エンドフィールドの日常   作:緋鳥

1 / 1
うちの妄想管理人は身長が高いです。
ペリカのこと撫でる時、見下ろしてる感じになるのが癖。

最後というか内容がどこか雑です。

うちの管理人について、あとがきに軽く情報載せてるのでぜひ。


戻ってきたら一番にすること

カツン、カツン、と靴が廊下を叩く音が響く。

 

早朝の帝江号はまだ活動している職員も少ない。

だが、彼女の姿を見つければ立ち止まって笑顔で話しかける。

 

「お久しぶりです、M3さん」

「うん。最近調子はどう?」

「ぼちぼちです。そういえばオルガの奴、またサボったんですよ」

「そっかそっか、相変わらずで安心したよ」

 

手を振って、その職員と別れる。

 

そのままM3は廊下を進んで、目的地に向かった。

 

「M3、帰ってきていたの?」

 

M3は後ろからした声に振り返った。

そこには、エンドフィールド工業の監察官、ペリカがいた。

 

「あぁ。まぁ明日にはまた出て行くけどね」

「分かったわ。では、少しーーー」

「いや、先に用事があるんだ。すぐ終わるから待っていてほしいんだ」

「じゃあ指揮中枢で待っているわね、また後で」

 

ペリカは軽く手を振り、心なしか軽い足取りで指揮中枢へと向かった。

M3はそこに、かつてのペリカの面影を感じて軽く微笑む。

 

そして、今度こそ目的地に向かって歩き始めた。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

「待たせたね、管理人」

 

M3は管理人の私室に入った。

 

「M3。大丈夫、全然待ってないよ」

 

中には、椅子に座った管理人がいた。

 

彼女には、記憶がない。

 

元々彼女はエンドフィールド工業の最高指導者であり、タロIIでも重要な人物の1人だった。

しかし、今から10年前、彼女は眠りについた。

そして、そこで限界を迎えてしまった。

 

それらの記憶は今では存在しない。

しかし、皆の目から見れば管理人は今でも最高指導者だった。

 

ーーー皆から見れば。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 

「最近の調子はどうだい?」

「良い感じかな。今の所順調にいろいろ進んでいるし」

「そっか、それは何よりだよ」

 

その内容に、違和感はない。

ただの日常会話だ。

 

「そういえば最近、不思議な体験をしたんだ」

「不思議な体験、か。どんな体験だった?」

 

M3は聞き返す。

 

「老駄獣に会ったんだ。少し変で、写真に映らなかったり、気づいたら消えたりしていたんだ」

「本当に不思議な話だね、幽霊ってやつみたいだ」

「そうかもしれない。直近で老天師が亡くなったってニュースを聞いたんだけど、その老駄獣と特徴が似ていたんだ」

「………まさか本物だったりして」

「そうかもしれない」

 

2人で軽く笑い合う。

管理人は、リミッターを外している。

だから、いつも以上に表情が豊かに見える。

声を出して笑って、目は楽しそうに細まる。

 

けれど。

 

その顔は少し、違和感があった。

 

普段なら、リミッターで見えない目元。

 

そこに、黄色いヒビが薄く輝いている。

 

「……前よりも、大きくなった?」

 

M3はその傷を優しく撫でた。

 

「たぶん。でも、大丈夫かな。あるだけで痛みは無いし」

「なら、安心かな」

 

M3は少し息をつき、その顔を見つめた。

 

明らかに疲労が蓄積している。

 

目元にはヒビの下に隠れて隈が見える。

目の焦点は微かにブレて、私に焦点を合わせようとフラフラしていて。

酷使の影響か、瞼や指が微かに痙攣しているのも確認できる。

 

そして、M3としばらく会話してから、ぼろぼろと溢れ続ける涙。

 

前よりも少し酷くなっていると、M3は直感的に気づく。

 

「そうだ、最近ねーーー」

 

M3は立ち上がり、管理人に近づいて。

会話を続けようとした管理人を真正面から、優しく抱きしめた。

 

「え、M3!?」

 

あわあわと両手を留守にして、慌てる管理人。

その頭を、M3は優しく撫でる。

 

「大丈夫。大丈夫だ、取り繕う必要なんて、ないよ」

 

その言葉が優しく、管理人に溶けて広がる。

やがて、管理人の手がM3の背中を強く抱きしめた。

 

さっきまで柔らかく笑っていた顔は、すでにボロボロだった。

 

「あぁ………あぅ、うぁっ……」

 

壊れたように溢れる涙。

本人は何か言葉を発しようとしているが、感情の濁流が言の形を結ばせない。

 

「ゆっくりでいいよ。落ち着いて、深呼吸……そう、その調子だ」

 

荒いながらも、呼吸が少し整っていく。

やがて、管理人がゆっくりと語り始めた。

 

「怖いんだ……今の私、は、そんなすごい存在じゃない、から」

 

「みんなが求めてた、待ってたの、は私じゃなくて、昔の私で」

 

「ほんとうは、私に失望してるんじゃないかって、そうじゃないって、思っても、ずっとそれが頭に浮かんで、」

 

「目を閉じたら、ずっと誰かが私のこと、罵ってるところが浮かんで、気づいたら目が覚めて」

 

「でもっ、確認するのが怖くて、ぜんぶほんとだったら、って思うと、誰にも聞けなくて」

 

「私なんて、帰ってこなきゃーーーづっ、あ"ぁ"っ」

 

管理人は突如、左顔に激痛を感じる。

 

M3が確認すると、そこには紫色のヒビが走っていた。

 

「よしよし…大丈夫、大丈夫だ……」

 

管理人を再度、上から優しく抱きしめる。

 

その背中と頭を、輪郭を捉えてこの世界に留めるように、優しく撫でる。

 

やがて管理人は静かになった。

 

M3が確認すると、どうやら疲労と安心感から寝てしまったようだった。

 

「………君は充分、頑張ってるよ。だから、これ以上気負う必要はないんだ」

 

管理人の頭を自身の足に乗せて、あらかじめ持ってきていた毛布をかけてやる。

その頭に手を置いて、優しく撫でる。

私がここからいなくなれば、また同じような日常が続くだろう。

 

だから、せめて私がいるこの時間だけは。

 

安心して眠れるといいなと思う。




管理人情報

【コードネーム】管理人

【本名】⬛︎⬛︎

【性別】女性

【年齢】⬛︎⬛︎

【身長】175cm

【体重】57kg

【身分証明】⬛︎⬛︎

【誕生日】⬛︎⬛︎

【種族】⬛︎⬛︎
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。