機動戦士ガンダム 最前線の地平   作:風間しんや

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第十二話

 

イズモ・ブリーフィングルーム

 

戦闘後、カイトたちは報告と今後の方針を確認するために再び集まっていた。

レーダーの確認を終えたエイドリアンが報告する

「敵は確認できたのは1機のみ、その他に増援、母艦は確認できず。」

「……撤退した、と考えたいところだが」

とラウルはつぶやく

 

「……おそらく、隊長の撃ったバズをモロに受けて自分の機体を傷つけた奴の顔を拝んでから逃げた……と俺は考えます」

とエイドリアンは自身の意見を言う

 

それにまた少しだけあの時の感覚がよぎるカイト

 

「(……あの時、敵の動きが一瞬だけみえたような……)」

 

「……隊長?」

と声をかけられて我に返るカイト

「大丈夫ですか?」

とサリアは尋ねる

「……ああ、すまない。少し考え事を……」

と言うと話は今後の航路をどうするかになる

カイトたちは改めて周辺の戦略マップを見た。

 

「このまま順調に進めば、二日後にはオーブ領空に入る予定です」

エイドリアンは端末を操作しながら航路を示す

それを聞きカイトも

「できるだけ戦闘を避けながら、オーブへ向かおう」

そう指示するのだった

 

カイトは一息つきながら、仲間たちを見渡す。

 

「……ひとまず、皆お疲れ。連戦となる可能性もありますがオーブ領まで頑張りましょう」

 

それぞれが軽く笑みを見せ、疲労の中でも少しずつ士気を取り戻していくのだった。

 

 それから2日間特に敵の襲撃も無くイズモはオーブ領空へ近づく

「大隊長、まもなくオーブ領空へ入ります」

 艦長席へ座るカイトは頷く

 

 同時刻オーブ連合首長国 国防軍本部

「カガリ様!領空に一隻の戦艦を確認識別は不明です!」

「…………何処の所属だ?」

 カガリは落ち着いた声で尋ねる

「それが不明でして……大きさからして強襲揚陸艦クラスと思われます」

「何?……」

 彼女はそれを聞いて考えを巡らす強襲揚陸艦クラスとなれば彼女の知っているのは連邦軍の新造艦〝アークエンジェル〟しか無い、そしてザフトやジオンがそのようなクラスの戦艦を建造しているという密談は聞いていていない

「…………」

「カガリ様……」

 国防軍の通信士達の目が彼女へ向けられる

「……不明艦から何か来ていないか?」

 彼女はあくまで平静を保って聞く

「はっ……!、来ております!」

「読め」

「発、地球連邦軍所属グラウネイル防衛大隊所属艦イズモ、我、補給求ム、貴国への交戦意思無し、突然の来訪お許し願う、貴国の良い返答を期待する……」

「…………」

 カガリは考え決断を下す

「入港を許可する、オーブ国防軍出動っ!」

 すると周囲は慌ただしくなる彼女の判断へ意見を言うものは居なく国防軍への出撃許可が下る

「ムラサメ一個中隊、出撃準備!」

「イージス艦及び駆逐艦出港準備!」

 

 その頃イズモは

「!、モビルスーツ接近!数15!それ以外にも海上艦隊も複数確認!全て我が方へ接近!」

 

「……着水する、高度下げ、前進微速」

 カイトのその号令を聞いて周囲は驚く

「え!?」

 とオペレーターの一人がつい声を漏らすと

「オーブの理念を知らないのか?」

 とカイトが言う

「え?」

 

 オーブ国防軍イージス艦艦橋

「トダカ一佐」

 トダカ一佐と呼ばれた男性は後ろに控える自分の名を呼んだ兵士に言う

「分かっているアマギ一尉、……回線開け!」

 

イズモへオープン回線で国防軍と通信が繋がる

「こちらはオーブ連合首長国、国防軍所属トダカ1佐だ。貴官は地球連邦軍所属艦という話だが本当にそうなのかね?」

トダカは映像に映るカイトたちを一瞥して、パッと見の服装が連邦の士官服なのを確認する

「はい、こちらは地球連邦軍所属グラウネイル防衛大隊です、旗艦は正式な手順を踏んでいませんが……必要であれば臨検でも曳航でもしてください」

とカイトはそう告げる

 

トダカは少しの間考えたのち

 

「承知した、貴官を臨検したのち、対応をとる」

 

それから数時間後、臨検を終えたイズモは連邦軍兵士が動かしていたという点でなんとか認められ、トダカの率いてきた国防軍の艦隊に護衛されることでオーブ領内への侵入が許された

 

 

