なんか早く、ゴッドバレー後を描きたい症候群がきてる…。
頑張って投稿してまいります。
突然来訪したロジャー達が帰り、仕切り直した宴からしばらく経った頃。
ロックス海賊団の船は、再び巨人族の国であるエルバフへ向かっていた。
甲板に立つロックスは、腕を組みながら巨大な島を睨んでいる。
「また懲りずに勧誘するのか…これで何度目だ?」
白ひげが呆れたように言った。
「いちいち数えねぇだろ?覚えてねぇ!」
「私も大概だと自覚してますが貴方も懲りないですね。本当にハラルド王を、仲間にするのですか?」
「ああ!」
ロックスは振り返る。
「俺はあいつを絶対にを仲間にする!」
「…以前から何度も断られていますが?」
「だから何度でも誘うんだよ!あいつが折れて頷くまでな!!」
シロウは苦笑する。
「はぁ…随分と諦めが悪いですね」
「海賊ってのはなぁ…欲しいものを妥協しねぇし、諦めねぇ生き物なんだよ!」
ロックスはニヤリと笑った。
陽界エルバフ王城にハラルドは玉座に座り、懲りずに来島した目の前にいるロックスたちを見下ろしていた。
「何度も言ってるだろ!!ロックス!断ると!!」
即答だった。
ロックスが眉を上げる。
「まだ話してねぇぞ!!」
「聞く必要がない。お前が来る時の第一声はそればかりだろうが」
ハラルドは立ち上がる。
「私はエルバフの王だ。国を捨て、海賊になるつもりはない。何度も話してるだろ!いい加減懲りろ!」
「一時的にでもいい!!俺達と一緒に世界をひっくり返すんだ!」
「なおさら断る。前にも言ったろうがやっとここまで来たんだ」
シロウはロックスの隣で話を聞きながらも、ハラルドを観察していた。
(…単純に勧誘を嫌っているわけではない?何かに迷ってる?)
ハラルドの眼には、明確な警戒があるのと同時にどこか覚悟を決めた人間の眼をしていた。
「ハラルド王」
シロウが一歩前へ出る。
「一つだけ、お尋ねしても?」
「なんだ?シロウ?お前の頼みでも無理だぞ?」
「あなたは……本当に、我々を拒絶したいだけなのでしょうか?」
ハラルドの表情が僅かに変わった。
「…今日は帰れ」
「承知しました」
シロウはそれ以上踏み込まなかった。
数週間後。
またロックスたちはエルバフへ来ていた。
「ハラルド!」
「帰れ、ロックス!」
「仲間になれ!」
「断る!」
「即答すんな!」
「何度来ても答えは同じだ!」
ロックスとハラルドの怒鳴り合いの最中、その後ろでシロウはため息をついていた。
「…本当に懲りませんね」
「お前も来てんだろ!」
「私はロックスの護衛兼ストッパー役ですので」
「いらねぇよそんなもん!!手伝う気無いんだったら黙って見てろ!」
「はい」
シロウは本当に黙ったと同時にロックスが振り返る。
「…お前、ほんっとそういうところだぞ?」
「???」
そしてまた数日後の三度目。
またエルバフ。
また勧誘。
また拒絶。
だが、今回は違った。
エルバフの下層域の冥界にてハラルドは上陸した2人を見据える。
「…ロックス」
「あ?」
「そして、シロウ」
「はい、なんでしょう?」
ハラルドは二人を見据えた。
「お前たちには……悪いが」
巨大な剣を握り締め2人へ向ける。
「ここで死んでもらう!」
ロックスの口元から笑みが消えた。
「…あ?俺の聞き間違いか?シロウ?」
シロウも目を細める。
「どうやら違うようですよ?私たちを?」
「そうだ」
ハラルドが剣を構える。
「決してお前たちが悪いわけではない」
「なら何故だ!どういう思考回路してんだテメェは!?」
ロックスが叫ぶ。
ハラルドは答えない代わりに、剣振り上げ地面へと叩きつける。
ドォンッ!!
