3-0、世宇子対雷門の試合は前半の時点で3点の差が付いていた
それだけではなく、雷門は既に交代枠を負傷退場で使い切りメンバーが足らず10人で戦う事になってしまっていたのだ
弁明をさせてもらうが、俺達世宇子は狙って負傷させたつもりはない
俺は最初の負傷者が出た後デメテルだけじゃなく全員に同じ事を言った
照美の得点後、雷門は諦めずに試合を続けた
照美のヘブンズタイムで松野と栗松という奴が宙に巻き上げられ落下し負傷、代わりに宍戸と影野という奴らが入った
攻めようと上がった染岡が、DFのディオ(手魚激)のブロック技のメガクェイクにより負傷し代わりに目金という選手が入ったが、ケミカルアイで見るまでも無いFWとしては染岡の代わりにもなりやしない
事前に頭に入れてある雷門のデータにも公式戦1回くらいしか出ていないから、碌にデータも無い
がそもそも本当に選手何だろうか?
俺の評価も散々だった目金だが奴は、意地を見せた
「僕だって、雷門の一員なんです!!」
足を震えさせながらもピッチに立った、自分では敵わないと分かっていて、他の仲間達と同じように怪我をさせられるかもしれない
でも、自分しか出られるメンバーはいない怖くても戦う事を選んだ
いいねぇ、俺は嫌いじゃないが
「メ・ガ・ク・ェ・イ・ク」
ボールを持った目金は背後に回っていたディオのメガクェイクによって散り、目金も負傷退場した
「人数減っても、よくやるわなぁ」
雷門は10人になり、試合に出ているメンバーも皆ダメージを負っている
しかもまだ前半、途中棄権を選ばないのは他のチームよりはマシか
照美もこれ以上は続けても無駄だと雷門のキャプテンの円堂に棄権を進めたが、円堂は戦い続ける事を選んだし仲間達も同じ気持ちみたいで
ちょっとだけ羨ましく思う、このチームに同じ状況で俺と共に最後まで勝ち目の無い戦いに付き合ってくれる奴はいるのかねぇ?
照美は付き合ってくれるだろうけど、他はちょい怪しいよなぁ
嫌われてはいないだろうけど、好かれてもいない、俺の言う事聞くのも実績と実力と副キャプテンという肩書が大きいだろうし?
たかが部活、怪我してまでやり続ける必要は無いと俺も思う
だから、雷門みたいなチームを羨ましく感じるな。
結局このチームで俺の横に並んでくれるのは照美だけだしな、この目で見て俺は知っている
俺や照美がチームの強さの天井になっている、ある程度実力が天井近くまで伸びると皆停滞する
俺達を超えようとする奴が世宇子にはいない、ある意味俺達に従ってれば勝てると思っている
別に意識改革をする気は無い、面倒だし今のままでも回っているから
俺がチームの平均レベルを上げて、照美がトップとして纏め上げる
今の世宇子はこれでいい、だけどそれだけでは駄目だと思っているから俺は次世代を育成したのだから
ペルセウスとハデスは俺が面倒を見た1年達で、二人共ケミカルアイで見た感じベンチメンバーでも無かったがちゃんと育てれば即スタメン行けると思ったから、決勝前の短い間だったが俺が付き切りで詰め込ませてしっかり成長し、グラサンの合格ラインも突破した
今もペルセウスがボールを手に入れて雷門のゴールに向かっている
ペルセウスの進撃を止めようと、雷門の影野と土門が立ちふさがり必殺技を使う
「コイルターン」
「キラースライド」
ペルセウスは片手を上げて指を鳴らす、時が止まる
「ヘブンズタイム」
時が動き出しペルセウスの背後で二人が吹き飛ばされる
ペルセウスは照美の技を習得出来た、世宇子でヘブンズタイムを習得している選手は照美を除けばペルセウスだけだ
俺もヘブンズタイムに関しては真似出来ない、才能が要る
ペルセウスは照美に近い才能を持っていて、他にも照美の技を習得している
