全然投稿できなくてすみません。完全にスランプに陥ってました。展開は思いつくのに文に起こせなくて苦しかったです。
次は早く投稿できるように頑張ります。
評価もつけて頂きありがとうございます!!
*響視点*
まさか相手がビーストだったなんて......!
けど、ギアを纏った今なら勝てる!問題は──
「響......」
みんなが近くにいること。
どうにかして人がいない場所まで連れて行くことができれば......
「おい、あの部屋からでかい物音と悲鳴が聞こえたぞ」
「何かあったのか?誰か警備員を呼んでくれ!」
まずい、騒ぎが大きくなってきた。
ここに人が集まらないようにしないと!
「.........!」
「あっ!待て!」
私が大声で危険を知らせようとした瞬間、ビーストはフードを被り直して病室を出て行ってしまった。
後を追って廊下を確認すると、ものすごい速さで病院を駆け抜けていく姿が見えた。
「うわっ!何だ?」
「えっ、やだ......事件?」
病院には人が大勢いる。ここでビーストのことを知られたら、パニックになるのは避けられない。そうなったら収拾がつかなくなる。
「皆さん、落ち着いてください!大丈夫ですから!」
後を追いたいけど、ここにいる人たちを放ってはおけない。
「本部、聞こえますか?」
『ああ、状況は把握している。今そちらに人員を向かわせた』
「ありがとうございます!それと──」
『逃げたビーストなら、監視カメラで行方を追わせているところだ』
『ビーストは現在、病院から出て人混みの中を移動中です』
私が聞こうとするより先に、欲しい情報を伝えてくれる。おかげで時間を無駄にせずに済んだ。
あとはここにいる人たちを落ち着かせることができれば......
「響、ここは私に任せて早く追って」
「未来......!」
「私にもこれくらいは手伝わせて。それに、警備の人も来たみたいだし、響がいなくても大丈夫だから」
「......ありがとう、未来。行ってくる!
師匠!道案内はお願いします!」
私はすぐさま駆け出した。
師匠の指示に従って、ビーストの後を追っていく。
──
────
病院から離れて三分程移動したが、ビーストの姿はまだ見えない。
「師匠、次はどこに向かえば?」
『ビーストはすぐ左手にある裏路地へと入っていった。だが、そこからは監視カメラが少なく、まだ姿を捉えられていない』
左を見ると、裏路地へと続く道があった。まだ昼だというのに、建物の影で薄暗く、見通しが悪い。
ただでさえ不気味な場所だというのに、この先にビーストがいると思うと、より不気味さが増したように感じる。
『おそらくビーストは監視カメラの位置を把握して移動していると推察されます。今までと比べてかなり知性が高いビーストです。ここから先は安全のために、他の方たちを待った方がいいと思われます』
エルフナインちゃんの言う通り、一筋縄じゃいかない相手だ。
けど──
「行かせてください。こうして待っていても、逃げる時間を与えるだけです」
『......分かった。くれぐれも気をつけるんだぞ』
「はい!」
私は路地裏へと足を踏み入れ、ビーストがいつ襲いかかってきてもいいように、慎重に進んでいく。
前方を確認し、左右の路地にも目を向ける。建物の陰や物陰も確認していくが、ビーストの姿はどこにもない。
「…………」
静かだ。
聞こえるのは自分の足音だけ。
私は足を止めず、周囲への警戒を続ける。
その直後、背筋を冷たいものが駆け抜けた。
「───っ!」
背後から明確な殺気を感じ、私は反射的に振り返る。
「なっ!?」
すぐそこにビーストがいた。
あまりにも近い。
しかも、すでに私へと襲いかかろうとしていた。
「くっ!」
私は咄嗟に身を翻し、後方へと飛び退いた。
気づくのがあと少し遅かったらやられていた......
『響君!無事か!』
「大丈夫です!」
体勢を立て直して構えを取る。
今度は逃がさない!
