集まれ〜江戸時代藩内政シミュレーション〜   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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集合住宅 ニシン 肥料

「領民が増えてきたから住宅についても考えないとな」

 

 現在は1軒1軒、建成の妖精の力で外壁を建造して、内部を領民が整えるという分業体制で建造しているが、領民がこのまま増え続ければ足りなくなるだろう……という問題を俺達は悩んでいた。

 

 妖精の力と錬金が断熱材を作っているお陰で、冬の寒さを防いでいるが、人数が増えてくればそれも難しくなってくるだろうし、あとは飲水問題も出てきていた。

 

 川から生活用水を汲んでいたり、浅井戸で何とかしていたが、冬になると水が凍ってしまい、雪を溶かして飲水を確保したりしていたが、雪って空気中のほこりを吸収しているので、汚い物であるため、衛生的によろしくないと狩野先生が警告を発していた。

 

 なので住居の整備とそれに合わせて深井戸を掘ろうというのが直近の目標に変わっていた。

 

「12月、1月、2月は日高でも1メートル近く雪が積もる事があるからなぁ……となると2階から出入りできる長屋を作った方が良いか?」

 

 うちのでそういうのが得意なのが建成だけなので最近建成は領民から弟子を取りながら、妖精の力を使ってガンガン建築を進めていた。

 

「集合住宅か……確かに今後必要になってくるだろうな」

 

「だろう。作れるか?」

 

「当たり前よ。建成様にお任せよ!」

 

 相変わらず錬金を酷使することになるが、領民に川の砂利を運んでもらい、錬金が錬金術で綺麗なレンガ状の石材を作ってもらい、昨夏がネット通販でセメントを購入してもらって、それを使い、土台兼床下の収納スペースを作ってもらい、その上に木材や断熱材、藁や土壁を使うことで分厚い壁を作っていく。

 

 藁を練りこんだ土壁であればある程度防寒性能は担保されるため、耐熱材を節約することができる。

 

 建成が現在使用できる素材で最大限家を暖かくできる工夫を幾つもこなして集合住宅を作っていくが、やっぱり2階建てのアパートみたいになるな。

 

 屋根は藁葺き屋根になっており、雪が積もることで密閉性が増してより暖かく成るように調整をしていたり……。

 

 そんな感じで領民の住居は増えていくことになるが、錬金を頼らないで断熱材を作る様になるのは今しばらく時間がかかるのであった。

 

 

 

 

 今年から始まったことと言えば、ニシン漁だろうか。

 

 ちょうウニの漁が終わる頃に海が真っ白に染まる事があり、それがニシンの精子であることが判明した。

 

「北海道ってこんなにニシンが群生してるんだ……」

 

「ニシンは美味いし、絞れば魚油(夜間の照明用燃料)になる。そして絞り粕は肥料として使えるし」

 

「肥料に使えるならうちの領地の農作物にも良いし、漁をするか」

 

 秋翁が小船くらいは作れるとして、作り方を建成に教え、建成が妖精と冬のうちに切り出した木材を使って船を作っていった。

 

 領民達も漁業に心得がある者を引き連れて、網を投げれば、ニシンが網に絡まって簡単に大量に漁獲することが出来た。

 

「すごい簡単に捕まえられたな……しかも投げれば投げるほど捕らえられるぞ」

 

「今日はニシン尽くしだな夕食は」

 

 大漁に獲れるので、漁の技術もあったもんじゃないが、船に乗っていた紅壱がこんだけ捕まえていたら将来漁獲量が減るんじゃないかと心配して、より増えやすい様に改造を施して放流させていたった。

 

 獲れたニシンは水揚げされて、内臓をとりのぞいて塩漬けにするもの、絞って油にするもの、そのまま焼いたり、刺身で食ったり……色々活用していった。

 

 なお塩漬けニシンは江戸に持ち込まれて、それを仙がニシンの佃煮にして売り出したところ大ヒットし、後々肥料として注目されるまで、日高では肥料としても使われるのであった。

 

 ニシンの絞り粕のお陰で全体的に収穫量が1.2倍に増えるのであった。

 

 

 

 

 

 魚油だけでなく、ごま油や菜種油の量産も始まっていた。

 

 特に菜種油のアブラナは昨夏がネット通販で取り寄せて、種まきを行い、約3ヶ月で収穫となる。

 

 アブラナは種を収穫する前の青々とした時期に収穫すれば野菜としても美味しい。

 

 おひたしや味噌汁の具として活用すると良い。

 

 そんな菜種の栽培も行われ、夏の終わり頃に収穫し、菜種はごまに比べて油の採れる量が菜種が35%、ごまが20%かつ、菜種の方が種を多く収穫できるので、油を取るなら菜種の方が向いていたりする。

 

 まぁごま油は独特の香りで、使うと料理に深みが出てくるが……。

 

 夏の終わり頃収穫を行い、水車を用いた圧搾機を使うことで大量の油を絞り、そして出てくる絞り粕は鶏の餌かこれも肥料として使う。

 

 肥料であるが、米を精米する時に出る糠にニシンや菜種の絞り粕、それに鶏糞を加えることでぼかし肥料というのが作れる。

 

 米糠は他にも落ち葉と混ぜることで腐葉土を作り出すのにも効果的で、ぼかし肥料と腐葉土の2つのどちらかを使えば大抵の作物は育つ。

 

 ぼかし肥料は動物性が強く、どちらかと言うと即効性があり、腐葉土は土地の調子を整えながら栄養を補給する意味があり、両方を同時に使うと栄養過多で虫がすごい湧いて病気になるので注意である。

 

 まぁ他にも人糞を1年かけて肥料にしたり、牛糞、馬糞を肥料に加工すればこれも土地の調子を整える効力がある。

 

 あとは鶏の卵だったり魚の骨とかは骨粉として撒くこともあり、それは植物に必要なリンとカルシウムを大量に含んでおり、実を大きくする効果がある。

 

 これらを土の調子を見ながら適切に与えていくのが農業のプロで、秋翁の教えを受けた領民達はこれらを適切に投入した結果、今年の収穫量は全体的に昨年以上の豊作となるのであった。

 

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