誤字報告感謝です!
チェックが甘かったり、どう書くか決まりきってない頃に書いたやつ結構やらかしてて恥ずかしい!
*主人公視点*
響たちが南極へ行き、棺の破壊に成功したことを知った。
そして、破壊した棺の中から見つかった遺骸を米国が移送する最中に、新たな敵が現れたことも。
風鳴訃堂がノーブルレッドを利用して、神の力を得ようとするのは変わらずか。
「敵はほぼ間違いなく結社の残党だが、三人はこの獣耳っ娘について何か知ってるか?」
「うーん......あーしはよく知らないわね。結社の構成員ってかなりの数だったし。二人は?」
「私も知らないワケダ」
「............どこかの報告書で見た気もするが......すまない。思い出せない」
「分かった。司令にはそう言っておく」
三人は知らなかったのか。
結社でエルザたちはモノ扱いだったし、幹部の三人にはその存在が知らされてなくても無理はないのかな。
「私たちも後で思い出したらお前に伝えよう」
「そうしてくれると助かるよ」
とりあえず今はこれでいいだろう。
それより考えなきゃいけないのは、1ヶ月後の......
*響視点*
「何だか二人で出かけるのが久しぶりに感じるよ」
「響は大袈裟なんだから。お正月の期間に会ってなかっただけでしょ?」
今日は未来と一緒にお出かけする日だ。
お正月の間は私たち二人とも家族と過ごしてたから、今日はこうして出かけるのが楽しみだったんだ〜。
『ここ数日、関東地方を中心に行方不明者が相次いでいます。警察はこの件を事件として捜査しており、何らかの犯罪組織が関与している可能性も視野に入れ、捜査を進めています。
また、関係者によりますと、特異災害であるスペースビーストとの関連性についても否定できないとして、調査が行われています』
不穏なニュースが流れている。
「怖いね.....」
「うん。早く解決するといいんだけど」
「リアンさんは何か言ってたの?」
「振動波が捕捉できてないから、特には何も。ただ、前みたいに隠しながら行動できるビーストかもしれないから、注意はしてくれって」
「そっか.....」
せっかくのお出かけなのに、いきなり暗くなっちゃったな。
「おーーい!響ー!未来ー!」
この声は──
「弓美!久しぶりー!」
「弓美も帰ってきてたの?」
大きめのリュックサックを背負った弓美が、私たちに手を振りながら駆け寄ってくる。
「そうなの。今日はアニメのお正月限定グッズを買いに来たんだー。
二人は相変わらず仲良しね」
「そ、そう?えへへー」
「私たちはこれから向こうのショッピングモールに行くけど、弓美も一緒に行く?」
「残念だけど、あたしの行くとこはそっちじゃないのよねぇ」
「そっかぁ、残念。
欲しいもの、ちゃんと買えるといいね」
「ええ。早く行かないと売り切れちゃうかもしれないから、もう行くわ。
それじゃあねー」
走り去っていく弓美を私たちは手を振って見送る。
「うん。またねー!」
「じゃあ私たちも行こっか」
「そうだね!」
私たちは弓美と別れて、お出かけを楽しんだ。
──
────
「未来といると楽しいな〜」
「ふふっ、私も同じだよ。
少し歩いたし、そろそろ近くのカフェで休憩しない?」
「さんせーい!」
ショッピングモールを後にして、私たちがカフェへ向かって歩いていると──
「ねぇ、響。あれって弓美じゃない?」
未来が指を指した方を見ると、ぐったりとした様子で、隣の人に肩を借りて歩いている弓美を見つけた。さっき会った時と同じ服装で、大きなリュックサックを背負ってるから間違いない。
「ホントだ。何かあったのかな?
行こう、未来」
私たちは急いで向かう。
「あの、すみません!少しいいですか!」
振り向いたその人は、厚手のコートに身を包み、顔もフードとマフラーで隠していた。いくらこの時期とはいえ、そこまですると暑くないのかな?
「その子、私たちの友達なんです。
弓美は......眠ってる?何があったんですか?」
「................」
な、何だか昔のリアンさんを思い出すなぁ。
それに、何だか甘い香りがする......
「何があったかは分かりませんが、助けてくれたのならありがとうございます。
救急車も呼びますので、ここから先は私たちに任せてもらえると──」
その瞬間、隣の人がいきなり弓美をこっちに突き飛ばしてきた。
「危ないっ!」
「響!弓美!大丈夫!?」
「うん。何とか。
弓美にも怪我はなさそう。けど──」
あの人は走って逃げていく。
もしかしたら、ニュースにあった行方不明事件と何か関係があるかもしれない。
「未来、ごめん!弓美のことを見てて!」
「響!待って!」
私は急いで後を追いかける。
追えば追うほど、あの人はどんどん人通りの少ない場所まで逃げていく。
──
────
「──待て!!」
私が追いつくと、その人はようやく足を止める。
「どうして逃げるんですか?もしかして、最近の行方不明事件はあなたが──」
グワッ
「───ッ!」
言い終わる前に襲いかかってきた!
私はその場から飛び退いて距離をとる。
「..................」
まだ一言も喋らないなんて、不気味な人だ。
それに、さっきの身のこなしはただ者じゃない。
ダッ!
また来た!
どうしよう......ギアを纏うべきか。けど、人を相手に使うべきじゃ......
