とあるドリフターの日々   作:大金剛

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何となく思いついたので、そのまま投げ込んでみる。

はい、すいません、すいません。


雨の日のこと(1)

 

 

ザアアアアアー……っと窓の、窓というか四角い穴の向こうで音がする。

 

バカみたいに五月蠅い上に、生身で受けたら漏れなく死ぬっつーアホみたいな雨だ。

 

 

『まだ止みそうもありません、ユナイター』

「そうだなあ……」

 

 

 

 

 

 

 

都市遺跡。

 

 

廃ビルがこれでもかって密集してる場所だ。

 

 

元がどういうビルだったか知らないが、山の斜面に適当に刺しまくった骨組みって感じだけどな。

勿論、壁もボロッボロ、反対側が覗き見れるどころか、丸見えだ。

 

それが崩れて、倒れて、重なり合って、山の上に皿に廃墟が山になって、結局、見通しがカスになってるのが、このエリアだ。

 

 

ただでさえ視界が悪いってーのに、雨まで降ってきた日にゃもう最悪。

 

クレイドルの対候性が減るわ、索敵もし辛いわ、エンダーズは元気になるわとまぁ、ロクなことがない。

 

 

 

それでも外に出るのはアレだ、オレ達ドリフターの収入源たるAO結晶。

 

 

 

雨が降ると、アレが活性化して純度が上がる。

どういう原理か知らんけど、純度が上がるってことは価値が上がる。

 

価値が上がるってことはつまり、高く売れるってことだ。

 

 

だからまぁ、ドリフターは雨でもこーして外に出るわけだ。

 

外に出るなら外に出るで、シーリングキットを多目に持って行くとか対策するんだけども……

 

 

「くっそ、不良品掴ませやがって……」

『ですから、バーゲン品は止めたほうがとお伝えしたはずです……』

 

 

クレイドルの足元に散らばる青いケースをモニター越しに見て呻くと、横に浮かんでるメイガスのホログラムがすごいこう、ジトっとした目でこっちを見てくる。

 

 

わぁ、すごい解像度だなあ。

 

 

思わず、視線から逃げるようにクレイドル自体が反対を向く。

 

キュイーっと僅かな駆動音が雨の音に混ざる。

 

 

『お静かに、ユナイター……』

「……はい、すいません」

 

 

これガレージに戻ったら、説教されるんだろうなあ……嫌だなあ。

 

何かでご機嫌取れないかなあ。

 

 

 

今見えてる窓枠の向こうを眺めて現実逃避してると、雨の中をふわっふわなんか飛んで行く……なんかじゃないわ、そんなんゲイザーしかいないわ。

 

大分、遠いから見つかるコトはないだろうけど、何となくクレイドルを下がらせて部屋の奥へ移動する。

 

 

『どうしました?ユナイター』

「大分遠くにゲイザーが見えたから、気持ち的にね……」

『……ここはそれなりに高いですから』

 

 

今居るのは骨組みじゃなくて、まぁー壁があると言えばある、天井はセーフみたいな廃ビルの上の方。

 

崩れた壁の瓦礫を登って、天井に空いた穴をジャンプして、えっちらおっちら上の方のフロアまできて隠れてる。

 

地上に近いとチェイサーやクローラーが沸いて突撃してくるかもしれないし、盗賊団が"ちょっと雨宿り"って入ってきて鉢合わせるかもしれないしな。

 

賞金首に見つかった日には"お、雨宿りと獲物でお得じゃん、最高じゃん"って襲い掛かってくるだろうから、想像するだけで全然休めないし。

 

 

 

 

警戒するにしても高い場所のがやり易いからなあ。

 

地上のエンダーズがどうしても襲ってくるにしても、辿り着くのに時間かかるし。

クレイドルが登ってきたら駆動音とか足音ガッシャンガッシャンするから分かるから。

 

怖いのはゲイザーが遠くから、エネルギー弾をフロアに撃ち込んでくる……くらいか、まぁ、流石に窓の外を時々見てれば大丈夫だし。

 

 

最悪、窓から飛び出して、近くの廃ビルの屋根に飛び移って、走って逃げるつもりだ。

 

 

 

 

 

 

 

ずーっと降ってる雨を見ながら、クレイドルの駆動時間なんか確認してみる。

 

まだ全然余裕はあるけど、なぁ。

 

 

