『刹那! トランザムは使うなよ!』『了解! トランザム!!』 作:とんこつラーメン
今回は完全にぶっ飛び要素ありのギャグ風味です。
細かいことは気にせずに読んでくれると嬉しいです。
「はっ!?」
こ…ここはどこだ…?
俺は確か…ガンダムベース東京に行って、そこでRGダブルオークアンタ(トランザムクリア)を無事にゲットし、意気揚々と帰りの電車に乗って…それから…。
(それから…どうなった?)
うーん…? よく思い出せない…?
いきなり電車が大きく揺れて、何かに吹き飛ばされたかのような衝撃を受けて…?
「あ…」
もしかして俺…死んだ?
死んだことすら自覚出来ない程に瞬殺だったのか…?
(そっかぁ…死んじゃったのかぁ…)
RGのクアンタ…組み立てそこなっちゃったなぁ…。
通常版とメッキ版と通常トランザム版まで揃えたから、コンプして棚に飾りたかったんだけど…。
俺が死んだとなると、残されたガンプラはどうなってしまうんだろう…。
やっぱり捨てられるのか…?
嫌だ!! それだけは絶対に嫌だ!!
あれは俺の血と汗と涙と青春の結晶だ!!
この命に代えても絶対に守り抜く…んだけど…。
(死んじゃったら…意味ないよなぁ…)
っていうか…ここ何処…?
もしかして、あの世ってやつ?
その割には、フツーの一軒家っぽく見えるけど。
今座ってるのだって畳の上だし、周りには大きな棚やタンスなどが……ん?
(なんか…この部屋の家具…無駄に大きくない?)
いや…違う。そうじゃない。
家具が大きんじゃない…俺の体が小さいんだ!!
なんで、そんなことがすぐに分かったのかだって?
電車に乗りながら、スマホでジョジョ第五部のナランチャVSホルマジオ戦の動画を見ていたからだ!!
エアロスミス超好きだぜ!!
リトルフィートマジで日常生活で欲しい!!
アレさえあればガンプラ買い放題じゃあねーか!!
「な…なん…だと…?」
前世での最後の思い出を振り返っていると、窓ガラスに映った今の自分の姿が映る。
白いシャツに青いスカートを履いている…女の子…?
女の子だけど…この顔は…間違いない…!
(刹那じゃねーか!! 機動戦士ガンダムООの主人公でガンダムエクシアやダブルオーガンダムやダブルオークアンタのガンダムマイスターで、本名『ソラン・イブラヒム』でコードネーム『刹那・F・セイエイ』じゃぁねーか!!!)
顔は完全にショタ刹那…だけど、恰好や性別は完全に女…。
これはつまり…ショタ刹那ならぬ…ロリ刹那か!!!
これはこれでまた新鮮かつ斬新!!!
え? どうして俺がスカートを履いていることに気が付かなかったのかだと?
フッフッフッ…舐めるなよ読者共…!
俺は生前、よくコスプレで女装をしていて、スカートを履くことなんざ俺にとっちゃチャメシインシデントなんだよ!!!
勿論、化粧や下着も抜かりはないぜ!!!
ムダ毛だってちゃんと処理して、首から下は完全に生まれたてのベイビーちゃんだったしな!!!
(意識を失い、死んだかと思ったら、いつの間にか見知らぬ場所にてロり刹那になっていた…うん。これはアレだな。間違いない)
異世界転生だ!!!
平成後期から令和にかけて星の数ほどに量産され尽くした転生物じゃねーか!!!
ってことは、ここは間違いなくガンダムの…恐らくはダブルオーの世界!!!
だって、今の俺…いや、私は完全にメス刹那だし。
私…私か…うん。悪くはないな。
私がガンダムだ!!!ってか…。
これはこれでいい響き…。
「刹那~? どこにいるの~?」
おっと。
色々と考えていたら、誰かに呼ばれていた。
もしかして母親か?