「うわぁっ!」
私が悩んでいる隙をついて、手首を掴まれて地面に押し倒される。
「くっ、離して!」
足でお腹を蹴ったがびくともしない。
このままじゃやられる───
「響さんから離れてください!!」
「───!」
「緒川さん!」
緒川さんが来て分が悪いと思ったのか、私から離れて逃げていった。
「ありがとうございます!おかげで助かりました」
「いえ、こちらも遅くなってすみません。
響さんから連絡があって、急いで駆けつけたのですが.....」
あの人を追いかけながらS.O.N.G.へ連絡して本当に良かった。
「助けてもらったんですから、気にしないでください。
それより、あの人には逃げられちゃいましたね」
「そうですね。
さっきの人物が、一連の行方不明事件の犯人である可能性は高そうです。すぐに捜索するよう手配しましょう」
「お願いします」
緒川さんがすぐに連絡して周辺一帯の捜索が始まったが、その日は見つかることがなかった。
~翌日~
今日は弓美のお見舞いに来ている。
私の他にも、未来と創世と詩織の三人も一緒だ。
「それにしても驚いたよ。実家から帰ってきたと思ったら、ニュースでやってる事件の犯人かもしれない奴に、友達が襲われたって聞いたんだもん」
「私も本当に驚きました。立花さんたちがいなかったらどうなっていたことか.....」
「助けることが出来たから良かったけど、もしあの時弓美のことに気が付かなかったらって思うと、ぞっとするよ」
「うん。本当に無事で良かった」
みんなで話してると、弓美の病室の前まで来た。
「弓美ー、お見舞いに来たよー」
「あっ、みんなー!来てくれたのね!」
「おっ、結構元気そうじゃん」
「体調はよろしいのですか?」
「平気平気......って言いたいところだけど、まだ少し体が重いかな。
みんなと会えて少し元気になったけど」
「ふふっ、なら毎日来て早く元気になってもらわないとね」
「ほんと!?」
「もちろん!私たちは友達でしょ」
「みんな......ありがと〜!持つべきものは友達ね!」
あんなことがあったけど、少しは元気になれて良かったな。
その後もしばらく、私たちは五人でおしゃべりを続けた。
──
────
「それでね、目が覚めたら警察の人が来たの。そしたら昨日は何をしてたのか、犯人の顔は見たかって聞かれて、まるでアニメみたいって思ったわ」
「大変だったね。それで、犯人の顔は見たの?」
「んーん。それが全く覚えてないの。
グッズを買って外に出たのまでは覚えてるんだけどね」
弓美も詳しくは知らないか。
「私たちもフードやマフラーでよく見えなかったなぁ」
「今の時期だとそういう格好をする人は珍しくないから、犯人を見つけるのは難しそうだね」
「そうですね。私たちも外に出る時は注意しませんと」
ピリリリ......
「あっごめん。私の電話だ」
本部から?一体なんだろ......
「ちょっと出てくるね。気にせず話しててー」
私は病室を後にして電話に出る。
「はい、響です。何かありましたか?」
『俺だ。今少しいいか?』
「リアンさん!?どうしてあなたが.....」
『司令から話を聞いて、響に聞きたいことがあったから少し借りた。
それで、今は大丈夫か?』
「あ、はい!大丈夫です」
『昨日、行方不明事件の犯人かもしれない奴と会ったらしいが、それは間違いなく人間だったか?』
人間かどうか?
うーん......
「ちゃんと服を着てましたし、人間だと思いましたが.....」
『それだけか?』
「は、はい。ですけど、それで十分なんじゃ.....」
『他に何か、気になることはなかったか?どんな小さいことでもいい』
気になったこと?
顔を隠してる以外に、何か変わったことなんて......
『何でもいいんだ。例えば、匂いが気になったとか』
匂い......
「───あっ」
『何か思い出したか?』
「特に気にすることじゃなかったんですけど、あの人の近くに行った時に甘い香りがしました。香水とかですかね?」
『甘い香りがしたんだな!』
「は、はい!確かにしました」
急に雰囲気が......一体どうしたんだろう?
『もしかしたら......響!今どこにいる!』
「今は襲われた友達のお見舞いに、都内の病院に来てます。
電話に出るために今は外にいますけど.....」
『今すぐ病室へ戻れ!俺もすぐに向かう!
病室に着いたら誰が来ても入れさせるな!絶対だ!』
「わ、分かりました!」
私は病室に向かって走る。
リアンさんがここまで言うなら、きっと何かあるはずだ。
『それと、もし顔を隠した奴が来たら迷わずギアを纏え』
そこまで!?
「......了解です」
『俺が着くまで任せた』
そう言って電話が切れた。
とにかく早く向かおう。
──
────
病室まであと少し。急げ......!
あと少しで──
「きゃあああああ!!」
未来の声!?
急がないと!
「未来!!」
私が病室のドアを開けると、そこには昨日の人が襲いかかろうとしていた。
「Balwisyall Nescell Gungnir Tron」
リアンさんの言葉通りにギアを纏う。
今度は躊躇わない!
「みんなから離れろ!」
相手の服を掴んで入り口まで投げ飛ばす。
「響!」
「未来、みんな。怪我はない?」
「ビッキーのおかげで助かったよ」
「ナイスです、立花さん」
「今投げ飛ばされた人が、昨日私を攫おうとした人なの?」
「うん。この人が──」
相手へ視線を向けると、頭を覆っていたフードが外れていた。
そして、露わになったその顔は───
「ひいっ!」
「化け物!?」
リアンさんが強く反応した理由が分かった。
私たちは人だと思っていたが、人じゃなかったんだ。
そしてそれは、考えうる限り最悪の存在だった。
「人に擬態するビースト......!」
「グルル......!」
【インセクトタイプビースト バグバズンブルード】