オーブ連合首長国 国防軍本部

 

カガリは、国防軍の司令室で最新の情報を受け取っていた。連邦軍の戦艦が護衛されているという報告が入る。彼女はしばし黙考し、考えを巡らせる。

 

「イズモ、か……。連邦軍の艦船なのか、それとも……」

 カガリは心の中で疑念を抱きながらも、冷静さを保ちつつ指示を出す。

 

「艦隊の進行状況を確認した後、詳細な調査を行う。その後、連邦側との交渉を進めよう。」

 彼女はしっかりとした口調で命じ、すぐに動き出すよう指示を出した。

 

国防軍の指揮官たちは、彼女の指示を受けて迅速に行動を開始する。

 

 

イズモ艦橋

 

イズモの艦橋では、護衛を続けるイージス艦から通信が入り、カイトたちに現在の状況が報告される。

「護衛中の艦船群からの通信を確認。オーブ側は警戒しているものの、交渉のため接近を許可するとのことです。」

 オペレーターが報告する。

「了解。ただし警戒を怠るな。予期せぬ事態に備えて、準備を整え続けてくれ。」

 カイトは艦橋を見渡し、冷静に指示を出す。

 

艦橋内は緊張感に包まれているが、カイトはその空気を感じさせることなく、落ち着いた態度で周囲を指導している。

 

イズモはオーブ領海に近づき、国防軍の艦隊がその動きを慎重に監視していた。イージス艦の艦橋では、指揮官のトダカ一佐が艦船の動きを見守りながら、慎重に指示を出していた。

 

イズモはオーブ港の目立つ接岸地を過ぎ、ひっそりとした海域へと進んでいく。イージス艦と駆逐艦の護衛を受けながら、イズモは警戒を払いつつ目的地である地下格納庫へと向かう。

 

「この先、ゲートが開かれるまで目立たないように進め。」

カイトは冷静に指示を出し、艦橋のモニターに表示された地下格納庫への秘密のルートを確認していた。

 

地下格納庫入り口

 

イズモが進行する先には、巨大な滝が流れ落ちる崖があり、その水流によって隠された入り口がある。地元の漁船や通行人はその存在を知っていたが、その下に隠された秘密の基地については誰も知らなかった。

 

「ゲートが視界に入ります。」

艦橋のナビゲーターが静かに報告する。

 

イズモは滝の流れを遮らず、その下にゆっくりと進入していく。重いゲートが開かれると、イズモは慎重に奥へと進んでいく。地下格納庫の最深部にある専用のドックにゆっくりと接岸し、着艦が完了する。

 

艦内の整備班はすぐに動き出し、船体の調査と修復作業を準備する。

 

「……ひとまず、入港完了です。」

 オペレーターが静かに言うと、カイトは言葉を続けた。

 

「いえ、まだだ。交渉が残っています。」

 カイトはそう言うと、イズモから掛けられた橋を渡り、オーブの地に降り立つ。

 

そこには護衛に守られた一人の女性が待っていた。カイトはその姿を確認し、礼をする。

 

「オーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ様。今回、我々地球連邦軍グラウネイル防衛大隊の入国を受け入れていただき、ありがとうございます。」

 カイトは深々と頭を下げる。

 

「うむ、オーブは貴官らの入国を歓迎しよう。」

 カガリはその言葉を静かに返す。

 

オーブ首相官邸 応接室

 

カガリは静かにカイトを迎え入れ、応接室に案内する。「どうぞ、掛けてくれ。」カガリは椅子を指し示す。

カイトはその指示に従い、椅子に座ると、カガリは話を切り出す。

「……君達の所属について調べさせてもらった。ニッポンの山奥にある連邦軍の次期主力基地、グラウナイト基地。その防衛大隊だと。」カガリは冷静に語る。

 

カイトはそれを聞いて、うなずく。

「ええ、その通りです。」

「そして、最近謎の敵の襲撃を受けて壊滅……」カガリの言葉が続く。

「その通りです……」

 カイトは少し言葉にためらいを見せる。

「すまない、悪気はなかったんだ。」

 カガリは思わず口にし、申し訳なさそうに頭を下げる。

「……ええ、分かっています。」カガリはその言葉を受け止め、静かに応じる。

 

カイトは涙をこらえながらも、交渉を始めようとする。「それで……こちらの提示した交渉内容は受け入れていただけるのでしょうか?」

カガリはうなずきながら答える。

 「もちろんだ。ただし、こちらもデータを取らせてもらうことになる。」

彼女は少し微笑みながら言う。

「……どうぞ。」

カイトはそれに同意し、交渉は静かに始まる。

 

 

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