機動戦士ガンダム 最前線の地平   作:風間しんや

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第二話

 

 数時間後基地周辺を巡回するジム

その足元にはザクの頭部やマゼラアタックのマゼラトップが転がっていた

 その先にある基地でグラウネイル防衛大隊隊長カイトは上官へ報告していた

「――報告は以上です」

「うむ、初陣とはいえないほどの戦果だたった2個中隊で勝利するとは、まぁ疲れたであろう、今日は休め巡回は他の部隊に任せ戦いの疲れを癒やすといい」

 その日の晩休めと指示されていた中隊長2名は自身の機体のメンテナンスをしていた

「休めと言われても、体が軍人だから休みきれん」

「そうだな……俺らは一年戦争を経験しているからその当時の癖が残ってしまってろくに休めやしない」

「士官学校を卒業したばかりの隊長は今頃ぐっすり……」

「ラウル少佐!」

 後ろから急に声をかけられ危うく乗っていたストライクの胴体から滑り落ちるラウル、持ち前の身体能力でなんとか立て直す

「おっとっと……急に声を掛けるのはやめてほしいですな、エリシア・セラフィード技術中尉」

彼の言う人物、エリシア・セラフィードは怒った顔をしてラウルとエイドリアンを睨む

「二人とも!なんですかこの破損状況は!中隊を背負うものがこんなダメージをおっては部隊の指揮にも関わります!以後気をつけてください!」

「「……は、はい…」」

 流石の一年戦争を経験した彼らであっても彼女ほどの技術中尉ともなれば怯える

「あまり怒らないから油断した……」

「私もだ……」

 技術中尉が去った後反省会をする2名、そこに昇降機の上がる音がする

「「?」」

 二人は首を傾げる、今ここには自分ら以外はいないはずだからだ、もしかしたら技術中尉が戻ってきたのかと半分怯えているとその正体が判明する

「カイト大隊長!」

 彼は少し気まずそうに手を頭で抑えている

「すまない、邪魔したか?」

「いえ、それより隊長は休まれないのですか?」

「?、あぁいやまぁ眠れなくてな、仕方がないし少しでも基地を見ておこうかと思ってな、そしたら格納庫から怒号が聞こえたもので」

「あっはは……」

 二人は苦笑いしながらその怒号の正体の顔を思い浮かべる

「女性だったから君らではないのだろう?」

「ええ、この基地のモビルスーツの開発、整備を行っている技術中尉からお叱りを受けまして」

「お叱り?」

 彼は顔をしかめる

「そんな被害があったのですか?先程の戦闘で」

「えぇ……」

「……ふむ、やはりストライクでは限界ですか」

 彼は腕を組み何かを考える

「隊長?」

「二人とも!モビルスーツの腕に自身はありますね?」

「え、ええ、中隊長を任せられるほどは自身があります」

「ならば結構!さぁ!そうとなれば早速書き出しますか!」

 カイトが昇降機から飛び降りる二人は心配して自分らも落ちないように気を付けながら下を見るしかしカイトはもう駆け出していた、二人は唖然とする

「あ、あの高所から落ちてけがもしていないのか……?」

「ば、化け物か……?」

 唖然とする彼らを知らず部屋へと駆け込むカイト、自身の荷物から士官学校時代に取るだけ取ったデータの中からストライクのデータを見つける

「設計図は……汎用機だからキャパは問題なし……先程の戦闘をフィールドバックし、様々な戦況に対応可能なストライク……」

 彼はブツブツいいながら机にかじりつく

 

 

 翌朝舞台の朝礼となっても現れないカイトを心配しラウルがカイトの部屋に行く

「カイト中佐、朝礼の時間です、軽い挨拶でも良いのでお願いします」

 彼がうっかり部屋のドアを開けるコンソールに触れてしまう、すると部屋が開く中には部屋中にびっしりと貼られた設計図があった

「た、隊長?」

 しかし部屋にはいない、すると彼の持っている携帯のような機器にメールが入る

『隊長が爆速でこっちに来た、もう朝礼は始まってる君のことは誤魔化しておく、後で会おう』

 道中すれ違わなかったことを不思議に思いつつ食堂でエイドリアンと合流する

「爆速で来たのか?」

「あぁ正確には君とすれ違うかのように気付けば我々の前にいた」

「……」

「君の代理だが副隊長に任せた、後でお礼を言うといい」

「あぁ……」

 

 なぜこうなっているのかそれは数十分前に戻る

 設計図を書いていたカイト、カーテンから漏れる光に気付き彼は朝だというのに気付く

「!、もう朝か!?」

 彼は窓を開け部屋を出る、というのも窓から出れば朝礼を行う場所まで最短で行けるからだ

外に出て窓を閉める、急いで駆け出し朝礼を待っているグラウネイル防衛大隊の隊列の前に立つ

それに気づいた彼らは急いで隊列を整え朝礼が始まる

そして今に至る気付けば朝食の半分を食べ切っていた

「しかし一体なぜ遅刻したんだ?今の士官学校はその辺りは緩いのか?」

「そんなわけないだろう、多分」

「しかし基本的に暇だな、完全にグラウネイル大隊の活動が始まるんだ防衛以外の任は早々降りることは無くなるだろうな」

「そうだな基礎練、シュミレーター以外特に大きな訓練がないから暇でしかないな」

二人は同時にスプーンを置く

「さて、訓練と行くか」

「おう」

二人は立ち上がり食器を返し食堂を後にする

 

