神のアクア?、そんなもんより魔剤のが効くぜ   作:宙の開拓者

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VS雷門~決着~

試合終了まであと少し、そんなタイミングで逆転されてしまった

世宇子のメンバ―は予想通り、茫然として俯いてしまっている

俺だってダメージは深い、実力差も有ってここまで捲り返されると思ってはいなかった

思っていなかったのが油断だったのかもな、周りを散々格下に見ていたから大事な時に足を掬われたんだろう、俺も人の事を言えなかったって事だな

 

どうする?、世宇子の技はもう通用しない

俺と照美の技も防がれている、こんな状況じゃ元々出来ないチームプレーも無理だろうな

 

諦めるか?、しょうがないよな

元々世宇子はほぼ無名校、決勝まで来れたのは誇れる事だろう、全国2位という称号だって立派なものかもな

学校に帰ったら、チームの改革に本格的に手を出していいかもしれない

俺達への依存を脱却させて、ちゃんとチームプレーを学ばせる、いや学び直させる

今回は“そこ”の差で負けたようなもんなんだから

来年は弱点を克服した最強の世宇子で雷門にリベンジしよう、約束通り佐久間を鍛えて強くなった帝国と戦うのも楽しみだな、他のチームだって来年は凄いのが出てくるかもしれない

嗚呼、楽しみだ

 

「違うだろ!!」

 

「こんなんで終わっていい訳ねーだろ!!」

 

「カオス?」

 

俺はボールを味方から“奪う”、雷門ゴールに走り出す

時間はもう無い、今から2点取るのは無理かもな、でも諦められない

 

「テメエら、勝手に諦めてんじゃねーよ」

 

「分かってんのか?!、後少しで終わっちまうんだぞ?!」

 

「テメエらのサッカーこんな終わり方で、良いのかよ!!」

 

「俺は、嫌だ」

 

「負けたくない、勝ちたい」

 

俺の言葉に、俯いていた世宇子のメンバ―達が顔を上げた気がした

ドリブルをする俺の前を塞ぐ鬼道に一之瀬、躱そうにも俺の動きに対応出来るまで成長していて中々抜き去る事が出来ない

元々こいつ等は雷門の中でも実力が高く、俺の動きを連携しながら封じ込めていく、俺の体力も少なくなっていて試合開始時より弱体化しているとはいえ流石だわなぁ

ちっ、段々と逃げ道が無くなりやがるぜ、ケミカルアイもまだ使えないし、ブレイズゾーンを使えば抜けられるが、この状況だと発動時の隙を狙われる

 

「カオス、こっちだ!!」

 

嗚呼、そうだよなお前だって負けるの嫌だよな、お前だけはまだ諦めてはいないって信じてたぜ

 

「照美ィィ」

 

まだ塞がれていなかったルートにボールをパスする、そこには照美が待機していて無事にパスが繋がった

 

「僕らはまだ負けてはいない、時間はまだ残っている繋げるんだ!!」

 

「カオス、僕達で彼らに示すんだ、勝機は失われてはいないって事を」

 

俺と照美は、パスをしながらコンビネーションを駆使して雷門のブロックを躱していく

俺とお前が揃えば出来ない事は無いんだもんなぁ

俺達は雷門ゴールへ辿り着く、喰らえよ

 

「ゴッドノウズ」

 

照美がゴッドノウズの構えに入るのを確認し、俺は右足に赤いオーラを纏わせて照美が作り出したエネルギーの球を照美が蹴る前に蹴って赤いエネルギーを溜める

ゴッドノウズのエネルギーと、スパークリングバスターのエネルギーが混じり合ってオレンジ色になり、ゴッドノウズの時よりもエネルギーの球の大きさが大きくなる

 

「スパークリング」

 

オレンジ色のエネルギーの塊を、照美が蹴るのと同時に俺も蹴り飛ばす

俺達の連携技は、雷門のゴールへと向かい円堂と魔神が迎え撃つ

 

「うおおおお、マジン・ザ・ハンド改」

 

ぶつかり合う魔神の手と、俺達のシュート、拮抗する二つの必殺技

互角に見えたこの対決は、俺と照美の一言で決着する

 

「「弾けろ」」

 

オレンジの巨大な光弾が弾けて大爆発し、魔神を破壊しゴールに俺達のシュートが入る

これで同点だ

 

「マジン・ザ・ハンドが破られるなんて・・・」

 

「よっしゃあああああああ!!」

 

