諏訪と夢幻の旅路(仮)   作:hironeco33

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お久しぶりです。
別作品の執筆が止まった状態で新しい作品を書くのはあまりいい事ではないかもしれませんが、新作になります。
相変わらず読みにくかったりするかもしれませんが、その時は感想等で優しくご教授願います。

今回は現実の諏訪がベースになっています。お詳しい方であれば「あそこのことかな?」となるかもしれませんが、この作品は、現実の団体・組織・会社・店舗とは一切関わりがないフィクションになりますのでご了承ください。


プロローグ

人は、生きることに疲れてしまうことが多い。

仕事が厳しい、学業に忙殺される、家庭の不和....

人それぞれの理由で気力を失ってしまう。

 

世のため人の為になると信じて必死に働いても、自分が報われるかは別の話である。

 

 

雨の降りしきる神社の境内、本殿の軒下で男と金髪の少女。

手水舎の方では雨に喜ぶような蛙の声が聞こえる。

 

 

「まーそうね、私も永く色んな人間を見てきたけどそんなもんだよねー」

 

自分の隣にちょこんと座る金髪の少女は、あっけらかんとそう呟く

 

「仕事も上手くいかずに独り身で天涯孤独、もう生きる理由が見つからないよ」

 

吐き捨てた言葉には自分への失望、そして何かを決めたような雰囲気が宿っている。

 

次第に雨の音が強くなる、そういえばこの後は豪雨だったか。

 

 

両者共に無言の時間が過ぎる

静寂を破るように少女が一言

 

 

「.....じゃあさ、ウチくる?」

 

 

 

 

時間は遡る....

 

 

 

 

俺は元々旅行が好きだった。

学生の時は、見たことない景色、旅先で関わる人々、その土地ごとの風習......そんなものを探しに毎週のように旅行に出ていた。

 

しかし社会人になると仕事が始まる。

今までとは違う上下関係、上司先輩に怒られる日々、無尽蔵に増える業務、突発的な呼び出しに怯える休日...

 

何も変わり映えぜず、疲労だけが蓄積される毎日を過ごしていくにつれて世界がモノクロに見えてきていた。

休みの日も何をする訳でもなく1日寝て過ごすか、ネットで動画を見て無気力に過ごす日々...

 

そんな白黒世界にまた色彩を与えてくれた存在、それが俺にとっての旅行だった。

 

きっかけは休日に無気力に動画を眺めていた時だった。

 

『諏訪大社4社と諏訪温泉湯けむりの旅』という合成音声のキャラクターを使った旅行動画だった。

 

温泉も確かに惹かれた。しかしそれ以上に諏訪大社の方に心が惹かれた。

 

別に諏訪大社の存在を知らなかった訳では無い。ただその動画を見た瞬間、何か心に引っかかるような、あるいは不思議な安心感を感じたためだ。

 

 

俺はその次の日、体調不良を偽って諏訪に行った。上司には電話越しに散々怒鳴られたが気にならなかった。とにかく行かなければという思考が頭の中を支配する。

 

自宅は神奈川だったので朝はやくの電車に乗り、新宿まで普通電車に乗って、そこから「特急あずさ号」に乗車した。

途中のコンビニで朝食用に弁当を買い、車内で食べながらイヤホンでは『あずさ2号』が流れる。

 

 

乗車からしばらく経ち、ふと窓の外見ると甲府盆地が視界に入る。

広大な景色とは裏腹に、かなりの大雨になってしまったのが痛い。きっと晴れていれば、日本アルプスを含めた雄大な景色が見えたのであろうが、遠くの山の方は完全に白い霧で覆われて目視できない。

 

その後も残念ながら天候は回復せず、1時間ほど列車に揺られると茅野駅に到着した。

 

『ご乗車ありがとうございました〜、茅野、茅野に到着です。お忘れ物なさいませぬようお手回り品今一度お確かめ下さい。』

今の時代珍しい駅員による放送に懐かしさを感じる。

 

改札を過ぎて駅のロータリーを見ると昔からのイメージ通りのタクシーが並んでいる。

白地に虹色のカラフルな車体は、子供の時親に買ってもらったおもちゃの車を彷彿とさせる。さぁ、諏訪大社めぐりの始まりだ。

 

「諏訪大社の前宮までお願いします。」

 

「前宮ですね、承知しました。」

 

 

茅野駅の売店で買った諏訪の地図を開き、今日も予定を考える。

「前宮、本宮の順に回って昼食取ったら春宮、秋宮か...?毎回駅に戻ってだと時間に余裕持たないとな」

 

「お客さん、諏訪は初めてです?」

行程に悩んでいると運転手が声をかける。気付かなかったがかなり若い運転手だ。

 

「そうなんです。諏訪大社回る予定なんですけど、どう回ったらいいか...まだ10時前ですけど、かなり時間かかりますよね?」

 

「そうですねぇ、神社の社務所も営業時間がありますし、電車だけだと丸1日は覚悟した方が宜しいかと...時間に余裕を持つとなると車じゃないと難しいです。もし良ければこの車貸し切りますか?1日3万円で承りますよ。周り順は決まってなければ、私のおすすめの回り方で如何でしょう?」

 

 

金には困ってないんだが....こうなると泊まりの方が良さそうだ。会社には....後で連絡しよう、うん。終業の時間直前でいいか。

 

「ではそれでお願いします。できれば食事系もお任せします。まずは前宮からですか?」

 

「承知しました。それではまず前宮より先に本宮から行きましょう。前宮におすすめの喫茶店があるんですが、まだ営業開始まで1時間ほどあるので時間調整します.......もしお客さんさえ良ければ、ご一緒しても良いですか?久々にお参りしたくなってしまったので...」

 

「全然構いません。むしろ1人だと寂しいですし分からないことも多いので....しかし、さすがにお詳しいんですね。諏訪は長いんですか?」

 

「ありがとうございます。いえ...数年前に自衛隊を辞めてから、元々好きだったこの街に移住してきました。」

 

「そうなんですか!それはそれは....何かきっかけとかあったんですか?」

 

「大した話じゃないですよ。ただちょっと色々と.....不思議な体験をしたので、その恩返しみたいな感じですね。」

 

「なるほど...?」

 

 

しばらく会話を続けると車は諏訪大社本宮の駐車場に到着した。しかし雨音がしない事に違和感を覚えて空を見上げると、いつの間にか先程までの大雨が打って変わって雲ひとつない青空に虹までかかっていた。




最後までお読み頂きありがとうございました。
相変わらず文章を書くのが苦手なのでわかりにくい点がありましたらご容赦ください。
今回は冒頭に回想とタクシーのシーンで終わってしまいましたが、純粋な物語は次回以降になります。
評価や感想を頂けると励みになりますのでよろしくお願いいたします。
では次回、早めに出せるように努めます....
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