ペリカのこと撫でる時、見下ろしてる感じになるのが癖。
最後というか内容がどこか雑です。
うちの管理人について、あとがきに軽く情報載せてるのでぜひ。
カツン、カツン、と靴が廊下を叩く音が響く。
早朝の帝江号はまだ活動している職員も少ない。
だが、彼女の姿を見つければ立ち止まって笑顔で話しかける。
「お久しぶりです、M3さん」
「うん。最近調子はどう?」
「ぼちぼちです。そういえばオルガの奴、またサボったんですよ」
「そっかそっか、相変わらずで安心したよ」
手を振って、その職員と別れる。
そのままM3は廊下を進んで、目的地に向かった。
「M3、帰ってきていたの?」
M3は後ろからした声に振り返った。
そこには、エンドフィールド工業の監察官、ペリカがいた。
「あぁ。まぁ明日にはまた出て行くけどね」
「分かったわ。では、少しーーー」
「いや、先に用事があるんだ。すぐ終わるから待っていてほしいんだ」
「じゃあ指揮中枢で待っているわね、また後で」
ペリカは軽く手を振り、心なしか軽い足取りで指揮中枢へと向かった。
M3はそこに、かつてのペリカの面影を感じて軽く微笑む。
そして、今度こそ目的地に向かって歩き始めた。
◇ ◇ ◇ ◇
「待たせたね、管理人」
M3は管理人の私室に入った。
「M3。大丈夫、全然待ってないよ」
中には、椅子に座った管理人がいた。
彼女には、記憶がない。
元々彼女はエンドフィールド工業の最高指導者であり、タロIIでも重要な人物の1人だった。
しかし、今から10年前、彼女は眠りについた。
そして、そこで限界を迎えてしまった。
それらの記憶は今では存在しない。
しかし、皆の目から見れば管理人は今でも最高指導者だった。
ーーー皆から見れば。
◇ ◇ ◇ ◇
「最近の調子はどうだい?」
「良い感じかな。今の所順調にいろいろ進んでいるし」
「そっか、それは何よりだよ」
その内容に、違和感はない。
ただの日常会話だ。
「そういえば最近、不思議な体験をしたんだ」
「不思議な体験、か。どんな体験だった?」
M3は聞き返す。
「老駄獣に会ったんだ。少し変で、写真に映らなかったり、気づいたら消えたりしていたんだ」
「本当に不思議な話だね、幽霊ってやつみたいだ」
「そうかもしれない。直近で老天師が亡くなったってニュースを聞いたんだけど、その老駄獣と特徴が似ていたんだ」
「………まさか本物だったりして」
「そうかもしれない」
2人で軽く笑い合う。
管理人は、リミッターを外している。
だから、いつも以上に表情が豊かに見える。
声を出して笑って、目は楽しそうに細まる。
けれど。
その顔は少し、違和感があった。
普段なら、リミッターで見えない目元。
そこに、黄色いヒビが薄く輝いている。
「……前よりも、大きくなった?」
M3はその傷を優しく撫でた。
「たぶん。でも、大丈夫かな。あるだけで痛みは無いし」
「なら、安心かな」
M3は少し息をつき、その顔を見つめた。
明らかに疲労が蓄積している。
目元にはヒビの下に隠れて隈が見える。
目の焦点は微かにブレて、私に焦点を合わせようとフラフラしていて。
酷使の影響か、瞼や指が微かに痙攣しているのも確認できる。
そして、M3としばらく会話してから、ぼろぼろと溢れ続ける涙。
前よりも少し酷くなっていると、M3は直感的に気づく。
「そうだ、最近ねーーー」
M3は立ち上がり、管理人に近づいて。
会話を続けようとした管理人を真正面から、優しく抱きしめた。
「え、M3!?」
あわあわと両手を留守にして、慌てる管理人。
その頭を、M3は優しく撫でる。
「大丈夫。大丈夫だ、取り繕う必要なんて、ないよ」
その言葉が優しく、管理人に溶けて広がる。
やがて、管理人の手がM3の背中を強く抱きしめた。
さっきまで柔らかく笑っていた顔は、すでにボロボロだった。
「あぁ………あぅ、うぁっ……」
壊れたように溢れる涙。
本人は何か言葉を発しようとしているが、感情の濁流が言の形を結ばせない。
「ゆっくりでいいよ。落ち着いて、深呼吸……そう、その調子だ」
荒いながらも、呼吸が少し整っていく。
やがて、管理人がゆっくりと語り始めた。
「怖いんだ……今の私、は、そんなすごい存在じゃない、から」
「みんなが求めてた、待ってたの、は私じゃなくて、昔の私で」
「ほんとうは、私に失望してるんじゃないかって、そうじゃないって、思っても、ずっとそれが頭に浮かんで、」
「目を閉じたら、ずっと誰かが私のこと、罵ってるところが浮かんで、気づいたら目が覚めて」
「でもっ、確認するのが怖くて、ぜんぶほんとだったら、って思うと、誰にも聞けなくて」
「私なんて、帰ってこなきゃーーーづっ、あ"ぁ"っ」
管理人は突如、左顔に激痛を感じる。
M3が確認すると、そこには紫色のヒビが走っていた。
「よしよし…大丈夫、大丈夫だ……」
管理人を再度、上から優しく抱きしめる。
その背中と頭を、輪郭を捉えてこの世界に留めるように、優しく撫でる。
やがて管理人は静かになった。
M3が確認すると、どうやら疲労と安心感から寝てしまったようだった。
「………君は充分、頑張ってるよ。だから、これ以上気負う必要はないんだ」
管理人の頭を自身の足に乗せて、あらかじめ持ってきていた毛布をかけてやる。
その頭に手を置いて、優しく撫でる。
私がここからいなくなれば、また同じような日常が続くだろう。
だから、せめて私がいるこの時間だけは。
安心して眠れるといいなと思う。
管理人情報
【コードネーム】管理人
【本名】⬛︎⬛︎
【性別】女性
【年齢】⬛︎⬛︎
【身長】175cm
【体重】57kg
【身分証明】⬛︎⬛︎
【誕生日】⬛︎⬛︎
【種族】⬛︎⬛︎