有象無象妖怪譚   作:命楼

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三日ぶりの投稿です。ほんへは一週間ぶりの投稿。皆さんはクリスマスは如何過ごしましたか?自分は七草と過ごした(バイト)後にbiim兄貴が動画投稿していないか見回りして寝たゾ。
彼女?そんなん関係ないっしょ?


第十四話【地下倉庫と大掃除】

 ──宝物庫。其れは金銀財宝が眠る場所──

 

 

 ──宝物庫。宝を求め幾人もの命知らずが向かう──

 

 

 ──宝物庫。其の悉くが死を遂げる──

 

 

 ──宝物庫。古の番人が宝を守る──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな訳がないだろう」

「どうしましたか?」

「何でもない」

 

 下らない事を考えながらも倉庫の扉に掛けられた鍵を外していく。鎖やら門やらは簡単に如何にかする事が出来るが結界に関してはそうはいかない。

 博麗の巫女も使用する此の札には先代の博麗の巫女の霊力が宿っている。金を払う事で手に入れたのだが顔馴染みでなければ此処まではしないと言われた。運が良いのか悪いのか、だが吉と凶で相殺しようとしても凶の方が勝っており何とも言えんな。まぁ博麗の事は良いだろう。

 結界を何重にも貼ろうとして界同士で混じり合ってしまい複雑怪奇な姿になったのに少し手を加えたものなので本来以下の力しか発揮しないのではと不安に感じていたのだが此れがなかなか頑丈。倉庫に使った札より少ない札で鬼の攻撃を二度防いでいる、全力だったかは分からないがあれ程の力を持った鬼の攻撃を防いだのだ強度は折り紙付きだ。そんな強度を持つ結界だ、一部分を解くだけでも時間が掛かってしまうが何度も開けている俺ならばものの数十秒で解く事が出来る。

 門を覆う部分だけが切り取られたかの様に消える結界。其の内側に入り込む瞬間体が重くなるが一瞬の内に消え去る。門に巻き付く鎖を丁寧に外していき最後は重い門を押して開ける。

 

「ようこそ。我が城最後の砦である宝物庫へ」

「先程言っていた様にごちゃごちゃとしていますね。良く分からないものが散乱していますし」

「……あぁ。だが此れでも片付けている方なのだぞ?前に掃除するまではゴミの山だった」

 

 目に付いた物を持って帰り弄くり回した後、飽きたにしろ取っておこうと思ったにしろ蔵の中に放っておけば山になるのは火を見るよりも明らか。手伝ってくれた彼奴には頭が上がらない。

 

「……しかし、此れからはきちんと定期的に掃除しましょうね」

「……あぁ、俺も此れ程になっているとはな」

 

 考えていた以上に溜まり積もった埃。此れを処理しなくてはならないとはな。面倒で仕方がない。此処迄やって来てじゃあ後は頼んだと帰ったとしてもゴミだと思ったと道具を捨てられるに決まっている。何をされるか分からない以上帰るのは無理だ、諦めるか。

 

「叩きで高い所の埃を落とすのも良いが後から残っている埃を取り除く。其れから箒で床を掃き雑巾掛けを行う」

「一応桶に水を入れてきましたが足りますかね」

「水が汚れきったのなら奥にある井戸から汲んでくれ」

「こんな所に井戸が?」

 

 偶然見つけた。最後の要、籠城の砦として用いる事になった際にも使える様にと考えていたのだが、井戸もあり地上よりも気温が低く食料の保存に適している。深くは考えていなかったというのに此れ程に良い物が出来るとは思わなんだ。

 水道もあるのださっさと終わらせてしまおう。

 

「先に奥の扉を開けて来る。風通しは良くしておくに限る」

「奥?」

「出口へ通じる穴へと通じているのだ。強固な城があろうとも何が起こるか分からない、逃げ場を作っておくのは当たり前だろう?」

 

 此れ又重厚な門を開ければ結界が張られ其の先には暗闇が広がっている。通り道が出来た事でひゅうと風が音を切りながら埃を乗せて流れていく。

 

「うえっゴッホゴホ咽せる!」

「顔に巻いているのに咽せるのですか」

「空いている所から入ってきたゴホッゴホッ」

 

 咽せる咽せる、一度咽せた事で咳が止まらない。居候が飛び上がり箪笥や積み上げられた道具の山から埃を落としていくのを尻目に咽せ続ける。

 どれ程経ったのか漸く咳き込まなくなった頃を見計らい居候が声を掛けてきた。背中位摩ってくれても良いではないか。

 

「休んでいないで掃除を手伝ってください」

 

 そして此の一言、悲くなってくる此の扱いに涙が出てくるが決して先程の咽せによる涙ではない。此れだけは伝えたい。

 

