集まれ〜江戸時代藩内政シミュレーション〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
俺の名前は角栄。
前世では政治家をやっていた者だ。
間違っても現世での名前が角栄ってだけで、角栄先生ではないから注意な。
現在の状況……というよりリソースを親父……いや、父上って言ったほうが良いか。
彼に確認したところ。
年号は慶長、西暦だと1601年1月らしい。
関ヶ原の戦いがあったのは今から約3ヶ月半前。
一応親父は豊臣秀吉によって大名身分にしてもらったらしいが、徳川家康との関係も良好。
関ヶ原の戦いでも東軍に属しているし、何なら妻達を何人か江戸に住まわせる徹底っぷり。
戦国時代を伊達に生き抜いてないのだろう。
生産力的な面では、現在地は日高町当たり……現代だと馬産で有名な場所って言ったほうが分かりやすいかもしれないな。
日高山脈が壁になってくれて、北海道でも雪が比較的少ない地域であり、海も近い。
平坦な土地も多いので、最初の拠点としては悪くはない。
人口は約1000人、男女比は7対3。
圧倒的に男社会であり、女性は殆ど世帯者である。
主に育てている物は小麦、輸出の主力商品は昆布と鮭。
あとはアイヌの人々と物々交換をして食事を分けてもらい、何とか生活をしているのが現状らしい。
「自身の肉体に宿る記憶を見るに……ろくな食事がとれてないんだよなぁ」
主食は麦飯……といっても麦比率が9割で、米は僅か。
家臣の人達はほぼ麦粥かパンもどきを食って生活しているらしい。
おかずは寒くても収穫できる野菜類に鮭が獲れれば鮭料理が並ぶくらい。
あと昆布出汁の味噌汁が少々。
「正直、まだ一応区分は戦国時代……ほぼ江戸時代だけど、こりゃ太平の世(平和な時代)が来たってよりかは、ここだけ生き残りを掛けたサバイバル生活だな」
俺はそう言うのだった。
「まずは昨夏のネット通販で色々買うための種金作りをしないといけないな」
「うん、このままだと凍えて死んじゃう……」
とりあえず直近の課題は種金を作ることだ。
それをしなければ何も始まらないからな。
なんとなく俺が仕切っているが……良いのかな?
まぁ政治家やってたから声のデカさと仕切るのは得意だが。
「建成の妖精召喚でどれくらいの事ができるんだ?」
「そうだな……俺が把握している感じだと現状は20体程度使役できて、木の切り出しから木材加工まではやってくれそうだ。速度も人と同速くらいで、報酬としてあめ玉や甘味でもやれば納得してくれるだろう」
「あめ玉もネット通販頼りになるな……現状だと……その妖精を使って昆布や海産物を取ってくることは可能か?」
「できるぜ」
「なら全力でウニを回収してきてくれ。ここら周辺は現代だとウニの漁業として栄えていたはずだからな」
「ウニか! 確かにウニならネット通販でも結構な値段になるか?」
昨夏の方を皆が見る。
「殻付きのウニかつここらで獲れるエゾバフンウニは1匹1500円で買い取ってくれそう」
よし、初期資金何とかなる目処が立った。
建成には妖精を召喚してもらい、籠を担いでウニ拾いをさせる。
極寒の海に潜って海産物を拾ってこれるだけでもありがたい。
他のメンバーも別れてそれぞれの得意分野で作業を始めるのだった。
俺のやることはとにかく木の伐採。
村にあった手斧を借りてきて、念力を使うことで、疲れることなく伐採していく。
あと発火能力の応用で、体温を上げることができるため、俺はこの極寒の中でも比較的活動ができる。
うん、超能力を欲張って正解だったな。
切り倒した木々を念力で浮かせて、屋敷の近くに運ぶと、領民達がそれをどんどん細かく切り分けていく。
チェーンソーとかも無いので時間は掛かるが、薪が無いと寒さで死ぬので皆必死である。
ただその切り分けた薪の一部はより細かくしてから錬金の錬金術で炭に加工していく。
錬金術は手で触れてもできるらしいが、やっぱり大釜がある方が効率が良く、あとその釜の燃料として薪よりも木炭の方がいいのだとか……。
錬金にはそのまま頑張ってもらおう。
周辺には森が広がっているので、俺が木を切ることで開墾を進める意味合いもある。
春になれば農作業もできる様になるから、そこで作る作物は元農家の晴宗と秋翁の2人に任せよう。
秋翁は昔ながらの農業にもある程度心得があると言っていたので、何とかなると思うし……。
「ウニ獲れたぞー、あと他にも色々」
ウニだけでなくヒラメやタコ、あと貝類も少々獲れたので、ウニ以外は俺達が美味しく頂くことに。
で、ウニの方は100個ほど回収できた為、15万円ほど現金化することに成功。
その15万円で買うのは勿論、防寒具。
動いてないと死ぬ寒さに震えていたが、ヒートテックだったり、防寒スーツだったり……防寒着を人数分購入すればあっという間にお金は無くなり、あと妖精達に与えるあめ玉と調味料類を買ったらお金は尽きてしまった。
「現代の品をそろえようとしたら、とてもじゃないけどお金が足りない」
「そうだな……とりあえず必要な物を書き出してみようか」
俺達は囲炉裏で温まりながら必要な物を言い合っていく。
纏めるとこんな感じ、
・米(種籾)
・野菜の種(現代種)
・冬でも育つ作物の種か苗
・防寒着(村人分)
・寝具(現状は必要)
・各種農具・工具(鉄製製品が足りてない)
とりあえずネット通販で欲しい物はこんなもん。
俺達の中で工業化とか目指せそうな人物は居ないのでとりあえずこれで活動するしかない。
「玄武、お前が召喚できる人材ってここの生活が楽にできそうな博士枠みたいなのを召喚できないのか?」
「フフwそれは高望みですなwそんな人物が来ても現状だと寒さで凍え死ぬのが落ちてますぞw」
「それもそうか」
玄武曰く、召喚できそうな人物は言うことを聞かせられるように、食事か生活環境で釣りたいとのこと。
「戦争が激しい世界だったら争いがない場所というだけで感謝されますぞwただそう言う環境が劣悪なほど、こちらに協力的だと思われますがなwあとはクローン兵みたいな感状が希薄なタイプとか……まぁ該当しそうな作品だったり世界観だったり……それも食料と衣食住が足りてなければダメですがなw」
こいつの喋り方腹立つな。
まぁ本人の癖だから仕方がないんだろうが……。
初日はこんな感じで過ぎていくのであった。
ここからガンガン時間飛ばしていくんでよろしく!