僕の名は亜風炉照美、チームメイトからはアフロディと呼ばれているよ
突然だが僕の幼馴染の話を少しだけ聞いてほしい
時間はそうは取らせないさ
小学生の頃からの付き合いである彼の名前は火王焔主かおうえんす
通称カオスと呼ばれている、本人は恥ずかしいからやめて欲しいと言っているけどね
僕とカオスは地元のサッカークラブで知り合ってね、昔から僕が攻め込み彼が僕の背後を守ってくれた名コンビだったと自分でも自負しているよ
カオスはクラスでも人気者での勉強も出来て運動も出来る、友情に厚い完璧な少年だった
ある日彼は狂ってしまった
引き金はクラブチームでの試合の差し入れだったんだ
その日は敵チームも強くてね、流石の僕らでも大苦戦、点も3点負けていた
事件は前半終了後のハーフタイムに起こった、差し入れの中にあったジュースの缶
カオスは一本だけあった黒に緑の爪のデザインの缶に手を伸ばしそれを飲んだ
カオスは飲みながら、「不思議な味だな、割と美味いか?」と首を傾げながら感想を話していて飲み干したと同時に、丁度後半が始まった
僕とカオスも配置についてプレイを再開した、だけどカオスの様子がおかしい事に気づいたんだ
その隙を突かれて敵チームにボールを奪われてしまい、しまったと思った瞬間僕の頬を烈風が吹き抜けた
風の正体はカオスだった、彼は即座にボールを奪い返してそのまま敵のDFを抜き去りシュートを決めて1点を返してしまったんだ
僕は驚きながらも後ろからカオスにナイスだよと声を掛けた、振り返ったカオスの顔は
笑顔だった、目も虹色に光輝いていてケミカルな感じで狂気的な笑顔を浮かべていたんだ
思わず僕は言葉を失ってしまった、その後はカオスが奇声を上げながら一方的に敵チームからボールを奪い一人で点を入れ続けて試合は終わった10-4でね、ハットトリックどころじゃなかったよ
試合が終わった後も暫くはカオスの変化は続いて突然元のカオスに戻った
チームメイト達も勝利の喜びよりもカオスに戸惑ってしまっていた
僕は帰り道二人になった時に、彼に試合中の変貌を聞いてみた、まるで何かに取り憑かれた様なあの姿の事を
カオスはゆっくりと語り始める
「照美、俺は生まれ変わったんだよ」
「フククッ、あの時の俺は何でも出来たんだよ、今まで俺は自分の思い通りにプレイ出来ない事を受け入れてたんだ」
「俺はさあ、オフェンスが下手だろ照美ぃ」
「思う通りにボールはゴールに飛ばねえ、ボールは奪えねえずっと悔しかったね」
僕も知っている、カオスはオフェンスが苦手だった、だからこそ彼が敵からボールを奪った事にまず驚いていた
僕とコンビを組んでからは僕がオフェンスを担当する事で弱点を補っていたんだからね
「お前が居るからいいやって、思ってた」
「満足したふりをして妥協してた、けどさあれ飲んだら俺の世界が変わったんだ」
「全身に力が漲ってきてさ、視界もフィールド全部見えてきてさいつもより調子良くって」
「直前まで俺ディフェンスで走り回ってたんだぜ、まるで今から試合開始みたいに元気で」
「お前がボール取られた時、あっ取れるなって確信してやってみたら取れてゴールも決められるなって思ってシュートしたらさ決まってさ」
「なんていうのかな、頭からなんか出ちゃいけない汁がドバドバ出てる感覚かなぁ」
「そこからはまた決めるとまたドバドバしてさ、楽しくてやり続けてたらいつの間にか試合終わってた」
そこまで聞いて僕は恐ろしくなった、カオスが病気にでもなったんじゃないかってだから一緒に病院に行こうと言ったけど
「自分で分かるんだ病気とかじゃあねえよ、頭冴えてきたからな」
「じゃ、また明日なー照美」
そう言ってカオスは帰っていった
その後カオスは試合をする度に例のジュースを飲むと驚異的なテンションと強さを発揮し続けた
その姿にチームメイトはカオスを怖がり彼は孤立したが全く気にしていないようだった
僕はカオスから離れなかった、友達だからね
僕は何度も変貌を近くで観察しながら分かった、カオスはカフェインで興奮しているだけなのだ
安心した、変な薬でもキメてしまっていたのではないのだと
カフェインで興奮して本当に調子が良くなっているだけで、それにしてはカフェイン効きすぎてはいないかい?
それからもカオスの研究をした、結果カオスはカフェインを摂取すると本能が強く表れる事が分かった、つまりは変貌したカオスも僕の知るカオスなのだと
あと不思議だったのはカフェインそんなに効いてるのに後遺症も、身体に影響も全くない事
健康診断の結果を見せて貰ったけど健康優良児だったんだよね、不思議だね
これが僕の親友の話さ、今でもコンビを組んでいる大切な親友のね
現在、世宇子中サッカー部の練習中最近新たに監督に就任した元帝国中の監督影山零治の指示でボクら世宇子サッカー部のメンバーの前に並べられた水、神のアクアを飲めと言われている
飲めば強くなると説明されたはいいが、そんな胡散臭い水を誰も飲もうとしない
影山総帥は飲めと急かすが誰も飲まない、理由は一つしかない
皆彼と同じにだけはなりたくはないからだ、世宇子中の副キャプテンで僕と並ぶエース
火王焔主と同じには
テーブルを蹴り飛ばし上に置かれた神のアクアを床にぶちまけながら彼は言う
「神のアクア?、そんなもんより魔剤のが効くぜ」
「こんな違法薬物よりこっち飲もうぜ、合法だぜ」
チーム全員の声が揃う
「どっちも嫌だわ!!」
えーと残念そうにカオスは手に持った缶を開け飲む
「ふぅー、キマるぜ」
やれやれと僕は目をケミカルカラーに変えたカオスの肩に手を置きながら言う
「僕たちには君という良い反面教師がいるからね、ドリンクを飲んで強くなれると言っても流石に君みたいにはなりたくないのさ」
僕は彼の親友ではあり彼の事はなるべく肯定してあげたいが、彼のイカレたカフェイン中毒っぷりだけは直して欲しい所だ
一発ネタ、ふと神のアクア飲まない話を思いついたら出来てました
作者が一番好きなイナイレキャラはアフロディです、後ヒロト(グラン)
多分続かないかも