その頃カイト自室

「で、できた…」

彼は目元にクマを作りながらある設計図を作り上げる

「早速…もっt……」

彼はベットに寝転がり眠りにつく

 それから数時間後

「っは!持ってかないと!」

 飛び起きたカイトは設計図を掴み部屋を出ていく

 設計図を片手に彼が向かったのは技術科の部屋だ、この部屋はとなりに格納庫があるため多少騒がしいが、その技術科達は基本的にこの部屋にいないためあまり気にしていないそうな

 彼は新しく来たばかりなためそんな事は知らないが部屋の煩さは眼中に無かった

「失礼します!グラウネイル防衛大隊隊長カイト・アステリア中佐です!この基地の技術中尉に提案したい内容があるため参りました!」

 一気に周囲の注目が集まる

「え?防衛大隊の隊長が?」

「兵士の提案するのって一体何だ?」

 そんな言葉が飛び交う中、一人の人物が立ち上がる

 ガタイは良く短髪で少し白髪が生えており顔はいかつい

 彼は何かされるかと身構えるすると

「あぁ……大隊長殿?ここは技術科の部屋です部隊の編成表の提出なら司令官室で……」

「いえ、技術中尉に見せたいものがあってここに来ました!」

 少しの沈黙が流れると

「いいわ、その見せたいものってのを見ようじゃないの?」

「しかし中尉!」

 先程のガタイの良い人物が止めようとすると

「前線で戦う人たちの意見は大切よ、今そっちに行くわ」

 少しすると技術科の軍服を着た女性が出てくる

「おまたせ、じゃ、見せてもらえるかしら?」

 彼が開いた設計図には試作型ストライクガンダムサブアーム搭載型と書かれた文字に続きストライクの背部に通常の腕部より小型化した腕を取り付けたモビルスーツが描かれていた

「……サブアーム……」

「これは……」

 技術科の殆どが悩んだが一人は違った

「なるほどサブアームという新たに腕を取り付け様々な戦況と各々の戦闘スタイルに合わせ、かつ既存のストライクの性能向上を目指した機体ね」

「ええ、飲み込みが早くて助かります」

「正直言ってストライクの性能不足は頭に入っていませんでした、昨日の戦闘も各中隊長の技能不足と過信していましたが……あなた、面白いわね、これのベースはストライクで良いのね?」

「はい、テストパイロットはこちらで手配します」

「結構、ガイル少尉!すぐに取り掛かるわよ!予備で配備されてる数十機のうち5機を使うわよ!」

「……はぁ仕方がない……やるぞ!野郎ども!」

「応!」

 彼らが走ってその場を去ると技術中尉が何かを思い出し彼に問う

「そういえばこの基地で建造されてる戦艦の存在は知ってる?」

「いえ……昨日来たばかりなので」

「そう、ならついてきなさい」

 彼を手招きし格納庫を出る

「この基地は最近できたばかりで主要基地ってよりも最重要基地のほうがこの基地には似合うかもね」

「と言うと?」

「これよ」

 彼女が指し示したのは先程の格納庫を有に上回る大きさの何かの施設だった

「あ、ごめん、この中にあるの」

 彼女の急な口調の変化に動じず彼女の方を見る

 扉を開けるとそこにはとても大きな戦艦が作られていた

「す、すごい……」

「今この基地が最優先で進めてることでね、これの建造に私とさっきのガタイの良いガイルが選ばれたの、士官学校で一緒だったのにまさか所属も同じになるなんてね」

 とエリシアはカイトへ微笑む

「確かにな、けどなんでこれを俺に?これは絶対俺なんかに見せて良いものじゃないだろ?」

「いいえ、あなただから見せたの」

「?」

「さっきのストライクの強化案を見て確信したのあなたならこれの抱えている問題を解決できるって」

「問題?」

「この船は強襲揚陸艦と輸送艦の2つの特性を混ぜた艦で建造してたんだけど、あまりの巨体で既存のスラスターじゃ飛ばないのよ、だからあなたの知恵を貸してほしいの」

「……そう言われちゃやるしかないな……」

「ありがと、それじゃ関連資料は送っとくわそれ以外は何かいる?」

「最近見つかった〝GN粒子〟についての資料かな?」

「また随分とすごいのを聞いてくるわね、分かったえられる情報をえられたら送るわ」

「ありがとう」

「いいのよ、それとストライクの方は任せなさい、二日以内に試作型は作るから」

「頼む」

 その帰り中隊長と出会う二人

「!、カイト中佐!それと……技術中尉殿!?」

 二人はひどく驚く、来て数日しか立ってないカイトがもう技術中尉と仲良くやっているからだ

「お、二人とも!こんなところに、多分知っているだろうがエリシア・セラフィード技術中尉だ、中尉とは士官学校からの同級生でな」

「ど、同級生!?」

「な、何だと……」

「?どうしたお前ら?」

「い、いえ!なんでも!」

 とラウルが姿勢を正して答えると

「そうか、あ、もうしばらくしたら新型機が使えるようになるかもしれないからテストパイロットの選定頼むよ」

 そう言い残しカイトはエリシアと去っていく

「え……?」

「ええ!?」

 彼らの考えは同じだった、

『新型機って何!?』

 

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