静かなる門番と歪む運命   作:肩幅ひろし

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第21話 願いが重なるとき、未来は震える

 美鈴とレミリアの手が重なった瞬間――

未来の核が、まるで心臓のように脈動した。

 

 ドクン――

 

 紅魔館全体が揺れた。

 

 ドクン――

 

 空が裂け、未来の断片が光の粒となって舞い上がる。

 

 ドクン――

 

 滅びの怪物が苦悶の咆哮を上げた。

 

 影が静かに言った。

 

「……始まったな。

 二人の願いが一致したことで――

 “未来の核”が反応した」

 

 

 

 

 未来の核は、紅と青の光を同時に放ち始めた。

 

 紅はレミリアの願い。青は美鈴の願い。

 

 その二つが絡み合い、まるで一本の糸のように結ばれていく。

 

 美鈴は息を呑んだ。

 

「これが……私たちの願い……?」

 

 影はうなずいた。

 

「未来の核は“願い”を読み取る。

 未来を確定させるのは、力ではない。

 願いの強さと、願いの一致だ

 

 レミリアは美鈴の手を握りしめた。

 

「美鈴……

 私はあなたと未来を歩きたい。

 それが……私の願い」

 

 美鈴は涙をこぼした。

 

「私もです……

 お嬢様と一緒に……未来を見たい……!」

 

 その瞬間――

未来の核が、眩い光を放った。

 

 

 

 

 滅びの怪物が咆哮した。

 

「■■■■■■■■■■!!」

 

 その声は、未来そのものの悲鳴。

 

 影が低く呟く。

 

「滅びの未来が……拒絶している。

 二人の願いが“滅び”を否定しているからだ」

 

 パチュリーが叫ぶ。

 

「つまり……

 二人の願いが強ければ強いほど……

 滅びの未来は弱まる……!」

 

 咲夜が息を呑む。

 

「でも……美鈴の未来が……!」

 

 

 

 

 美鈴の体が揺らいだ。

 

 レミリアが叫ぶ。

 

「美鈴!!」

 

 美鈴の足元はほとんど透明になり、影は完全に消えていた。

 

 未来が削られ、存在が限界に近づいている。

 

 美鈴は苦しげに笑った。

 

「大丈夫……です……

 私は……まだ……ここに……」

 

 レミリアは美鈴を抱きしめた。

 

「美鈴……お願い……

 もう……消えないで……!」

 

 美鈴はレミリアの背中に手を回した。

 

「お嬢様……

 私は……お嬢様の願いが……嬉しいんです……

 だから……」

 

 

 

 

 未来の核が、ゆっくりと形を変え始めた。

 

 紅と青の光が混ざり合い、

やがて――

 

 紅と青の“翼”の形 になった。

 

 影が驚愕する。

 

「……これは……

 “未来の翼”……!」

 

 パチュリーが息を呑む。

 

「未来の核が……

 二人の願いを“形”にした……!」

 

 咲夜が震える声で言う。

 

「二人の願いが……未来を変えている……!」

 

 

 

 

 未来の炎が燃え上がり、虚無が渦を巻き、光が弾ける。

 

 影が告げる。

 

「滅びの未来が……最終形態へ移行する。

 これは――

 未来そのものとの最終決戦 だ」

 

 レミリアは美鈴の手を握りしめた。

 

「美鈴……

 行くわよ」

 

 美鈴は微笑んだ。

 

「はい……お嬢様」

 

 未来の核が輝き、

二人の背中に――

紅と青の翼 が現れた。

 

 滅びの未来が咆哮し、最終決戦が始まる。

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