俺の喜びの声を上げるのと、同時に試合終了の笛が鳴った

引き分け?、違うなまだチャンスはある、俺と照美の狙いは引き分けなんかじゃない

直後、主審によって、アディショナルタイムが決定した

 

アディショナルタイムとは、前後半それぞれの試合時間の後に、追加される時間の事で

試合中に空費された時間の長さによって、主審の裁量で決定される

空費の時間とは、主にメンバーの交代、負傷者の確認や怪我の程度の判断、負傷者の治療と搬出、審判によるカードの提示等がある

この試合では、雷門の負傷者の搬出と、多数のメンバー交代が起きている

怪我させた俺達としては、喜んでいい事では決して無いが今回は喜ばせてもらう、俺は勝ちたいのだから

俺が諦めなかったのは、脳裏にワンチャン同点に出来ればアディショナルタイムを取れるかもしれないという期待ありきだった、照美も俺と同じくアディショナルタイムを狙っての事だと思う

でなけりゃ、繋げるなんて言葉は出ない

 

アディショナルタイムが始まる、始まる前の短い時間で俺はエナドリを補給する事で多少の回復が出来た

雷門が攻撃を仕掛ける、鬼道と一之瀬の先程俺を抑えたコンビがパスを回しながら世宇子ゴールに突き進むが、その前をアポロンとヘパイスが塞ぐ

 

「俺達も」

 

「勝ちたいんだ」

 

二人のブロックは奮闘空しく、抜けられてしまうが無駄では無かった

 

「メガクェイク」

 

ディオが間に合い、鬼道と一之瀬を射程に捉えメガクェイクを放つ

 

「風丸」

 

メガクェイクを喰らい宙に飛ばされつつ、鬼道は風丸にボールをパスし風丸が得意のスピードで豪炎寺の待つゴールへ向かうが、今度はハデスが立ちふさがり技を使う

 

「先輩達ばかりに負担を掛けられない、さばきのてっつい」

 

ハデスのさばきのてっついの同時発動、風丸は前回と同じく分身フェイントを使い突破しハデスを抜き去ろうとするが、そうはいかない

 

「ハッ、良くやったぜテメーら」

 

「カオスだと?!、いつの間に」

 

俺が世宇子ゴール前まで戻ってきており、ハデスを抜いた風丸からボールを奪い前線にパスを回す

 

「行け、ヘラ」

 

俺からのボールを受けたヘラは、雷門の必殺技を受けながらもボールは渡さずにアテナにパスを回す

 

「必ず、ゴールまで繋ぐんだ、ダッシュストーム」

 

ドリブル技を使い、自分よりゴールに近いデメテルにボールを届け、シュート体勢に入りリフレクトバスターを使おうとしたデメテルは壁山に阻まれる

 

「ザ・ウォール改」

 

リフレクトバスターで浮かび上がる大地の欠片を、壁山の生み出した壁が真下から突き出して破壊しシュートを失敗させるが

 

「任せてください、天空の刃」

 

天空の刃を使って羽を生やし、空を飛んで空中を舞うペルセウスがボールを雷門に取られる前に確保する

 

「ここは俺じゃない、任せますカオス先輩」

 

空中から俺へのパスが通り、前を向くと影野に土門に半田に壁山、雷門DF陣が勢ぞろいしていた

 

「壮観だねぇ」

 

「キラースライド」

 

「ザ・ウォール改」

 

「コイルターン」

 

「ジグザグスパーク」

 

雷門の必殺技が俺に迫る、というか半田の技って確かドリブル技じゃなかったか?

俺は左目から蒼い炎を灯し必殺技を使う

 

「ブレイズゾーン改」

 

炎を灯した左目で突破の為の最適なルートを確認し、右目はケミカルアイを一瞬使用して加速を制御する

一瞬で俺の身体は最適なルート通りに、迫るスライディングと地面を這う電気をジャンプして躱し、回転で生み出された突風の薄い部分を抜けて、高い壁の横を通り抜ける

 

「回復出来たのがデカかったぜ、最後は任せたぜ」

 

「神サマぁ」

 

「このボールは、僕ら世宇子中の想いの籠ったボールだ」

 

「見せてあげるよ」

 

「ゴッドノウズ」

 

照美が翼を生やし、空を飛び雷が起こる

翼の色が金色って事は、このタイミングで完成させたのか照美

本来のゴッドノウズとは違う色のエネルギーがボールに集まっていく、迸る雷のエネルギーをも取り込みより金色のエネルギーの球が大きくなる

 

