美鈴とレミリアの手が重なった瞬間――
未来の核が、まるで心臓のように脈動した。
ドクン――
紅魔館全体が揺れた。
ドクン――
空が裂け、未来の断片が光の粒となって舞い上がる。
ドクン――
滅びの怪物が苦悶の咆哮を上げた。
影が静かに言った。
「……始まったな。
二人の願いが一致したことで――
“未来の核”が反応した」
◆
未来の核は、紅と青の光を同時に放ち始めた。
紅はレミリアの願い。青は美鈴の願い。
その二つが絡み合い、まるで一本の糸のように結ばれていく。
美鈴は息を呑んだ。
「これが……私たちの願い……?」
影はうなずいた。
「未来の核は“願い”を読み取る。
未来を確定させるのは、力ではない。
願いの強さと、願いの一致だ」
レミリアは美鈴の手を握りしめた。
「美鈴……
私はあなたと未来を歩きたい。
それが……私の願い」
美鈴は涙をこぼした。
「私もです……
お嬢様と一緒に……未来を見たい……!」
その瞬間――
未来の核が、眩い光を放った。
◆
滅びの怪物が咆哮した。
「■■■■■■■■■■!!」
その声は、未来そのものの悲鳴。
影が低く呟く。
「滅びの未来が……拒絶している。
二人の願いが“滅び”を否定しているからだ」
パチュリーが叫ぶ。
「つまり……
二人の願いが強ければ強いほど……
滅びの未来は弱まる……!」
咲夜が息を呑む。
「でも……美鈴の未来が……!」
◆
美鈴の体が揺らいだ。
レミリアが叫ぶ。
「美鈴!!」
美鈴の足元はほとんど透明になり、影は完全に消えていた。
未来が削られ、存在が限界に近づいている。
美鈴は苦しげに笑った。
「大丈夫……です……
私は……まだ……ここに……」
レミリアは美鈴を抱きしめた。
「美鈴……お願い……
もう……消えないで……!」
美鈴はレミリアの背中に手を回した。
「お嬢様……
私は……お嬢様の願いが……嬉しいんです……
だから……」
◆
未来の核が、ゆっくりと形を変え始めた。
紅と青の光が混ざり合い、
やがて――
紅と青の“翼”の形 になった。
影が驚愕する。
「……これは……
“未来の翼”……!」
パチュリーが息を呑む。
「未来の核が……
二人の願いを“形”にした……!」
咲夜が震える声で言う。
「二人の願いが……未来を変えている……!」
◆
未来の炎が燃え上がり、虚無が渦を巻き、光が弾ける。
影が告げる。
「滅びの未来が……最終形態へ移行する。
これは――
未来そのものとの最終決戦 だ」
レミリアは美鈴の手を握りしめた。
「美鈴……
行くわよ」
美鈴は微笑んだ。
「はい……お嬢様」
未来の核が輝き、
二人の背中に――
紅と青の翼 が現れた。
滅びの未来が咆哮し、最終決戦が始まる。