集まれ〜江戸時代藩内政シミュレーション〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

18 / 20
2年目収穫 鮭改造

 2年目の収穫期を迎え、耕作面積も増えたことで米の収量も大幅に増え、領民達は万歳三唱で豊作を喜んだ。

 

 現在田んぼが20町、畑が50町に拡張されて、米の収量は約780石。

 

 現在領民達の人口が1150人くらいなので、まだ全員に米が行き渡る量は収穫できなかったが、去年の5倍の収量になっており、着実に進歩していた。

 

「ふう……今年も無事に収穫を終えることができたか……」

 

「あの……年貢は……」

 

「全員で開墾してるんだ。今年も年貢は芋だけにするぞ」

 

「ありがとうございます」

 

 ちゃんと米が行き届くようになってからじゃないと、年貢取り立てなんかしたら一揆発生するかもしれないからな……そうなったらこの領地は終わりだ。

 

 ちなみにジャガイモとサツマイモの収量はそれぞれ約2倍の2000石と1200石分に増えており、徴商品券と交換してもらうことで幾分か徴収することになったのである。

 

 まぁこの極寒の大地なので、冬の間に氷室を幾つも作ったり、穴を掘って、その中に藁を敷き詰めることで簡易的な貯蔵庫にしたりして食材を保存していた。

 

 暗室及び寒い部屋にすることで食材が芽を出すのを抑制して、長期保存を実現していたのである。

 

 あとは豚とトナカイもどきなんかは餌の関係で冬を越えせない頭数は屠畜。

 

 肉に加工して塩漬けや味噌漬け、時にはベーコンやソーセージに加工して氷室の中保存したりしていた。

 

 蝦夷の過酷な大地で肉を食わない……なんて選択肢はここの住民には無く、江戸から来た人達も肉の美味さに気づいてからは何も言わずに黙々と食べることが殆どであった。

 

 冬の間は領民全員が生き抜くために配給制じみたことになっており、江戸時代で活用された5人組という仕組みを活用し、5家1組になって食料や衣類品の配給が行われていた。

 

 勿論商品券で他の物も交換することが出来たので、完全な共産主義的な感じではないが……。

 

 ここだけ社会主義的な世界であった。

 

(領民達のやる気を出させるために今後は新規開墾した分は各自の管理する土地となり、獲れた作物の3割を税として納めるってことで合意が取れたが……)

 

 領民達も生活が豊かになってきたことで、自分の土地が欲しいと願い出でが出るようになっていた。

 

 そこで一端領主である転生者達で話し合った結果、新規開墾した土地を自分の物にできる権利と、領主の許可があれば土地の売買をしてもよい権利などの決まりごとが決められていったのである。

 

 他には身分制度とかの話も出たが、それは追々決めていこうということになり、日高藩の御定書と藩法の2つが決められたのである。

 

 いわば法律である。

 

 まぁ盗みは駄目ですよとか人殺しは打首ですよ……とか色々あるが主要な法律は

 

 ・宮永家当主は基本嫡子が引き継ぐことになるが、家臣、親族の中で会合を開き、これはと思う人物がいた場合は当主の許可の元養子に組み込むとする

 ・新規開墾した土地は開墾者の所有を許す

 ・土地所有者は毎年収穫量を記した書類を役職に提出すること

 ・数年に1度検地を行い、収穫量に間違いが無いか確認すること

 ・基本税率は3割とすること。賊役(夫役とも言う強制労働)を行う場合は税の減税を行うこと

 ・領内に限り武士の売買及び能力のある人物に武士身分を与えることを許す。

 ・武士とされた人物は藩から基本金銭、場合により現物を役職に応じて給与される

 

 という法律を作った。

 

 どこまで守れるか未知数だし、当面は税率3割にしているけど、開墾作業や水路を作ったり、道を舗装したりの賊役で税率ほぼ0になるだろうなってことを考えての法律であった。

 

 転生者達で大枠を作り、家臣達に伝え、その後領民達の代表に伝えるという形で発布したのである。

 

「さてさて、どこまで効力があるのやら……」

 

 これに伴い、現在の家臣達の整理も行なっていった。

 

 役職に応じて金がもらえるなら皆武士に成りたいと殺到したが、武士をやるということは開墾に従事できる時間が少なくなり、自分の土地を手に入れるチャンスが減ることに繋がるぞと言うと、結構な人数が土地の方が欲しいと武士になることを諦めた。

 

 まぁそれでも150名ほどが武士として生きていくと決めた為、彼らは歓迎し、武士……というより読み書きや役人的な仕事を覚えてもらい、領地経営を潤滑に進める歯車になってもらうのであった。

 

 

 

 

 鮭が川を登り始めた頃、紅壱は捕らえた鮭に改造を施していた。

 

 九尾や狸、豚やトナカイもどきで分かったが、一度改造してしまえば子供にも影響を残す事ができ、九尾の子供は九尾、豚の子供は豚と引き継がれるため、鮭も改造してしまえば繁殖能力を高め、そもそも体も大きくさせて、キングサーモン(マスノスケ)みたいにしてしまい、大きく脂身の乗った体にしてほしいと願い、捕まえては改造して放流を繰り返していた。

 

 鮭の捕まえ方は、川を戻ってくる習性を使い、川幅が細くなる部分にハの字型の狭くなっている方にカエシの付いた箱と柵を設置し、鮭が登ってくる季節に放置しておくだけ。

 

 すると1箱に数十匹の鮭が捕らえられていることがあるので、一部は美味しくいただくとして、大多数は改造後に川に再放流を行うのである。

 

 あとは産卵を終えた鮭は力尽きて白く変色して死ぬので、それもなるべく回収し、ペットの九尾や狸、熊の餌として活用する。

 

 産卵を終えて死んだ鮭は流石に美味しくなくなっているので、ペットの餌か肥料にしてしまう。

 

 なお改造した鮭は産卵後また川を下って海に出て、何回か産卵を行えるように改造したので、死ぬことなく戻っていくのであるが……。

 

 ちはみに太平洋の鮭は1回産卵したら死ぬが、大西洋の一部鮭は元から何回も産卵を行う。

 

 なので今回の改造をしても、結構生態系への影響は少なかったりするのである。

 

 あと鮭が増えやすくなるくらいか? 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。