今の私はまだ子供だしな。
母親がいるのは当然だ。
だが、私が刹那ならば、いずれは焼け野原ひろしに洗脳されて母親を殺すのか…?
流石にそれは嫌なんですけどっ!?
絶対に洗脳なんてされてたまるか!!
私は私の意志でガンダムマイスターになってみせる!!!
それはそれとして、今の母親の声…どこかで聞いたことが有るような気が…?
「あ…ここにいた。探したわよ? 刹那」
マ…マ…マ…マリナ・イスマイールじゃねぇか!!!
実質的なガンダムООのヒロインのマリナ様じゃあねぇですか!!!
も…もしかして…この人が私の母親…?
私は…あのマリナの娘に転生した…ってこと…?
じゃあ、父親は誰…?
刹那ことソラン…じゃないよな…。
だってアイツ、ELSの母星に旅立ってるし。
マリナの娘ってことは、この体には少なからずアザディスタン王家の血が流れているってことなのか…。
(にしてもマリナ…美人だなぁ…♡ こんな美人が母親で本当にいいんだろうか。人妻マリナ…うん。まさかの新ジャンル。大いにアリだな)
今更ながら、生まれ変わった今の体が女でよかった…。
もし男のまま転生していたら、まず間違いなく欲情してたわ。
母親が美人過ぎる。
近親相姦物の同人誌なら、まず間違いなくネタにされてるパターンだな。
あーゆーのはネタだから楽しめるのであって、現実のは普通に引く。
つーか、近親相姦ダメゼッタイ。
「どうかしたの? ボーっとして」
「な…なんでもない…」
「そう?」
いきなり話しかけられてビックリした…。
そういや、ロリ刹那ってどんな口調にすればいいんだ?
ある程度大きくなれば、原作通りの不愛想な刹那の口調にすればいいけど、流石に不愛想なロリっ子と言うのは違和感大爆発だしな…。
「もう刹那も4歳だし、今から病院で『個性』の診断をしに行くわよ」
「個性…?」
個性の診断って…なんぞや?
確かに刹那は個性の塊みたいな人間だけどさ。
元少年兵で、ガンダム信者で、実際にガンダムにも乗って、革新してイノベイターにもなって、ELSと対話して、更には融合までして、最終的にはワープでそのまま母星にレッツゴーしちゃってるし。
箇条書きにしただけでもツッコミどころ満載な個性の塊なのに、今更何を診断すると?
それとも、私が想像していることとは意味が違う?
うーん…分からん。
取り敢えず、ここは流れに任せてみるか。
「う…うん。分かった」
「じゃ、行きましょうか」
マリナママに手を握られ、そのまま立ち上がらせられる。
おっと…流石は幼女…まだ体のバランスが不安定だな。
ちょっとだけフラフラした。
にしても、病院かぁ…苦手なんだよなぁ…。
あの独特の薬の匂いとか特に。
無駄に体が強張って緊張しちゃうんだよな。
分かる人には分かるって信じてる。
それにしても、転生してすぐに病院って…。
これは中々に波乱万丈な予感がしますぞ?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
病院の待合室…これほど緊張する場所は、仕事の面接会場ぐらいしか知らない。
この匂いと雰囲気…やっぱ駄目だぁ…。
もし隣に超美人のマリナママがいなかったら、絶対に恥も見栄も外聞も全てかなぐり捨てて泣きわめいていたに違いない。
にしても、まさかここが日本だとは…。
普通に外の標識とかが日本語だったし、なんならマリナママの本名も『藤原真理奈』って普通の名前だったしな。
因みに、私の名前は『藤原刹那』。
刹那って名前自体は、男でも女でも違和感がないから別にいいけど。
父親は不明。