「手伝う筈のモノが本腰を入れて掃除をし、働かない家主に手伝いを頼むなんて可笑しな話ですよね?」

「お前の言いたい事は良く分かった。だがな?咽せてしまったのは仕方のない事であろう?お前も咳き込む事がある筈だ」

「それはありますが今はしてません。なら貴方もしないのが道理でしょう」

「お前と俺は違うのだから其れは通用しない」

「其れならば貴方が言い出した事も通じなくても宜しいですね?」

 

 其れはそうだ、そうでなければ話が通じない。此れも駄目だったか。

 

「まぁ此れから掃除してくれさえすれば良いです」

「頑張ります」

「真面目にやる気があるのですか?」

 

 そろそろ怒られてそうだ。どの程度で怒り出すのか分からない今はやり過ぎてしまわない内に止めておこう。

 さて埃を落としますか、叩きに濡れた雑巾を持ち箪笥を見遣る。ずいぶんたまっている様子。此処は俺がしっかりしなくては夕食前に終わらない。

 前回の反省点を踏まえ今回は真面目に掃除を行っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人掃除中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何度雑巾を絞った?」

「三十からは分かりません」

「何度水を替えた?」

「十から先は数えていません」

「何度疲れから休んだ」

「其れは一度だけ」

「俺は五回は腰が痛くなり背伸びをした」

 

 雑巾掛けだけで此れ程迄に疲れているが其の前には箒で埃を掃き続けていた。雑巾掛けに比べれば大した労力も掛からずに終わるであろうと高を括っていたが此れがなかなか。ただ掃き続ける其の間に風邪で埃が舞い散り埃が目を塞ぐ、肉体的には疲れなかったが精神の方に重く伸し掛かってくる永遠と繰り返される作業にガリガリとやる気やらを削られた。

 今行っている雑巾掛けも大部分の埃が無くなったとはいえ背を屈め地面や道具と睨めっこをしながらの作業、今度は肉体的にも俺を侵していく。上の方から雑巾で拭っていくが雑巾が瞬く間に黒く汚れ早々に濯ぎ絞る事を余儀なくされた。拭って洗って絞ってまた拭って、何度も繰り返される作業は俺の心と体を叩き折りに掛かっている。

 

「馬鹿な事を考えていないで手を動かしてください」

「死活問題であろう此れは」

「分かりました。馬鹿な事は考えていても良いですが手は動かしてください」

 

 黙々と作業し続ける居候に負けじと掃除に力を入れていたのはどの位前の事であっただろうか。何時の間にやら心が折れる其の間際迄追い詰められてしまっていた。もう止めてしまいたい、投げ出してしまえという考えが俺の頭の中の大部分を占めているが居候が居る手前手伝うと言ってしまい止めるに止められない。其れに止めると言っても止めさせてくれる奴ではない。

 

「問題を後回しにしていると少しずつ積まれていき余計面倒な事になる。今の様に」

「分かった分かった。掃除しているだろう?そう説教を行わなくとも良い」

「もう止めてしまいたいと考えていたのにですか」

「頭ではそう考えていたが其れはあくまで心の中での話、其の証拠に掃除はしていただろう?」

「思考に力を入れ過ぎて掃除に力が入っていなかったですよ」

「……此のやりとりも此れで何度行った?」

「三回目です」

 

 こんかやりとりをしていては空気が悪くなっているのでは他のモノが見ればそ

う思うだろう、だが実際にはそうではない。単に掃除を行う事に飽きていた俺が話し掛け向こうが適当に返しているだけの事だ。

 埃の所為で空気が悪くはなるが俺から二人の間の空気を悪くはしない。

 

「それにしても」

「んあ?」

「広いですね、此処は」

「此処を作る前から古今東西過去現在問わず色々な物を集めていた結果、と言えば良いだろうか。昔から珍しい物には目がなくてな居着く場所にほ山が出来ていた。手に入れるのに苦労した物もある故にそう簡単には捨てる事が出来ない、だが地に置いていても風化して早くに朽ちるか壊される盗まれるだけだ」

 

 だから此処を作った。此れからも増えていくとは集める早さから容易に考え付く。だから此れ程の広さになっている

 

「もしもの際の退避場所としても作っているのだが。今迄にそういった事で使われた事は全く無い」

「全くという事は少ないがあったと?」

「……あまり良い思い出では無い、があれはあれで楽しかったからな何時か話してやろう」

「どんな話か分かりませんが楽しみにしています」

 

 埃を払い水拭きした物を綺麗になった場所へ移動していく。居候が運んでいる筒状の物は望遠鏡と呼ばれる物で遠くが見る事が出来る、恐らく自軍の砦や高い場所に位置する野営地から戦場を見る為に用いられた物なのだろう。遠くから見ていれば良いのだから安全だ。

