風が気持ちいいなぁ、今日みたいな日は緑の3本爪がいいな、俺にとっての始まりの味
プシュ、グビグビ
ふー美味えええええええええええ、やっぱこれだわこの味に帰ってきちまうよなぁ
どんだけ行ける所増えてもなんだかんだ帰ってきてしまう故郷みてえな感じ
っくぅぅぅぅ、この身体の底から沸き上がり身体中にエネルギーがじんわりと染みていくこの感覚何度味わってもキまるんだよなぁ
それにしてもこのゼウススタジアム、浮いてるとかラ〇ュタかよ
グラサンも俺達の為に金使えって言ったが、何処に金使ってんだよてかどうやって浮いてんの?
まあいいか、見回った感じ探られて困るようなモンはこのスタジアムにはないし前に来てた、鬼瓦とか言う刑事がまた探ってきても大丈夫だな
グラサンと取引した後から、神のアクアを含む足が付くようなモンは処分させたし俺も定期的に見回ってたからな
グラサン本人を詰めたとしても、無駄だったみてえだし今日も証拠が無いのに探すんだろうな、ご苦労様ってヤツだ
飲みながら思考を整理する、雷門の戦力分析は何度もしている
俺達の雷門カチコミから数日、練習を重ねてレベルアップしているだろうが
試合中にケミカルアイのリアルタイム分析と、グラサンの用意したデータを合わせれば問題ねえだろう
必殺技を増やしてきているとは思うが、いや、増やしているな確実に
雷門は試合の度に新技を増やしそれが勝ちに繋がっている事から一応警戒はしとくか
他所よりも自分とこだな
メンバーの中に調子を崩している奴はいねえな、俺が直接面倒見た1年二人もちゃんと仕上がった
決勝が初出場だからプレッシャーやべぇだろうから、一度のミスからメンタルやらねえように気にしとくか
照美の奴も問題は無え、あれも完成はしているしな
スタジアムについても前日から俺達は来て、アップ出来ているから慣れている
こればかりは前乗り出来る俺達の特権だなぁ、ホテルも一人一人良い部屋取ってくれたし財力ってチートだよなぁ
後は見落としはないだろうか、障害物は壊して進むモンだが、事前にあるって分かっている障害物をそのままにする気は無い、先に潰しとかないとな
「やっぱりここに居たね、カオス」
俺がスタジアムの最も高い所でエナドリ飲みながら思考整理していると、照美が現れる
「君は試合前には一人で黄昏るからね、一人になれる所に行けば君が要るのさ」
「別に黄昏てはいねえよ、やり残しが無いか考えてたんだよ」
「そうかい」
照美は微笑んだ、まるで俺の事なんかお見通しだとでも言うように
多分コイツは本当に分かっているんだろうけどさ
「カオス」
「今日はフットボールフロンティア決勝だ、本当の意味で日本一が決まるんだね」
「そうだな、俺達が日本一になるんだよ」
「言い切るね、君は」
「当たり前だろ、俺達が勝つのは事実だ」
「覆らねえし、俺が覆させない」
「僕達で、じゃない?」
思わず俺達は顔を見合わせた
「そういやよ、ユニフォーム新調されただろ?」
「ん、嗚呼、そうだね」
「僕は前の色の方が気に入ってるんだけどなぁ、神聖で神である僕らに相応しいだろう」
「俺は黒のが好きだから新しい方が良いけどな」
てか、しれっと俺の事も神扱いしたなこの自認神野郎
「心配する必要はないと思うよ、カオス」
はあ?、何だよいきなりコイツは怪訝な顔をする俺を尻目に照美は続ける
「昔から僕とカオスがいれば負けなかっただろう?、今日も心配は要らないよ」
「君と僕が揃えば出来ない事は無かったんだから、神の威光は陰らないよ」
と言い照美は先に戻って行った
神の威光って何だよ、それに心配はしてねーし
あっ、中身空っぽだ
昔の俺はつまんない奴だった
勉強も運動も真面目に取り組んだし、先生に褒められるのは良い事だからそうなる様にクラスの中に仲間外れを作らない様にしてたし、悩んでいる奴が居たなら聞いて解決してやったり、人の事を進んで手伝ったりとにかく良い奴でいようとした
そうすると周りが喜ぶし、敵も生まなくて生きやすくなっていい事づくめだ
ガキの頃からなんとなくそれが分かっていたからそうやって生きていた
けど俺はつまんなかった、良い子でいれば得するってのは理解しているけどそれが楽しい生き方とは思えなかったし悪ガキの生き方に羨ましさを感じていた
別に進んで悪さをしたかったのでは無く、その自由さに羨ましさを感じていたんだ
俺は他人に良い子で見られる為に全力を尽くしていたから
テストは100点しか取らない、友達と遊んでもその場に要る誰よりも早く帰宅して勉強して、流行りのテレビ番組も見ないでニュースばかり見て寝る
俺も、自由に生きたいなぁ
良い子のレールから外れる勇気も無かったから、毎日なんとなく空虚に生きてきた
ある日隣のクラスに転校生が来た、そいつは亜風炉照美
最初の印象は、美術の時間に見た絵から出てきたような女神みたいだなって思った
後から男であるという事を知った
そいつは見た目が良すぎるというのもあってクラスでも孤立していた
人は何であろうと異物は怖がる、虐めとかじゃない、どう接していいのかも分からなかったのだと思う、俺も話しかける勇気は無かったし
その頃から照美は今みたいに独特な雰囲気の自信家で、自認神だったからな浮くのは当然だろう
照美は特に浮いている事に関しても気にしていなかったし自由に生きていた、丁度その頃呼んだ本(真面目アピールの為に読んでいたからタイトル覚えていない)に神様が人間に成りすまして生きている話を読んでいたからか、本当に神様の様に俺には見えていたし他の奴らも人間じゃない存在として見ていた
話しかける勇気は無かったのに、俺は照美が気になっていた
その自由な有り方なのか、その容姿に惹かれていたのか或いはそのどちらかかもしれない
体育の時間照美のクラスと合同サッカーがあった
その時初めて俺は照美の楽しそうな顔を見た、真剣な顔でボールを蹴る照美の顔を見た
嗚呼、あいつも人間だったんだって
神があんなに表情豊かなのか?、泥だらけになりながらボールを楽しそうに追うのか?