本当は詳しく聞きたいけど、それを言ったら色々と拙い気がしたので黙って飲み込んだ。
美幼女刹那たんは空気が読める美幼女なのだ。
イノベイターは伊達じゃない。
「藤原さーん。診察室にお入りください」
「分かりました。刹那。行きましょ」
「ん」
そうそう。
ここに来る途中でマリナママに個性について少し教えて貰った。
ちょっとだけ抵抗あったけど、まだ幼女ってことで特に怪しまれることはなかった。
『個性』と言うのは、要するに『超能力』の事を指す単語らしい。
中国で光る赤ん坊が生まれたことが全ての始まりらしく、そこから多種多様の個性を持つ人々が出現し、今や個性があるのが当たり前になっているのだとか。
そんなマリナママの個性は『絶対音感』。
ま、これは読んで字の如くな個性みたい。
皆もよく知ってる、あの絶対音感だ。
原作でも音楽をやっていただけはある。
「失礼します」
なんて言ってる間に診察室に入っていく。
中にいたのは、ハゲでヒゲ面で眼鏡と言う、実に典型的な医者のジジイだった。
特徴がないのが特徴…まるでジム・カスタムみたいな爺さんだな。
カッコよさはジム・カスタムの圧勝だけど。
「ふむ…君が刹那ちゃんだね」
「…はい」
「では、少し調べさせてもらうね。えーっと…」
ここからは一気に割愛させてもらう。
だって、私は専門家じゃないから、なんて説明したらいいのか、よく分からないんだもんよ。
一応、私にも分かる範囲で言えば、聴診器で胸の鼓動を聞いたり、後は足の小指を調べたりとかをしてた。
「どうでしょうか…?」
「ふむ…足の小指の関節が一つだけ…個性はちゃんとあるみたいだね」
「よかった…で、どんな個性で…」
「それはまだなんとも。ご実家で何か変わったことなどは?」
「特には…四歳になったのも、つい先日の事なので」
「成る程…」
そうだったのか。
私は誕生日を迎えたばかりと…。
誕生日ケーキを食い損ねたぁ~…。
私、ショートケーキよりもチーズケーキ派なのよね。
「刹那ちゃん」
「はい」
「何か…体の奥底から溢れ出るような感覚はないかな?」
「溢れ出る…」
急にそんなことを言われてもな…。
そもそも、今まで超能力とは無縁の人生を送って来てるわけでして。
いきなり『君には特殊な能力があるから、今から使ってみせてくれ』って言われて、即座に仕えたら誰も苦労なんてせんわけでして。
「なんなら、何かイメージしてみてもいい。分かる? イメージ」
「イメージ…」
イメージ…イメージ…イメージ…。
刹那と言えば…イノベイターで目が光ったり…ガンダムに乗ったり…ダブルオー系のガンダムと言えばGNドライヴ…後は……アレか…?
「「え?」」
「あ? あ…」
頭の中で『あるシステム』の事を考えた瞬間、私が座っていた椅子の肘当てがぐにゃりと曲がった。
別に特別なことなんてしていない。
普通に手を添えていただけだ。
力なんぞ微塵も込めていない。
なのに…これは…どゆこと?
「鉄製の椅子の肘当てが曲がった…。まさか、身体増強系の個性か? 個性自体はありきたりではあるが、母親からの遺伝とは全く関係がない個性が発現するとは…これはまた珍しい…」
「増強系…あの刹那が…」
うを…まるで鉄の塊が飴細工みたいにぐにゃぐにゃする。
はは…何これオモレー。
「お母さん、まだ時間はありますか?」
「は…はい。大丈夫ですけど…」
「それはよかった。お子さんの個性を、もう少し詳しく調べてみたいと思いまして。少し時間が掛かるかもしれません」
「分かりました。外ならぬ刹那の為ですから」
「ありがとうございます。では、これから別室に移動します。ついて来てください」
お…おう…?
