「ぐっ!」
「追え!夜桜の婿だ!」
「くそ……!」
「太陽には、もうそろそろ1人で任務をさせてもいいかと思ってね」
「えっ」
「おや、まだ不安かい?」
「ああいや、そういうわけじゃなくって……!」
一週間前、二刃姉さんに告げられた言葉は、俺には予想外だった。
「その、
「なに言ってんだい。ウチは小さい頃からのプロだよ。差があって当然だ」
「っだから」
「!」
「こうして、1人で任務に行けるくらいになったっていうのが、少し不思議で」
「……なるほど、自分に自信を持ててないんだね」
「お恥ずかしながら……」
実際、任務の目的達成自体はした。まあ、見つかって対処に追われてるけど。
それでも、二刃姉さんは俺の背を押してくれた。
「人間誰しも、不安になる時はあるさ。太陽にとって、それが今だっていうことも。……まあ、万が一の時があったら助っ人を寄越すよ。それまでは耐えな。太陽はもう立派な夜桜だ」
「……はい!」
(でも、キリがない……!せっかく二刃姉さんに、夜桜家の一員として認めてもらったのに……!)
「追い詰めたぞ」
「弱い割にすばしっこいからなぁ!」
「捕まえんの大変だったぜ……!」
「く、そ……!」
こんなところで終わるのか……!?
「なに、かくれんぼ中?」
!?
「あ!?」
「んだテメ──うぉあっ!?」
「がはっ」
……誰だ……!?
「俺も混ぜてよ、朝野太陽」
「!!」
俺の名前を知ってる……いや、違う!
さっきの
「もしや……あなたが二刃姉さんの言ってた助っ人ですか?」
「正解!
「あ、はい……その、さっきの合気が二刃姉さんのものに近くて」
二刃姉さんが扱う合気は、夜桜式柔術「しだれ組手」。さっき相手を投げ飛ばしたのは、どう見てもそれだった。
「お、そりゃ気づくか。何百回二刃さんに投げ飛ばされた?」
「え?俺は300は……」
「そうかそうかー、二刃さん優しいしそれくらいだよな」
優しい……まあ確かに、他の兄弟*1と比べても、飴と鞭の使い方が上手い。
「あの、なんでしだれ組手を?」
「あぁ、二刃さんは俺の師匠だよ。最近腕上がっただろうし、また視てもらおうかな」
「えっ」
えええええええ!?!?
「た、ただいま……」
「太陽」
「ひぃっ!?」
「せっかく一人前になったと二刃が言ったものだから渋々許可を出したというのに……なんだそのザマッ!!」
「そこらへんにしときな凶一郎。今回の任務、太陽に非はないよ」
「ふ、二刃姉さん……」
「おかえり太陽。六美も待ってるし、ご飯にしようか」
「……はい」
……あれ?あの人は……?
「束音。あんたもいるんだろ?」
「……隠密で二刃さんに勝とうとするのは、後何年ですかね」
「まずはライセンスを金級にしな」
「遠い……」
「ライセンス?」
「その話は後でゆっくりしよう。束音、せっかくだ。食べてくかい?」
「え、いいんですか?」
「ああ。
この時の太陽はライセンス持ってません。