「掘ったAO結晶、幾らになるかなあ」

 

 

すごい、どうでもいいことが口から出てしまい、それをメイガスが律儀に拾ってくれる。

 

 

『AO結晶の純度、数、大きさからの推定ですが、概ね25-30万くらいに収まるかと』

「そんなくらいかあ、雨の降ってるとやっぱ大きいなあ」

 

 

だからこうして、ドリフターは雨の日にわざわざ地上に出て、エンダーズや盗賊団、賞金首に怯えながらえっちらおっちら、採掘して回るんだけどもさ。

 

 

『はい、シーリングキットが問題無く使用できれば、使いながら帰還ルートを辿ってそろそろエレベーターに乗れていましたが』

「ごめんて」

 

 

閉店セールとかの広告に釣られた点については、深く反省しております、はい。

 

ビジネススーツみたいな服着たメイガスに、腕組んでジト―って見られると……なんというかこう、自分が凄い駄目な人間のように見えるので、そろそろ許してください。

 

 

「そうだ、帰ったら新しい服とか買う?いつも同じようなスーツじゃなくt」

『今、そういう話をしないでください、ユナイター。世の中にはフラグというものがあり、その発言は死亡に直結しかねません』

「さーせん」

 

 

フォロー失敗!

フォロー失敗!

 

 

クレイドルの胴体まで下を向いたのに呆れたのか、言い過ぎたと思ったのか、メイガスのホログラムが腕組みを解いてジト目を止めた。

 

 

『そういう話はガレージで聞きます。カタログを一緒に見てください……はい、シーリングキットも含めて、この話は終わりです』

「さすが、うちのメイガスは話が分かる……!」

 

 

ぱぁぁって音がしそうなテンションと共に、体の向きを戻したクレイドルを見て、今度はホログラムがため息つくモーションしたた気がするが、そこにツッコミ入れないこととする。

 

 

 

 

 

 

 

その後。

 

雨が弱まったタイミングを見計らい、コソコソ、カサカサと逃げ隠れながら移動した結果、無事に帰還エレベーターには乗れた。

 

あの、帰還申請してからエレベーターに乗って、分厚いシャッターが閉まるまでの最後の緊張感は、何回やっても慣れないが……無事帰れたのでヨシ!

 

 

 

 

 

採掘したAO結晶を協会の査定担当に提出すると、ガッシャンガッシャン、クレイドルを歩かせてガレージに戻って……これが結構な距離あるんだけど、ハンガーに置いて操縦スペースから出る。

 

同じく、コフィンから出てきたメイガスに笑顔で話し掛ける。

 

 

「よし、じゃあカタログ見ようっか」

「その前に。AO結晶の評価、振り込み額の連絡も既に来ていますので、合わせて反省会です」

「あれ?今、デブリーフィングのこと反省会って言った?」

「言いました。はい、席についてください」

 

 

おかしいな、安いシーリングキットが不良品だった件は終わったんじゃ……・?

 

 

「反省会をします、いいですね?ユナイター」

「…………はい」

 

 

 

まぁ、まぁね。

 

無事帰れたからだからね、これもね。

受け入れますよ、ええ、受け入れますとも。

 

オレの席は……あ、床ですか、はい。

 

 

ガレージの床、冷たいなあ……固いなあ……

 

 

 

 

 

 

 

--- - --- --- - ---

ふわっとした設定

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ドリフター名:T

 

腕はそれなり、稼ぎはほどほど。

AO結晶の採掘の他、ネスト間の宅配みたいな仕事もしている。

戦闘は苦手ではないが、余り好きではない

 

 

メイガス名:A

 

黒いビジネススーツのような服を着て、黒髪、緑色の目をしたメイガス。

盗賊団に拉致されていたのをTが回収した際、元のユナイターの登録情報が喪失していたため、Tが引き取った。

 

Tはその時点ではメイガス不在、かつ、真っ当なドリフターですら無かったが、Aを引き取ったことを契機として協会員として正式に登録した。

 

 

クレイドル:

 

レジェンダリー級のボウイハーネス、チリペッパーが1台ずつ。

どこで手に入れたのか、ハンガーの奥にはエピック級の紫色のトムガーディアンがシートを掛けられている。

 

 

 

 

 





ACの続きはどうした!っていわれそうですが……
はい、それも、書きたいとは思っていて、はい、はい、すいません、はい。
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