STAR WARS WHAT IF   作:tuuuuuuui

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妄想その5


第五話

 

「……ということで、旧共和国は終焉を迎え、銀河帝国が誕生しました。」

 

コルサント。

 

銀河帝国皇帝宮殿の一室。

 

そこには二人の子どもと一人のパウアンの男。

 

そして部屋の壁際には複数のトルーパーが直立していた。

 

「ルーク様。聞いておられましたか?」

 

大尋問官が静かに尋ねる。

 

「もちろん聞いてたよ。」

 

ルークは即座に答えた。

 

大尋問官は数秒間、ルークを見つめた。

 

沈黙。

 

「そうですか。」

 

ルークは頷く。

 

「では、旧共和国が帝国へ移行する決定的な契機となった事件について説明していただけますか。」

 

「えっ。」

 

固まるルーク。

 

レイアが本から顔を上げた。

 

大尋問官は表情一つ変えない。

 

「やはり聞いておられませんでしたね。」

 

「うっ……。」

 

ルークは肩を落とした。

 

「座学は退屈に思われるかもしれません。しかし知識は時になによりの武器となります。」

 

「はい……。」

 

しょんぼりと答えるルーク。

 

「私は聞いてましたよ、大尋問官。」

 

レイアが胸を張る。

 

「ですが今のお話は何度か聞いたことがあります。」

 

「ええ、承知しております。」

 

大尋問官は静かに頷く。

 

「重要な歴史は何度学んでも構いません。」

 

「わかりました。」

 

レイアも素直に頷いた。

 

「それと、私のことは先生とお呼びください。」

 

「「はい、先生。」」

 

二人の声が重なる。

 

 

 

「先生。」

 

「何でしょう。」

 

「後ろのそれってライトセーバーだよね?」

 

ルークは大尋問官を指差しながら言った。

 

先ほどまでの退屈そうな表情が嘘のようだった。

 

目が輝いている。

 

「お父さんのとは全然違う。」

 

「ええ。」

 

大尋問官はゆっくりとライトセーバーを取り外した。

 

「こちらもライトセーバーです。」

 

ルークとレイアが身を乗り出す。

 

「ジェダイは通常、自らの手でライトセーバーを組み上げます。」

 

大尋問官はそう言いながらライトセーバーを持ち上げる。

 

「しかし我々尋問官には専用に設計された装備が支給されます。」

 

円形のガード部。

 

その両端には光刃放射口。

 

一般的なライトセーバーとは明らかに異なる形状だった。

 

「複数の敵を相手にすることを想定して設計された武器です。」

 

そう言うと、大尋問官は起動した。

 

ブゥン――

 

赤い刃が伸びる。

 

「赤だ。」

 

ルークが呟く。

 

「本当。」

 

レイアも見つめる。

 

さらに反対側の刃も起動する。

 

両端から赤い光刃が現れた。

 

そして円形のガード部が回転を始める。

 

ブゥン――

 

唸るような音が部屋に響く。

 

「うわあ。」

 

レイアは顔をしかめた。

 

「変なの。」

 

「すごい!!」

 

対照的にルークは目を輝かせる。

 

「かっこいい!!」

 

大尋問官はセーバーを停止した。

 

「先生。」

 

今度はレイアが尋ねる。

 

「赤いライトセーバーを使うということは、先生はシスなのですか?」

 

その質問に部屋のトルーパーたちもわずかに反応した。

 

大尋問官は静かに首を横に振る。

 

「いいえ、レイア様。」

 

「私はシスではありません。」

 

「じゃあジェダイ?」

 

「それも違います。」

 

レイアは首を傾げた。

 

大尋問官は続ける。

 

「私は尋問官です。」

 

「皇帝陛下直属の特殊部隊。」

 

「その尋問官の長です。」

 

静かな声だった。

 

「かつてはジェダイとシスが存在しました。」

 

「しかし今は違います。」

 

ルークもレイアも黙って聞いている。

 

「フォースを扱う者が必ずしもジェダイかシスに属するとは限りません。」

 

レイアは納得したように頷いた。

 

「私たちもそうですね。」

 

「ええ。」

 