「グギャアァ!」
ビーストが襲いかかってくるが、前みたいにやられはしない。
脚部のパワージャッキを利用して、一気に間合いを詰めて膝蹴りを浴びせる。
「ギャアッ!?」
膝蹴りをまともに受けたビーストが、放物線を描きながら吹き飛ぶ。私はすかさず、追撃を加えにその後を追った。
右腕のハンマーパーツをスライドし、腰部のバーニアを噴かせて、空中に吹き飛んだビーストとの距離を詰める。
「これでっ!!」
右腕を大きく引き、力を込めた一撃を腹部に叩き込む。
その瞬間、スライドさせていたハンマーパーツが一気に元の位置へと戻った。
ガシャンッ!
拳にさらなる力が乗る。
「うおおおっ!!」
私はそのまま右腕を振り抜き、ビーストを地面へと叩き落とす。
「グル......ル......」
打ち付けられたビーストは何度か痙攣した後、動かなくなった。
───勝った......!
「師匠、倒しました!」
『ああ、よくやったぞ!すぐに死骸の回収に向かわせる。到着するまで待機してくれ』
「了解です」
これで弓美も安心できる!
私は後始末を来てくれた人たちに任せて、未来たちに倒したことを報告しに病院へと戻った。
──
────
弓美の病室に入ると、そこには未来たちの他にもリアンさんがいた。
「響!無事でよかった......怪我はない?」
「平気、へっちゃら!何ともないよ。
ビーストには負けないんだから!」
「そ、それじゃあ......!」
弓美の顔が明るくなる。
「ついさっき倒してきた。だから、もう安心──」
「いや、そう思うのは早い」
私が言い切る前に、リアンさんの鋭い否定が入る。
「ど、どうしてですか!?
弓美を襲ったビーストは、私が確実に倒しましたよ!」
「それは間違いない。だが、今回の誘拐事件はこれで終わりじゃないだろう。
そのことについて司令とも話がしたい。スピーカーにして、本部との通話を繋げてくれるか?」
「......分かりました」
リアンさんに言われた通りに通話を繋げる。
「司令、聞こえているか?」
『リアン君か、ということは響君と合流したみたいだな』
「ああ、それより誘拐事件のことで話がある。司令はこの件がビーストを倒して終わったと思っているか?」
『......いや、そうは思わない』
そんな......!
「理由を教えてください!」
「奴が被害者全員を襲うのは、距離と時間を考えれば不可能だからだ。
ワープできる能力があれば可能だが、お前に追われても使わなかったなら、そんな能力は持ってないんだろう」
『同意見だ』
「それじゃあ、さっきのビーストがまだいるってことですか?」
「だろうな。それも、一匹や二匹ってレベルじゃないだろう」
振動波を探知できないビーストがそんなにいるなんて......!
一体どうすれば......
「それに、まだ悪い話がある。
響が言っていた、奴から甘い匂いがした理由......分かるか?」
「......全然分かりません。確か、リアンさんの様子が変わったのも、その話をしたからですよね?何でそこまで匂いが気になったんですか?」
「響はもし人を襲うってなった時、会話する距離でも分かるような匂いを漂わせようと思うか?その匂いで気付かれたり、匂いを辿られて追跡されるかもしれない。そんなリスクをわざわざ負うか?」
あっ──
「確かに、私ならそんな匂いはさせないと思います」
「だがビーストからはした。なら、そうなる理由があるんだろう。
可能性としては、その匂いで人の意識を奪うため......とかな」
「なるほど......」
『それについては、こちらで解析を進めている。結果が出るまでもう少し待ってくれ』
「頼んだ。
そして、匂いにはもう一つ役割があると思っている」
「まだあるんですか!?」
けど今の話だけなら、リアンさんが悪い話とまで言う程のことなのかと思っていた。
「おそらくビーストが狙ったのは弓美だ。
だが、なぜビーストはこの病院にいることが分かったのか」
「......あっ」
誰かの口から声がこぼれる。
おそらく全員、リアンさんの言うことが分かった。分かってしまった。
「なぜ、この病室まで迷わず来ることができたのか」
