集まれ〜江戸時代藩内政シミュレーション〜 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「「「うーむ……」」」
視点は蝦夷の日高に戻り、俺こと角栄に戻ってくる。
江戸に居る仙と1週間に1度、俺は江戸の屋敷に飛んで、情報交換を行なっているが、史実通り豊臣家と徳川家での戦が起こりそうである……との報告を受け、領内の家臣達も部隊編成をするようにと伝えられていた。
「とは言っても、武士身分で残ってるやつ200人しかうちの家には居ないぞ……」
そう、領内経営を潤滑にするため、武士身分は銭で給与を支払うとしたため、土地が欲しい者は武士身分を辞めてしまったのである。
これがもう少し時代が進めば武士という身分を貧乏でも固執する者が多かったかもしれないが、戦国時代が明けてまだ間もない為、武士と農民の身分差があまり開かれてなかったのである。
あと金を払えば武士身分に成れるという法律があるので、じゃあ武士じゃなくてもいいやと土地を求めて帰農する者が多く、結果入植時には武士だった者も、殆ど武士を辞めてしまったので、役人としての公務員武士みたいな頭脳労働者しか残らなかったのである。
そんな人物達を戦に放り込んだらどうなるか……火を見るよりも明らかである。
あと武士、武士と言っているが、武士の中でも身分が一応あり、上士と下士であり、侍身分と呼ばれるのが上士で、現代の会社に当てはめると部長クラス。
下士は足軽身分であり、他の藩では下士出身者は上士に成れないとか色々決まりがあるのだが、江戸藩邸詰めの連中以外は緩くやらせてもらっている。
あと江戸藩邸の武士達の一部は一応交流としてこちらに送られたりするが、まぁ頭が固い者が多く、有能ではあるが、少々口煩かったり、若干偉そうにするのが玉に瑕である。
そんな奴らも江戸に戻るころには日高領内の雰囲気に馴染むし、江戸詰めより物価は安いし、給料高いのと、遊郭で奥さん捕まえられるので江戸よりもこっちが実家みたいになる者が続出したが……。
まぁうちの領地は良い女が多いからな。
手なわけで、大坂の陣に向けて武芸を磨いておけと仙から言われたが、こっちも開墾作業に終わりが見えない状況だし、数年前から始まった養蚕がようやく軌道に乗り始めて、糸紡ぎに人手が取られる状況も相まり、戦に人手出せる状態ではないのである。
「というわけで玄武召喚を頼む! 前の強化兵士のところの男バージョンを頼む」
「はいはいw任せろw」
というわけで異世界から強化兵士を100人追加で連れてきたのだが、玄武が、
「あ~、この異世界から条件に見合う兵士もう居ないっぽいwどうしよ……」
「マジ?」
「大マジ……w」
というわけで別の世界からもう200人は連れてこないとまずいとなり、別の世界から呼ぶ事になった。
で、今度連れてこられた連中は強化人間よりもゴリッゴリに遺伝子を強化された人間達であった。
「ここは……」
「目が覚めたか。ここは異世界。俺達が召喚して君達を呼んだんだ」
「はぁ……」
彼ら曰く、人類は宇宙に進出したのだが、資本主義が生き過ぎて、ほぼ貴族社会の様な社会形態に逆戻りし、貧乏人は未開拓の惑星で過酷な奴隷労働が行われているとのこと。
「へへ……結局異世界でも俺達は開拓させられるのかよ……」
ちなみに召喚された彼らの顔立ちはほぼ日本人に近い。
年取っても一定期間まではほぼ老けないからエルフの種族とか言われていたらしい。
まぁ寿命は普通の人より少し長い120歳くらいで、老け始めるのが80歳くらいらしいが……。
そんな彼らに2年後に起こる戦に2回出て生き残れば、嫁さん紹介するし、戦までの期間体を鍛えてくれれば食料も寝床も提供すると条件を提示したら
「過去の文明の方がよっぽどホワイトな環境じゃねぇか!」
「嫁さんもてるとか上級国民かよ」
「異世界万歳!」
と直ぐに順応してくれるのであった。
というか順応してくれるの高い割合に設定しているとはいえ、条件に合う異世界が多すぎる。
本当、玄武と召喚した彼らに常識を直ぐに教えられる秋翁の2人が居なかったら詰んでいたわ……。
そんな分けで、俺達……まぁ宇宙開拓民……いや、宇宙奴隷とでも言うべきか?
召喚された俺達は本当に体を鍛えていれば食事が貰える夢のような生活を送っていた。
「んん、軍人になるのも下級身分だとよほど頭が良くないと成れなかったからなぁ……しかもここでは我々だと伝説とまで言われた合成じゃない本物の食材から作られる料理を食べられる……まるで夢のようだ……」
一応俺達宇宙奴隷の連中は親の親……数十世代前から遺伝子操作をされて、劣悪な環境でも生きていけるように操作されているので、ここ蝦夷だったか?
ここの環境なんていってもマイナス25度くらいだろ?
こんな過ごしやすい環境なかなか無いからなぁ。
俺達が過ごしてきた環境マイナス150度とかは当たり前だし、放射能に汚染された風が飛び交っていて、日の当たらない地下で生活するのが当たり前だったから、日の光を浴びれて、外を出歩いても直ぐに死なない環境とか夢のようだ。
現在武士という人達から剣術を習っているが、数日もすれば俺達の方が強くなり、結局互いを高めるために模擬戦ばっかり行なっている。
その中でも成績が良かった俺はとある人物に目をつけられてしまった。
「おお、お前ら成績優秀なんだってな! ちょっと俺の手伝いしてくれよ!」
「はい? 貴方は?」
「俺は悟。モンスターハンターだ!」
その日から平穏な俺と他2名の平穏は消え失せた。
「鉄平! (俺の名前)そっち行ったぞ!」
「死ね死ぬ死ぬ!」
「死ぬ死ぬ言ってないで刀を振るえ! モンスター出血させないとこいつら倒せねぇぞ」
「ひぇ!」
恐竜と呼ばれる存在を刀1本で倒せと言われて、倒せるかってんだ。
ただ悟は2メートル以上ある太刀を振り回して、的確にモンスターに致命傷を与えていく。
「そっち行ったぞ!」
「やるしかない……左近! 右近!」
「「おう! 俺達を踏み台にしろ!」」
仲間の左近と右近に手を組んで足場を作ってもらい、俺が二人の手を踏んで思いっきり大ジャンプする。
「おりゃぁぁぁ!」
空中で抜刀からの一閃。
首が切断されて恐竜の巨大が崩れ落ちる。
「やったな鉄平!」
「はは、生きてる」
「こいつは小松も喜ぶぞ! こいつの肉うめぇんだ!」
一応悟は俺の上司に当たるが、一回ぶん殴らせろ。
「毎回毎回死にかけるようなモンスターと戦わせやがって!」
「でも命がけで得られた食料はうめぇだろ!」
「それとこれとは話が別! 俺は絶対に戦争で生き残って可愛い嫁さんゲットして、子供に囲まれて暮らすんだ!」
「おう、それはいいけど、俺はお前ら手放す気無いからな」
「「「ひぇ……」」」