 今俺が運んでいるのは玩具箱、中には百年近く前の物から外の世界の物まで混ざっている。外の世界で名の知られた化物の人形が入っているのだが外の世界には未だ此の様なモノが闊歩しているとは外の世界も恐ろしいと思ってしまう。共に流れてきた子供を対象とした妖魔本には化物達の写真が載っており俺が持っている人形の元となった奴もいた。人形の何百、いや何千倍という巨体を持ち一夜にして国を滅ぼしたと記されていた。そしてそんか化物たちを相手取り勝利を収めてきた人間。怪獣と呼称されるモノもそうだが外の世界の人間が此の地にやってこない事を願わずにはいられん。

 

「人間とは凄い生き物だ。爪も無く牙も無い、力も無く脆い。だが其れを補って余りある物がある。其れは知能だ。奴等は群れ、知恵を絞り、武器を作り、策を練り、罠を貼り、鍛える。勝つ為に、手にする為に。今外の世界にはどれ程の人間がいると思う?」

「……一億?」

「七十億以上だ。奴等は増え続け遂には世界の何処にでも居るそうだ。数だけでは無い。奴等は武器を作り続けている。より殺傷力のあり、より広範囲に渡たり、より恐怖を煽る、そんな武器だ。妖怪なんて目じゃないぞと言わんばかりの武器。世界で一番危険な生物が何か分かるか?」

「話の流れからして人間なのでしょうね」

「そうだ。奴等は世界を支配したと思っているだろう。武器と知識さえあれば他の生物全てが恐れるに足らずなのだからな」

「どの様な武器なのかは分かりませんが、大妖怪と呼ばれる方々なら防げるのでは?」

「其奴等の力と能力次第だがな。だが他の奴等はどうだ?全面戦争になったとしても九割九部九厘死に絶えるだろう。残ったモノたちが人間に勝ったとして此方の被害は甚大どうしようもない」

 

 まぁ幻想郷にいれば妖怪の賢者が何とかしてくれるだろう。俺は戦争が起こったとしても出ないで逃げるのだろうな。役には立たない役立たずになる。

 

「貴方が其れ程迄に人間を恐れているのは分かりました。目の当たりにしていないのでどれ程危険なのかは分かりませんから何も言えませんが。戦争は反対ですね」

「ほう?てっきり『一族の為ならば此の身を犠牲にしても一向に構わん』なのだとばかり」

「其れは合っていますよ。ですが其れはあくまで戦争が起きて出兵する事になればの話です。敵を殺すのも同胞が殺されるのも私は嫌ですから」

「そうなのか」

「そうなんです」

 

 どうしてこんな話に繋がってしまったのか。最初の話はなんであったか、確か人間が云々と話し出したのだから人間に関係している筈だったが。

 

「化物の話ですよ」

 

 化物……あぁあの人形の事か。そうだそうだ思い出した。人形の事から元になった化物の話になり人間の話になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人掃除中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放置され続けた道具たちが掃除された事で息を吹き返した。そう言わんばかりの見違え様に思わず溜息が漏れる。面倒だなんだと言ってはいたが此処まで掃除をしてきた事に後悔は無い。

 

「まだ終わっていませんがね」

「分かっている今は此の気持ちに浸らせていたたたたた!痛い!」

「それじゃあ行きますよ」

 

 耳を引っ張り引きずってでも連れて行こうとする居候の後を付いていく。

 綺麗になった無数の道具やらが鎮座する光景から一変目の前に現れたのは障害物が取り除かれた後に残った埃の温床。道具が退かされた事で所々埃の無い場所が存在していた筈だが風によってホコリが運ばれて見えなくなってしまっている。

 

「箒と雑巾の準備は出来ていますか?私は出来ていますよ」

「初めから持っているから安心しろ。キチンと雑巾は洗ってきている」

 

 残す所はあの埃のみ。部屋の四分の一を掃除し終わった俺たちの前に残るはあれのみ。然し俺の身体は長時間の疲れと夏バテによって倒れる寸前。此れはもう居候にやってもらうしかない様だ。後は頼んだ。

「後少しですからね?」

「あ、はい」

「私も疲れているんですから貴方も頑張ってください」

 

 弱小妖怪と天狗を比べるのは狡い。此方はか弱いのだもう少し優しさをだな。

 

「手も動かしてください」

 

 優しさの欠片もない此の居候に逆らえる日は来るのだろうか。




5104文字、普通だな。
一話掛けてこれしか進まねえのかよと思う兄貴たちがいるだろう、許してください!お願いします!センセンシャル!
主人公の考えはあくまで主人公の考えです。

【地下倉庫】
宝物庫()。なんか色々ある、ゴミみたいなのがある。でもヤバそうな物もあるかも。
彼奴があんなの持ってんだから、多少はね?
外の世界の道具の他にも絵画や像などといった美術品、西洋剣などの刀剣類、魔導書や妖魔本といった禁書。外の世界どころか幻想の世界でも滅多にお目に掛かれない物品が眠っている。そんな設定思い付いたけど死に設定不可避なんだよなぁ…。
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