弓美の顔がどんどん青ざめていく。
「目印だったんだ......」
「間違いなくそうだろうな。
逃した獲物が、自分たちのことを話さないようにするために」
「そ、それじゃああたし......ずっと狙われ続けるってこと?」
「リアンさん、どうにかできませんか?」
未来が心配そうにして訊ねる。
彼なら解決できるんじゃないかという、一抹の望みをかけて。
「策はある。奴らの巣を叩いて一網打尽にするんだ」
『巣?そんなものが本当にあるのか?』
「ああ。根拠は、今回の件が関東地方に集中していることだ。もっと活動場所をバラけさせたほうが、存在がバレる可能性は低かったはず。だが、そうしなかった」
「......それって、どういうことですか?」
「さっき話した通り、今回の件には複数のビーストが関わっている。なのに、活動場所がこの辺りに集中している。なら、何か理由があると考えるのが自然だろう」
『複数のビーストが集まる理由......』
「俺は、この辺りに奴らが身を潜められる場所があると考えている」
「それが......巣?」
「ああ。間違いなくある」
「......けど、仮に巣があったとしてどうやって見つけるんですか?」
創世の言う通り、振動波が捕捉できない以上探し出すのは難しい。どうするつもりなんだろう?
「......今から言うことは、みんなから非難されても仕方のないことだ。
だが、現状はこれ以外に解決策がない」
「......教えてください、その解決策を」
「それは......弓美を囮にしてビーストを誘き寄せる。そして、やって来たビーストに発信機をつけて、巣の場所を特定するんだ」
『───ッ!』
「あたしが......囮」
「それしか方法はないんですか!?」
あまりにも危険すぎる。
弓美はビーストと戦う力を持ってない。もし失敗したら......
「どれだけ探そうと、ビーストを誘き寄せることができるのは弓美しかいない。もしも匂いの解析ができていれば、違う方法があったかもしれないが、どれだけ急いでも数日はかかるだろう。
そして、時間をかければどうなるかは......想像に難くない」
言っていることは理解できる。
早く行動に移さないと、また犠牲者が出てしまう。ビーストを探せない私たちには、打てる手が限られていることも。
けど!私は大切な友だちを危険な目に遭わせたくない!
事件を解決しなきゃって気持ちと、危険な作戦に参加して欲しくないって思いが混ざりあって、頭の中がぐちゃぐちゃになっている。
私はどうすればいいの......
「───あたし、やります」
「板場さん......?」
「囮役になります!」
『......とても危険な役だ。最悪、命を落とすかもしれない。
それでもやるのか?』
「──はい!」
その場にいた全員が目を丸くする。
さっきまで怯えた顔をしていた弓美が、強い決意を宿した目をしていたことに驚いていた。
「弓美、大丈夫なの?」
「......本当は怖い、怖いよ。だけど、あたしが逃げたせいで誰かが襲われるかもしれない。そんなのは嫌だ。
あたしの勇気で誰かを助けることができるなら......どんなに怖くても頑張れる!」
弓美......
「それに、響たちには守られてばっかりだもん。戦う力はないけど、あたしだって力になりたい」
『......君の気持ちは伝わった。協力に感謝する』
私にも伝わったよ。なら、私のやるべきことは───
「絶対に解決してみせるからね!」
「そんなこと心配してないわよ。あんたたちのことは信頼してるんだから!」
「まっかせといて!」
「俺も、お前には指先すら触れさせないと約束しよう。必ず守る」
「頼りにしてます!」
「リアンさん、やってやりましょう!!」
「ああ。善は急げだ、早速行動に移すぞ。
司令、装者たちを集めてくれ。それと、戦闘機の出撃許可も頼む。待ってる間に作戦の内容を伝える」
『了解だ。奏にも出撃の準備をするように伝えておこう』
「ここからは反撃の時間だ!一気にカタをつけるぞ!!」
『おー!!』
本当なら一話に纏めたかったけど思いのほか長くなったんで分けることにしました。
決着は次回ということで!