「インパクト」

 

照美が金色のエネルギーの塊をシュートする

ゴッドノウズ・インパクト、あれは未完成だった技だ

ゴッドノウズの正統進化版で、ペルセウスがゴッドノウズを習得し、照美以外のゴッドノウズのデータが取れる様になった事で、ケミカルアイで見えてきたゴッドノウズの新たなる可能性

流石の照美も、試合前に完成させる事は出来なかったが、思わぬ弱点を突かれたり、シュートを止められたりと限界を超える必要が出てきたんだろうな、この試合で成長したのは雷門だけではないって事か

 

 

「マジン・ザ・ハンド改」

 

この試合ではもうお馴染みとなった、円堂のマジン・ザ・ハンド

何度も世宇子のシュートを受け止め、防いできた最強のキーパー技であり、今まで破る事が出来たのは俺と照美の連携技のみだが、照美の新技はこの魔神を討ち取れるのか

 

「うおおおおおお、止めるんだああああ!!」

 

金色の光と魔神のぶつかりは、激しい光を放つ

雷門は円堂を信じる、フィールドプレーヤーだけではない、ベンチで試合を見守る監督にマネージャー達、負傷し最後までフィールドに立てなかったメンバー、雷門を応援する親交のある観客達、現地には居なくとも中継を見守り応援する人々、皆の想いは繋がり一つとなる

円堂なら止めてくれる、円堂を信じる、そこには実力だけでは無い戦いを繰り返し積み重ねて生まれた確かな信頼と絆が円堂に集まり、この激しい試合の中で気力も体力も使い切り限界を迎え疲れきった円堂を支える力となっている

魔神がゴッドノウズ・インパクトを段々と押し返す、ボールの回転が遅くなりシュートの勢いが弱まっていく

 

それに比べて世宇子は、この場に集う信頼や絆といった力では雷門に勝てない

雷門と比べれば集まる想いは少ないだろう、元々チームとしての纏まり方が歪であり今でもそのまま戦っている世宇子に雷門に勝てるとは思えない

大会中を通して圧倒的な力を見せつけ蹂躙し、時には非情とも取れる勝ち方で戦ってきた世宇子に雷門の様な応援してくれる人は少ないが、少ないが世宇子を応援してくれる人々はいるのだ

だが、この場で世宇子イレブンが抱き、一つになっている物は信頼や絆等では無い、この試合に勝ちたいという選手一人一人の抱いた想いだ

照美へと繋がったこのボールは、人任せじゃない誰かの指示でもない勝利の為にそれぞれがどうすれば勝てるのか自発的に判断し行動した結果なのだ

 

俺自身も皆と同じだ、土壇場でチームが同じ方向を向けた事の喜びを噛み締めながら、俺も勝利を目指してパスを繋いだ

この状況なら俺じゃない、チームが勝利を信じて繋いだのは照美だ

照美なら、絶対決めてくれる、俺達世宇子のキャプテンで俺の親友なんだから

 

「決めろおおおおお、照美ぃぃぃぃ!!」

 

チームの皆で照美なら決めてくれると信じたなら、やっぱり俺達世宇子も信頼や絆で一つになったのかもしれないな

 

シュートの勢いが完全に殺されていき、後1秒もしない内にボールが円堂の手の中に収まるその時、魔神の身体に突然亀裂が入っていき魔神が崩壊し、円堂の身体がボールと共にゴールに押し込まれ、笛が何回か鳴った

世宇子の6点目が決まったと同時にアディショナルタイムが終わり、得点の笛と試合終了の笛が連続で鳴ったのだ

 

『フットボールフロンティア全国大会決勝戦、世宇子中対雷門中の試合は6対5で世宇子中の勝利です!!』

 

『優勝は世宇子中です!!』

 

 




悩んだ、どっちに勝たせるか
前話までは雷門の勝ちで行こうと思っていたんですが、今作世宇子が強いって散々アピールした手前アニメと同じくゴッドノウズが止められてからのファイナルトルネードではちょっとなぁと
どうせ二次創作だし好きにやろうと思ったら、結構書き直す事になったり、プロット見ながら書いているのにプロット通りに行かなくなったり
途中で何日か書く時間が取れなくなって、執筆再開したら書く感覚を忘れてたりと
本当お待たせしました

世宇子優勝って実はここだけだったりしますかね?
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