ONE PIECE 救済を求める神父   作:ヴァンプッシュ

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第三話 「怪物達が集う船」

マリージョアから脱出後、ロックスと天草は加盟国から徴収したと思われる税金という名の「天上金」を乗せた政府輸送船を襲撃し、道中にあった正義の門を破壊して海軍の追跡を振り切りながら進んでいく。

 

「ヴォハハハ!運が良かったな、こんだけあれば計画が進められそうだ」

 

「…正義の門って破壊できるものだったんですね。今回奪ったお金は天竜人に運ばれるお金ですからね…奪っても心は痛みませんね。この後はどうしますか?」

 

「…そうだな。船も金も手に入ったからな。ようやく計画が進んできたがまずは噂を流す」

 

「噂ですか?どんな?」

 

儲け話(・・・)があるってな。今の海賊達は金銀財宝しか興味ないからな。噂を流しゃあ食いついてくるだろうよ。仲間がいないからな。有用なやつだけ目をつけて引き抜くのよ」

 

「…ん?そうすると仲間を引き抜く際には敵方の海賊ともめますよね?戦闘は避けられ無いのでは?」

 

ロックスは何を言ってるんだと言わんばかりな顔をしつつも天草へ説明する。

 

「…お前は、そうだよな。一人旅ばっかだって言ってたし海賊のことはあんまりだったよな」

 

いいかよく聞けと天草へ向き直り話し始めた。

 

「昔からの海賊の伝統でな。海賊同士は戦いが全てじゃねぇ。揉め事を回避するのに分かりやすいゲームがあるんだよ?」

 

「海賊の…ゲーム?」

 

「一回くらいは聞いたことあんだろ?仲間や金銭、はたまた海賊旗まで何でもかけて勝負する古くから伝わる海賊の伝統」

 

デービーバックファイトだ

 

ロックスはこのゲームをうまく利用し世界をめぐり仲間をかき集めた。

まずは悪党の溜まり場として扱われていた海賊島を占拠して戦力を統一した。

 

その後は海賊島のハチノスを拠点として船を出し世界各地を回った。

 

目星をつけた海賊船に乗り込みデービーバックファイトを仕掛け仲間を引き抜き集めて行った。

 

ロックス自身が直接戦う場面もあれば、天草だけに任せることもあった。

天草自身はまだまだ自身に力が足りないと感じていたため、修行がてら承諾し勝負に明け暮れる日々を過ごしていく。

 

時折り、ロックスとも手合わせしながら自身の力を高めて行った。

 

仲間をかき集めていくなかで、海賊機などの旗は掲げ無かったがロックスや天草の強さに惚れた者、力にひれ伏した者など思惑は別れど悪党の寄り合いとして機能していた。

 

エドワード・ニューゲート。

 

極道のシキ。

 

海賊教祖 王直。

 

科学強盗 バッキンガム・ステューシー

 

西の海のマフィア 首領・マーロン

 

密輸海賊 ガンズイ

 

そんな勝負で引き抜かれて行った彼らではあるが、数多の怪物が集う中でも異彩を放つものが1人いることを知っていた。

 

ロックスの隣には常にもう一人男。ロックスの右腕、作戦参謀、金銀財宝分配の交渉役、荒唐無稽な思想家。

 

そして、ロックスを唯一制御できる男。

 

副船長:天草四郎。

 

ニューゲートは言う。

 

「気味の悪い小僧だ。ロックスを嗜められんのはアイツだけだろうな。たまに姑みたいにやりすぎたロックスに対して注意してる時があるのは笑いそうになるが」

 

シキは言う。

 

「ジハハ。ロックス以上に危険だな。あんな思想、今の時代にはなかなかいないと思うぜ。気に入らないが、ロックス船長の次に強いからな。逆らわんよ」

 

天草は見た目が若い分舐められることは多いが、逆らう船員は一部を除きいなかった。

 

何故ならロックスが力で全てを捩じ伏せ壊そうとするなら、天草は自身が掲げる思想で世界を壊そうとしていたからだ。

 

ロックス以上にヤバい男だと認識されている。

 

ふとした時にニューゲートが天草に対して聞いた事があった。

 

「聖地の天竜人を倒した後はどうするんだ?」

 

ニューゲートが海図を見て進路を決めていた天草に声をかけ、天草は答える。

 

「誰も飢えない世界を…誰も奴隷にならない世界を…種族の差別がない世界を…全ての人類が平等になれる世界を作りたい」

 

ニューゲートは所詮絵空ごと…不可能な夢だと笑った。

 

「グララララ…そいつぁ無理だな」

 

「ええ…そうですね。無理かもしれません」

 

何かしら反論があるものだと思っていたのにあっけらかんと認めたから即答する天草にニューゲートは少し戸惑ってしまった。

 

天草はその顔を見て笑いながら話す。

 

「だからこそ…やる価値は十分にある」

 

それにと続け。

 

「そんな世界にできれば、ニューゲート…あなたの家族を持ちたいという夢も敵がいなくて守りやすくなる」

 

「て、テメェ!それをどこで聞いた?ロックスにだって話した事ないんだぞ?」

 

「ここのところでニューゲートは1人で飲んで寝る事が多かったですよね?寝言で家族を持ちたいとか言ってましたよ?良かったですね。聞いたのが私で。安心して下さい。他の人に話しませんから」

 

「だからこそ、その家族が奴隷にされない世界を作りましょう」

 

ニューゲートの目がわずかに見開かれた。

 

「その家族が種族で差別されない世界を」

 

さらに続ける。

 

「誰にも奪われない世界を」

 

白ひげは持っていた酒を飲み干し少し笑った。

 

「ふん…大した口の上手さだな。」

ボソッ。ロックスもこれにやられたのか?

 

冷静に諭すように話す天草に、ニューゲートも小っ恥ずかしかったのか顔を赤くしながらもそれ以上は何も言わなかった。

 

そんな話をしているとロックスから号令がかかる。

 

「すげェ奴がいるんだ!お前らもビビるだろうよ!シロウ!進路変更だ。あそこに行くぞ!」

 

「勧誘ですか?あの人頷きますかね?」

 

「説得できんだろ!話せばアイツもわかるはずだ。政府についても得なんかないってな」

 

ロックスにより急遽進路を変更することになった。

広げていた海図をしまい裏棚から新しい海図を取り出した。

 

行き先は戦士の国であり何もかもが大きい巨大な島。

 

エルバフだ。

 

 

 

 

 

 

 

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