定外の出来事に装者たちは困惑する。

 

「お前たちは響の方へ向かえ。ここは俺とキャロルたちで何とかする」

 

「危険ですっ!」

 

「当初の予定通りだ。

 早く行け。響を助けてくるんだ」

 

「私も残ろう」

 

「サンジェルマン......分かった。手を貸してくれ。

 他のみんなは──」

 

「何か仕掛けてくるぞ!」

 

『!?』

 

 話し合いが終わるのを待つ相手ではなかった。

 メフィストが技を放とうと構える。

 

「ハアッ!」

 

 すぐさまウルトラマンが彼女たちの壁となり、《サークルシールド》を展開する。

 そして、構えが完了したメフィストが光線を放つ。

 

 

 だが───

 

 

「......え?」

 

「何をして.....」

 

 

 メフィストの光線は装者たちを狙わず──

 

 

「キィィィィ!!」

 

 ゴルゴレムへと直撃した。

 

 凄まじい爆発音と共に、ゴルゴレムの身体は粉々に砕け散った。

 

「仲間じゃなかったのか......!」

 

 突然の行動にその場にいた誰もが理解できず、ウルトラマンでさえも同じであった。

 

「............」

 

 戦いはまだ始まったばかりだ──

 

 

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