こ…これから私はどうなっちまうんじゃい?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
違う部屋に移動させられたと思ったから、今度は身体測定的なことをやらされた。
パンチングマシーンみたいのを殴らされたり、握力計を握らされたり。
ボーリングの球を持たされたりなどなど。
数分すると急に力が入らなくなり、元に戻ってしまった。
で、そこから休憩がてらに次の発動可能時間を計測した。
それで分かったことが…。
「これはまた…増強系の中でも特に強力な個性じゃな」
「そ…そうなんですか?」
「えぇ。個性発動中、彼女の全能力が約100倍にまで向上していました。普通じゃ決して有り得ない倍率です。通常は精々、2~3倍程度。良くて10倍ぐらいです。それなのに、刹那ちゃんの場合はそれを遥かに上回る100倍。凄まじい個性だ」
ひゃ…百倍とな…。
幾ら何でも強すぎだろ…私の個性…。
「しかし、個性を発動していられる時間は五分ジャスト。その後は一時間のインターバルを挟まなければ再度個性の発動が出来ない。100倍と言う倍率を考えれば、これでも過剰なほどだ」
色々と倍率や時間がおかしくなってるけど…でも…これ…!
(トランザムじゃねぇか!!! 五分間だけの超強化とか、思いっきりトランザムじゃねぇか!!! インターバルが1時間って長すぎるけど、でもトランザムじゃねぇか!!! 私…トランザムが使えるようになっちゃった!!! 体が赤く発光しないけど、トランザムが使えるようになっちゃった!!! すっご…! 私…本当にガンダムになってしまったでござるよ宮野さん!!!)
やばい…自分の個性を自覚した瞬間…めっちゃ興奮してきた…!
今日からはちゃんと刹那をしないとな…!
私は刹那…私はガンダム…いや、私がガンダム!!
そういや、先の発動からもう1時間ぐらい経ってるよな…だったら!
「トランザム…発動!!!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
み・な・ぎ・っ・て・き・たぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
「なんと!? 個性発動と同時に全身が赤く発光したじゃとッ!? さっきまではこんなことは無かった! と言うことは、これは彼女が完全に自分の個性を自分の物だと認識した証なのかっ!?」
「せ…刹那ッ!?」
ぃよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
なんか知らないけど体も赤く光りだしたぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
これでこそトランザムだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
「こんな個性は前代未聞じゃ! 間違いなく初めての例! ならば、新しく名を考えなければ!」
「刹那…トランザムって…何なの…?」
「トランザム! 意味は分からんが、不思議と良い響きの言葉じゃ! よし! この個性の名前は『トランザム』で決まりじゃ!!」
あ…そうだ。
今のうちに医者先生に色々と聞いておかないと。
これから私が真のガンダムになる為には必要なことだ。
「先生…聞きたいことが有る」
「なんじゃ?」
「この個性…成長することは可能なのか?」
「そうじゃなぁ…確かに個性は身体能力の延長…体の一部。強く成長させることは出来る。じゃが…」
「だが?」
「刹那ちゃんの個性は強すぎる。100倍と言う数値を変えることは不可能じゃろう。5分と言う制限時間もな」
「ならば…どこを鍛えられる?」
「インターバルの時間じゃな。今はまだ一時間じゃが、成長していけば徐々に短くしていくことが可能じゃろう。1時間が59分に。そこから更に短く…と言った具合にな」
「成る程…」
倍率と発動時間は変えられないが、次回発動までの時間は短く出来る…。
これはもう、今後の方針が決まったも同然なのでは?
(自分自身を鍛え…この1時間と言う時間を少しでも短くして、トランザムの原作再現を目指す!! 目標はゲームとかで設定されてるトランザムのインターバルの約1分!! 後は剣も習わないとな!! 人生の目標が出来てリア充街道まっしぐらトランザムでござるよ宮野さん!!! 最終的にはトランザムライザーからのクアンタムバーストや!!!)
こうして、転生してから怒涛の勢いで色んなことが判明しまくって、私のガンダム街道が爆誕したのだった。