試合はハーフタイムに入り現在世宇子の4点リードだ
俺は黒い缶の3本爪の赤を飲みながらチームの様子を観察する、やっぱ浮かれてんなぁ
現状、前半だけでこの点差であり、雷門は世宇子を相手にまともに戦えていない
皆もう勝ったと思い込んでいる、中には優勝したら何食べようとか、その先の事を話している奴もいる
監督のグラサンとしても、良くない空気であるとは分かっているみたいだが勝っているという事と、監督としての信頼がまだ足りないと判断し静観している
監督就任が、全国大会からであり、神のアクアの件があっていまいち信頼が足らない
俺と照美が言う事を聞いているから監督として認めている状態なのだ
俺がヘイト買うかと、チームに声を掛けようとすると、照美がキャプテンとしてチームの引き締めの苦言を言う事で、浮かれたチームの雰囲気が少し落ち着く
それでいい、結局の所は最低限キャプテンの言う事を聞けないチームに未来は無いんだから
確かにここから負ける未来が見えないのは分かるが、気づいているのかねぇ
円堂の両手でのゴッドハンドでシュートを止められたという事実をよ、直後に別のシュートで得点したから印象に残らなかっただろうが
俺の目から見るに、リフレクトバスターもディバインアローも同ランクの火力だ
つまり今の円堂に確実に通じるのは俺と照美とペルセウスくらいで、他のメンバーは必殺シュートを重ねなければ、ゴールは揺らせない
雷門は予想以上に強いんだよ、特に円堂は試合中に両手でのゴッドハンドを完成させたように見える、最初から完成してたなら俺の最初のシュートから使っているからな
他の奴らも警戒しとくに越したことはない、復讐に燃えた鬼道が何の策も無いとは思えない
今までの試合を見た感じ、雷門は奇跡を何度も起こして来ている、常に不利な状況から勝ってきている
飲み終えた缶をぐしゃりと潰す、浮かれられるわけがない
一方雷門は、4点差と仲間も皆ボロボロの状況に重い空気になっていたが、そんな空気を吹き飛ばすように、キャプテンの円堂から始まり一人一人が諦めないという気持ちを滾らせながらハーフタイムを過ごしていた
鬼道は何人かのメンバーを集め、後半戦世宇子攻略の為の作戦を伝えていく
豪炎寺は染岡が倒れた今、フィールドに立てる唯一のストライカーとして、海神の名を持つキーパーを突破する為に意識を集中している
風丸はまだ修行の成果を出せていない、それを活かす為に半田にポジションのチェンジを頼んでいる
そして円堂は
「ん?」
「このグローブ、左手だけ焦げてる?」
前半でボロボロになってしまった、キーパー用のグローブをお守り代わりとして持ってきていた
円堂大介のグローブに取り換えた時に左手のグローブの焦げ跡に気づき、円堂の頭にマジン・ザ・ハンドの答えが浮かびそうになるも、後半開始の笛にかき消されフィールドに戻って行く
後半、雷門にとってはかつて無い絶望的な状況
助っ人は来ないし、対戦相手がいきなり弱くなるなんてことも無いが、彼らはまだ諦めていない、魔神の降臨は近い
後半が開始する、雷門は風丸を前に出して代わりに半田を下げてきた
風丸はたしか、足の速い選手で、DFなのに試合データの中にブロック技が確認出来なかったっけなぁ
上げてきたって事は豪炎寺との炎の風見鶏狙いか?、火力的にはザ・フェニックス以下の筈だが、何か策があるって事かねぇ
始まって早々に雷門からボールを奪ったペルセウスが、ヘブンズタイムを駆使してゴールへ進む
「これ以上点差を離されると追いつけなくなる、奴を止めろ」
鬼道の指示が入り雷門DF陣が道を塞ぐが、ペルセウスは止まらず必殺シュートを使う
「これで、5点目だ」
「天空の刃」
迫る天空の刃に対して、円堂が両手でのゴッドハンドを行う
「ここで、点をやるわけには、行かないんだーーーー」
「ゴッドハンド」
ゴッドハンドを回転する風の刃が削っていく、このままだと前半と結果は変わらない
点数が入り、雷門は逆転の目が無くなるだろう
このまま円堂の元に駆け付ける、二人の選手が居なければの話
「円堂」
「キャプテン」
円堂の背を半田と壁山が支えた事で、円堂はより力を込めて回転するボールを受け止め続ける
徐々に勢いが収まっていき、ボールの回転が止まった
「やったあ、やったぞ俺達でゴールを守ったんだ」
「サンキュな、半田、壁山」
「俺の天空の刃が止められるなんて・・・」
まさか、天空の刃を止めきるなんてな
やはりこの試合中に進化しているみたいだな、面白れぇ
「あれは、木戸川清修との戦いで見せた動き」
「名付けるなら、トリプルディフェンス」
雷門ベンチからそんな声が聞こえてきた、雷門って毎回あれもセットなのか?
愉快なチームだな
「もしかして、この焦げって」
今度は雷門からボールを奪った照美が、ゴールに迫る
円堂は自分の左手を見つめてブツブツ呟いている
「面白いね、円堂君」
「だけど、次は誰も助けに来れないよ」
「ヘブンズタイム」
照美がヘブンズタイムで、半田と壁山をゴール付近から吹き飛ばし円堂と対峙する
さて、どうなるかな
「さあ、勝負しようか、円堂君」
照美が羽を生やし空を飛び、空中で白く大きいエネルギーの球を作るが、円堂は上半身を後ろに捻る、何を狙っている?
「さあ、神の本気を超えられるかな」
「ゴッドノウズ改」
「わかった、わかったよじいちゃん」
円堂の身体から、エネルギーが漲っていく
目を輝かせケミカルアイを使い観察すると、あれは気を心臓に溜めているのか?、それが更に右手に気が集まっていき円堂は正面を向いて、集めた気を解き放った
なるほど、ゴッドハンドの進化系か
円堂の背後に力強さを感じさせる魔神が出現し、気を溜めた右手を突き出し放たれたゴッドノウズ改を迎え撃つ
「これは、神を超えた魔神だと?!」
「これが俺のマジン・ザ・ハンドだ!!」
神と魔神の対決は難なく止めた魔神の勝利に終わる
円堂がマジン・ザ・ハンドで世宇子の攻撃を止めた事で、雷門に士気が上がっていき
逆に世宇子は、照美のシュートが止められたことで動揺が走り士気が落ち始めている
流石の照美もしっかりとシュートを止められて衝撃を受け、チームの士気の低下に気づけていない、しょうがねえか
俺も今まで照美のシュートが止められたシーンは何年も見たことないしな、久しぶりの感覚だろう
「うろたえんなテメエら、まだ俺達が有利だ、雷門のカウンターに備えろ!!」
動揺する世宇子に俺が激を飛ばし、雷門の反撃に備えさせる
照美も表面上は平常心を取り戻しているみたいに見えてるが、付き合いの長ーい俺には分かるぜ
ショックもあるが同時に、喜んでいるんだろ?、俺もだぜ
やっと歯ごたえのある試合になって来たんだからなぁ!!
まったくよぉ、ワクワクさせやがって今度は何を見せてくれるんだ?
「いっけぇ、反撃開始だ」
内容としてはマジン・ザ・ハンド習得ってだけです
何気にトリプルディフェンスも覚えましたが、アニメ通りDF二人がキーパーの元に駆け付けないといけないので今後使われはしません