俺が練習に付き合う事で照美の技を習得し、ペルセウス本人は憧れのキャプテンの技が使えるようになったと喜んでいたが、それじゃあ駄目だ
ペルセウスが雷門ゴールに向けて必殺シュートの構えを取る
「俺が雷門を倒す!」
宣言したペルセウスは両手を胸の前でクロスし、背中に天使の羽が生えペルセウスは飛び、空中でボールにオーバーヘッドキックを繰り出し、ボールは回転する風の刃となってゴールに飛んでいった
「天空の刃」
「ゴッドハンド」
円堂は両手でのゴッドハンドで対抗するが、神の手は切り裂かれボールは雷門ゴールを揺らした
これで4点目となる
ペルセウスの才能は、確かに照美に近いが正確には別モノだ
ペルセウスは照美以上に、空中での身体制御が上手い、照美の場合は空中でそのままシュートする、ペルセウスは空中で態勢を変えてシュートに入れる
だから、俺はゴッドノウズを習得したペルセウスにそれを改良して自分だけの技を身に着けろと課題を課した
既にグラサンの期待したラインは超えていたが、あいつは新世代の世宇子のストライカーなのだ、模倣で止まったまま満足されては困る
俺も目を使って修正を加えたがペルセウスはしっかりと完成させた
「やりましたよ、カオス先輩、俺がゴール決めました」
ペルセウスが褒めてくれという勢いで俺の所に来るから、悪くないシュートだ、今後も技を磨いて行けと、褒めてやった
試合が再開し雷門が攻め込む、鬼道と一之瀬の雷門の誇る天才MFコンビによってボールが運ばれていく、二人を前に行かせる為に半田と宍戸が代わりに世宇子のDFの前に立ちふさがり必殺技を受けた
ゴール前の壁の残りは後二人、片方はディオ、雷門のFWを退場させたメガクェイクの破壊力は言わずもがなだ、もう片方はペルセウスと共に俺が面倒を見たハデスだ
「ここは通さない」
鬼道と一之瀬はパスを回しながら、テクニックで翻弄してハデスを突破しようとするが、ハデスは必殺技を発動する
「さばきのてっつい」
空から巨大な足が降ってきて、鬼道が踏みつぶされるがボールは一之瀬が持っており抜き去ろうとするが、一之瀬の上からも足が降ってきて潰された
ボールはハデスが確保し、アポロン(阿保露光)にボールを渡す
ハデスはペルセウスの様に自分の技を生み出せる才能は無い、スタメンに上がる際に俺が覚えさせたのは既存の世宇子の技だけだ
俺が育成してでもスタメンに引き上げたのは、別の才能があったからだ
ハデスは必殺技を同時発動出来るからだ、元は必殺技を使った後のインターバルが短かっただけだったが、俺が面倒を見た事で本人も気づいていない、才能が開花した
DF技のさばきのてっついを二人に同時に放つ事が出来る様になった、今の所この技のみでしか同時発動は出来ず、同時に二つしか足は出せないが今回の様に二人で突破を狙う相手をDF一人で潰す事が出来る
種類は限られているとはいえ技の同時発動は強力な武器だ、将来的に他の技も同時に使える様になるかもしれない
ペルセウスと並び、ハデスも立派な世宇子の未来を担う選手だ
ペルセウスとハデスには勝利への強い想いがある、ペルセウスは他のメンバーのように俺と照美がいれば勝てると人任せでは無く、自分でゴールを決めて勝ちたいという強い拘りがある
ハデスも有利な状況だろうと警戒心を怠らず、確実に勝利を収めるまで手を緩めない、それにあいつの冷たく見える目には野心が見える
そういう奴は伸び続ける、二人共新世代の世宇子を引っ張れる人材だ
アポロンが更にボールを照美に回そうとするがそこで笛が鳴り、前半が終了した
アレスから出しました
アレスの世宇子って、空中戦が得意としか情報が無いので、強みを押し出してオリジナル要素を足そうとしたら、ハデスがさばきのてっつい二連打マンになってました