大尋問官も頷く。

 

「じゃあ、お父さんは?」

 

ルークが尋ねる。

 

大尋問官は少しだけ考えた。

 

 

「…皇帝陛下は、かつてシス卿ダース・ベイダーと呼ばれていました。今なおそのお名前で呼ぶ人もいますが。」

 

「今はちがうってこと?」

 

ルークが首を傾げる。

 

大尋問官は静かに答えた。

 

「今の皇帝陛下は、ジェダイともシスとも少々異なります。」

 

「少なくとも、私にはそう見えます。」

 

レイアが尋ねる。

 

「じゃあ何なの?」

 

大尋問官はわずかに口元を動かした。

 

「皇帝陛下は皇帝陛下です。」

 

ルークは納得していない顔をした。

 

レイアも少し考え込む。

 

だが大尋問官はそれ以上説明しなかった。

 

「さて。」

 

彼は話題を切り替える。

 

「そろそろ座学への集中力が限界のようですね。」

 

ルークの顔が明るくなる。

 

「次は実技を行いましょう。」

 

「やった!」

 

そして三人は中庭へ向かった。

 

――

皇帝宮殿 中庭

 

「私はお二人が現在どの程度フォースを扱えるのか報告では聞いております。」

大尋問官は歩きながら言った。

 

「ですが実際に見たことはありません。」

 

そう言うと立ち止まりポーチから二つの訓練用リモートを取り出す。

 

球体型の訓練ドロイド。

 

かつてジェダイ候補生たちも使用したものだった。

 

「まずは基本から始めましょう。」

 

二体のリモートを少し離れた場所へ置く。

 

「フォースで引き寄せてください。」

 

「わかった!」

 

「はい、先生。」

 

二人は同時に手を伸ばした。

 

静寂。

 

フォースが流れる。

 

先に反応したのはレイアだった。

 

リモートがゆっくりと浮かび上がる。

 

ぶれることなく一直線に進み――

 

彼女の手の中へ収まった。

 

「やった。」

 

レイアは小さく笑う。

 

「先を越された……。」

 

ルークが悔しそうに呟く。

 

「ルーク様。」

 

大尋問官が言う。

 

「集中です。」

 

「常に集中を切らしてはいけません。」

 

「わかってるよ、先生。」

 

ルークは深呼吸した。

 

目を閉じる。

 

集中。

 

すると次の瞬間。

 

リモートが勢いよく飛び上がった。

 

一直線にルークの手へ飛び込む。

 

パシッ

 

「やった!」

 

ルークが笑う。

 

「これくらいならいつもやってるからね!」

 

「私より遅かったくせに。」

 

レイアが言う。

 

「なんだって!?」

 

「事実よ。」

 

「お二人とも。」

 

大尋問官が口を開く。

 

二人は同時に黙った。

 

「落ち着いてください。」

 

そう言うと、大尋問官は彼らのリモートをフォースで瞬時に引き寄せ、起動する。

 

赤いランプが点灯する。

 

ルークが目を輝かせた。

 

レイアは嫌そうな顔をして言った。

 

「先生。」

 

「何でしょう。」

 

「嫌な予感がします。」

 

「次は回避能力を見せてください。」

 

大尋問官は淡々と言った。

 

 

 

――

 

コルサント。

 

最高戦略会議室。

 

巨大な円卓を囲むように帝国高官たちが着席していた。

 

軍人。

 

総督。

 

情報部。

 

各省庁の長官。

 

銀河帝国を支える中枢そのものだった。

 

室内には重苦しい空気が漂っている。

 

 

やがて扉が開く。

 

「皇帝陛下のご入室です。」

 

ターキン総督の声が響いた。

 

全員が起立する。

 

入ってきたのは黒衣の男

 

アナキン・スカイウォーカー。

 

銀河帝国皇帝。

 

彼は無言のまま最上席へ歩く。

 

全員が敬礼した。

 

アナキンが腰を下ろす。

 

数秒後。

 

「座れ。」

 

短い一言。

 

高官たちも着席した。

 

静寂。

 

アナキンは机上のデータパッドを開く。

 

「報告を。」

 





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