集まれ〜江戸時代藩内政シミュレーション〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
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「おお、愉快愉快」
江戸に父上が到着し、徳川家より江戸城に登城するようにと連絡が入り、俺こと仙も一緒に登城することに。
そこには徳川家康様と息子の秀忠様が揃っており、頭を下げながら、礼儀作法が合っているかビクビクしていた。
最初父上が家康様と話をしている。
「ふむ、豊臣ではなく徳川へ臣従したいと」
「はい、豊臣の下で頑張らせてもらいましたが、私をかわいがってもらったのは家康様なので……これからは家康様、いや、徳川家に臣従させてもらえればと」
「うむ、関ヶ原でも遠き蝦夷からわざわざ援軍として駆けつけ、いの一番に石田三成を討つべしと声を上げ、諸侯を東軍の味方に付けたのは実にありがたかった。ところで蝦夷の地より他の土地に本当に移らなくてよいのか? 正直地の果てだろ」
「確かにそうなのですが、豊臣恩顧の大名である私が優遇されれば譜代の皆様(徳川家臣)に要らぬやっかみを受けるかもしれないですし、私の能力と家臣団ではとてもではないですが他の土地を統治できる自信は無いので」
「それは嘘だろ……石田三成と並び太閤の朝鮮出兵の際、兵站を回した手腕、石田ばかり目立ち評価されていなかったが、平和な時にほど輝くと儂は思っておるが……」
「過大な評価……大変うれしく思います」
「うむうむ、して今日呼んだのは成継の息子の評判を聞いてじゃ。何でも演奏の才がとても優れておると聞くが。是非演奏をしてみてはくれんか」
家康様の願いで、俺は一曲披露することに。
最初は笛の音で今の時代に合った演奏を。
その曲に家康様も満足げで、他に曲はあるのか言われたので、色々な曲を5曲も追加で演奏することになった。
家康様だけでなく秀忠様もリズムに合わせて拍手をし、家臣の皆様からと拍手をいただけた。
「恐縮で御座います」
「人を魅了する歌に演奏、実に見事だった。うむ、毎日でも聴きたいな」
「恐れながら家康様、でしたらその者に何か役職を与え、登城」させるのはいかがか」
そう語るのは家康様の側近であり友と呼ぶ本多正信であった。
彼は家康様から全幅の信頼を寄せられており、家康様の意を組んでの発言であった。
「さすればあの素晴らしい演奏を毎日聴くことができるか……うむ、名を何と申すか」
「宮永仙と申します」
「うむ、仙には雅楽師の役を与える。城内を出歩くことも許そう。儂が指定した時に演奏をせよ」
「は!」
ということで、徳川家がパトロンになって様々名音楽を演奏することになるのだった。
江戸の屋敷での経営について父上に説明をし、引き継いだところで、その月からほぼ毎日江戸城に呼ばれて、毎日1時間近く演奏。
帰ってきたら和楽器の練習や歌の発声練習をしたり、新しい曲の作詞作曲を行なったりして充実した日々を過ごしていた。
「ああ、音楽で食っていけるって素晴らしい……」
他にも江戸城に登城してくる他の大名や徳川家臣の皆さんの前で演奏することで、何人か仲良くなることができた。
特に仲良くなったのは仙台に本拠地をもつ傾奇者としても有名な伊達政宗公で、彼は生粋の料理好きであり、俺がだし巻き卵や茶碗蒸し、どら焼きの開発者だと知ると、江戸城での演奏の後に伊達の屋敷に拉致され、一緒に料理の研究を手伝わされたりされた。
政宗公はずんだ餅、仙台味噌を開発したり、凍り豆腐の改良、好物の平玉子焼(ヒラメのすり身に卵を合わせて焼いた物)をよく周りに振る舞ったので伊達焼きと呼ばれるようにしたりと、食道楽を楽しんでいたが、どうやらそれ以上に人気の食べ物を作った俺に嫉妬したらしい。
いい大人が子供に嫉妬するなよ……。
「ええい! これでどうだぁ!」
「うーん、これをこうしたほうが美味しいよ」
「くそったれ! どこでそんな知識を手に入れるんだ! お前は!」
「うーん、天啓かな?」
「ふざけてるとぶっ飛ばすぞ!」
伊達政宗公が俺の中で面白お兄さん枠に定着し、江戸城で演奏後拉致される生活が続くのであった。
「ふむふむ、仙の奴上手くやったな」
俺の名前は成継。
自身も転生者だが、転生者達の父親でもある。
まぁ何とか歴史知識を元に戦国時代を生き抜いて来たが、あとは子供をもう何人か作ったら完全に隠居だな。
隠居先が悩むな……絶対蝦夷にいた方が面白いけど、長生きするんだったら江戸のほうが寒くないし……。
「しっかし、短期間で江戸屋敷の財政状況を健全化させるとは……仙の奴に大名継がせた方がいい気がするな」
もう長男とかそういうの死にまくってぐちゃぐちゃしてるから、政治家だった角栄にやらせようと思ったが、仙が江戸で確固たる地位を確立していたので、仙を長男ということにして登録してしまったほうが全部丸くいきそうである。
俺はどちらかと言うと裏方だったので、大名達の伝手も関ヶ原で西軍が壊滅したため、少なくなっていたし、多分今は仙の方が色々伝手を持っているだろう。
そして屋敷内で養鶏を行い、卵を使った料理をプロデュースすることで、売り先を作り、土地の一部や店を貸し出すことで、商人達との関係も良好。
一部商人は昆布購入を巡って俺達の本拠地である日高の領地に船を出しても良いと言ってくれる商人も出てきていた。
あとは江戸をうろついている浪人とかをうちの領地に送り込んで人口を増やさないと……か。
まぁうちの息子の玄武が異世界から人物を召喚できるらしいから、何とかなるか?
というか召喚された人物日本語使えるのだろうか?
どうなのだろう……。
「まぁ、何とかなるべ! 今までも何とかなってきたし!」
江戸屋敷の経営を引き継ぎ、俺は仙が築いてくれた商人達の伝手で、本領を発展できるように援護するのであった。