冥界そのものが震えた。
「ロックス…これは勧誘どころではないようです」
シロウが静かに言う。
「みてぇだな!」
ロックスも剣を構える。
ハラルドが踏み込む。巨体から放たれた剣が、一直線にシロウとロックスへ迫る。
シロウとロックスは剣を抜き、腰を落とし同時に踏み込みハラルドの攻撃を受け止める。
ドォン!!
剣と剣が激突する。
「…クソがッ!」
「…2人かがりなんですがね!重いッ!!」
「グォオオオ!!!」
ハラルドの剣が振り抜かれた際にロックスは踏みとどまれたが、シロウの身体は耐えられず、後方へ滑った。
その隙を見逃さないハラルドはシロウへと追撃する。
「シロウッ!!」
ハラルドの巨大な腕が振り下ろされる中、シロウは身体を捻って回避と同時に踏み出した地面が砕ける。
素早く、シロウはハラルドの懐へ潜り込んだ。
「八極衝拳 無拍子」
「んぐっ!?ガハ!!」
ハラルドの腹部へ掌底を当て、武装色の内部破壊と八衝拳の衝撃を同時に叩き込んで内臓に直接ダメージを与える技だ。
「……!」
シロウの顔から笑みが消えた。内臓を直接殴られているような攻撃のはずだが、ハラルドは倒れない。
「なるほど…やはりサイズに影響しますね。この技は」
ハラルドがシロウを見る。
「やってくれたなシロウ!」
「ありがとうございます」
「誉めとらんわ!!私は王だ簡単に倒れるわけにはいかんのだ!!!」
シロウは再び迫ってきた拳を武装色で固めた両腕で受けガードするが
ズガァン!!
吹き飛ばされ、巨木へと叩きつけられる。
「シロウ!」
ロックスが叫ぶ。
「大丈夫です!」
シロウは瓦礫から立ち上がる。
「少々……痛いですが動けます」
交戦中のハラルドの脳裏に、数日前の光景が蘇った。
城内部にはハラルドしかいなかったが、側には遠隔でも繋がるでんでん虫が置かれており、ハラルドは誰かと会話していた。
『加盟国として認めてもらいたい』
ハラルドの言葉に、電話先の相手…五老星の一人が静かに答える。
『エルバフを世界政府の加盟国とすることは可能だ…ただし条件がある。お前達エルバフの戦士がこの条件を満たせば加盟を認めよう』
ハラルドの眼がわずかに動く。
『条件?』
老人は淡々と言った。
『二人だ』
『…?』
『お前の前に現れる、二人の海賊を殺せ』
ハラルドの顔が強張る。
『それだけで…?』
『そうだ…世界政府に加盟するということは、我々の秩序に従うということだ』
『誰を殺せばいいんだ?』
別の老人が続ける。
『その二人は危険人物だ…対象はロックス』
『そして――』
老人が名前を告げる。
『アマクサ・シロウ』
ハラルドの瞳が揺れた。
『…ロックスとシロウだと!?何の冗談だ!!!』
(あいつらは俺のッ友達だぞ!!?)