あれは神じゃない、俺と同じ人間だ
何だか馬鹿らしくなった、良い子に見られたいだとか、照美は神だとか、人にどう見られたいとかどうでもいいなって、自分の生きたい様に生きればいい
人の顔色伺うのは止めだ、俺ももっと遅くまで遊びたいし、流行りのテレビも見たいし、何より
も自分が楽に成れる生き方をしないと勿体ない、人生は一度きりなんだからな
俺はもう我慢しないとその時から決めた、ついでに俺は照美に言いたい事が出来たから、他の奴にサッカークラブに入ってるって事を聞き出して、俺はサッカークラブに乗り込んで真っすぐ自分の元に来た俺にきょとんとしながら俺を見る照美に指を指して言ってやった
「お前は神じゃないよ、自分を神だと思い込んでいる唯の人間だ」
一瞬フリーズした後照美は口に手を添えて笑いながら俺に言葉を返した、まるで初めてそんな事を言われたなぁとでも思っていそうな顔で
この日から俺と照美は親友となった
スターティングメンバ―
ペルセウス デメテル アテナ
カオス アフロディ ヘラ
アポロン ヘパイス
ハデス ディオ
ポセイドン
グラウンドで試合開始を待つ両チーム、試合前の緊張感のある空気が包んでいる
俺は緊張の見える今回初出場の1年達に声を掛けていく、リラックスさせねえとな
「ペルセウス、ハデス、ちょい」
俺の手招きにペルセウス(経流背有珠)と、ハデス(派手野哲)が俺の元に集まる
「初出場で緊張してるだろうけど、お前ら二人は俺が面倒を見たんだ安心して自分のプレイングをしろ」
言葉一つで緊張が取れるとは思わない、だからよ
「大丈夫だ、ミスれ、ミスっても俺と照美が絶対に何とかしてやるからよ」
「その通りだよ、僕達は最強だからね」
横から照美が来て声を掛けていく、俺達の言葉で二人の緊張はほぐれたらしい
去っていく前に俺はペルセウスにある指示を出しておく
試合開始の笛と同時にペルセウスからボールを受け取り、勢いよく雷門ゴールへと攻めていく
世宇子の他のメンバーは動かない、俺一人で足りるから?、いや戦力過剰だから動かない
雷門も行き成り俺が一人で速攻を掛けるとは思わなかったのか、鬼道がワンテンポ遅れて指示を出し雷門中が俺を止めに掛るがもう遅い
既にFWは抜き去った、次はMF達を抜き去りDF陣に迫る
事前にペルセウスに試合開始と同時に俺にボールを渡せという指示を出しておいた
「笛が鳴ってるんだぜ、呆けてるんじゃあねえよ」
俺は目の前を塞ごうとした風丸と土門を躱し、壁山が、必殺技を使って俺を食い止めようとするのを嘲笑うかのように高く飛んだ、キーパーの円堂が構える
俺は右足に赤いオーラを纏わせて、空中でボールに蹴りを入れてパワーを溜めてそのまま足を振りぬきゴールへと発射する
「スパークリングバスター」
飛んで行った赤い光弾は、円堂の真正面に向かっていく
「ゴッドハンド」
円堂は最も信頼する自分の必殺技ゴッドハンドを使うが、俺のシュートは止められない
「弾けろ」
俺の言葉に合わせて、光の手に受け止められていた赤い光弾が弾けて爆発する
爆発に耐えられず、神の名を関した手は粉々に破壊され態勢を崩した円堂は後ろに吹き飛びゴールを許してしまう
試合開始1分で世宇子の1点目が決まった
最初に俺が点を取って流れを取る、その後の試合展開がやりやすくなる
「やはり、戦の最初の一発は君じゃないとね、カオス」
「しっかりしねーと、取り返しの付かない点差になるぜ、雷門ッ」
カオスの過去編
カオス君は他の子供より大人になるのが早過ぎて処世術を無意識に身に着けました
でも心は子供のままだったので、子供の心が遊びたい、自由にやりたいと悲鳴を上げていました
家族が良い子を望むとかは無かったので、カオス君が一人で勝手に悩んでました
アフロディに対して周りに求められているから、神をやっているのではないか?とあいつは本当に自由なのか?自由に見せているだけなんじゃないか?勝手にそう感じて凸に行きました
アフロディ的に何処まで正解かは本人しか分からないけど、あの凸の直後二人は親友になりました