『ロックスは言わずもながら、アマクサ・シロウ…奴は思想的に危険だ。世界政府の均衡を揺るがしかねない』
『人々を救うなどと語り、世界政府の在り方そのものを疑っている。それは我々世界政府の思想とはかけ離れている』
『左様…事実忌々しい事に奴に同調し奴のシンパまで現れる始末だ』
『お陰で後始末の為に人員を多数出さねばならなかった』
『まったく…余計なことしてくれたものだ』
ハラルドは拳を握り葛藤しながらも話しだす。
『…二人を殺せば』
『そう…エルバフは加盟国となる』
『世界政府からの保護も得られる』
『これは貴様にしかできない仕事だ』
時は戻り、現在に至る。
ハラルドは拳を握り締める。
「…散々迷ったさ。だが私は…この国を守らねばならない」
ロックスが叫ぶ。
「だったら俺たちを殺す理由を言え!」
「…それは言えん!言えんのだ!」
「ふざけんな!」
ロックスが突っ込み、ハラルドも迎え撃つ。
剣と剣が衝突し衝撃波が冥界を駆け抜ける。
その隙にシロウが再びハラルドの懐へ入る。
「八極衝拳 電光火鉢」
武装硬化した両腕をすり合わせ、自身の手に火花を起こし着火。
火がついた手で放つ炎の抜き手をハラルドの腹部に目掛けて放つが、ハラルドがギリギリで腕で防ぐ。
「ゼェ…ゼェ…これは!?」
シロウの攻撃を防いだ腕は貫通し、そのまま皮膚を焼いていく。
さらにシロウは八衝拳の応用で微振動させた腕をさらに奥へと突き進もうとしていた。
ハラルドの表情が僅かに歪み、それ以上進ませないと腕を払いシロウを振り落とす。
振り落とされたシロウはバランスを崩さず着地し構えを解かない。
その様子を見たロックスが再び叫ぶ。
「理由を言え!ハラルド!!何で俺らを殺す必要があんだよ!!」
「それは言えんと言っているだろうが!!」
「この…分からず屋が!!」
シロウの瞳がハラルドを射抜く。
「貴方は何度も来た私達と会話をしましたが、何故かここに来て急に殺しにかかって来ましたよね。差金は世界政府、ですか?」
ハラルドの目が大きく見開かれた。
「なぜ…それを」
シロウは微笑む。
「あなたの攻撃からは殺意もありはしましたが、それよりも迷いを感じました」
ロックスが拳を鳴らす。
「政府に唆されたかハラルド!」
「……」
ハラルドはしばらく黙り、やがて低い声で答えた。
「……そうだ」
その言葉が、広い冥界に響いた。
そしてロックスは怒り狂った。
「結局は従うんじゃねぇか!!!お前は利用されてんだよ!バカ野郎が!!!」
再びロックスはハラルドへと攻撃を仕掛け始める。
「これが豚どもの答えじゃねぇか!!お前達を軍事力としか見てねぇ!このままじゃお前らはマリージョアにいる奴隷みてぇなへいたいにされるんだぞ!?」
ガギンッ!!!
「グォオオオ!!!」
「戦士としての誇りは…お前の意思はどこへ行ったんだよ!!ハラルド!!?」
「この…わかった様な口を聞くなロックス!!」
鍔迫り合いをしていたハラルドはそのまま弾き、ロックスを岩肌へ吹き飛ばす。
ドッゴォン!!!
「ッチ!!」
「かつて我々は…戦士と名乗った暴力としての歴史がある!!!今平和を目指すエルバフにはそれが足枷になっている!!」
「…」
「なぁ…ロックス!シロウ!たとえ天竜人がどんなに愚かな人間でも、彼らはエルバフを世界の輪へと入れてくれる権力を持ってる!」
「…めろ」
「ロックス!シロウ!やっとここまで来たんだ!掴みかけてきたんだよ!!」
「やめろ…!!この腑抜けやろうガァ!!!!」
ドォン!!!
「ガァ!!」
ロックスが放った打撃の様な衝撃はハラルドを後退させ確実にダメージを与えている。
「交渉決裂だ!!お前は二度と誘わねぇ!帰るぞシロウ!!」
「待てッロックス!」
「ハラルド」
「ッシロウ!?」
「忠告をしておきますが…世界政府は貴方が思っている程、煌びやかなものではありませんよ?その言われた提案とやらも間に受けないほうがいい」
「どういう事だ?」
「私達は天竜人がどういう奴らかをよく知っています。貴方の今後の選択次第では…最悪貴方自身の手でエルバフが滅びますよ」
そう言い残したシロウは剣をしまいロックスの後に続き、その場を去る。
自分が初めて対等だと思えた、去り行く友の背中をハラルドは黙って見ていた。
シロウから言われた忠告が頭の中をぐるぐると巡っていたが、暫くして立ち上がり城へと戻って行った。
ロックスの死についてですが、どちらかお選びください。それによって書き方を変えようと思います。
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助ける
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助けない